46 / 68
44話 女神ちゃんTV
しおりを挟む
「え、じゃあマジで狙ってやったわけじゃないの? アード卿の失脚って」
当然ですわ。
だって私に予知能力はありませんから。本当に“たまたま”あーなっただけです。
「それはそうだけど……って、やばっ。始まってるじゃん。はーい、女神ちゃんでーす! 皆、元気ー? というわけで来ました、女神ちゃんTV! 今回はついに44話ということでねー、いやー、ラッキーナンバーですよわたし的に!」
なんですの、それ。女神様?
「ん? いやー、最近この番組の視聴率よくってさー。それでせっかくだからエリちゃんもとい琴音ちゃんに登場してもらいましたー!」
私は聞いてませんが?
「まーまー、いーじゃんいーじゃん。それはそれ。これはこれ。というわけで、今回、色々動いたよねー。まさかアード卿が選挙戦から脱落だなんて」
まぁ、彼は運がなかったですわね。
「でた、ですわね。これが怖いのよー」
いえいえ。まさか本当に1週間以内に何か起こすとは思ってもませんでした。
「本当?」
嘘です。やらかすと思ってました。
「うわー、でた。これだよ、怖いのパート2!」
だってあの人。なんか視野が狭窄で思考回路も単純で、何より血統を重んじているでしょう? そういう人が何に腹を立てるか、ご存じ?
「うーん、なんだろうね。分かった、“愛”だね!」
答えは名誉を傷つけられる、ですわ。
彼は自分の下にいると思っていたガーヒルがいつの間にか対等の立場となって、自分の座るべき椅子に横入りしようとしてきた。
それが彼のくだらないプライドを刺激したのです。飼い犬に手を噛まれるってやつですね。
「ふーん。それでああなると?」
何が何でもガーヒルに負けるわけにはいかないでしょう。
だって仮に負けちゃったら、自分が見下していた相手以下ということになっちゃいますから。
「なるほど」
だからある程度強硬策に出ると思ったんです。
その一番がやっぱり実弾ですね。
「チャカ? チャカなの? トゥーハンドでレッツパーリィなアスタラビスタベイベーな感じなのね!」
その弾じゃないです。実弾。つまり“金”です。
「あー、なるほど。さすが政治家の娘」
そうなればあとは簡単。
彼がやらかすのを待てばいい。もちろん同じ貴族の中でやらかすはずもない。となれば上町か下町。そして下町に金がないのであれば、上町でやらかすしかない。
だからそこで待っていればきっと来ると信じてました。
「…………え、あの選挙事務所とかいうのを上町に作ったのってそのため!? そこから考えてたの!?」
そりゃ当然そうでしょう。
前パパは言ってましたわ。土地のつながりは大事だって。だから匂いが臭くても、態度が気に入らなくても、殴りたい顔面をしてても、グッと我慢して彼らの人気取りをするんだ。そうすれば浮動票やまとまった組織票がこちらに流れて来る仕組みだって。
「わぁ、出た前パパ。うん、てか前パパそんなことしてたの? 政治家だわー」
ま、問題は1週間という短い期間にちゃんと動いてくれるかってことでしたけど。意外とこらえ性がないのね、殿方って。
「あぁーい! いただきましたぁ! 男って、殿方って。もう琴音ちゃん、エロいわー!」
エロくないです。
「ふーん。てか色々企んでたねぇ、やっぱり」
何も企んでませんわ。ただ成り行きでそうなったというだけで。
「琴音ちゃん、未必の故意って知ってる?」
知りませんわ。
「即答してるー! これ知ってる反応ー! うわー、琴音ちゃん。極悪人だわー」
それはおかしいですわね。
だって私は何もしてませんもの。むしろ積極的に善を行っていましたわ。上町の人たちを助けて、犯罪者をしっかり逮捕させた。悪は強盗容疑のアード卿の方ですわ。
「うわー、怖いわー、琴音ちゃんといると、女神ちゃんも何か犯罪起こされそう」
大丈夫です。女神様に恨みはないので。今のところは。
「今のところって言ったー!! 怖い! この娘、神にも容赦なしだよ! 生きてるなら神様だって罪に落としてみせるだよ!」
大丈夫です。その場合でも私は何もしませんから。
ほら、昔から言うでしょう? 『私は悪くない。だって私は悪くないんだから』
「それどっちかっていうとわたしが言うやつー! わたしは悪くないー!」
ふふっ。大変ですね、女神様も。
「うー、誰のせいだと……。あ、はい! じゃあ今回はここまでー。というわけで面白くなってまいりましたねー。ついに宿敵との決戦! って感じで。はい、じゃあバイ女神ー!」
あ、そういえば女神様。勝手にこんな番組に私を呼んでましたよね。私に断りなく。ちょっと恨みパワーが……。
「わー! わー! 悪かったから! 今度はちゃんと琴音ちゃんに断り入れて、てかギャラ出す! 出すから私を貶めないでー! 今年も女神オブザイヤーの連覇が――――」
当然ですわ。
だって私に予知能力はありませんから。本当に“たまたま”あーなっただけです。
「それはそうだけど……って、やばっ。始まってるじゃん。はーい、女神ちゃんでーす! 皆、元気ー? というわけで来ました、女神ちゃんTV! 今回はついに44話ということでねー、いやー、ラッキーナンバーですよわたし的に!」
なんですの、それ。女神様?
「ん? いやー、最近この番組の視聴率よくってさー。それでせっかくだからエリちゃんもとい琴音ちゃんに登場してもらいましたー!」
私は聞いてませんが?
「まーまー、いーじゃんいーじゃん。それはそれ。これはこれ。というわけで、今回、色々動いたよねー。まさかアード卿が選挙戦から脱落だなんて」
まぁ、彼は運がなかったですわね。
「でた、ですわね。これが怖いのよー」
いえいえ。まさか本当に1週間以内に何か起こすとは思ってもませんでした。
「本当?」
嘘です。やらかすと思ってました。
「うわー、でた。これだよ、怖いのパート2!」
だってあの人。なんか視野が狭窄で思考回路も単純で、何より血統を重んじているでしょう? そういう人が何に腹を立てるか、ご存じ?
「うーん、なんだろうね。分かった、“愛”だね!」
答えは名誉を傷つけられる、ですわ。
彼は自分の下にいると思っていたガーヒルがいつの間にか対等の立場となって、自分の座るべき椅子に横入りしようとしてきた。
それが彼のくだらないプライドを刺激したのです。飼い犬に手を噛まれるってやつですね。
「ふーん。それでああなると?」
何が何でもガーヒルに負けるわけにはいかないでしょう。
だって仮に負けちゃったら、自分が見下していた相手以下ということになっちゃいますから。
「なるほど」
だからある程度強硬策に出ると思ったんです。
その一番がやっぱり実弾ですね。
「チャカ? チャカなの? トゥーハンドでレッツパーリィなアスタラビスタベイベーな感じなのね!」
その弾じゃないです。実弾。つまり“金”です。
「あー、なるほど。さすが政治家の娘」
そうなればあとは簡単。
彼がやらかすのを待てばいい。もちろん同じ貴族の中でやらかすはずもない。となれば上町か下町。そして下町に金がないのであれば、上町でやらかすしかない。
だからそこで待っていればきっと来ると信じてました。
「…………え、あの選挙事務所とかいうのを上町に作ったのってそのため!? そこから考えてたの!?」
そりゃ当然そうでしょう。
前パパは言ってましたわ。土地のつながりは大事だって。だから匂いが臭くても、態度が気に入らなくても、殴りたい顔面をしてても、グッと我慢して彼らの人気取りをするんだ。そうすれば浮動票やまとまった組織票がこちらに流れて来る仕組みだって。
「わぁ、出た前パパ。うん、てか前パパそんなことしてたの? 政治家だわー」
ま、問題は1週間という短い期間にちゃんと動いてくれるかってことでしたけど。意外とこらえ性がないのね、殿方って。
「あぁーい! いただきましたぁ! 男って、殿方って。もう琴音ちゃん、エロいわー!」
エロくないです。
「ふーん。てか色々企んでたねぇ、やっぱり」
何も企んでませんわ。ただ成り行きでそうなったというだけで。
「琴音ちゃん、未必の故意って知ってる?」
知りませんわ。
「即答してるー! これ知ってる反応ー! うわー、琴音ちゃん。極悪人だわー」
それはおかしいですわね。
だって私は何もしてませんもの。むしろ積極的に善を行っていましたわ。上町の人たちを助けて、犯罪者をしっかり逮捕させた。悪は強盗容疑のアード卿の方ですわ。
「うわー、怖いわー、琴音ちゃんといると、女神ちゃんも何か犯罪起こされそう」
大丈夫です。女神様に恨みはないので。今のところは。
「今のところって言ったー!! 怖い! この娘、神にも容赦なしだよ! 生きてるなら神様だって罪に落としてみせるだよ!」
大丈夫です。その場合でも私は何もしませんから。
ほら、昔から言うでしょう? 『私は悪くない。だって私は悪くないんだから』
「それどっちかっていうとわたしが言うやつー! わたしは悪くないー!」
ふふっ。大変ですね、女神様も。
「うー、誰のせいだと……。あ、はい! じゃあ今回はここまでー。というわけで面白くなってまいりましたねー。ついに宿敵との決戦! って感じで。はい、じゃあバイ女神ー!」
あ、そういえば女神様。勝手にこんな番組に私を呼んでましたよね。私に断りなく。ちょっと恨みパワーが……。
「わー! わー! 悪かったから! 今度はちゃんと琴音ちゃんに断り入れて、てかギャラ出す! 出すから私を貶めないでー! 今年も女神オブザイヤーの連覇が――――」
0
あなたにおすすめの小説
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました
小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。
しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!?
助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、
「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。
幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。
ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく!
ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる