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第6章 知力100の美少女に転生したので、世界を救ってみた
閑話48 クルレーン(オムカ王国鉄砲隊隊長)
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異変は突然だった。
南門の守備について、敵を銃撃していた時に急激に背後が爆ぜた。
爆破された。家屋が炎を上げているのが分かる。
悲鳴が重なった。
誰かが戦っている。
内通、裏切り、潜入。
可能性を疑ってもしょうがない。もはや敵が内部に侵入してきた。それは間違いようのない事実だ。
「ここは任せる。第2班は俺に続け」
部下にその場を託して城門から降りようとする。
内部と連動して外の敵も攻撃を激しくしてきたが、それより先に内部の敵だ。
そっちを片付ければ、外の敵は勝手に黙る。
だからそちらを先に排除すべく動いたわけだが。
その前に、最悪の事態が起きる。
再び爆発。
だが火の手は上がらない。
上がったのは――水だ。
オムカ王都の内部に通る川。
その川が爆発し、大量の水が天へと飛ぶ。
上昇すれば、その後に待ち受けるのは大量の落下というわけで――
「全員、銃を守れ!」
叫ぶ。だが遅かった。
水が土砂降りの雨のように南門周辺へと降り注ぐ。
いや、たたきつけるといった方が正しい。鉄砲を守るためにかがんだ背中に容赦なく水が襲い掛かる。
いくら改良を重ねたといっても、銃は精密機械だ。
完璧な防水加工はされていない。さらに火薬が湿気れば、発射しなくなる。それを狙ってやったのなら、敵は相当な知恵者だ。
「銃の点検は最低限! 敵を排除する!」
だがそうも状況が言っていられない。
部下に叫び、銃から水を抜きながら階段を駆け下りる。
階下はすでに戦闘が始まっていた。
いや、終わっていた。
敵は100人程度か。
さほど多くはないが、こちらも門には数人しか兵を配置してない。裏側から来る敵を防備するために人数を配置するのはナンセンスだからだ。
それが今や裏目に出た。
もう敵は内門に取りつき、閂を壊そうとしている。
いや、突破された。
あと外門を開けられれば敵の大軍が王都に流れ込む。
そうすれば負けだ。
「城壁の上にいる守備隊に連絡、半分をこっちに持ってこい。あと半分は内門の中にいる馬鹿どもを上から狙撃。あと土嚢を落とせ! 内門に陣を作る!」
伝令を城壁の上で指揮を執る部下に送りながらも、自分は銃を構えた。
階段を駆け下りながら連射する。
内門に陣取って、外門を中から破壊しようとする味方を守ろうとしている50名ほどだ。
狙いは適当。
だが6割は当たった。
部下たちも同様に銃撃を加えるが、立ち止まって撃つか、走りながら外すかだ。
無理もない。この状況。平時の対応はできない。
「突破して、内門で敵をせん滅するぞ!」
叫び、らしくないと思う。
だが、すでに動いていた。
敵の中に躍り込み、銃を連射。
至近距離だ。外すはずがない。
血が飛び散り、断末魔の叫びをあげて敵が倒れる。
もちろん相手も黙って標的になるつもりはないらしい。
剣を振りかざし斬りつけてくる。
それを銃身で受けた。蹴り飛ばす。よくも俺の銃を。
蹴り倒した相手に一発打ち込むと、転がって門の横に退避。
そこで弾を補充する。
無防備になる瞬間だが、その間は部下が弾幕を張って敵を釘付けにしてくれた。
「やれるかね。いや、やるしかない、か」
つぶやく。
まさか自分がここまで体を張るとは。
所詮は他国の戦だ。
ここまで命をかけるものじゃない。
けど、彼女。
あのジャンヌ・ダルクを放っておけない。
その想いでここまで来た。
そうでなければ、とっくに契約は打ち切っていたのだ。そもそも契約すらせずに、最期まで抵抗していたかもしれない。
それがこれだ。
元々、そこまで他人に干渉する性質でもなく、干渉されるのが好きな性質でもなかった。
それがここまで来るとなると、あの小さい体に、何か不思議な魅力があるのかもしれない。
ま、悪くはない。
そう思えることが誇りだった。
飛び出す。敵。撃った。剣が来る。受けた。もう1つ。避けられない。斬られた。浅い。銃で思いっきり殴りつける。連射。それで敵はひるむ。背後から銃声。
増援が来た。
勝てる。
だが――
「外門が突破されました!」
歯ぎしり。
くそ。こんなことが。
敵が勢いづいてくる。
城門が破られれば、外にいる数万の敵がどんどんとなだれ込む。
そうなれば終わりだ。
この都が、ジャンヌ・ダルクのいる世界が壊される。
それは、何よりも許せないことだ。
まだ敵は少ない。
一回退いて部下が土嚢で作っていた陣に飛び込む。
ここが最終防衛ラインだ。
ここを突破されれば、この国は終わる。
「爆雷あるな!」
隣にいた部下に叫ぶ。
「あ、はい。1人1つ。敵が城門に来るところで落とすつもりで持っていましたが……隊長、傷は」
「いい。それより全員聞け。これより爆雷で内門を落とす」
土嚢にバスバスと不吉な音が重なる。
敵も銃を使ってきたらしい。
もはや時間の問題だ。
「半分が爆雷を持って内門の方まで走る。そこで爆雷を内門の上に投げろ。残りは援護。いいな!」
「しかし、危険です!」
「危険もなにもない。ここでやらなきゃ全員死ぬだけだ」
「し、しかし……他国の戦いに我々が――」
文句を言う男の言葉が止まった。
言い切る前に、殴っていた。
分かってる。
他国の戦だ。
そこまで命を張る必要はない。
「俺たちクルレーンがここまで栄えてきたのはなぜか! 俺たちの戦いに誇りがあったからだ! たとえどんな状況だろうと、最後まで戦い抜いてきたからだ! だから戦う! それが俺たちだ!」
部下たちの空気が変わった。
よし、行ける。
「交代で出て俺は両方行く。行くぞ!」
気絶した男の爆雷を拾い、火をつけると、射撃の間隔を縫って土嚢を飛び出した。
後に部下が続き、援護射撃が始まる。
味方に誤射する馬鹿はいない。
それだけ信頼している。
20人ほどが走り、途中で5人が倒れた。
俺は内門の近くで爆雷を思いっきり投げた。
宙を舞う爆雷は、内門のあたりで爆発を起こす。
完全には崩れなかったものの、大きな石が落ちて敵の頭部に直撃するなどした。
残った部下たちも思い思いに投擲するが、完全に破壊までは至らない。
そこでもさらに部下が7人倒れる。
俺は戻りながら、倒れた部下の爆雷も回収する。
火がついていたものは、そのまま敵の方に投げた。
これで4つ。
「もう1回、行くぞ!」
もはや誰も何も言わない。
ただそれが当然のことのように、突撃し、射撃し、そして投擲する。
だがダメだ。崩れない。
そもそもそういうもののために作られたものではないのだ。城門も、爆雷も。
俺の手元に4つ。
それでやるしかない。
覚悟を決めて再び突っ込む。
片手で銃を操りながら敵を打倒していく。
投げた。飛距離が足りない。もっと近づかなければ。
敵。こちらを狙っているのが分かった。
だが何かもたもたしている。
悪いな。
戦場じゃあその腕前では長生きできない。
だからこっちも遠慮なくいかせてもらう。
銃をその敵に向かって銃で狙いを定め、引き金を引く。
カチッ
だが何も起こらない。
何度引き金を引いても弾が発射されない。
弾切れではない。
自分の残段数を把握しないほど耄碌しちゃいない。
まさか。ここでか。
先ほどの水。その影響か。
一瞬、動きが止まった気がする。
それが致命的だった。
熱い。
咄嗟に歯をかんだ。
そうしないと、みっともない声を出しそうだったからだ。
腹部。撃たれた。
次、肩に来た。
そうか。
そういうことか。
「隊長! 怪我を!」
すでに爆雷を投げ終わったらしい1人が傍に来た。
「いい。お前は戻れ。俺は、行く」
「お供します! 戦友の分、もう1つあります」
「……馬鹿が」
だが、愉快な気分だった。
走る。
部下の方が先だ。
そちらに敵の攻撃が集中する。
全身に銃弾を受けて部下が絶命する。
その爆雷を拾い、そのまま投げる。
もう1つ。投げた途端に、胸に来た。
へたくそめ。
しっかり頭を狙わないから、こんなことになる。
爆発した。
途端。ガラガラと大きな石が落ち、それが幾重にも重なって崩落となっていく。
敵が巻き添えを恐れて退いていく。
その間に達していた。内門の下だ。
「よぉ、お前ら」
声が出た。
まだ、声が出た。
「ここから先は通行止めだぜ」
「う、撃てー!」
敵の指揮官が叫ぶ。
途端、これ以上ないくらいの痛みが来た。
あー、くそ。
へたくそだ。
お前ら全員。
これが終わったら、お前らに銃というものは何かをみっちり教えてやらないと気が済まない。
何なら今見せてやろうか。
俺の銃。
銃はどこだ。
あぁ、あった。
湿気って満足に動作できない相棒。
今の俺のように。
あとは爆雷3つ。
それが今の自分のすべて。
ま、それもいい。
「に、逃げろー!」
馬鹿。もう遅い。
あぁ、これで彼女の借りは返せただろうか。
命の借り。
そして、面白いものを見せてもらった借り。
本当に彼女は魅力的だった。
はるか年下にも関わらず、自分にそう思わせるのは大したものだ。
一度抱いておけばよかったか。
はっ、まさか。あのオムカの矛と盾を敵に回す気にはなれない。
思えば、楽しい時間だった。
自分がそう思えるほどに。この2年くらいは充実していた。
だから満足だ。
この結末にも。
この別れにも。
だから――
「じゃあな、ジャンヌ・ダルク。楽しかった」
瞬間、すべてが光に包まれた。
南門の守備について、敵を銃撃していた時に急激に背後が爆ぜた。
爆破された。家屋が炎を上げているのが分かる。
悲鳴が重なった。
誰かが戦っている。
内通、裏切り、潜入。
可能性を疑ってもしょうがない。もはや敵が内部に侵入してきた。それは間違いようのない事実だ。
「ここは任せる。第2班は俺に続け」
部下にその場を託して城門から降りようとする。
内部と連動して外の敵も攻撃を激しくしてきたが、それより先に内部の敵だ。
そっちを片付ければ、外の敵は勝手に黙る。
だからそちらを先に排除すべく動いたわけだが。
その前に、最悪の事態が起きる。
再び爆発。
だが火の手は上がらない。
上がったのは――水だ。
オムカ王都の内部に通る川。
その川が爆発し、大量の水が天へと飛ぶ。
上昇すれば、その後に待ち受けるのは大量の落下というわけで――
「全員、銃を守れ!」
叫ぶ。だが遅かった。
水が土砂降りの雨のように南門周辺へと降り注ぐ。
いや、たたきつけるといった方が正しい。鉄砲を守るためにかがんだ背中に容赦なく水が襲い掛かる。
いくら改良を重ねたといっても、銃は精密機械だ。
完璧な防水加工はされていない。さらに火薬が湿気れば、発射しなくなる。それを狙ってやったのなら、敵は相当な知恵者だ。
「銃の点検は最低限! 敵を排除する!」
だがそうも状況が言っていられない。
部下に叫び、銃から水を抜きながら階段を駆け下りる。
階下はすでに戦闘が始まっていた。
いや、終わっていた。
敵は100人程度か。
さほど多くはないが、こちらも門には数人しか兵を配置してない。裏側から来る敵を防備するために人数を配置するのはナンセンスだからだ。
それが今や裏目に出た。
もう敵は内門に取りつき、閂を壊そうとしている。
いや、突破された。
あと外門を開けられれば敵の大軍が王都に流れ込む。
そうすれば負けだ。
「城壁の上にいる守備隊に連絡、半分をこっちに持ってこい。あと半分は内門の中にいる馬鹿どもを上から狙撃。あと土嚢を落とせ! 内門に陣を作る!」
伝令を城壁の上で指揮を執る部下に送りながらも、自分は銃を構えた。
階段を駆け下りながら連射する。
内門に陣取って、外門を中から破壊しようとする味方を守ろうとしている50名ほどだ。
狙いは適当。
だが6割は当たった。
部下たちも同様に銃撃を加えるが、立ち止まって撃つか、走りながら外すかだ。
無理もない。この状況。平時の対応はできない。
「突破して、内門で敵をせん滅するぞ!」
叫び、らしくないと思う。
だが、すでに動いていた。
敵の中に躍り込み、銃を連射。
至近距離だ。外すはずがない。
血が飛び散り、断末魔の叫びをあげて敵が倒れる。
もちろん相手も黙って標的になるつもりはないらしい。
剣を振りかざし斬りつけてくる。
それを銃身で受けた。蹴り飛ばす。よくも俺の銃を。
蹴り倒した相手に一発打ち込むと、転がって門の横に退避。
そこで弾を補充する。
無防備になる瞬間だが、その間は部下が弾幕を張って敵を釘付けにしてくれた。
「やれるかね。いや、やるしかない、か」
つぶやく。
まさか自分がここまで体を張るとは。
所詮は他国の戦だ。
ここまで命をかけるものじゃない。
けど、彼女。
あのジャンヌ・ダルクを放っておけない。
その想いでここまで来た。
そうでなければ、とっくに契約は打ち切っていたのだ。そもそも契約すらせずに、最期まで抵抗していたかもしれない。
それがこれだ。
元々、そこまで他人に干渉する性質でもなく、干渉されるのが好きな性質でもなかった。
それがここまで来るとなると、あの小さい体に、何か不思議な魅力があるのかもしれない。
ま、悪くはない。
そう思えることが誇りだった。
飛び出す。敵。撃った。剣が来る。受けた。もう1つ。避けられない。斬られた。浅い。銃で思いっきり殴りつける。連射。それで敵はひるむ。背後から銃声。
増援が来た。
勝てる。
だが――
「外門が突破されました!」
歯ぎしり。
くそ。こんなことが。
敵が勢いづいてくる。
城門が破られれば、外にいる数万の敵がどんどんとなだれ込む。
そうなれば終わりだ。
この都が、ジャンヌ・ダルクのいる世界が壊される。
それは、何よりも許せないことだ。
まだ敵は少ない。
一回退いて部下が土嚢で作っていた陣に飛び込む。
ここが最終防衛ラインだ。
ここを突破されれば、この国は終わる。
「爆雷あるな!」
隣にいた部下に叫ぶ。
「あ、はい。1人1つ。敵が城門に来るところで落とすつもりで持っていましたが……隊長、傷は」
「いい。それより全員聞け。これより爆雷で内門を落とす」
土嚢にバスバスと不吉な音が重なる。
敵も銃を使ってきたらしい。
もはや時間の問題だ。
「半分が爆雷を持って内門の方まで走る。そこで爆雷を内門の上に投げろ。残りは援護。いいな!」
「しかし、危険です!」
「危険もなにもない。ここでやらなきゃ全員死ぬだけだ」
「し、しかし……他国の戦いに我々が――」
文句を言う男の言葉が止まった。
言い切る前に、殴っていた。
分かってる。
他国の戦だ。
そこまで命を張る必要はない。
「俺たちクルレーンがここまで栄えてきたのはなぜか! 俺たちの戦いに誇りがあったからだ! たとえどんな状況だろうと、最後まで戦い抜いてきたからだ! だから戦う! それが俺たちだ!」
部下たちの空気が変わった。
よし、行ける。
「交代で出て俺は両方行く。行くぞ!」
気絶した男の爆雷を拾い、火をつけると、射撃の間隔を縫って土嚢を飛び出した。
後に部下が続き、援護射撃が始まる。
味方に誤射する馬鹿はいない。
それだけ信頼している。
20人ほどが走り、途中で5人が倒れた。
俺は内門の近くで爆雷を思いっきり投げた。
宙を舞う爆雷は、内門のあたりで爆発を起こす。
完全には崩れなかったものの、大きな石が落ちて敵の頭部に直撃するなどした。
残った部下たちも思い思いに投擲するが、完全に破壊までは至らない。
そこでもさらに部下が7人倒れる。
俺は戻りながら、倒れた部下の爆雷も回収する。
火がついていたものは、そのまま敵の方に投げた。
これで4つ。
「もう1回、行くぞ!」
もはや誰も何も言わない。
ただそれが当然のことのように、突撃し、射撃し、そして投擲する。
だがダメだ。崩れない。
そもそもそういうもののために作られたものではないのだ。城門も、爆雷も。
俺の手元に4つ。
それでやるしかない。
覚悟を決めて再び突っ込む。
片手で銃を操りながら敵を打倒していく。
投げた。飛距離が足りない。もっと近づかなければ。
敵。こちらを狙っているのが分かった。
だが何かもたもたしている。
悪いな。
戦場じゃあその腕前では長生きできない。
だからこっちも遠慮なくいかせてもらう。
銃をその敵に向かって銃で狙いを定め、引き金を引く。
カチッ
だが何も起こらない。
何度引き金を引いても弾が発射されない。
弾切れではない。
自分の残段数を把握しないほど耄碌しちゃいない。
まさか。ここでか。
先ほどの水。その影響か。
一瞬、動きが止まった気がする。
それが致命的だった。
熱い。
咄嗟に歯をかんだ。
そうしないと、みっともない声を出しそうだったからだ。
腹部。撃たれた。
次、肩に来た。
そうか。
そういうことか。
「隊長! 怪我を!」
すでに爆雷を投げ終わったらしい1人が傍に来た。
「いい。お前は戻れ。俺は、行く」
「お供します! 戦友の分、もう1つあります」
「……馬鹿が」
だが、愉快な気分だった。
走る。
部下の方が先だ。
そちらに敵の攻撃が集中する。
全身に銃弾を受けて部下が絶命する。
その爆雷を拾い、そのまま投げる。
もう1つ。投げた途端に、胸に来た。
へたくそめ。
しっかり頭を狙わないから、こんなことになる。
爆発した。
途端。ガラガラと大きな石が落ち、それが幾重にも重なって崩落となっていく。
敵が巻き添えを恐れて退いていく。
その間に達していた。内門の下だ。
「よぉ、お前ら」
声が出た。
まだ、声が出た。
「ここから先は通行止めだぜ」
「う、撃てー!」
敵の指揮官が叫ぶ。
途端、これ以上ないくらいの痛みが来た。
あー、くそ。
へたくそだ。
お前ら全員。
これが終わったら、お前らに銃というものは何かをみっちり教えてやらないと気が済まない。
何なら今見せてやろうか。
俺の銃。
銃はどこだ。
あぁ、あった。
湿気って満足に動作できない相棒。
今の俺のように。
あとは爆雷3つ。
それが今の自分のすべて。
ま、それもいい。
「に、逃げろー!」
馬鹿。もう遅い。
あぁ、これで彼女の借りは返せただろうか。
命の借り。
そして、面白いものを見せてもらった借り。
本当に彼女は魅力的だった。
はるか年下にも関わらず、自分にそう思わせるのは大したものだ。
一度抱いておけばよかったか。
はっ、まさか。あのオムカの矛と盾を敵に回す気にはなれない。
思えば、楽しい時間だった。
自分がそう思えるほどに。この2年くらいは充実していた。
だから満足だ。
この結末にも。
この別れにも。
だから――
「じゃあな、ジャンヌ・ダルク。楽しかった」
瞬間、すべてが光に包まれた。
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