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第4章 ジャンヌの西進
閑話26 椎葉達臣(エイン帝国プレイヤー)
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失敗したと思った。
大地から噴き出した敵をあぶる炎。
自分のスキル『罪を清める浄化の炎』によるものだが、その火力が大きすぎた。
特定の位置を指定して火を起こすスキルだが、できるのは着火と火力調整のみで消火はできないのだ。
このスキルがあればあの双子を焼き殺すことなど簡単だが、加減するのが難しく、最悪の場合、主都が灰燼(かいじん)と化す。
つまりそこに住む何万もの人を殺すことになるわけで、そんな覚悟はできず、今に至るわけだが。
だから3つの門はしばらく使用不能。
しかたなく唯一無事な西門から出たのはいいが、移動に手間取って外に出た時には敵はすでに遠くなっていた。
ここまで負けに負けを装って引き込み、一気に決める作戦が、最後の最後でへまをする。
やっぱり自分はこの程度だ。
「さすが、大勝利ですね」
タニアが興奮気味に言うが、自分が思い描いていた戦果には程遠い。
ひょっとしたら無意識のうちに追撃をセーブしていたのかもしれない。
『立花里奈さんというプレイヤーがいました』
諸人さんがそう告げた時、自分の中に激しい動揺と、説明しようのない不安が渦巻いた。
あるいは、と思った。
やはり、と思った。
オムカに向かった里奈。
この世界ではそうそう単独で生きられないのは自分がよく知っている。
里奈もそうだろう。
だからオムカのプレイヤーで一番の実力者を頼るしかない。
そう、ジャンヌ・ダルクだ。
となれば、彼女と共に従軍していることはありえるということで。
そもそも諸人さんは僕と彼女の関係を知ったうえで話したわけではないだろう。
キッドが大怪我を負って、その話の延長線上で出た話題だからだ。
ただ、彼らの語る里奈の話は、自分の知っている里奈とはどうしても結びつかなかった。
想像以上に出た犠牲。
その大半は、敵も味方も関係なく殺戮した1人の女性によるものだったからだ。
そんなことを、あの里奈がするわけがない。あれほど臆病で、優しくて、明るくて、欠けている里奈が……。
いや、今はもう考えるな。
劣っている身としては、自分も里奈もと何もかもできるわけがない。
だから今は、目下できることをするだけだ。
「追撃します」
「はっ!」
タニア以下、5千の将兵の声に一瞬喉が詰まる。
これまでわざととはいえ、負け続けていたのだから、彼らとしても鬱憤が溜まっているのだろう。
正直、これまでの時間は辛かった。
わざと負けるといっても、相手に悟られてはいけないから、ところどころでは本気で戦う必要がある。それに目的が知られたら意味がないので、わざと負けることを知っているのは上層部のさらに一部のみだった。
だから今に至るまで、末端の兵からは無能呼ばわりされ、知らされていない上層部からはあからさまに無視されたり舌打ちされたりした日々が続いた。
そもそもが新参者の部外者なのだ。そう思われても仕方ない。
それをなんとか抑えてくれたのがタニアだから、本当に彼女には頭が上がらない。
将軍の想いとは別に、彼女にはなんとか報いてあげたいと思う。
そして今。
ここまで来て熱を帯びた背後の将兵が怖い。
もしかしたら刺されるんじゃないかと思ってしまうのだ。
だがそれは杞憂だった。
「さぁ、行きましょう、将軍!」「俺は将軍はやればできるって思ってました!」「なんで上から目線なんだよ!」「デュエイン将軍の目が確かだったことが分かって……俺は……俺は!」
何かが違う。
そんな気がする。
どうして彼らはそんなことを言うのだろう。
こんな最後の最後で失敗した僕を。まるで家族のように包み込んでくれるのは何故だ。
隣を見る。
タニアが泣きそうな顔で笑っている。それも理解ができない。
いや、こんな表情を一度だけ見たことがある。
里奈。
彼女が明彦に、初めて自分から話しかけた時。
あの2人が、僕が、友達になった時。
あの時も彼女はこんな泣き笑いみたいな表情をしていた。
里奈の表情は明彦に向けられていた。
では今、タニアは誰にだ。
僕になのか?
ならその意味はなんだ?
分からない。
分からないから、とりあえず進もうか。
「前進」
その言葉と共に動き出す。
全軍が興奮を押し殺して、命令に従って歩み始める。
追撃。
それは執拗なものになっているはずだ。
東進すればするほど、そこらに人の死体が転がっている。
無残なものだ。
これも僕が引き起こしたこと。
しかも僕が考えたわけじゃない。僕の知恵でもない。
『この時の計略が凄いんだ。十面埋伏の計。程昱って軍師が進言したんだけど、逃げながら敵を引き付けたところで一気に逆襲。敵が崩れた時に第1段の伏兵が左右から敵を挟撃する。そうなったら3方向から攻撃を受けるから、敵は後退する。その後退したところに2段、3段と次々に伏兵が襲いかかるから、もう敵はたまらず逃げ出す必殺の作戦だ。もちろん、これには伏兵が襲いかかるタイミングとか、敵をつり出すまで負けないこととか高度な戦術が必要なわけで、これは島津家の“釣り野伏”にも通じる――』
そんな感じのことを、あの歴史馬鹿が語っていたのを思い出しただけだ。
あまりよく分からなかったけど、引っ張って伸びたところを横から10隊が攻撃すればいいんだということは分かった。
だからそうした。
第1段は潰走させられたが、これがあと4段、8隊による攻撃が行われるのだ。
それにこうとも言っていた。
『囲師は周するなかれ、帰帥はとどむるなかれ。敵を完全包囲しちゃいけないし、逃げる敵の前を塞いじゃいけない。つまり相手を絶体絶命に追い詰めちゃいけない。そうなると窮鼠猫をかむのことわざ通り、必死になった相手に逆襲される可能性があるんだ』
だからそうした。
相手を逃げるがままに、横と後ろから攻撃する。
そして極めつけ。
その仕上げのために、僕は今、馬を走らせる。
さらには諸人さんとキッドにも動いてもらっている。
できればこれで終わってほしい。
ここで敵を壊滅させ、ジャンヌ・ダルクとかいうプレイヤーを倒せば後は帝国を遮るものはない。
あとは里奈を探して元の世界に戻る。
そうなった後に、明彦と一緒にまた語り合うのもいい。
そんな夢を、馬に揺られながらわずかに思った。
大地から噴き出した敵をあぶる炎。
自分のスキル『罪を清める浄化の炎』によるものだが、その火力が大きすぎた。
特定の位置を指定して火を起こすスキルだが、できるのは着火と火力調整のみで消火はできないのだ。
このスキルがあればあの双子を焼き殺すことなど簡単だが、加減するのが難しく、最悪の場合、主都が灰燼(かいじん)と化す。
つまりそこに住む何万もの人を殺すことになるわけで、そんな覚悟はできず、今に至るわけだが。
だから3つの門はしばらく使用不能。
しかたなく唯一無事な西門から出たのはいいが、移動に手間取って外に出た時には敵はすでに遠くなっていた。
ここまで負けに負けを装って引き込み、一気に決める作戦が、最後の最後でへまをする。
やっぱり自分はこの程度だ。
「さすが、大勝利ですね」
タニアが興奮気味に言うが、自分が思い描いていた戦果には程遠い。
ひょっとしたら無意識のうちに追撃をセーブしていたのかもしれない。
『立花里奈さんというプレイヤーがいました』
諸人さんがそう告げた時、自分の中に激しい動揺と、説明しようのない不安が渦巻いた。
あるいは、と思った。
やはり、と思った。
オムカに向かった里奈。
この世界ではそうそう単独で生きられないのは自分がよく知っている。
里奈もそうだろう。
だからオムカのプレイヤーで一番の実力者を頼るしかない。
そう、ジャンヌ・ダルクだ。
となれば、彼女と共に従軍していることはありえるということで。
そもそも諸人さんは僕と彼女の関係を知ったうえで話したわけではないだろう。
キッドが大怪我を負って、その話の延長線上で出た話題だからだ。
ただ、彼らの語る里奈の話は、自分の知っている里奈とはどうしても結びつかなかった。
想像以上に出た犠牲。
その大半は、敵も味方も関係なく殺戮した1人の女性によるものだったからだ。
そんなことを、あの里奈がするわけがない。あれほど臆病で、優しくて、明るくて、欠けている里奈が……。
いや、今はもう考えるな。
劣っている身としては、自分も里奈もと何もかもできるわけがない。
だから今は、目下できることをするだけだ。
「追撃します」
「はっ!」
タニア以下、5千の将兵の声に一瞬喉が詰まる。
これまでわざととはいえ、負け続けていたのだから、彼らとしても鬱憤が溜まっているのだろう。
正直、これまでの時間は辛かった。
わざと負けるといっても、相手に悟られてはいけないから、ところどころでは本気で戦う必要がある。それに目的が知られたら意味がないので、わざと負けることを知っているのは上層部のさらに一部のみだった。
だから今に至るまで、末端の兵からは無能呼ばわりされ、知らされていない上層部からはあからさまに無視されたり舌打ちされたりした日々が続いた。
そもそもが新参者の部外者なのだ。そう思われても仕方ない。
それをなんとか抑えてくれたのがタニアだから、本当に彼女には頭が上がらない。
将軍の想いとは別に、彼女にはなんとか報いてあげたいと思う。
そして今。
ここまで来て熱を帯びた背後の将兵が怖い。
もしかしたら刺されるんじゃないかと思ってしまうのだ。
だがそれは杞憂だった。
「さぁ、行きましょう、将軍!」「俺は将軍はやればできるって思ってました!」「なんで上から目線なんだよ!」「デュエイン将軍の目が確かだったことが分かって……俺は……俺は!」
何かが違う。
そんな気がする。
どうして彼らはそんなことを言うのだろう。
こんな最後の最後で失敗した僕を。まるで家族のように包み込んでくれるのは何故だ。
隣を見る。
タニアが泣きそうな顔で笑っている。それも理解ができない。
いや、こんな表情を一度だけ見たことがある。
里奈。
彼女が明彦に、初めて自分から話しかけた時。
あの2人が、僕が、友達になった時。
あの時も彼女はこんな泣き笑いみたいな表情をしていた。
里奈の表情は明彦に向けられていた。
では今、タニアは誰にだ。
僕になのか?
ならその意味はなんだ?
分からない。
分からないから、とりあえず進もうか。
「前進」
その言葉と共に動き出す。
全軍が興奮を押し殺して、命令に従って歩み始める。
追撃。
それは執拗なものになっているはずだ。
東進すればするほど、そこらに人の死体が転がっている。
無残なものだ。
これも僕が引き起こしたこと。
しかも僕が考えたわけじゃない。僕の知恵でもない。
『この時の計略が凄いんだ。十面埋伏の計。程昱って軍師が進言したんだけど、逃げながら敵を引き付けたところで一気に逆襲。敵が崩れた時に第1段の伏兵が左右から敵を挟撃する。そうなったら3方向から攻撃を受けるから、敵は後退する。その後退したところに2段、3段と次々に伏兵が襲いかかるから、もう敵はたまらず逃げ出す必殺の作戦だ。もちろん、これには伏兵が襲いかかるタイミングとか、敵をつり出すまで負けないこととか高度な戦術が必要なわけで、これは島津家の“釣り野伏”にも通じる――』
そんな感じのことを、あの歴史馬鹿が語っていたのを思い出しただけだ。
あまりよく分からなかったけど、引っ張って伸びたところを横から10隊が攻撃すればいいんだということは分かった。
だからそうした。
第1段は潰走させられたが、これがあと4段、8隊による攻撃が行われるのだ。
それにこうとも言っていた。
『囲師は周するなかれ、帰帥はとどむるなかれ。敵を完全包囲しちゃいけないし、逃げる敵の前を塞いじゃいけない。つまり相手を絶体絶命に追い詰めちゃいけない。そうなると窮鼠猫をかむのことわざ通り、必死になった相手に逆襲される可能性があるんだ』
だからそうした。
相手を逃げるがままに、横と後ろから攻撃する。
そして極めつけ。
その仕上げのために、僕は今、馬を走らせる。
さらには諸人さんとキッドにも動いてもらっている。
できればこれで終わってほしい。
ここで敵を壊滅させ、ジャンヌ・ダルクとかいうプレイヤーを倒せば後は帝国を遮るものはない。
あとは里奈を探して元の世界に戻る。
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そんな夢を、馬に揺られながらわずかに思った。
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