本当の外れスキルのスロー生活物語

転定妙用

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辺境小領主になります

迷った挙句ではあるが

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 よくある英雄譚のように、
「お前のような屑スキルの役立たずは、我が家から出ていけ!」
と追放されたわけではない、彼のスキルが明らかになった、或いは次男の剣神のスキルが明らかになった時に。スキルが明らかになって7年間、長男としてちゃんと待遇されていた。
 それは、まず、スキルの種類又は有無で、貴族の当主が決まるわけではない、必ずしも必要十分条件ではないのである。
 もう一つは、鑑定士が言ったように、彼のスキルは不明な、今まで例の無いものである。訳の分からないスキルは、意外な能力を持っているということは、過去にも例がある。英雄譚では、これまた例が多いのである。
 だから、両親は迷った。
「我が家は伝統的に軍事的役割を演ずることを家訓としている。」
とともに、実際そう思っているものの、頭ごなしに罵るべきことなく、無慈悲に追放することはなかった。
 両親は、まずはチャンスを与えることとしたのである。
 士官学校に入学して、優秀な成績を得たら、次期当主にと考えてもいいかもしれない、と考えた。
 また、最初に彼が作った手作りの箱庭の中に、彼が望んだ環境が形成されたのを見た両親というか、彼付きの執事が、その範囲が大きくなる可能性もあるから、その成長の様子をみるべきではないかと考えたからでもある。
 ということからだった。結果はというと、前者は微妙ということであり、後者は不合格だった。

 士官学校での成績は上の下というところであり、自治会役員、会長ではなく書紀だ、これは位、爵位でとかはあまり関係なく選ばれる、に選ばれたし、表彰状もいくつかもらった、最高ではなくその次と言ったところのものばかりだったが、決して悪かったわけではない。優秀な卒業生の枠にもはいった、本当にギリギリだったが。ある程度華やかな実績を上げた士官学校生活だが、華々しく開花してゆく次男の剣神スキルと比べて、その差は月とすっぽんの差よりはかなりまし、と言うものに過ぎなかった。次男を次期公爵にする、ということを覆すには到底できなかった。
 スキルはと言うと、士官学校に入る頃には、2人部屋だったが、その部屋全体が夏は涼しく、冬は暖かい、ダニとかはでない、汚れはない、何故か明るい、寝る時には暗くなる、夏は冷たいものがずっと冷たいままだし、冬は湯は冷めない等の快適空間にすることができる程になっていた。部屋の中で育てていたプランターの植物は、考えられないくらい大輪の美しく芳しい花を咲かせ、本来あるあり得ない甘い蜜を、取れる程だすわ、美味しい実までなった、しかも士官学校時代ずっと花を咲かせ、蜜も実も提供してくれたし、その花びらを入れた茶は美味で、元気が出て・・・と。王太子殿下まで、噂を聞いて飲みに訪れたし、国王陛下にお土産ということで要望されて、手渡したところ、礼状まで来たほどだった。
 そして、士官学校卒業後、軍隊に2年間勤務
、これも感状を二つもらっていたが、素晴らしい活躍とまではいかなかった。さらに実家に戻っての1年間で、そのスキルの成長の具合を分かりやすく見るため、屋敷の庭の小さな東屋を自分の部屋として、周囲に家庭菜園を営むことが許された。東屋の中は快適空間、色々なことが上手く行く、外の菜園は一年中美味な野菜が果物が・・・小さいながらも聖樹が育ち、どこから種が飛んできたのか分からないが・・・まで成長したが、東屋も含めて200㎡強でしかなかった。直接的な比較からみれば、三男が広い荒れ地の開拓をまかされて、瞬く間に大成功を収めた開拓スキルとは雲泥の差であることはあきらかだった。箱庭は箱庭でしかないのだ。妹たちも次男と負けないくらい、負けないだろうというものを見せた。とにかく次男の剣神としての驀進、当人だけでなく誰もが認める努力、それは弟妹全て同様だが、もあり、オズワ二男がエバンス公爵家の当主として相応しいとは言いことがはっきりしたのだった。
 だから公爵夫妻は、できる限り、長男を次期当主とする理由付けができないかと、成長を見守ったというところだった。結果としては、それを裏切ったというところだった。オズワルドも、
「随分我慢強く、待ってくれたものだ。」
と納得しているところだった。

 ちなみに、このような一見外れスキル、本当にちんけなスキルだが、で追放される主人公には、彼を慕う美人で有能で、かつ巨乳の侍女と優れた戦闘スキルを持つ元婚約者、彼の追放で婚約解消になったが当人はそれを認めず、主人公についてくるのが、その筋の物語りの王道であるが、オズワルドの場合はそうではなかった。
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