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辺境小領主になります
侍女も元婚約者もついてきてくれません
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「は~。」
とオズワルドはつい、ため息をついてしまった。
執事のサンスベ―ルが、それを目ざとく見つけて、
「どうなさいました?」
「え・・・それは・・・オスカーのことを思い出してな。」
本当は同じ馬車にいる小柄の侍女の地味な、彼好みではない顔を見て、長年彼付きで働いていた侍女の顔、長身で彼好みの、と思い比べてのことだったのであるが、それを言うこともできず、この一年以上聖樹からの実、樹液、蜜、花びら、葉、それで作った菓子、茶、飲料などの買い手である商人のオスカーのことに、咄嗟にしたのである。
サンスベ―ルは、納得したという顔で、
「あの男は、長年恩のあるオズワルド様に、あのような仕打ちをしましたからな。お怒りになって当然ですよ。」
長身の長い顔のサンスベ―ルも不快そうな顔をしていた。
「商売がかかっているからな。選別代りに、色々と世話してくれたし、文句も言えまい。」
「オズワルド様は寛大ですな。」
そんなことはないが、と彼は思ったが、口にはださなかった。
「これをどうしろと?」
軍隊を退役し、実家に戻ってしばらくして、出入りの商人であり、古くからの付き合いであるオスカーに、オズワルドに聖樹の葉を混ぜた茶を少量渡した。それが入った小さな包みが、テーブルの上に置かれたのを訝し気に彼は見た。
「見本・・・と思えばいい。今回は無料で渡すから、お前も試して、これはという冒険者に試しに使ってくれといって渡して見てくれ。欲しいということになったら、お互いに商売だ。あ、お前が飲んでいる茶もそれだよ。」
「確かに美味しいですね・・・それに疲れもとれたように・・・・。でも、回復薬というものがありますからね・・・需要が生まれるかどうか?」
「それと同等の回復薬より安い価格にすればいい。そこから、それぞれの取り分をきめようじゃないか?」
「そこまでおっしゃるのなら・・・。」
と彼は、賢く、何時でも計算づくのような、同時に人当たりの良さそうな、一見胡散臭そうな表情でその包みを懐にしまった。
結果は上々だった。かなり高品質の回復薬に匹敵するとの評判となった。その回復薬よりはかなり低い価格で、売り出した。小さな聖樹1本からの産物であるから供給量が少ないから、やろうと思えば需給関係から暴利をむさぼることも出来たが、彼はそのようなことをせず、なくなれば販売を終了した。売上利益の4割はオズワルドに渡し、オズワルドは半分を家にいれた。些細な金額とはいえ、多少の貢献となれば、辺境の小領主にはならないだろうと踏んでいた。が、その期待をぶち壊したのが、オスカーである。
彼はどこで話をつけて来たのか、ハイエルフに聖樹との契約、世話をするハイエルフの女を確保したのである。彼女がいれば、エバンス家にある聖樹は本当の聖樹となれる、つまり現在ではそうではないということだ、オズワルドがいなくてもオスカーは、聖樹からの産品を冒険者達に提供できるし、多分本当の聖樹となれば収穫も多くなり、彼の手元にも、エバンス公爵家にもより多くの利益を約束してくれる、と判断したからだ。両親は彼の提案に同意して、オズワルドを辺境に飛ばすことにしたのであるとは言えないものの、後押しをしたというのは事実だろう。
実は、それは彼とエルフの思い込みで、この後慌てることになるのだが。
ある意味、そのせいで彼は辺境に飛ばされることになったのである。そしてひいては、それによって、長年彼に仕えていた、彼好みの美人侍女が彼との同行を拒否することになったのである。
「もういい。あとは俺がやる。お前は、自分の荷造りをしろ。」
「私の荷造りは必要ありません。」
「?」
「私は、オズワルド様には同行いたしませんから。」
とオズワルドはつい、ため息をついてしまった。
執事のサンスベ―ルが、それを目ざとく見つけて、
「どうなさいました?」
「え・・・それは・・・オスカーのことを思い出してな。」
本当は同じ馬車にいる小柄の侍女の地味な、彼好みではない顔を見て、長年彼付きで働いていた侍女の顔、長身で彼好みの、と思い比べてのことだったのであるが、それを言うこともできず、この一年以上聖樹からの実、樹液、蜜、花びら、葉、それで作った菓子、茶、飲料などの買い手である商人のオスカーのことに、咄嗟にしたのである。
サンスベ―ルは、納得したという顔で、
「あの男は、長年恩のあるオズワルド様に、あのような仕打ちをしましたからな。お怒りになって当然ですよ。」
長身の長い顔のサンスベ―ルも不快そうな顔をしていた。
「商売がかかっているからな。選別代りに、色々と世話してくれたし、文句も言えまい。」
「オズワルド様は寛大ですな。」
そんなことはないが、と彼は思ったが、口にはださなかった。
「これをどうしろと?」
軍隊を退役し、実家に戻ってしばらくして、出入りの商人であり、古くからの付き合いであるオスカーに、オズワルドに聖樹の葉を混ぜた茶を少量渡した。それが入った小さな包みが、テーブルの上に置かれたのを訝し気に彼は見た。
「見本・・・と思えばいい。今回は無料で渡すから、お前も試して、これはという冒険者に試しに使ってくれといって渡して見てくれ。欲しいということになったら、お互いに商売だ。あ、お前が飲んでいる茶もそれだよ。」
「確かに美味しいですね・・・それに疲れもとれたように・・・・。でも、回復薬というものがありますからね・・・需要が生まれるかどうか?」
「それと同等の回復薬より安い価格にすればいい。そこから、それぞれの取り分をきめようじゃないか?」
「そこまでおっしゃるのなら・・・。」
と彼は、賢く、何時でも計算づくのような、同時に人当たりの良さそうな、一見胡散臭そうな表情でその包みを懐にしまった。
結果は上々だった。かなり高品質の回復薬に匹敵するとの評判となった。その回復薬よりはかなり低い価格で、売り出した。小さな聖樹1本からの産物であるから供給量が少ないから、やろうと思えば需給関係から暴利をむさぼることも出来たが、彼はそのようなことをせず、なくなれば販売を終了した。売上利益の4割はオズワルドに渡し、オズワルドは半分を家にいれた。些細な金額とはいえ、多少の貢献となれば、辺境の小領主にはならないだろうと踏んでいた。が、その期待をぶち壊したのが、オスカーである。
彼はどこで話をつけて来たのか、ハイエルフに聖樹との契約、世話をするハイエルフの女を確保したのである。彼女がいれば、エバンス家にある聖樹は本当の聖樹となれる、つまり現在ではそうではないということだ、オズワルドがいなくてもオスカーは、聖樹からの産品を冒険者達に提供できるし、多分本当の聖樹となれば収穫も多くなり、彼の手元にも、エバンス公爵家にもより多くの利益を約束してくれる、と判断したからだ。両親は彼の提案に同意して、オズワルドを辺境に飛ばすことにしたのであるとは言えないものの、後押しをしたというのは事実だろう。
実は、それは彼とエルフの思い込みで、この後慌てることになるのだが。
ある意味、そのせいで彼は辺境に飛ばされることになったのである。そしてひいては、それによって、長年彼に仕えていた、彼好みの美人侍女が彼との同行を拒否することになったのである。
「もういい。あとは俺がやる。お前は、自分の荷造りをしろ。」
「私の荷造りは必要ありません。」
「?」
「私は、オズワルド様には同行いたしませんから。」
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