本当の外れスキルのスロー生活物語

転定妙用

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田舎の小領主に千客万来

それは記憶にございません

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「それで、お兄様。お互いの体を擦り付けあったのは、何時のことだったのですか?お話を聞いていますと、そのような戦いの場面はないように思えるのですが?」
と混乱から回復したメリーベルが、鋭い目つきで質問した。続けて、メリーウェザーが、
「魔王妻と勇者様、お二人と兄上は、離れて戦っていたように思えるのですが?お二人の見事な胸の感触を兄上がお楽しみになられることはないと思いますが?」
と問い詰めて来た。
 それに、ラグトリとトーリンというと真面目な顔でしきりに頷いた。
「どういう時だったかしら?確かに、彼の体の感触を私の胸は記憶しているのだけど・・・。」
「同じね、私も。形勢逆転してからも、一進一退しながら次第に・・・だったけど・・・。倒れて、よろけたところを、彼に抱き起された時に肌が触れ合ったような気が・・・かしら?彼の胸に私の胸が・・・かしら?」
「そう言えば、奴の魔法で飛ばされた時に彼がかばってくれて・・・、その時彼の手が私の胸を・・・不可抗力でしようけど・・・。」
「ああ、私もそんなことがあった・・・ような?」
と手を胸に置いたりしながら、2人はいかに体が接触しあったかを話し始めた。
「いい加減にしてくださいよ。妻達や妹達が誤解するでしょう。」
 呆れたように、困ったようにオズワルドは懇願するように二人に言った。
「では、どうだったのですか?」
「全くそういうことがなかったと?」
 ようやくラグトリとトーリンが参戦してきた、遅れて。
「それは・・・記憶にございません。」
と彼は頭を下げた。ただ、彼には少し記憶がよみがえっていた。

 戦いが勝利に終わった後、かなり苦しい戦いだったから、3人で我を忘れて喜びに浸った。ボロボロになりかけた鎧、衣服で、肌がかなり露出した状態で、抱き合ったり、頬を擦り付けあったり、手を、拳をぶつけ合ったりして喜び合った。その時、彼は彼女達の肌の感触、体臭を感じたものだった。その時は、こうした関係を婚約者と過ごしたいと思った記憶があると同時に、彼女達の体に魅惑を感じたのも事実だった。今思い出すと、つい欲情を感じさえした。そのことは、顔に一切現わさなかった、そのつもりだった、彼は少なくとも。
 
「訪れた目的は、魔樹の育ち具合を見にきたのよ。」
「魔王様から、魔樹の種をもらったんだよ。」
「オズワルド殿が、自分の箱にはで聖樹が発育していると言ったので、魔王が育てられるかどうかやってみろ、と言い出したのよ。祝賀会で三人が顔を合わせた時だったわね。もう、3人とも酒を飲んでいてしたたかに酔っていたから、やれるか、できますよ、じゃあやってみろ的な売り言葉買い言葉していた結果ね。」
「あの時、一士官で隅にいた私のところに押しかけてきた、という感じでしたよ。」
「まあ、それはともかく、彼は引き受けた。その結果が知りたくなったのよ。」
「それでは、ご覧になりますか?」
「え、魔樹なんかがあるんですの?」
 妻達、妹達がハーモニーして驚いた。

 魔樹か一本、聖樹のある家庭菜園・果樹園等から少し離れたところに、聖樹と同様3mほどの高さになっていて、たわわに実をつけていた。周囲には小さ目な家庭菜園が作られていた。
「ああ、こんなところにあったのですね。」
「義姉様。気が付かなかったのですか?」
「聖樹の一種かなと・・・。」
「私も言わなかったしね。」
「オズワルド殿の手になると、魔樹はこういう姿になるのか?」
「種を植えて育つということは魔界ではなかった。いつの間にか育った、巨大な魔樹を崇拝しているというのが、私の知っているものだ。全てが私の知っているものではないわね。この実などは、食べられるの?」
「実や樹液の性格が聖樹とは違うので、時間が少しかかりましたが、利用、加工できるようになりましたよ。ちなみに、お前達も食べているじゃないか?」
と後半は妻達、妹達に視線を向けた、少しいたずらっぽく。
「え?」
という4人、目を点にした。
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