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恋の勝利者は?
機会はあげたんだからね。
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「機会はあげたのよ、分かっているでしょう?」
「それに言ったでしょ?彼があなたのことを女として魅力を感じているし、好きなんだって。あなたが一押しすれば、彼はいちころだって、ともいったわよね。そういうところは弱いのよね、身持ちが悪い、浮気性ではないけどね。」
「その上、彼にもあなたの気持ちは伝えておいてあげたのよ。彼も、ちゃんとあなたに自分から気持ちを伝えたでしょう?」
「それなのに、それを無駄にしたのはあなたなんですからね。そんなんだから、あの2人に取られちゃうんだから。女にだらしないというわけではないけど、思いを告げられたら、胸を擦り付けておねだりされたら、捨てられている子猫のようにウルウルした瞳をあの2人から向けられたら、彼は抵抗できないのよ。」
「そんな彼の性格はあなたがよく知っていたでしょう?」
聖樹と魔樹の精霊達、周囲から文句を言われているのは、プランタン・レザン大尉だった。
「分かっています。全て自分の責任です。精霊様達のご配慮には感謝しています。それでもこうなったのは、全ては私の責任です。」
と力なく呟くように言ったのは、オズワルドが勇者と魔王と結ばれてから、彼の館を訪れた、彼の功績に対する国からの恩賞の報告をするために。
「オズワルド様は、人の良さそうな風ですが、一度は、『あの馬鹿野郎女ども、俺の愛も恩も忘れて、他の男に抱かれてアへ顔して、俺に恥じをかかせやがって・・・。なんでみんな俺を裏切って、馬鹿にして、俺の邪魔ばかりするんだ。みんなみんなしんでしまえばいいんだ』などと怒鳴っていましたよ。あの方に、理性と良心と常識と思いやりと優しさと諦めの強さと知識と自制心と反省心と寛大さがなければ、ひどい屑ですよ。」
とサンスベ―ルがプランタンに、お茶の入ったカップを載せた皿を差し出した。それを受け取った彼女はゆっくりとカップを持って口に運んだ。少し刺激のある香りが鼻を通り抜け、その後舌にスパイスのような刺激のある、それでいて甘さのある感触を感じた。
「これは聖樹からのお茶ではないな?」
と一口飲んでから尋ねると、
「魔樹からのお茶です。前よりも刺激を抑えたものです。オズワルド様が、色々と改良した結果ですよ。」
との答えが返ってきた。
「奥方様達は・・・彼に・・・とてもすまなかったと思っておられた。」
心の中で、だと思う、と心の中で続けた。
「あの行動も、オズワルド殿によかれ、と思ってのことだ。」
やはり、心の中で、思う、と付け加えた。
「男達のことは・・・色々な事情があり、周囲が誤解したところもあるし・・・あんな奴らだ、信ずるに足らないことが多い。」
と言ったものの、
「そんな奴らの妻になるなど、何を考えていたんだ、馬鹿女ども。」
と心の中では怒鳴っていた。
「どちらにせよ、奥方様達が王国のためにつくされたということが、オズワルド様の功績に含まれると判断されたことですから、よしとしなければなりませんな。」
とサンスベ―ルは、彼女の心の中を見抜くように締めた。
2人がこの内乱、内戦の渦中に飛び込んだのは、それぞれの一族からの勢力挽回、御家再興のために彼女達の存在を必要としたことでの要請だった。彼女達がどのくらい影響力があったのかはわからないが、どちらも親マーリン王国側となった。彼女達は旗頭の先頭、それぞれ巫女として、本来の本家長子としてだけではなく、個々の戦闘ですら、にたって奮戦した。その行動は、王国としても評価された。ただ、その2人の傍らには、それぞれ男がいた。周囲も、そして彼ら、つまり彼女も、夫婦と称していた。その後、その夫?達は、反マーリン王国派に鞍替えした。彼女達はそれに従わなかったというか、置いて行かれたというか、多分両方だった。
プランタンはその前後に、それぞれ2人と会っていた。もちろん軍務として、彼女達の勢力の状況を確認するために赴いたのである。颯爽として生き生きとした彼女達と気落ちしながらも冷静さを失っていない彼女達とも、会って話をした。
そして、彼女達の主な思いが、自分の本来の場所で、本来も得られるはずだった地位、いやそれ以上の地位を得ること、野心、使命感だったことを知った。それわ彼女は非難できないと思った。
だが、彼女達は、プランタンがそれとなく触れたもののオズワルドのことについては何も語らなかった。謝罪の言葉もなかった。そして、傍らの男への愛情を、それを失った落胆をはっきりと感じた。
そして、彼女達はそれぞれの夫の率いる勢力との戦いで重傷を負い、その結果亡くなった。プランタンが調べた叛意では、オズワルドへの言葉はなかった。だが、彼らを撃退し、王国側には貢献できたことは確かである。
プランタンは、彼女達の行動を知る限り説明し、彼女達の行動がマーリン王国に評価され、その評価はオズワルドの妻として、オズワルドへの評価となっていることを説明した。が、彼には彼女達の男達への態度はほぼ省略し、彼のことを気にかけていた、出奔を後悔していたということを示唆することを付け加えた、創作である。
オズワルドが信じたのかはわからなかったが、彼は聞き終わると、プランタンに礼を言って、1人になりたいので、と言って彼女を残して退出した。
「それに言ったでしょ?彼があなたのことを女として魅力を感じているし、好きなんだって。あなたが一押しすれば、彼はいちころだって、ともいったわよね。そういうところは弱いのよね、身持ちが悪い、浮気性ではないけどね。」
「その上、彼にもあなたの気持ちは伝えておいてあげたのよ。彼も、ちゃんとあなたに自分から気持ちを伝えたでしょう?」
「それなのに、それを無駄にしたのはあなたなんですからね。そんなんだから、あの2人に取られちゃうんだから。女にだらしないというわけではないけど、思いを告げられたら、胸を擦り付けておねだりされたら、捨てられている子猫のようにウルウルした瞳をあの2人から向けられたら、彼は抵抗できないのよ。」
「そんな彼の性格はあなたがよく知っていたでしょう?」
聖樹と魔樹の精霊達、周囲から文句を言われているのは、プランタン・レザン大尉だった。
「分かっています。全て自分の責任です。精霊様達のご配慮には感謝しています。それでもこうなったのは、全ては私の責任です。」
と力なく呟くように言ったのは、オズワルドが勇者と魔王と結ばれてから、彼の館を訪れた、彼の功績に対する国からの恩賞の報告をするために。
「オズワルド様は、人の良さそうな風ですが、一度は、『あの馬鹿野郎女ども、俺の愛も恩も忘れて、他の男に抱かれてアへ顔して、俺に恥じをかかせやがって・・・。なんでみんな俺を裏切って、馬鹿にして、俺の邪魔ばかりするんだ。みんなみんなしんでしまえばいいんだ』などと怒鳴っていましたよ。あの方に、理性と良心と常識と思いやりと優しさと諦めの強さと知識と自制心と反省心と寛大さがなければ、ひどい屑ですよ。」
とサンスベ―ルがプランタンに、お茶の入ったカップを載せた皿を差し出した。それを受け取った彼女はゆっくりとカップを持って口に運んだ。少し刺激のある香りが鼻を通り抜け、その後舌にスパイスのような刺激のある、それでいて甘さのある感触を感じた。
「これは聖樹からのお茶ではないな?」
と一口飲んでから尋ねると、
「魔樹からのお茶です。前よりも刺激を抑えたものです。オズワルド様が、色々と改良した結果ですよ。」
との答えが返ってきた。
「奥方様達は・・・彼に・・・とてもすまなかったと思っておられた。」
心の中で、だと思う、と心の中で続けた。
「あの行動も、オズワルド殿によかれ、と思ってのことだ。」
やはり、心の中で、思う、と付け加えた。
「男達のことは・・・色々な事情があり、周囲が誤解したところもあるし・・・あんな奴らだ、信ずるに足らないことが多い。」
と言ったものの、
「そんな奴らの妻になるなど、何を考えていたんだ、馬鹿女ども。」
と心の中では怒鳴っていた。
「どちらにせよ、奥方様達が王国のためにつくされたということが、オズワルド様の功績に含まれると判断されたことですから、よしとしなければなりませんな。」
とサンスベ―ルは、彼女の心の中を見抜くように締めた。
2人がこの内乱、内戦の渦中に飛び込んだのは、それぞれの一族からの勢力挽回、御家再興のために彼女達の存在を必要としたことでの要請だった。彼女達がどのくらい影響力があったのかはわからないが、どちらも親マーリン王国側となった。彼女達は旗頭の先頭、それぞれ巫女として、本来の本家長子としてだけではなく、個々の戦闘ですら、にたって奮戦した。その行動は、王国としても評価された。ただ、その2人の傍らには、それぞれ男がいた。周囲も、そして彼ら、つまり彼女も、夫婦と称していた。その後、その夫?達は、反マーリン王国派に鞍替えした。彼女達はそれに従わなかったというか、置いて行かれたというか、多分両方だった。
プランタンはその前後に、それぞれ2人と会っていた。もちろん軍務として、彼女達の勢力の状況を確認するために赴いたのである。颯爽として生き生きとした彼女達と気落ちしながらも冷静さを失っていない彼女達とも、会って話をした。
そして、彼女達の主な思いが、自分の本来の場所で、本来も得られるはずだった地位、いやそれ以上の地位を得ること、野心、使命感だったことを知った。それわ彼女は非難できないと思った。
だが、彼女達は、プランタンがそれとなく触れたもののオズワルドのことについては何も語らなかった。謝罪の言葉もなかった。そして、傍らの男への愛情を、それを失った落胆をはっきりと感じた。
そして、彼女達はそれぞれの夫の率いる勢力との戦いで重傷を負い、その結果亡くなった。プランタンが調べた叛意では、オズワルドへの言葉はなかった。だが、彼らを撃退し、王国側には貢献できたことは確かである。
プランタンは、彼女達の行動を知る限り説明し、彼女達の行動がマーリン王国に評価され、その評価はオズワルドの妻として、オズワルドへの評価となっていることを説明した。が、彼には彼女達の男達への態度はほぼ省略し、彼のことを気にかけていた、出奔を後悔していたということを示唆することを付け加えた、創作である。
オズワルドが信じたのかはわからなかったが、彼は聞き終わると、プランタンに礼を言って、1人になりたいので、と言って彼女を残して退出した。
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