本当の外れスキルのスロー生活物語

転定妙用

文字の大きさ
30 / 31
恋の勝利者は?

精霊達は唆した

しおりを挟む
「だから、あの女大尉さんはね、君に恋しているんだよ。婚約者がいたり、既に結婚の話がすすんでいたりということで言い出しそびれていたんだよ。」
「会長が?」
 夜、寝室でベッドの端に座る、三人がゆったりと眠ることができる大きさの、オズワルドは聖樹の精霊のささやきに、プランタンに対するかつての呼び名で疑問を口にした。
「全く君は鈍感だな。まあ、あの娘も鈍感なツンデレ糞真面目堅物だけどね。」
「君だって、彼女のことが好きなんだろう?君の好みバッチリだからね。君以上に私達には分かっているよ。」
「あの娘ではその気も見せないだろうから、君からはっきりと言ってやらないといけないよ。」
「そうだよ。男なら、自分から進まないとね。」
と聖樹と魔樹の精霊達は、彼を煽り唆すように、エロチックなほどの姿かたちで現れて、耳元で囁くのだった。
「わかりました。明日、会長に私の気持ちを告げますよ。」
と言わざるを得なくなった。
「うん。偉い。流石にオズワルド君だ。」
と精霊達ははハーモニーした。

「そ、そんなこと・・・彼が奥方達を失って悲しんで、落ち込んでいる時にそのようなことを・・・ひ、卑怯では・・・。そ、それに、わ、私は彼の能力と人柄を高く評価しているからであって色恋では・・・。そ、それに彼は奥方を失って間がないのにそういうことをする人ではない・・・ないはずだげ・・・。」
 プランタンは眠りについたところに、囁きかける、というのにはほど遠い、どちらかと言うとどなりつけるような声で目が覚めると聖樹と魔樹の精霊達が話しかけてきた。しどろもどろ、彼女には滅多にない、で反論したが精霊達は容赦してくれなかった。
「そんなことばかり言っているから、彼をものにできないんだよ、全く。」
「彼は不誠実でも、浮気性でもないけど、男なんだよ。君みたいな美人に、しかも想い人に迫られたらいちころなんだよ。」
「そうそう彼は据え膳食わぬは男の恥的だし、食ったら責任を取る男なんだからね。」
「で、でも・・・私のような男女で魅力もない・・・彼がそんな私を・・・。」
とか細い声で反論するプランタンに、
「全く心にもないことを。日頃の自信満々の君はどこにいったのやら、まあ、美貌についてではないけどね。とにかく君は美人なの。オズワルドは君をすごい美人、好みの美人だと思っているんだから。私達が保証するよ。」
「それにね、彼を狙っている女達がいるんだよ。魔王と勇者だよ。君も感じているだろう?ともに戦った仲だし、ある意味さ、似たところがあるから、共感し合っているんだよ。しかも、彼女らも彼の好みの美人なんだよ。彼女達は積極的に迫ってくると思うよ。愚図ぐスしていると取られちゃうからね。」
「オズワルド君には、君の気持ちを伝えてあるからね。」
「は、ありがとうござ・・・って、えー!」
「えー、じゃないよ。ちゃんと私達があげた機会を利用するんだよ。」
「魔王ちゃんと勇者ちゃんも応援しちゃうからね、私達は。でも、今、2人がいない間に君に機会を上げる、応援するんだからね。」
「そうそう、だからうまくやるんだよ。」
 精霊達は一気呵成にせめたてたのであった。

 翌日、プランタンはオズワルドの家臣、使用人達に彼の救世軍との戦いの実態を個々に質問した。一人一人、一室に、屋敷だと彼の箱庭環境最適というスキルで彼に筒抜けになる可能性がある、ようやく屋敷全体にスキルが展開されるほど大きくなったようだから、彼の領内にある小さな宿屋の一室を借りてだ、順番に来させて証言を取った。彼の領内で救世軍こと反徒の集団が壊滅したことは事実であり、明らかに、もしそれが彼の家臣達、領民の義勇兵達の活躍であっても彼の手柄となる。が、彼一人で壊滅させたという噂が出ていることから、そのことを確認することも彼女の使命であった。オズワルドへの恩賞を決めるためでもある。
 誰もが当初は、彼が報告した常識的内容を口にしたが、彼の騎士隊長のように
「これは口外しないということで・・・。全てオズワルド様お一人で・・・後半は多少加わりましたし、残党探しとか、死体の後始末、負傷者、投降者の捕縛などは私らもしましたがね・・・やったんですよ。今思い出しても、背筋が寒くなるほどですよ。伝説の勇者様としか・・・。」
と言い出した。

「内々ということで、グランパ王子殿下等にお伝えするか?正式な報告とは別に。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

落ちこぼれ公爵令息の真実

三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。 設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。 投稿している他の作品との関連はありません。 カクヨムにも公開しています。

ペットになった

ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。 言葉も常識も通用しない世界。 それでも、特に不便は感じない。 あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。 「クロ」 笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。 ※視点コロコロ ※更新ノロノロ

平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。 そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。 カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。 やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。 魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。 これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。 エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。 第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。 旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。 ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田
恋愛
真実の愛を見つけたとして政略結婚をした新妻を追い出した国王の末路は、本人以外はハッピーになったかもしれない。

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

〈完結〉貴女を母親に持ったことは私の最大の不幸でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」ミュゼットは初潮が来た時に母から「唯一のこの家の女は自分」という理由で使用人の地位に落とされる。 そこで異母姉(と思っていた)アリサや他の使用人達から仕事を学びつつ、母への復讐を心に秘めることとなる。 二年後にアリサの乳母マルティーヌのもとに逃がされた彼女は、父の正体を知りたいアリサに応える形であちこち飛び回り、情報を渡していく。 やがて本当の父親もわかり、暖かい家庭を手に入れることもできる見込みも立つ。 そんな彼女にとっての母の最期は。 「この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。」のミュゼットのスピンオフ。 番外編にするとまた本編より長くなったりややこしくなりそうなんでもう分けることに。

一流冒険者トウマの道草旅譚

黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。 しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。 そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。

処理中です...