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ダンジョン・ロマンティカ
第23話「深淵の呼び声」
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初潜入の前日。管理施設のブリーフィングルームで、氷室凛が壁のスクリーンを起動した。
「明日の探索に先立って、基本情報を改めて確認する。あなたたちは独自に研究してきたようだから大半は既知だと思うけれど、実地に入る前の最終確認よ」
日本地図が映し出された。赤い点が二十四箇所に散っている。
「現在、日本国内で確認されているダンジョンは二十四。蓮たちが生まれた頃は十七だったけれど、今も増え続けている。それぞれ特性が異なる」
凛がポインタで各地を示していく。
「北海道・大雪ダンジョン。極低温環境。第三層以深は常時マイナス三十度以下、凍傷と低体温症のリスクが最も高い。東北・鳥海ダンジョン。濃霧が特徴で視界が極端に悪く、方向感覚を失いやすい。関東・丹沢ダンジョン。これが明日行く場所。比較的温和な環境で、日本で最も探索データが蓄積されている」
凛は続ける。
「中部・白山ダンジョン。鉱石資源が豊富だが、第二層以深は有毒ガスの発生区域がある。近畿・大台ダンジョン。水脈が複雑で地下河川が多く、水難事故が頻発。九州・阿蘇ダンジョンは熱環境で、深層は地熱が百度を超える区域もある」
玲奈がメモを取りながら呟いた。
「ダンジョンごとに環境が全く違う……。攻略法も装備も、一つ一つ変える必要があるわね」
「その通り。そして最も重要なこと――どのダンジョンも、最深部は不明。人類が到達した最深層は丹沢の第六層だけど、その下に何層あるかは誰にも分からない。踏破した例は、世界中を含めて一つもない」
理緒がモニタールームから通信で補足した。
「各ダンジョンの内部構造に共通性があるのか、それとも完全に独立した体系なのかも未解明です。研究者の間でも意見が割れています」
沈黙が落ちた。未踏の深淵。底が見えない穴に、これから飛び込む。
---
凛がスクリーンを切り替えた。グラフと表が映し出される。
「次に、ダンジョン探索の死傷者統計。あなたたちは研究ノートで調べているから数字は知っているはず。だけど、改めて」
数字が並ぶ。
「ダンジョン出現から二十一年。日本国内の累計死者数は千四百二十三名。重傷者は四千を超える。直近一年だけで死者七十八名、重傷者二百四十一名」
知っていた。研究ノートに何度も書き写した数字だ。でも、明日自分が潜る前日に聞くと、重さが違う。
「死因の内訳。環境要因――崩落、低体温、有毒ガス、水難などが全体の約四割。残りの六割は生態系によるもの」
凛がスクリーンに映像を表示した。探索チームのヘルメットカメラの記録映像だ。
暗闇の中で、何かが動いている。
四本足の獣。体長は二メートル近い。目が存在しない代わりに、頭部全体が感覚器官になっているような異様な形状。牙が三列に並び、表皮は岩のような灰色の装甲で覆われている。
「第三層に生息する『灰鎧獣(かいがいじゅう)』。地上には存在しない、ダンジョン固有の生態系。視覚を持たないが、振動と空気の流れで獲物を感知する。装甲は通常の刃物を弾き、顎の力は鉄パイプを噛み砕く」
楓が息を呑んだ。お母さんから話は聞いていただろうが、映像で見るのは別だ。
凛は次の映像を出した。今度は植物だ。天井から垂れ下がる蔓のような植生。美しい紫色の花をつけている。
「第二層の『絡み花(からみばな)』。接触すると神経毒を注入する棘を発射し、麻痺した獲物を蔓で絡め取って養分を吸収する。花の美しさに惹かれて近づき、被害に遭うケースが後を絶たない」
「……きれいなものほど危険。葵さんが言ってた通りだ」
俺の呟きに、凛が頷いた。
「他にも、音で獲物を誘引する『鳴き蟲(なきむし)』、体液が強酸性の『溶蝕蜥蜴(ようしょくとかげ)』、群体で行動し通路を塞ぐ『壁蟲(かべむし)』……。層が深くなるほど、生態系は凶悪になる。第五層以深では、ベテランチームでも一回の探索で負傷者が出るのが普通」
---
「ただし」
凛が声のトーンを変えた。
「明日の丹沢ダンジョン第一層は、全国のダンジョンの中で最も探索データが多く、危険生物の分布も詳細に把握されている。第一層には灰鎧獣クラスの大型生物はおらず、絡み花の群生地も回避ルートが確立済み。新人の初潜入先としては最適」
少しだけ空気が緩んだ。
「とはいえ油断はしないこと。第一層でも、小型の生物や毒性の植生は存在する。去年だけでも丹沢の第一層で三名の負傷者が出ている」
凛はスクリーンを消した。
「最後に一つ。あなたたちの初回護衛をわたしが引き受けた理由の一つに、鳴瀬葵という探索者の存在がある」
「お母さん?」
楓が反応した。
「アストレアは設立八年で死者ゼロ。重傷者は累計二名のみ。この数字がどれだけ異常か、分かる?」
全員が黙った。年間七十八人が死ぬ世界で、八年間一人も死なせていない。
「鳴瀬葵の撤退判断は、業界で最も速い。危険の兆候を察知した瞬間、一切の躊躇なく全員を退かせる。素材を捨ててでも、発見を諦めてでも。だからアストレアの戦果は派手じゃない。深層到達記録も持っていない。でも、全員が生きて帰る」
凛の目が、楓を見た。
「あなたの母親は、ダンジョンで最も大切なことを知っている探索者よ。わたしが尊敬する数少ない一人」
楓の目が潤んだ。唇を噛んで、小さく頷いた。
「あなたたちのチームにも、それを叩き込みたい。生きて帰ることが全てに優先する。英雄的な死は要らない。泥臭くてもいい、全員で地上に戻ること。……それがわたしの教える最初で最後のルール」
---
翌日。丹沢ダンジョン、第一層。
入口から十分。身体に変化が起き始めていた。
足が軽い。呼吸が深い。暗闘のはずなのに、壁の輪郭が見える。
「感じてるわね。ダンジョンの空気には微量の未知成分が含まれている。仮に『マナ』と呼ばれているもの。吸引により身体機能が一時的に向上する」
凛が歩きながら説明する。
「繰り返し長時間マナに触れることで、変化は恒久的になっていく。深層ほど濃度が高い。つまり、潜れば潜るほど強くなる」
「星露の実にも同じ成分が……?」
「察しがいいわね。ダンジョン産食材には高濃度のマナが含まれている。継続摂取で地上でも能力維持が可能。トップチームは全員、食事管理にダンジョン産食材を組み込んでいる」
玲奈が静かに目を光らせた。神楽坂グループがダンジョン産食材の流通を押さえている意味。それは単なるビジネスではなく、探索者の生命線を握っているということだ。
---
第一層の中盤、結晶回廊。
蒼い結晶に囲まれた通路を進む。雫がタブレットにデータを記録し、楓が前方の気配を探り、紫月が周囲を警戒し、沙耶がルートを判断し、玲奈がサンプルを採取する。
全員が役割を果たしている。
第一層の最深部に近い広間に出た時、足元が揺れた。
壁の結晶が明滅する。二年前の見学会と同じ脈動。だが、広間の奥の壁が異様だった。
固い岩のはずの壁面が、水面のように波打っている。向こう側に、より深い蒼の光が透けて見えた。
「第一層と第二層の境界面の揺らぎ。極めて稀な現象よ」
凛の声に、初めて緊張が混じった。
その時、俺の身体が勝手に前へ出た。
壁の向こうから何かが聞こえる。声じゃない。音でもない。細胞に直接語りかけてくるような深い呼びかけ。
――来い。
「蓮!」
紫月が腕を掴んだ。沙耶が手を握った。二人の力で、足が止まった。
揺らぐ壁まで三メートル。我に返った。
「……すまん」
「すまんじゃないわよ!」
紫月が怒りと恐怖の入り混じった目で睨む。沙耶の手が震えている。
凛が近づいてきて、俺の目を見つめた。
「何を感じた」
「……呼ばれました。奥から」
凛が数秒間沈黙した。
「『響応者』。ダンジョンと共鳴する素質を持つ人間。マナの吸収効率が桁違いに高く、ダンジョンの呼びかけを感知する。過去の記録では世界に数十人しか確認されていない」
「響応者……」
「全員がダンジョンの最深部に到達した。ただし、全員が帰ってきたわけじゃない。ダンジョンに惹かれすぎる。今のあなたのように」
凛は一歩近づいた。銀色の瞳が夕日――ではなく、結晶の蒼い光に照らされている。
「わたしも響応者よ。だからあなたに初日から張りついた。……あなたは、わたしより深い場所まで行ける人間かもね」
---
地上に出た。夕日が眩しかった。
管理施設の門前に、結月が立っていた。息を切らせて、制服のまま。
「蓮にい! 大丈夫!? 地震のニュースを見て……!」
「大丈夫だよ。ほら、ピンピンしてる」
「……ほんとに?」
結月の目が潤んでいる。十六歳の少女が、学校から全力で走ってきた。
「ほんとに」
頭を撫でると、結月は目を閉じて俺の手に頭を預けた。
「蓮にい。ゆづきも早く十八になりたい。蓮にいの隣で戦いたい」
「あと二年だ。待ってる」
結月が頷いた。涙は流さなかった。強くなった。
その夜、凛から一通のメッセージが届いた。
『響応者としてのあなたの素質は本物。だが、制御できなければ死ぬ。明日から、わたしが直接訓練をつける。断る権利はないわ。』
冷たい文面。でも、最後に一行だけ。
『あなたを死なせたくない。理由は、まだ教えない。』
---
第23話 了
初潜入の前日。管理施設のブリーフィングルームで、氷室凛が壁のスクリーンを起動した。
「明日の探索に先立って、基本情報を改めて確認する。あなたたちは独自に研究してきたようだから大半は既知だと思うけれど、実地に入る前の最終確認よ」
日本地図が映し出された。赤い点が二十四箇所に散っている。
「現在、日本国内で確認されているダンジョンは二十四。蓮たちが生まれた頃は十七だったけれど、今も増え続けている。それぞれ特性が異なる」
凛がポインタで各地を示していく。
「北海道・大雪ダンジョン。極低温環境。第三層以深は常時マイナス三十度以下、凍傷と低体温症のリスクが最も高い。東北・鳥海ダンジョン。濃霧が特徴で視界が極端に悪く、方向感覚を失いやすい。関東・丹沢ダンジョン。これが明日行く場所。比較的温和な環境で、日本で最も探索データが蓄積されている」
凛は続ける。
「中部・白山ダンジョン。鉱石資源が豊富だが、第二層以深は有毒ガスの発生区域がある。近畿・大台ダンジョン。水脈が複雑で地下河川が多く、水難事故が頻発。九州・阿蘇ダンジョンは熱環境で、深層は地熱が百度を超える区域もある」
玲奈がメモを取りながら呟いた。
「ダンジョンごとに環境が全く違う……。攻略法も装備も、一つ一つ変える必要があるわね」
「その通り。そして最も重要なこと――どのダンジョンも、最深部は不明。人類が到達した最深層は丹沢の第六層だけど、その下に何層あるかは誰にも分からない。踏破した例は、世界中を含めて一つもない」
理緒がモニタールームから通信で補足した。
「各ダンジョンの内部構造に共通性があるのか、それとも完全に独立した体系なのかも未解明です。研究者の間でも意見が割れています」
沈黙が落ちた。未踏の深淵。底が見えない穴に、これから飛び込む。
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凛がスクリーンを切り替えた。グラフと表が映し出される。
「次に、ダンジョン探索の死傷者統計。あなたたちは研究ノートで調べているから数字は知っているはず。だけど、改めて」
数字が並ぶ。
「ダンジョン出現から二十一年。日本国内の累計死者数は千四百二十三名。重傷者は四千を超える。直近一年だけで死者七十八名、重傷者二百四十一名」
知っていた。研究ノートに何度も書き写した数字だ。でも、明日自分が潜る前日に聞くと、重さが違う。
「死因の内訳。環境要因――崩落、低体温、有毒ガス、水難などが全体の約四割。残りの六割は生態系によるもの」
凛がスクリーンに映像を表示した。探索チームのヘルメットカメラの記録映像だ。
暗闇の中で、何かが動いている。
四本足の獣。体長は二メートル近い。目が存在しない代わりに、頭部全体が感覚器官になっているような異様な形状。牙が三列に並び、表皮は岩のような灰色の装甲で覆われている。
「第三層に生息する『灰鎧獣(かいがいじゅう)』。地上には存在しない、ダンジョン固有の生態系。視覚を持たないが、振動と空気の流れで獲物を感知する。装甲は通常の刃物を弾き、顎の力は鉄パイプを噛み砕く」
楓が息を呑んだ。お母さんから話は聞いていただろうが、映像で見るのは別だ。
凛は次の映像を出した。今度は植物だ。天井から垂れ下がる蔓のような植生。美しい紫色の花をつけている。
「第二層の『絡み花(からみばな)』。接触すると神経毒を注入する棘を発射し、麻痺した獲物を蔓で絡め取って養分を吸収する。花の美しさに惹かれて近づき、被害に遭うケースが後を絶たない」
「……きれいなものほど危険。葵さんが言ってた通りだ」
俺の呟きに、凛が頷いた。
「他にも、音で獲物を誘引する『鳴き蟲(なきむし)』、体液が強酸性の『溶蝕蜥蜴(ようしょくとかげ)』、群体で行動し通路を塞ぐ『壁蟲(かべむし)』……。層が深くなるほど、生態系は凶悪になる。第五層以深では、ベテランチームでも一回の探索で負傷者が出るのが普通」
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「ただし」
凛が声のトーンを変えた。
「明日の丹沢ダンジョン第一層は、全国のダンジョンの中で最も探索データが多く、危険生物の分布も詳細に把握されている。第一層には灰鎧獣クラスの大型生物はおらず、絡み花の群生地も回避ルートが確立済み。新人の初潜入先としては最適」
少しだけ空気が緩んだ。
「とはいえ油断はしないこと。第一層でも、小型の生物や毒性の植生は存在する。去年だけでも丹沢の第一層で三名の負傷者が出ている」
凛はスクリーンを消した。
「最後に一つ。あなたたちの初回護衛をわたしが引き受けた理由の一つに、鳴瀬葵という探索者の存在がある」
「お母さん?」
楓が反応した。
「アストレアは設立八年で死者ゼロ。重傷者は累計二名のみ。この数字がどれだけ異常か、分かる?」
全員が黙った。年間七十八人が死ぬ世界で、八年間一人も死なせていない。
「鳴瀬葵の撤退判断は、業界で最も速い。危険の兆候を察知した瞬間、一切の躊躇なく全員を退かせる。素材を捨ててでも、発見を諦めてでも。だからアストレアの戦果は派手じゃない。深層到達記録も持っていない。でも、全員が生きて帰る」
凛の目が、楓を見た。
「あなたの母親は、ダンジョンで最も大切なことを知っている探索者よ。わたしが尊敬する数少ない一人」
楓の目が潤んだ。唇を噛んで、小さく頷いた。
「あなたたちのチームにも、それを叩き込みたい。生きて帰ることが全てに優先する。英雄的な死は要らない。泥臭くてもいい、全員で地上に戻ること。……それがわたしの教える最初で最後のルール」
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翌日。丹沢ダンジョン、第一層。
入口から十分。身体に変化が起き始めていた。
足が軽い。呼吸が深い。暗闘のはずなのに、壁の輪郭が見える。
「感じてるわね。ダンジョンの空気には微量の未知成分が含まれている。仮に『マナ』と呼ばれているもの。吸引により身体機能が一時的に向上する」
凛が歩きながら説明する。
「繰り返し長時間マナに触れることで、変化は恒久的になっていく。深層ほど濃度が高い。つまり、潜れば潜るほど強くなる」
「星露の実にも同じ成分が……?」
「察しがいいわね。ダンジョン産食材には高濃度のマナが含まれている。継続摂取で地上でも能力維持が可能。トップチームは全員、食事管理にダンジョン産食材を組み込んでいる」
玲奈が静かに目を光らせた。神楽坂グループがダンジョン産食材の流通を押さえている意味。それは単なるビジネスではなく、探索者の生命線を握っているということだ。
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第一層の中盤、結晶回廊。
蒼い結晶に囲まれた通路を進む。雫がタブレットにデータを記録し、楓が前方の気配を探り、紫月が周囲を警戒し、沙耶がルートを判断し、玲奈がサンプルを採取する。
全員が役割を果たしている。
第一層の最深部に近い広間に出た時、足元が揺れた。
壁の結晶が明滅する。二年前の見学会と同じ脈動。だが、広間の奥の壁が異様だった。
固い岩のはずの壁面が、水面のように波打っている。向こう側に、より深い蒼の光が透けて見えた。
「第一層と第二層の境界面の揺らぎ。極めて稀な現象よ」
凛の声に、初めて緊張が混じった。
その時、俺の身体が勝手に前へ出た。
壁の向こうから何かが聞こえる。声じゃない。音でもない。細胞に直接語りかけてくるような深い呼びかけ。
――来い。
「蓮!」
紫月が腕を掴んだ。沙耶が手を握った。二人の力で、足が止まった。
揺らぐ壁まで三メートル。我に返った。
「……すまん」
「すまんじゃないわよ!」
紫月が怒りと恐怖の入り混じった目で睨む。沙耶の手が震えている。
凛が近づいてきて、俺の目を見つめた。
「何を感じた」
「……呼ばれました。奥から」
凛が数秒間沈黙した。
「『響応者』。ダンジョンと共鳴する素質を持つ人間。マナの吸収効率が桁違いに高く、ダンジョンの呼びかけを感知する。過去の記録では世界に数十人しか確認されていない」
「響応者……」
「全員がダンジョンの最深部に到達した。ただし、全員が帰ってきたわけじゃない。ダンジョンに惹かれすぎる。今のあなたのように」
凛は一歩近づいた。銀色の瞳が夕日――ではなく、結晶の蒼い光に照らされている。
「わたしも響応者よ。だからあなたに初日から張りついた。……あなたは、わたしより深い場所まで行ける人間かもね」
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地上に出た。夕日が眩しかった。
管理施設の門前に、結月が立っていた。息を切らせて、制服のまま。
「蓮にい! 大丈夫!? 地震のニュースを見て……!」
「大丈夫だよ。ほら、ピンピンしてる」
「……ほんとに?」
結月の目が潤んでいる。十六歳の少女が、学校から全力で走ってきた。
「ほんとに」
頭を撫でると、結月は目を閉じて俺の手に頭を預けた。
「蓮にい。ゆづきも早く十八になりたい。蓮にいの隣で戦いたい」
「あと二年だ。待ってる」
結月が頷いた。涙は流さなかった。強くなった。
その夜、凛から一通のメッセージが届いた。
『響応者としてのあなたの素質は本物。だが、制御できなければ死ぬ。明日から、わたしが直接訓練をつける。断る権利はないわ。』
冷たい文面。でも、最後に一行だけ。
『あなたを死なせたくない。理由は、まだ教えない。』
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