【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明

文字の大きさ
68 / 195
ダンジョン攻略

第68話 未開の地から踏破まで

しおりを挟む
 34階層の大部屋でシルバーゴーレムを見かけグラコスの声を無視し突っ込んだ直人、リポップの瞬間無事シルバーゴーレムを討伐し35階層に飛び込んだ。

 さてボスだな、石碑に触れボス部屋に飛ぶと部屋の中央に見慣れた液体状ものがある。

『またレア?』
『違うよ、この先しばらくは交互かな、通常ボスとレアボスって感じでね』

 ちょっと喜んだのに……、

『ナットの持つスキルを1つ使ってくるから気を付けた方がいいよ』

 そういや、1~3と言ってたな気を引き締めるか、そう思っているとポコポコポコと泡立ちはじめ次第中央が盛り上がって自分の姿になった。

『アハハ、馬鹿なボス、木工スキルをまねてやんの』

 肩で腹を抱えて爆笑しているヒスイ、なるほど真似るスキルはランダムなのか、運が良かったと思う事にしよう。行動速度上昇のおかげかお話にならないくらいに直ぐに終わってしまった。

 スマートゴーレムだったので、魔石とミスリル鉱を含めてレアドロップと思しき大きな糸巻のようなものに巻かれたミスリル繊維が落ちた。ミスリル繊維を伸ばしてみると1mや2mなんかじゃなく10m以上ありそうだった。

 『生産スキルじゃぁねぇ、アハハハハ』

 ヒスイは未だに笑い続けている。先を急ぐか、36層に来ると真っ黒な壁になった。

『ダマスカスだね~』

 36層ここからは地図情報が全くない、ここからは地図を作りながらいくか~

 ここからはフロア全部回ったら次の階層に降りた。

 ボス部屋の1つ手前の層では攻略方法は変わらない、行動速度上昇からの縮地ドロップキックでスペースを作り暴れて掃除するかリポップの瞬間に飛び込むかで駆け抜ける。

 ボスも通常ボスは頭にあるゴーレムコアをサクッと壊してクリア
 49層スマートダマスカスゴーレムのボスだが、真似たスキルが革細工と心眼でまたもやヒスイが大爆笑していた。

 50層~63層は、アダマンタイト層
 ダマスカスエリアと、やる事は変わらず雑魚を適当に倒しつつ地図を作りながら進み、大部屋ではいつも通りの攻略法で乗り切った。そして63層のレアボス、スマートダマスカスゴーレムは体術とアイテムボックスを真似ていた。

『体術は当たりだけど、アイテムボックス……、ブフッ』

 行動速度上昇と縮地を使ってすぐに終わらせた。レアドロップはアダマンタイト繊維
 レアボスはヒスイが笑うための場になりつつあった。

64層~77層は、ヒヒイロカネ層
 道中はやっぱり変わらずに進む、77層のスマートヒヒイロカネゴーレムだが、やっぱりここでもヒスイの笑いをとりにきていた。取ったスキルが、サバイバルと心眼だった。

『アーッハッハ、夜野営するときにすごく役立ちそう~アハハ、ッヒ♪』

 笑いすぎて涙目になってやがる……。レアドロップはヒヒイロカネの粉末だった。

 78層~84層は壁が虹色になり少し目がちかちかする。
 出現する魔物のもこれまで出てきたすべての魔物達がでてきた。

『きらきらしてる~』

 やっぱりやる事は変わらない、ボスもストーンゴーレムで魔石しか落とさなかった。

 85層~91層
 ヴァイパー系、ウルフ系が居なくなり、すべてが自分の姿をしたストーン~ヒヒイロカネ系のスマートゴーレムだった。

『雑魚だから、スキルなしだね~』

 スキルなしの為たいしたことなかったが、全アイテムドロップの為か、スマートストーンゴーレムのドロップが凄かった、ピンポン玉大の様々な宝石が毎回10種ドロップしていた。それ以外は特になく進んだ。

 91層は、スマートアダマンタイトゴーレムだった。

 液状の状態の時、

『さぁ~なにがでるかな、なにがでるかな?リベンジできるかな?』

 何かのバラエティ番組状態だった。だがここでようやく、見切りと体術を引いてきた。

『なんだ~両方とも当たりじゃん~つまんない~ちゃっちゃとやっちゃって!』

 ヒスイは、笑いを期待していたのか少し不機嫌だった。行動速度上昇と縮地を使ってサクッと終わらせた。この時見切りの特性は相手が見えてなければ意味がない可能性が高い事が判明した。ヒスイからはブーイングが飛んだ。

 そして……

 92層に降りると、濃い玉ねぎ色の壁だった。

『お~オリハルコンだね~、神鉄に一番近い金属だよ、それから全部雑魚のスマートゴーレムだけどスキル1つ持ちだから注意してね。』

 また何のスキルを模してるのかで笑い出すのが容易に想像できた。

 地図作りの為に、歩いていると突如突進してくるスマートオリハルコンゴーレムが稀に存在する。こういう時は必ず縮地持ちだった。こっちが先に気づくと刀を構える。向こうが気づいた瞬間態々刀に斬られに突っ込んでくる。その度にヒスイが……

『アハハハ、ばかじゃん、自殺しにきてる、クッフ♪』等毎回笑うし、革細工や木工等の生産スキル持ちの時も、ゴーレムたちを馬鹿にしながら笑っている。ひとつ気になったのは行動速度上昇を使ってくるやつが居ない事だった。

『ねぇヒスイ』
『ん?』
『行動速度上昇使ってくるやついなくない?』
『そういえばそうだね~あ~偽装中だからじゃない?偽装したステータスの中から真似てるのかも』

 なるほど、ここを出るまでスキルなしに偽装してみよう。

 その後92層の奴らは皆なんらかのスキル持ちだったが、93層以降はスキルなしになっていた。

『偽装中のステータスから選んでるね、馬鹿だねぇ……』

 97層まで降りて来た時ヒスイから

『王都の武術会まで2週間~』

 大分長い事潜り続けていたらしい……、もう残りあとわずかだから踏破しちゃおう。大部屋の中に突っ込み掃除して98層に向かいボス部屋に飛んだ。

道中の雑魚と変わらずスキルなしのボスだったのでサクッと終わらせた。

99層に降りると、そこには今まで見た大量のドロップアイテムがあった。

『ここは?』
『ダンジョンコアの1つ手前の階層だね~このダンジョンで取れるドロップ品が大量にある宝物庫なのさ、また1層から潜りなおせばもう一度取れるよ~』
『どのダンジョンにも共通?』
『うん、7層周期、6時間周期でリポップリポップポイント変更とか基本一緒~深さはそれぞれ変わってくるけどね~全部回収して次いこう次!』

 各金属の塊とピンポン玉サイズの宝石類が本当に多い全部回収し次のフロアに向かった。

 100層いよいよ最下層だ、床が黄色い輝きを放っていた。そして大部屋の中央には10m四方の正方形のクリスタルの様なものが角を下にしクルクルと回っていた。

『これがダンジョンコア、言い方変えると超巨大魔石だね~そして下を見て何か気づかない?』

 言われた通り下を見ると、黄色い液体の様なものが一定方向に流れていた。

「何か流れてる?」
『うん、液体の魔素だね~他の場所では気体の魔素が流れてる事もあるよ、ダンジョンは必ずこの地脈の上にあるの』
「地脈か~もしかしてラーネバン北のダンジョンもこの先に?」
『この先というより、ここの手前だね~』
「ラーネバン方面から流れてると……」
『そそ~でね、スタンピードは、そのダンジョン内の魔素が溜まりすぎると発生するの、人気のないダンジョンほど、スタンピードが発生しやすいかな~』
「はぁ、なるほどね」
『最後に~このダンジョンコアに触れてごらん~』

 ヒスイに言われた通り触れると、“チャリン”という音共に何かが足元に落ちた。手に取ってみると、金色のドッグタグ形状の金属板2枚と金色のチェーンだった。

『100層ダンジョン単独踏破の証、オリハルコンのタグだよ~』

 裏返すと、1枚目には“秋津直人 トザズトアダンジョン100層踏破”と書かれていた。
 2枚目は“ナット トザズトアダンジョン100層踏破”と書かれていた。金のチェーンって部分はどうかと思うが、ナットの分はアイテムボックスにしまい、直人の分は首に掛けた。

『これはねー冒険者カード登録してる枚数分出てくるよ。』
「リンクしているの?」
『うん~だから冒険者登録してない人がやっても、証は出てこないんだよね~ちなみに冒険者カード同様、他の人が触ると黒くなるよ~』
「へぇ~それが本物の証と」
『そそ~それじゃあ外に出ようか~もう一度コアに触れて~』

 触れた瞬間、目の前が一瞬真っ白になりトザズトアに戻ってきた。なんか久々の外の空気だ。
しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

処理中です...