85 / 152
招待
5.
しおりを挟む顔を赤くしながらぎこちなく別のフロアに向かったけれど、私たちが結婚したと思われたことがやけに恥ずかしくて、隣を歩く先輩をなかなか見ることが出来なかった。
「はは、途中から言ってることが食い違ってて訳わかんなかったけど、まさか間違えられてたとはな」
「あはは……。まあそう見られても仕方ないですよね。男女二人で見にきてたら、内祝いだと勘違いされても仕方ないというか」
「……だな。とりあえず、他も見に行くか」
「そ、そうですね」
私は照れを隠すためにフロアマップに見入るフリをしながら、わざと先輩の半歩後ろを歩いて次の店へ向かった。
アレでもないコレでもないと意見を言い合い色々と見て回ったけれど、だいたいが予算オーバーだったりすでに持ってそうな物だったりと、選べる物がなかなか無く2~3時間ウロウロしただけで、結局見つけることが出来なかった。
「はぁ、ひと休みするか」
「そうしましょう……」
さらに選んで見つける気力もなく、ちょうど目の前にあった食事が出来るカフェに入って注文を終えると、二人とも頭を抱えてしまった。
「選ぶ物がこんなに多いとさすがに何贈っていいか分からないな。はっきり言ってもうお手上げだ」
「同感です……。私も誰かに贈るの嫌いじゃないですけど、選ぶだけでこんなに苦労するなんて」
二人で出した案を見つけようと売り場を何度も往復したものの、なかなかいい物が見つからなかった。
そりゃ行き当たりばったりの思い付きだと、こうなるのも仕方がない。事前に打ち合わせしてもう少し候補を絞ってから店舗巡りするべきだったと、痺れた脚が訴えていた。
それにこの後また探すための気力体力は残りわずか。
私は久々の昂良先輩とのお出かけに緊張したのと日頃の運動不足とが相まって本当にヘトヘト。
かたや先輩は鍛えてるのかあまりバテてない様子で、だてに筋肉つけてるわけじゃないんだと妙に感心してしまった。
17
あなたにおすすめの小説
雨の日にやさぐれお姉さんを拾ったと思ったら胃袋も心も掴んでくるスーパーお姉さんだった
九戸政景
恋愛
新人小説家の由利美音は、ある日の夜に一人の女性を拾う。太刀川凛莉と名乗る女性との共同生活が始まる中、様々な出会いを果たしながら美音は自身の過去とも向き合っていく。
ホストと女医は診察室で
星野しずく
恋愛
町田慶子は開業したばかりのクリニックで忙しい毎日を送っていた。ある日クリニックに招かれざる客、歌舞伎町のホスト、聖夜が後輩の真也に連れられてやってきた。聖夜の強引な誘いを断れず、慶子は初めてホストクラブを訪れる。しかし、その日の夜、慶子が目覚めたのは…、なぜか聖夜と二人きりのホテルの一室だった…。
恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~
泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の
元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳
×
敏腕だけど冷徹と噂されている
俺様部長 木沢彰吾34歳
ある朝、花梨が出社すると
異動の辞令が張り出されていた。
異動先は木沢部長率いる
〝ブランディング戦略部〟
なんでこんな時期に……
あまりの〝異例〟の辞令に
戸惑いを隠せない花梨。
しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!
花梨の前途多難な日々が、今始まる……
***
元気いっぱい、はりきりガール花梨と
ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。
昨日、あなたに恋をした
菱沼あゆ
恋愛
高すぎる周囲の評価に頑張って合わせようとしているが、仕事以外のことはポンコツなOL、楓日子(かえで にちこ)。
久しぶりに、憂さ晴らしにみんなで呑みに行くが、目を覚ましてみると、付けっぱなしのゲーム画面に見知らぬ男の名前が……。
私、今日も明日も、あさっても、
きっとお仕事がんばります~っ。
恋は襟を正してから-鬼上司の不器用な愛-
プリオネ
恋愛
せっかくホワイト企業に転職したのに、配属先は「漆黒」と噂される第一営業所だった芦尾梨子。待ち受けていたのは、大勢の前で怒鳴りつけてくるような鬼上司、獄谷衿。だが梨子には、前職で培ったパワハラ耐性と、ある"処世術"があった。2つの武器を手に、梨子は彼の厳しい指導にもたくましく食らいついていった。
ある日、梨子は獄谷に叱責された直後に彼自身のミスに気付く。助け舟を出すも、まさかのダブルミスで恥の上塗りをさせてしまう。責任を感じる梨子だったが、獄谷は意外な反応を見せた。そしてそれを境に、彼の態度が柔らかくなり始める。その不器用すぎるアプローチに、梨子も次第に惹かれていくのであった──。
恋心を隠してるけど全部滲み出ちゃってる系鬼上司と、全部気付いてるけど部下として接する新入社員が織りなす、じれじれオフィスラブ。
憧れの彼は一途で優しくて時々イジワル
RIKA
恋愛
営業課長・永瀬綋司は、その容姿や優秀ぶりから多くの女性社員にとって憧れの的。
久遠香澄もその一人だが、過去の恋愛で負ったトラウマから自分に自信がもてず恋愛を封印して過ごしていた。
ある日、香澄は会社帰りに偶然永瀬と駅で遭遇する。
永瀬に誘われて二人で食事に行くことになり緊張する香澄だが、話しているうちに少しずつ緊張もほぐれてゆく。
話題が恋愛の話になったとき、彼は香澄に向かって突然驚くべき言葉を口にした。
「好き。――俺の彼女になってくれない?」
数合わせから始まる俺様の独占欲
日矩 凛太郎
恋愛
アラサーで仕事一筋、恋愛経験ほぼゼロの浅見結(あさみゆい)。
見た目は地味で控えめ、社内では「婚期遅れのお局」と陰口を叩かれながらも、仕事だけは誰にも負けないと自負していた。
そんな彼女が、ある日突然「合コンに来てよ!」と同僚の女性たちに誘われる。
正直乗り気ではなかったが、数合わせのためと割り切って参加することに。
しかし、その場で出会ったのは、俺様気質で圧倒的な存在感を放つイケメン男性。
彼は浅見をただの数合わせとしてではなく、特別な存在として猛烈にアプローチしてくる。
仕事と恋愛、どちらも慣れていない彼女が、戸惑いながらも少しずつ心を開いていく様子を描いた、アラサー女子のリアルな恋愛模様と成長の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる