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相愛
7.
しおりを挟む「あー……まあ、仲良くなってからそのあと二手に分かれてうまく行けばって目論んで、誘ったのは確か」
先輩は初めから私のこと気になってくれてたんだとあらためて聞いても嬉しくなってしまう。
ん?でもそれなら……
「ちょっと待ってください。じゃあなんで、昂良先輩は私と陵介先輩のこと勘違いしたんですか?違うって分かってたんですよね?」
陵介先輩が美香のことが好きだったなら、初めから私とは勘違いだったと気づくはず。
それなのに、どうしてあの時誤解したのか。
「今思えばな。けど、あの頃はいまいち自分に自信もなかったし、陵介と二人で会ってるのも見たことあったから。だから隠れて陵介と付き合ってるって聞いた時は、そうなのかって、裏切られた気持ちになって頭に血が昇った」
「……」
つまりあの時、私が陵介先輩の相談にのっていたのを見て、それを本気で二股してると思ってたんだ。
だからあんなに冷たく去っていったんだと、やっと納得できた。
それなのに、こんな些細なことで約5年間もお互い誤解したまま気持ちを拗らせてたのかと思うと、本当に馬鹿らしくなる。
「でも昂良先輩の気持ち分かりますよ。私もそうだったから……。だけど、思い込みってほんと怖いですよね。ありもしないことを真実だと思って振り回されるなんて、人間ってつくづく弱い生き物だと思っちゃう」
「……うん、本当に」
美香が昔を思い出しながらそう告げると、それぞれが思い当たるのかしんみりとした雰囲気になり皆黙りこんでしまった。
当然当事者の私も美香の言葉が胸に刺さる。
ただの誤解だったとはいえ、相手を嫌いになるまで避けてしまうのは逆恨みでしかなかった。
でもそれは、好きだったからこそ余計に憎らしく思えたことなんだと、お互いの気持ちが通じ合えた今なら分かる。
当時は皆それぞれが子供だったから、そんなことさえ気づくことは出来なかったんだと。
私はフルートグラスのステムを撫でながら今までのことを思い出していた。
「でも、私たちは今だからこうなれたのかもね。あの時があったからこそ、いまが幸せだって思えるのかも」
「うん、それもそうだね」
私と美香は目を合わせ、少し泣きそうになりながらも笑顔で微笑み合った。
それを見た先輩達も同じように微笑み合う。
過去は変えられないけれど、未来はどんなふうにでも変えられる。
そんなことを思えるようになれたのは、こうして再集結できたみんなのおかげだと心から感じた。
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