半身転生

片山瑛二朗

文字の大きさ
253 / 544
第4章 灼眼虎狼編

第249話 モテちゃうなぁ

しおりを挟む
 店を後にしたアラタは、迷う。
 帰るか、どこかで飲み直すか。
 時刻はまだ9時前。
 今帰ればノエルたちと出くわす。
 話しかけられれば話さないわけにはいかず、彼はそれが後ろめたい。
 だから、彼は楽な方を選んだ。
 どこか入れる店は無いか、そう思いながら千鳥足で歩き始めた。
 今度はキャッチの紹介ではなく、自分が選んだ場所が良いと、ふらつきながら考える。
 ああいうのも悪くはないが、とアラタはレイとの会話を思い出す。
 あそこで乗っていれば、今頃ホテルかレイの家だったのかと少し惜しい気持ちがこみあげてくる。
 娼館があることは知っている彼だが、ラブホテルはまだ見たことが無い。
 それとは分からないように偽装されているのか、そういった店というか建物は、アトラに見当たらない。

「チキッたなー」

 空を仰ぐ。
 今になってやっておけばよかったと、そう思い始めたのだ。
 男にはよくあることだ、チャンスを自分の手で捨てておいて、やっぱりあの時断らなければよかったと後悔することは。
 そしてそれと同じくらい、ヤってしまって後悔することも多い。
 どちらにせよ後悔するのなら、やって後悔したい。
 そこだけ切り取ればかっこよく聞こえなくもないが、言っていることは最低だ。

 レイの外見はアラタの好みに合致していた。
 出るところは出ていて、へこむところはへこんでいる。
 健康的な肉体は、若い男性には刺激が強い。
 黒のロング、鼻筋が通っていて、目が大きい。
 メイクをしていても、日本やアラタの元居た世界とはその濃さが違う。
 すっぴんプラスαでこの完成度。
 性格もさっぱりしていて彼好み。
 メンヘラは懲りている。

「……まだその辺にいるかも」

 アラタは引き返すことにした。
 女心は秋の空、次会った時にはフラれるかもしれない。
 でも、会いに行かなければ何も始まらない。
 ごめんエリー、そう心の中で唱えながら、アラタは走り出した。
 息が臭い。
 酒の匂いがプンプンする。
 足取りが怪しい。
 視界もおぼろげだ。
 眠気が襲ってきているためだろう。
 元の道を引き返してきたアラタは、迷子になった。
 勝手知ったるこの町で、彼は道に迷った。
 クリスに話したら鼻で笑われることだろう。
 見覚えのある街並みだが、この町はどこもそんな感じだ。
 先ほどの場所からさほどずれていないはずだが、元の場所に戻るにはどうしたらいいか分からない。
 スマホも無いこの世界で、迷った時に有効な解決手段は一つ。

「あのー、すいません」

 近くの人に道を聞く、これに限る。
 アラタは通行人Aに話しかけた。
 黒装束を起動している時は例外だとしても、彼は結構な頻度で道を聞くし、逆に道を尋ねられることもあった。
 通行人Aは彼よりも年上そうな男性で、ニット帽を被っている。
 そして男は話しかけられたから振り返る、当然だ。

「あの、4番通りに戻りたいんですけど、ここどこでしたっけ? 出来れば183番街との交差地点も知りたいです」

 酔っていても、口調は正確に知りたいことを伝える。
 こうでもしなければ、彼は今日野宿することになる。
 ただ、振り返った男の眼に、底冷えするような寒さを感じる。
 彼はみるみる酔いから醒めていくのが分かった。
 目の端に、銀色の刃が垣間見えた。

 ——刀は間に合わねえ。

 酔っている体でどこまで出来るか不安だが、やるしかないとアラタは右手を振った。
 その手は刃の根元に向かって一直線に伸びて、がっちりと肉と骨を掴んだ。

「っ! 化け物が!」

 反射的に繰り出されたハイキックが男を捉える。
 首元を叩き折るつもりで振り切った蹴りは、目的通りの成果を得た。
 明らかに曲がってはいけない方向に折れている首は、彼が絶命していることを示している。
 アラタは背負っていた袋を下ろし、その中から刀を引き出した。
 こんなこともあろうかと、刀を差しておくためのベルトは常に装着している。
 こうして初撃さえ凌げば、軽く戦闘態勢を整えることが出来る。

「住人は……触らぬ神にってやつか」

 思い切り街中、アラタがさっきまで飲んでいた場所からは歩いて5分程度。
 この場所も商業地区で、それなりに人通りはある。
 しかし、ドアが、ありとあらゆる扉や窓が閉まっていることに今更ながら気づかされた。
 そして、通行人たちが発している敵意も、【敵感知】に引っかかる。

「どこの組織出身かな。八咫烏じゃないみたいだけど」

「怪しげな術で領主様たちを殺害した罪、死んで償え」

「んー」

 行った汚れ仕事は数あれど、心当たりがあるか無いかくらいすぐに判断がつく。
 結果該当した仕事は無い。
 大方ユウがやった大量粛清を混同しているんだろうな、と結論付ける。

「勘違いだと思うけどな」

「では、レイフォード卿を殺害したのは貴様だろう」

「それは俺だな」

「殺す」

 時間稼ぎをしている間に、敵戦力の分析が完了しようとしていた。
 【敵感知】で反応を拾える程度の使い手が15人。
 【気配遮断】や黒装束みたいな魔道具を使っているとしたら、もう少し敵の数は増加する。
 ひと一人殺すのに、よくもまあこんなにゾロゾロと、そう考えていたアラタの脳裏に、先ほどの出来事が思い起こされる。
 もしかしたら、レイはこいつらの協力者なのかもしれないと。
 自分に気があるわけではなく、初めから裏があって接近してきたのかもしれないと、そう考えることも出来る。
 そんな仮定の下もう一度自身の言動を振り返る機会を与えられた彼は、あまりに勘違いの多い発言に死にたくなる。
 痛々しいほどかっこつけていたな、と恥じる。

 人間不信になりそうだ。

「モテちゃうなぁ」

 そう言うと、アラタは刀を抜いた。

※※※※※※※※※※※※※※※

 男は、夜勤が嫌いだ。
 眠いし、次の日の日中睡眠を取っていると、なんだか時間を無駄にしているような気になる。
 しかし眠らないわけにもいかないし、それが趣味ではなく仕事であり、お給金を貰っている以上やらないわけにはいかない。
 これから先、夜勤の中で最も嫌いな時間がやってくる。
 時間帯的に言えば1時から4時くらいまで。
 休憩が終了して、そこから次の小休憩までの本当に何もない時間。
 月給制の仕事を時給換算するのは違う気もする。
 しかし、こうしてただ警邏機構の前にぼーっと突っ立っていると、自分が人生の内の大切な時間を切り売りしている気分になってくる。
 男は夜勤当番が巡ってくるたびに、この不毛で意味のない思考を繰り返していた。
 ただ、人生ではイレギュラーがつきものだ。
 結構な頻度で夜勤をしていれば、何らかの事件に遭遇するときだってある。
 彼にとって、それは今日の晩だった。

「誰か来たな」

 男は相方に話しかける。
 門番は2人1組が基本だ。

「誰か外に出てたっけ?」

「いや、聞いていない」

 2人の間に緊張が走る。
 もっとも、これから命のやり取りをするとか、そういった類のものでは無い。
 ただの門番から、市民に見られている門番へとスイッチを切り替えた故のものだ。
 少し肩に力を入れている感じと言えばわかりやすかろう。
 暗闇から誰かが近づいてきて、それは警邏機構の前にある照明に照らされる。
 男たちは、一瞬言葉を失った。

「…………緊急事態」

 辛うじて出た声はこれだけ。
 その声で我に返った相棒は、ありったけの声で叫ぶ。

「正面玄関に血だらけの男が出現! 当直1から3班は武装集合!」

 そこには、普段着を返り血だらけに汚したアラタが立っていた。

※※※※※※※※※※※※※※※

「俺に休みはねえのか」

 特務警邏局長、ダスター・レイフォードは愚痴を溢す。
 今日久々に定時で上がることが出来た彼は、家族サービスの為に真っ直ぐ帰宅していた。
 そこにやって来た警邏職員。
 時間は深夜1時。
 近所の迷惑も考えろと拳骨を入れた後、男は制服に着替えた。
 そして5分後、警邏機構へと向かったのだ。

「特務局長が到着されました」

 取調室に若い職員が入ってきて、中の人間にそれを伝えた。
 主任クラスの男は『やっとか』と言いながら席を立つ。

「お前専門のお方が来た。あとはあの人とやってくれ」

 俺だって寝てないのに、と彼は瞼をこすりながら退出した。

「ご苦労さん」

 それと入れ替わりで入って来たのは、夜中に叩き起こされた特務警邏局長殿である。
 椅子に座って彼を待っていたのは、今回の被害者兼加害者のアラタ。
 容疑も固まっていないし、状況も複雑なので、まだそれらを決定づけるには時期尚早。
 だが大体事情は推察できるので、話の分かる彼が召喚されたというわけだ。

「始まったか」

「モテすぎて困っちゃいますよ」

 へらへらと笑っている彼はシャワーを浴びたのか、きれいさっぱりとしている。
 話では返り血だらけでトマトみたいだったとのことだが、流石に警邏側がNGを出したらしい。
 その時間分事情聴取は遅れていて、まだ概要を話し終えたところだった。

「すまんがもう一度聞かせてもらえるか」

 ダスターはタバコを取り出し、一服する。
 何もなしでこの話を聞けるほど、彼は元気ではない。
 ニコチンを充填してパワーを蓄える必要があった。

「そうですね」

 アラタは顎に手を当てる。

「とりあえず、俺がナンパされた話聞きます?」

「その後からで頼む」

「かっこつけて女の誘いを蹴ったイケメンは、その後やっぱり惜しいことをしたと思って女を探す。酔っていたこともあって道に迷い、そこで襲撃を受けた。今となっては女も怪しいけど、とりあえずそれはいいでしょう。全員返り討ちにして、後片付けの依頼と報告にここに来た感じです」

「女の身元は?」

「飲み屋の近くに花屋があるらしくて、そこで働いてるレイって名乗ってました。髪は黒色で——」

「いや、その辺でいい。その件に関しては他の奴に話してくれ」

「ダスターさんが話せって」

「すまんな」

 男は3本目に突入する。
 取調室内はタバコの匂いでいっぱいだ。
 長いひと吸いのあと、ダスターはタバコを灰皿にキープして真面目な顔になる。

「ギルドで嫌がらせを受けたらしいな」

「耳が早いですね」

「まあ仕事柄な」

 アラタはタバコを吸わない。
 代わりと言っては何だが、出された水を口にする。
 まだ少しアルコールの残っている彼には嬉しい。

「そんだけ元支部長はいい人だったってことですね」

「難癖をつけられてクエストを受けられないのは死活問題だぞ。どうするつもりだ」

「ノエルが騒いでいますし、大公の耳に入って終わりでしょう」

 楽観的な彼の言い分を聞いて、ダスターはキープしていたタバコを取った。
 少し燃え進んでいても、まだ十分吸うことは出来る。

「分かってねえな」

 ダスターは彼の思い違いを訂正する。

「あれでもギルドは国から独立している組織だ。貴族院からの圧力も限界がある。ギルドの活動が縮小されて困るのは国だからな」

「大公は特に何もしないと?」

「しないだろうし、したとしてもギルドが無視する可能性が高いってことだ」

「俺、こんなことしか能が無いですし、働けないと困りますよ。国に縛り付けられているんですから」

「それは俺も不憫に思う」

 他人事な彼の態度に、アラタは少しイラつく。

「何とかしてくださいよ、あなた警察でしょ」

「警邏と警察は厳密には違うんだが……まあいいだろう。あのな、民事不介入ってのがあって俺たちは人サマのごたごたに首を突っ込んではいけないんだ。分かるか?」

「そりゃそうですけど。不当にクエストを斡旋しないことに関してはノータッチですか?」

「どのクエストを誰に割り振るかはギルドの権限の範疇だ。不当に扱われているというのなら、刑事ではなく民事になる」

「役に立ちませんね」

「あのな、お前が殺しまくったせいで俺は数日間寝れんのよ。これに関して思うことは?」

「ご愁傷さまです」

「ったく、お前もう警邏に入れよ。ここなら俺がそんなことさせねえ」

「大公からノエルと一緒にパーティーを組めって命じられてるんですよ」

「ご愁傷様」

 同じ返しをされたアラタはムッとダスターを見つめる。
 しかし本人はどこ吹く風といった様子。

「クエストの件は自分で何とかしろ。少しくらいなら力になってやるから、今日はここに泊まれ」

「寝ゲロしたらすんません」

「おい、こいつに布団用意しなくていいぞ。汚すらしいからな」

「嘘ですって! 本気にしないでくださいよ」

 5本吸い終わったダスターは、目の前の青年を見て不憫な気持ちになった。
 自分だって出来るなら力になってやりたい。
 だが、彼の冒険者という立場、大公の絡んでいる案件、特配課や八咫烏といった彼の後ろめたい出自。
 特務警邏と言っても、万能ではない。
 どうすれば彼が不当な扱いを受けないようにできるのか、それを考えてみたものの、それらしい答えは出なかった。
 彼は今後、こういった人の悪意や恨みといった負の側面と戦わなければならないのだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安
ファンタジー
ごく普通のフリーター・岩倉運命は謎の少年に刺され、命を落としてしまう。そんな岩倉運命だったが、サダメ・レールステンとして転生を果たす…

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...