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第十三章 龍炎と氷雷の舞
第38話 圧倒的な差(3)
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だから心配なのは、パウリーネとリシュアだった。上に現れた二つ名もちだという魔性と戦って、彼らが傷つくかもしれない。想像だけで辛くなるのは、ルリアージェが彼らを身内だと考えるからだ。人は自分に好意的な存在に敵意を持ち続けることは難しい。
「優しいのね、リア。でも彼らに心配は無用よ」
「そうだ、この程度の相手にどうこうされるなら、とっくに殺されてる」
物騒な言い回しをしたジルが肩を竦めた。
「なにしろ、オレの眷属だからな」
一番説得力のある発言かもしれない。ルリアージェは吹き出した口元を押さえて肩を震わせた。笑っては悪いと思う反面、笑わせようと企んだのでは?と思う。
復活した話が広まるなり、あっという間に周囲は敵だらけになった。ジルの行く先々に敵が現れて襲撃され、周囲を巻き込んで撃退する。思い出せばここ1ヶ月ほど、滅多に人目に触れない魔性同士の戦いを見続けてきた。
人族の魔術師として、魔性同士の戦闘を一番見た者だろう。
滲んだ涙を拭いながら、笑いを抑えて痛む腹部をかばう。まだ表情を緩めたままのルリアージェが「ならば、観戦しよう」とまるで劇でも見るような気軽さで告げた。
「もう片付いていないといいけど」
「大丈夫だ。まだ気配がある」
城の外を確認するように上を見たジルの手を取る。反対の手をライラが握った。3人を包んだ魔法陣が消えたあと、机の上に小さな魔法陣が浮かび、卓上の菓子が吸い込まれる。
派手に広がる巨大な炎の龍を、パウリーネは水の虎で破壊していく。数匹を足元に漂わせる彼女の表情は余裕があった。火に対して強い水を得意とするだけじゃなく、元から戦闘の経験値が違う。
龍炎のラヴィアは1000年間外にいたかもしれないが、せいぜい2000歳程度だ。対するパウリーネは3800歳を超える。さらに戦った相手は、現在の主である死神ジフィールを筆頭に、魔王や側近クラスが犇いていた。
戦いの中身が濃いのはもちろん、自分より魔力量が多い相手に負けない方法を知っている。格下相手にただ数をこなしたラヴィアと格が違った。勝てなくても負けない方法はいくらでもある。
「この程度で二つ名だなんて、傲岸不遜にも程があるわ」
パウリーネの毒舌は挑発のためだ。口元に笑みを浮かべて、太ももに擦り寄る水虎の頭を撫でた。魔力で固定した形を維持しながら、まるで自我のある動物のように動き回る。高度な魔術を展開する彼女の足元には大きな魔法陣が浮かんでいた。
「……圧倒的だな」
ルリアージェの感嘆の呟きに、パウリーネは顔を上げる。隣に立つジルの姿に優雅な一礼をした。
「優しいのね、リア。でも彼らに心配は無用よ」
「そうだ、この程度の相手にどうこうされるなら、とっくに殺されてる」
物騒な言い回しをしたジルが肩を竦めた。
「なにしろ、オレの眷属だからな」
一番説得力のある発言かもしれない。ルリアージェは吹き出した口元を押さえて肩を震わせた。笑っては悪いと思う反面、笑わせようと企んだのでは?と思う。
復活した話が広まるなり、あっという間に周囲は敵だらけになった。ジルの行く先々に敵が現れて襲撃され、周囲を巻き込んで撃退する。思い出せばここ1ヶ月ほど、滅多に人目に触れない魔性同士の戦いを見続けてきた。
人族の魔術師として、魔性同士の戦闘を一番見た者だろう。
滲んだ涙を拭いながら、笑いを抑えて痛む腹部をかばう。まだ表情を緩めたままのルリアージェが「ならば、観戦しよう」とまるで劇でも見るような気軽さで告げた。
「もう片付いていないといいけど」
「大丈夫だ。まだ気配がある」
城の外を確認するように上を見たジルの手を取る。反対の手をライラが握った。3人を包んだ魔法陣が消えたあと、机の上に小さな魔法陣が浮かび、卓上の菓子が吸い込まれる。
派手に広がる巨大な炎の龍を、パウリーネは水の虎で破壊していく。数匹を足元に漂わせる彼女の表情は余裕があった。火に対して強い水を得意とするだけじゃなく、元から戦闘の経験値が違う。
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「この程度で二つ名だなんて、傲岸不遜にも程があるわ」
パウリーネの毒舌は挑発のためだ。口元に笑みを浮かべて、太ももに擦り寄る水虎の頭を撫でた。魔力で固定した形を維持しながら、まるで自我のある動物のように動き回る。高度な魔術を展開する彼女の足元には大きな魔法陣が浮かんでいた。
「……圧倒的だな」
ルリアージェの感嘆の呟きに、パウリーネは顔を上げる。隣に立つジルの姿に優雅な一礼をした。
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