【完結】帝国滅亡の『大災厄』、飼い始めました

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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第十九章 滅びゆく風の音

第80話 勢力争いより模様替えが重要(2)

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 魔性達の物騒な会議が終わる頃、ルリアージェはジルの城の私室で唸っていた。結局ジルは部屋を増やしてしまったので、先日購入した家具を並べる場所には困らない。配置を考えるため、新しい部屋に家具を並べて悩んでいた。

「こっちの家具を私室へ移動して、逆に今まで使っていた家具を片づける……いや、しかし」

「リア、この家具はベッドサイドよね」

 先日職人に直接譲ってもらったサイドテーブルは、名人の傑作品だ。当然ルリアージェのベッド脇に置くのは決定事項だった。

「ベッドも買い替えたらよかったのよ」

「いっそ、このサイドテーブルに合わせて全部作り変えるのは……」

「ま、待て! そんなのは贅沢すぎる!!」

 慌てて止めにかかるが、顔を見合わせたライラとジルは頷いた。以前は犬猿の仲だったくせに、ルリアージェが絡むと無言で通じ合う困った同士と化している。

「問題ないわ。すぐに終わるもの」

 そうじゃない。否定する前に、ジルは魔力を揮っていた。あっという間に魔法陣が現れては消え、壁に吸い込まれていく。声を出した時には、すべて終わっていた。

「いや、いらな………あっ」

 さらに広くなった部屋に、見たことがない大きなベッドが置かれている。しかも立派な天蓋付きで、ベッドそのものが部屋のようだった。

 しかもデザイン的にサイドテーブルと似たもので、材質や木材の色目まで合わせられている。

「え、使わないなら捨てるけど」

 手を触れて消す気でいるが、彼のいう「捨てる」がどこへどう処分されるのか。一抹の不安がルリアージェによぎった。

「デザインが少し違うのよ、ここのカーブがこう」

 中途半端なのよとぼやいたライラが、ベッドのデザインを魔法陣で変更する。飴細工のように捻じれて戻ったベッドは、確かにサイドテーブルによく似せてあった。だが、問題はそこではない。

「いや……いい。ありがとう」

 諦めて礼を言ったルリアージェは、なんとか笑顔を作った。ここで断ると騒動が大きくなって、部屋いっぱいに並べたベッドから選ばされる可能性がある。魔性は人族と違うのだから、ここは大きな気持ちで受け止めておいた方がトラブルを未然に防げるだろう。

 世界中の高級ベッドを取り寄せかねない。生まれてから18年余り……ジルと出会って数カ月なのに悟りを開きつつある美女は、引きつりそうな笑顔を必死で保った。

「家具は2人にコーディネイトしてもらいたい。私に似合うイメージで頼む」
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