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166.シェリアと僕は好きな人が違う
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再び飛んだお父さんは、あまりバサバサと動かなかった。風の上を滑るみたいに移動するの。凄いと褒めたら速く飛んでくれた。後ろのお母さんが唸ったらゆっくりになるのは、怒られちゃったのかな。あとでお父さんは悪くないって説明しなくちゃ。
大きな山を2つ超えたところで、お父さんが喉を鳴らした。ぐるるると聞こえる声に、返事が聞こえる。同じように喉を鳴らす声がして、僕はお母さんを振り返った。でも違うみたい。声は前から聞こえてきた。
『落ちるでないぞ』
お父さんの声にしっかりと捕まった僕は、トムとガイアが入った籠も抱きしめた。ぐっとお父さんの首が下を向いた途端、一気に降りていく。さっき川でお昼をしたときより、真っすぐに降りた。ひゅんってお腹が置いていかれた感じがして、後ろのセティに寄り掛かる。抱きしめる腕はいつもと同じで、ほっとした。
ぐぁあああ!! 足元でボリスが吠える。興奮したのかな。すごい大きな声だった。山の真ん中より上の場所に開いた穴に、お父さんは突っ込んでいく。あの穴、奥まで洞窟になってるのかな? もし小さい穴だったらどうしよう。お父さんがケガしちゃう。
「大丈夫、心配するな」
セティが言うなら平気? どきどきする僕達がぶつからないように、お父さんは洞窟の中で着地した。後ろから飛び込んだお母さんもくるっと回って床に足を付ける。ゲリュオンはいいけど、シェリアは気持ち悪くなったかも。滑ってお父さんから降りると、後ろで大きな音がして洞窟が暗くなる。
『洞窟の入り口を閉じたのだ。心配いらぬ』
お父さんの言葉通り、すぐに洞窟の中がぼんやりと明るくなった。壁全体が緑色に光ってるよ。ボリスが走り回れるくらい広くて、奥にも穴が続いていた。僕はセティと手を繋いで、籠を反対の手に持つ。セティが預かってくれると言ったけど、トムのお母さんは僕だからいいの。
さっきから動かないけど、トム平気かな。足を止めて中を覗くと、トムが飛び出してきた。追いかけてガイアも出て、はしゃぐトムの首を噛んで大人しくさせる。僕よりガイアがお母さんみたい。籠は邪魔だから、セティが収納のお部屋にしまった。
「ねえ、僕の枕潰れてない?」
「平気だぞ。上に肉を置いたりしてないからな」
笑いながら答えるセティに「意地悪」と頬を膨らませる。後ろから追いついたゲリュオンは、シェリアを抱っこしてた。少し前の僕みたい。今でも抱っこされることあるけど、僕はもうお兄さんになったから歩ける。でもシェリアは体が小さい子だから、抱っこなんだね。
「……この子、どうしたもんか」
セティは呆れたと笑って、ゲリュオンの頭を小突いた。
「抱き上げてる時点で、答えが出てるだろ。嫁もいないことだし、ちょうどいいじゃないか」
シェリアはゲリュオンのお嫁さんになるの? 僕と一緒だ。にこにこと笑いかけたら、シェリアも嬉しそうに手を振った。僕も振り返して、セティと歩く。なんだ、心配いらなかった。シェリアはゲリュオンが好きで、僕はセティが好き。どっちも叶うから、取られないんだね。
奥へ向かう僕の足取りは軽くて、少し浮かれていた。躓いて転びそうになり、慌てたセティに抱っこされちゃった。僕、まだ子どもで食べてもらえるのは先みたい。
大きな山を2つ超えたところで、お父さんが喉を鳴らした。ぐるるると聞こえる声に、返事が聞こえる。同じように喉を鳴らす声がして、僕はお母さんを振り返った。でも違うみたい。声は前から聞こえてきた。
『落ちるでないぞ』
お父さんの声にしっかりと捕まった僕は、トムとガイアが入った籠も抱きしめた。ぐっとお父さんの首が下を向いた途端、一気に降りていく。さっき川でお昼をしたときより、真っすぐに降りた。ひゅんってお腹が置いていかれた感じがして、後ろのセティに寄り掛かる。抱きしめる腕はいつもと同じで、ほっとした。
ぐぁあああ!! 足元でボリスが吠える。興奮したのかな。すごい大きな声だった。山の真ん中より上の場所に開いた穴に、お父さんは突っ込んでいく。あの穴、奥まで洞窟になってるのかな? もし小さい穴だったらどうしよう。お父さんがケガしちゃう。
「大丈夫、心配するな」
セティが言うなら平気? どきどきする僕達がぶつからないように、お父さんは洞窟の中で着地した。後ろから飛び込んだお母さんもくるっと回って床に足を付ける。ゲリュオンはいいけど、シェリアは気持ち悪くなったかも。滑ってお父さんから降りると、後ろで大きな音がして洞窟が暗くなる。
『洞窟の入り口を閉じたのだ。心配いらぬ』
お父さんの言葉通り、すぐに洞窟の中がぼんやりと明るくなった。壁全体が緑色に光ってるよ。ボリスが走り回れるくらい広くて、奥にも穴が続いていた。僕はセティと手を繋いで、籠を反対の手に持つ。セティが預かってくれると言ったけど、トムのお母さんは僕だからいいの。
さっきから動かないけど、トム平気かな。足を止めて中を覗くと、トムが飛び出してきた。追いかけてガイアも出て、はしゃぐトムの首を噛んで大人しくさせる。僕よりガイアがお母さんみたい。籠は邪魔だから、セティが収納のお部屋にしまった。
「ねえ、僕の枕潰れてない?」
「平気だぞ。上に肉を置いたりしてないからな」
笑いながら答えるセティに「意地悪」と頬を膨らませる。後ろから追いついたゲリュオンは、シェリアを抱っこしてた。少し前の僕みたい。今でも抱っこされることあるけど、僕はもうお兄さんになったから歩ける。でもシェリアは体が小さい子だから、抱っこなんだね。
「……この子、どうしたもんか」
セティは呆れたと笑って、ゲリュオンの頭を小突いた。
「抱き上げてる時点で、答えが出てるだろ。嫁もいないことだし、ちょうどいいじゃないか」
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奥へ向かう僕の足取りは軽くて、少し浮かれていた。躓いて転びそうになり、慌てたセティに抱っこされちゃった。僕、まだ子どもで食べてもらえるのは先みたい。
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