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230.僕を見失わないでね
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ひらひらしたスカートの裾を摘まんで、くるりと回る。セティが喜んでくれるから、もう一回。コカトリスがじっと見つめた後、くるるって鳴いた。それに合わせて反対に回る。ふらふらするけど、楽しかった。受け止めるセティの腕に飛び込み、キスを貰う。
「よし、山の上に移動しよう」
「小さい氷が降ってる?」
「降ってるといいが、足元にいっぱい落ちてるぞ」
落ちた氷は解けないのかな? 途中までコカトリスで移動するので、乗せてもらう。寒いのが苦手だから、降りて歩くみたい。揺れるコカトリスの背中にしがみ付いた僕は、降りて毛皮をいっぱい被った。セティが次々と取り出す毛皮は暖かくて、毛皮の靴もある。
中に毛が生えてる靴は膝の下まで長いから、歩くとかぽかぽと音がした。歩き回ると暑くなって、僕は上着についた帽子を後ろに投げる。背中にくっ付いてるからなくならない。
「滑るから手を繋ごう」
待ってるコカトリスに「後でね」って手を振る。他の動物に襲われると可哀想だから、綱を離した。僕とセティが登ると付いてきちゃう。寒いんだよ。そう言ってもついてきて、足元が白くなった辺りで止まった。くくると呼ぶ声がするけど、手を振る。しょんぼりしてるの可哀想。
トムもガイアもお留守番できたから、きっとコカトリスも出来ると思う。前を向いて歩くけど、白い地面は時々滑った。そのたびにセティが抱き寄せてくれる。滑った時、お腹の下の方がぞわっとするの。
「この白い地面も雪で、細かい氷だ」
少し汚れてるし、ところどころ地面が見えてるけど……これが氷なの? 手を伸ばしたけど、毛皮に覆われてて冷たさが分からなかった。笑ったセティが白い部分を掴んで、僕の頬にちょっと当てた。
「うわっ! 冷たい! すごい」
本当に氷だ! セティが手伝って毛皮の手袋を外し、手のひらに置いてもらう。どんどん冷たくなって、途中から痛くなる。手を振って落としたら、じわじわと赤くなった。痛いのは消えて、不思議な感じ。
「上に行くともっとある、ほら」
指さされた山の上は真っ白だった。こんなに氷があるのに溶けない。それにはぁと吐いた息が白いんだよ。この山は全部白くなるんだね。僕も真っ白になったら、見えなくなっちゃう。急に怖くなってセティと手を繋いだ。強く握る。
「絶対に見失わないから安心しろ」
「うん」
山の上は風が冷たくて、何もなくて真っ白だった。雪という白い氷を掬って投げたら、風にさらさらと消えていく。初めて見た景色をきちんと覚えて、いつかお父さん達に話せたらいいな。
「凍った冷たい大地はこれに似てて硬い。見てみるか?」
「見たい!」
珍しい物も、素敵な景色も、ぜんぶセティと一緒に見たい。僕は欲張りだけど、セティはそれでいいと言ってくれた。やっぱり洞窟を出て良かったよ、ありがとう。
「よし、山の上に移動しよう」
「小さい氷が降ってる?」
「降ってるといいが、足元にいっぱい落ちてるぞ」
落ちた氷は解けないのかな? 途中までコカトリスで移動するので、乗せてもらう。寒いのが苦手だから、降りて歩くみたい。揺れるコカトリスの背中にしがみ付いた僕は、降りて毛皮をいっぱい被った。セティが次々と取り出す毛皮は暖かくて、毛皮の靴もある。
中に毛が生えてる靴は膝の下まで長いから、歩くとかぽかぽと音がした。歩き回ると暑くなって、僕は上着についた帽子を後ろに投げる。背中にくっ付いてるからなくならない。
「滑るから手を繋ごう」
待ってるコカトリスに「後でね」って手を振る。他の動物に襲われると可哀想だから、綱を離した。僕とセティが登ると付いてきちゃう。寒いんだよ。そう言ってもついてきて、足元が白くなった辺りで止まった。くくると呼ぶ声がするけど、手を振る。しょんぼりしてるの可哀想。
トムもガイアもお留守番できたから、きっとコカトリスも出来ると思う。前を向いて歩くけど、白い地面は時々滑った。そのたびにセティが抱き寄せてくれる。滑った時、お腹の下の方がぞわっとするの。
「この白い地面も雪で、細かい氷だ」
少し汚れてるし、ところどころ地面が見えてるけど……これが氷なの? 手を伸ばしたけど、毛皮に覆われてて冷たさが分からなかった。笑ったセティが白い部分を掴んで、僕の頬にちょっと当てた。
「うわっ! 冷たい! すごい」
本当に氷だ! セティが手伝って毛皮の手袋を外し、手のひらに置いてもらう。どんどん冷たくなって、途中から痛くなる。手を振って落としたら、じわじわと赤くなった。痛いのは消えて、不思議な感じ。
「上に行くともっとある、ほら」
指さされた山の上は真っ白だった。こんなに氷があるのに溶けない。それにはぁと吐いた息が白いんだよ。この山は全部白くなるんだね。僕も真っ白になったら、見えなくなっちゃう。急に怖くなってセティと手を繋いだ。強く握る。
「絶対に見失わないから安心しろ」
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