284 / 321
282.木や草を植えるお手伝い
しおりを挟む
ルードルフお兄さんとお父さんは、崩れた山を直している。崩れた山の土を元通りにして、上に木や草が生えてくるように植えていく。種を蒔いたり、他所から木を持ってくることもあるんだって。
「どうして持ってくるの?」
大きな木を担いで運んだお兄さんに尋ねる。足元で種を蒔くお手伝いをする僕とボリスを見ながら、ルードルフお兄さんは優しい顔をした。お父さんやお母さん、セティもみんな同じ。僕やボリスが何かを知りたくて聞くと、優しいお顔になる。僕はこのお顔が大好きだから、いろいろ聞くのかも。
「山の土に雨が降ると、下へ流れてしまうんだ。それを防ぐ為に木を植えて草を生やす。草や木の根が、土をしっかり捕まえてくれるように、ね」
他所から持ってきた木の根っこを指差す。勢いよく引き抜いたんじゃなく、周りを掘ったのかな。たくさん土がついたまま運ばれていた。それに根っこもいっぱいで元気そう。
お兄さんが穴を掘り始めると、ボリスが手伝いに飛び込んだ。穴の底でがりがりと爪を使って穴を深くしていく。僕が落ちたら出られない深さになったところで、ボリスは飛ぼうとして転んだ。
「ボリス、痛くない?」
ぐあぁあ! 大丈夫みたい。でもルードルフお兄さんが変な顔をした。ボリスは飛ぼうとして走ったら転んだんだけど、泥だらけのボリスを爪で掴んで引っ張り出した。
「狭い場所で走ったら転ぶだろう?」
「ルードルフお兄さん、ボリスは走ってから飛ぶの」
こうやって! 少し走ってぴょんと飛び上がる。ボリスの真似をした僕に目を丸くして、お兄さんは笑い出した。我慢できないといった感じで、大笑いする。それからボリスの頭を撫でた。
「緑竜はみんな似てるのかな? 実はエルランドも幼い頃、同じように飛んでたよ」
全力で走ってから飛び上がり、羽をばたばた動かす。エルランドお兄さんと同じ方法だったんだね。でも今は違うみたい。
「後で飛び方を直してやるけど、先に木を植えるぞ」
横にしていた木を魔法で持ち上げて、ゆっくりと穴に下ろす。僕とボリスはお兄さんの横で、ぽかんと口を開けて見ていた。空飛ぶ木が着地して、お兄さんはお母さんを呼ぶ。すぐにお母さんが水を作り出して、穴の中にたっぷりと注いだ。
「よし、ボリスもイシスも手伝え。土を中に入れるぞ」
興奮したボリスが勢いよく土を中に放り込み、水飛沫が上がると吠える。真似して、僕も両手で土を押した。でも土の中に腕が入っちゃう。きょろきょろしたら、セティが板を貸してくれた。これで土を押すと、腕が中に入らない。たくさん運べるのも気に入って、夢中で土を押した。
「おっと危ない」
押した板がふっと軽くなり、僕は空中にいた。目を見開いた僕の後ろで、セティが腕を伸ばして抱き締める。セティの足の下に何もないのに、浮いてるんだよ。僕も後ろから抱っこされて浮いていた。下には泥水がたくさんで、土を入れたから溢れ始めている。
「だいぶ手伝ったし、お昼ご飯を食べて休憩するぞ」
ご飯を食べたらまた手伝うつもりだったのに、僕は疲れてお昼寝をしてしまった。起きたらもう夕暮れで、ボリスも隣で寝てたけど。起こしてくれたら良かったのに。
「どうして持ってくるの?」
大きな木を担いで運んだお兄さんに尋ねる。足元で種を蒔くお手伝いをする僕とボリスを見ながら、ルードルフお兄さんは優しい顔をした。お父さんやお母さん、セティもみんな同じ。僕やボリスが何かを知りたくて聞くと、優しいお顔になる。僕はこのお顔が大好きだから、いろいろ聞くのかも。
「山の土に雨が降ると、下へ流れてしまうんだ。それを防ぐ為に木を植えて草を生やす。草や木の根が、土をしっかり捕まえてくれるように、ね」
他所から持ってきた木の根っこを指差す。勢いよく引き抜いたんじゃなく、周りを掘ったのかな。たくさん土がついたまま運ばれていた。それに根っこもいっぱいで元気そう。
お兄さんが穴を掘り始めると、ボリスが手伝いに飛び込んだ。穴の底でがりがりと爪を使って穴を深くしていく。僕が落ちたら出られない深さになったところで、ボリスは飛ぼうとして転んだ。
「ボリス、痛くない?」
ぐあぁあ! 大丈夫みたい。でもルードルフお兄さんが変な顔をした。ボリスは飛ぼうとして走ったら転んだんだけど、泥だらけのボリスを爪で掴んで引っ張り出した。
「狭い場所で走ったら転ぶだろう?」
「ルードルフお兄さん、ボリスは走ってから飛ぶの」
こうやって! 少し走ってぴょんと飛び上がる。ボリスの真似をした僕に目を丸くして、お兄さんは笑い出した。我慢できないといった感じで、大笑いする。それからボリスの頭を撫でた。
「緑竜はみんな似てるのかな? 実はエルランドも幼い頃、同じように飛んでたよ」
全力で走ってから飛び上がり、羽をばたばた動かす。エルランドお兄さんと同じ方法だったんだね。でも今は違うみたい。
「後で飛び方を直してやるけど、先に木を植えるぞ」
横にしていた木を魔法で持ち上げて、ゆっくりと穴に下ろす。僕とボリスはお兄さんの横で、ぽかんと口を開けて見ていた。空飛ぶ木が着地して、お兄さんはお母さんを呼ぶ。すぐにお母さんが水を作り出して、穴の中にたっぷりと注いだ。
「よし、ボリスもイシスも手伝え。土を中に入れるぞ」
興奮したボリスが勢いよく土を中に放り込み、水飛沫が上がると吠える。真似して、僕も両手で土を押した。でも土の中に腕が入っちゃう。きょろきょろしたら、セティが板を貸してくれた。これで土を押すと、腕が中に入らない。たくさん運べるのも気に入って、夢中で土を押した。
「おっと危ない」
押した板がふっと軽くなり、僕は空中にいた。目を見開いた僕の後ろで、セティが腕を伸ばして抱き締める。セティの足の下に何もないのに、浮いてるんだよ。僕も後ろから抱っこされて浮いていた。下には泥水がたくさんで、土を入れたから溢れ始めている。
「だいぶ手伝ったし、お昼ご飯を食べて休憩するぞ」
ご飯を食べたらまた手伝うつもりだったのに、僕は疲れてお昼寝をしてしまった。起きたらもう夕暮れで、ボリスも隣で寝てたけど。起こしてくれたら良かったのに。
131
あなたにおすすめの小説
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
前世が飼い猫だったので、今世もちゃんと飼って下さい
夜鳥すぱり
BL
黒猫のニャリスは、騎士のラクロア(20)の家の飼い猫。とってもとっても、飼い主のラクロアのことが大好きで、いつも一緒に過ごしていました。ある寒い日、メイドが何か怪しげな液体をラクロアが飲むワインへ入れています。ニャリスは、ラクロアに飲まないように訴えるが……
◆いつもハート、エール、しおりをありがとうございます。冒頭暗いのに耐えて読んでくれてありがとうございました。いつもながら感謝です。
◆お友達の花々緒さんが、表紙絵描いて下さりました。可愛いニャリスと、悩ましげなラクロア様。
◆これもいつか続きを書きたいです、猫の日にちょっとだけ続きを書いたのだけど、また直して投稿します。
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
【完結】僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
⭐︎表紙イラストは針山糸様に描いていただきました
婚約破棄されてヤケになって戦に乱入したら、英雄にされた上に美人で可愛い嫁ができました。
零壱
BL
自己肯定感ゼロ×圧倒的王太子───美形スパダリ同士の成長と恋のファンタジーBL。
鎖国国家クルシュの第三王子アースィムは、結婚式目前にして長年の婚約を一方的に破棄される。
ヤケになり、賑やかな幼馴染み達を引き連れ無関係の戦場に乗り込んだ結果───何故か英雄に祭り上げられ、なぜか嫁(男)まで手に入れてしまう。
「自分なんかがこんなどちゃくそ美人(男)を……」と悩むアースィム(攻)と、
「この私に不満があるのか」と詰め寄る王太子セオドア(受)。
互いを想い合う二人が紡ぐ、恋と成長の物語。
他にも幼馴染み達の一抹の寂寥を切り取った短篇や、
両想いなのに攻めの鈍感さで拗れる二人の恋を含む全四篇。
フッと笑えて、ギュッと胸が詰まる。
丁寧に読みたい、大人のためのファンタジーBL。
他サイトでも公開しております。
表紙ロゴは零壱の著作物です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる