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288.卵がいるのに攻撃するなんて
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爆発が収まったみたいで、大きな音が止んだ。ぱらぱらと何かが落ちる音がするけど、僕は動かない。大切な卵を抱き締める僕の上にセティが被さり、カイサお姉さん、お母さんの順番で乗っていた。お母さんの足にしがみ付いたボリスが警告音を出す。
お母さんが身を起こし、続いてカイサお姉さんが心配そうに声をかけた。卵がいるのに攻撃するなんて、いけないんだよ! もし割れちゃったら死んじゃうのに。唇を尖らせてピンクの卵に頬ずりする。
「大丈夫だったかしら?」
「平気、ちゃんと卵を守ったよ」
ほら、ヒビもない。確認した卵を誇らしげに見せたら、セティごと舐められた。セティは無言で僕の手足を確認し、安心した様子で床に座り込む。心配させちゃったみたい。
「セティ、ごめんなさい」
「お前の行動は間違ってないよ、イシス」
よくやったと褒めてくれた。未来の家族を守るのはいいことだって。皆が大切に温めながら待ってるんだよ、ちゃんと元気に出てきてね。もう一度抱っこして頬ずりしたら、またコツンと揺れる。
「この子、もうすぐ起きてきそう」
「本当だわ、ヒビが入る日も近いわね」
カイサお姉さんが体で卵を守るように包んだ。僕はセティの隣に戻る。お母さんは険しい顔でボリスを背中に守った。怖いのかな、ボリスはお母さんの尻尾にしがみ付いて動かない。ぐるりと見回したら入り口を守る形で、フェリクスお兄さんが立ちはだかっていた。
「冒険者とやらだ! 卵を守れ」
唸った後お兄さんが叫ぶ。大急ぎで立ち上がって両手を広げたら、ぽんと頭の上にセティが手を置いた。立ち上がったセティの黒髪が伸びて、体が大きくなる。神様の姿に戻ったセティの肌はいつもより黒くて、がっちりしてる。簡単そうに僕を抱き上げるんだ。
「セティ?」
「飴を口に入れて黙ってられるか?」
「うん」
大好きな紫の瞳に頷くと、同じ色の飴を貰った。唇に押し当てられた甘い飴を口に入れてもらい、セティの手も舐めちゃった。だって甘い粉がついてるんだもん。くすくす笑うセティに笑い返す。
ぐっと大きく息を吸い込んだフェリクスお兄さんが炎を吐いた。ぶわっと暖かい空気が洞窟内に入ってくる。それをお母さんが前に出て防ぐ。皆が怖い顔をしてるけど、セティがまだ平気そう。僕は飴をからころと左右に移動させながら、セティの首に回した手に力を入れた。
「何事ぞ。破壊神タイフォンと知っての狼藉か」
お母さんの後ろから姿を見せたセティに、何か叫んでる人がいる。でも僕は何も聞こえない。口がぱくぱく動くのを見ながら、こてりと首を傾げた。変なの、叫ぶなら声を出せばいいのに。
ちゃらんと揺れた鎖に気づいて、僕はいっぱいある鱗の中から銀色の鱗を選んで握った。声を出しちゃダメだから、心の中で呼んでみる。ちゃんと聞こえたらいいけど――お父さん、変な人が来た! 肩を揺らしてセティが笑い、僕のおでこを指先で突いた。
ごめんなさい、大人しくしてるね。
お母さんが身を起こし、続いてカイサお姉さんが心配そうに声をかけた。卵がいるのに攻撃するなんて、いけないんだよ! もし割れちゃったら死んじゃうのに。唇を尖らせてピンクの卵に頬ずりする。
「大丈夫だったかしら?」
「平気、ちゃんと卵を守ったよ」
ほら、ヒビもない。確認した卵を誇らしげに見せたら、セティごと舐められた。セティは無言で僕の手足を確認し、安心した様子で床に座り込む。心配させちゃったみたい。
「セティ、ごめんなさい」
「お前の行動は間違ってないよ、イシス」
よくやったと褒めてくれた。未来の家族を守るのはいいことだって。皆が大切に温めながら待ってるんだよ、ちゃんと元気に出てきてね。もう一度抱っこして頬ずりしたら、またコツンと揺れる。
「この子、もうすぐ起きてきそう」
「本当だわ、ヒビが入る日も近いわね」
カイサお姉さんが体で卵を守るように包んだ。僕はセティの隣に戻る。お母さんは険しい顔でボリスを背中に守った。怖いのかな、ボリスはお母さんの尻尾にしがみ付いて動かない。ぐるりと見回したら入り口を守る形で、フェリクスお兄さんが立ちはだかっていた。
「冒険者とやらだ! 卵を守れ」
唸った後お兄さんが叫ぶ。大急ぎで立ち上がって両手を広げたら、ぽんと頭の上にセティが手を置いた。立ち上がったセティの黒髪が伸びて、体が大きくなる。神様の姿に戻ったセティの肌はいつもより黒くて、がっちりしてる。簡単そうに僕を抱き上げるんだ。
「セティ?」
「飴を口に入れて黙ってられるか?」
「うん」
大好きな紫の瞳に頷くと、同じ色の飴を貰った。唇に押し当てられた甘い飴を口に入れてもらい、セティの手も舐めちゃった。だって甘い粉がついてるんだもん。くすくす笑うセティに笑い返す。
ぐっと大きく息を吸い込んだフェリクスお兄さんが炎を吐いた。ぶわっと暖かい空気が洞窟内に入ってくる。それをお母さんが前に出て防ぐ。皆が怖い顔をしてるけど、セティがまだ平気そう。僕は飴をからころと左右に移動させながら、セティの首に回した手に力を入れた。
「何事ぞ。破壊神タイフォンと知っての狼藉か」
お母さんの後ろから姿を見せたセティに、何か叫んでる人がいる。でも僕は何も聞こえない。口がぱくぱく動くのを見ながら、こてりと首を傾げた。変なの、叫ぶなら声を出せばいいのに。
ちゃらんと揺れた鎖に気づいて、僕はいっぱいある鱗の中から銀色の鱗を選んで握った。声を出しちゃダメだから、心の中で呼んでみる。ちゃんと聞こえたらいいけど――お父さん、変な人が来た! 肩を揺らしてセティが笑い、僕のおでこを指先で突いた。
ごめんなさい、大人しくしてるね。
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