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305.お兄ちゃんだから我慢できる
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セティに抱っこされて起きた。まだ眠いけど、目を擦りながら欠伸をして手で押さえる。はふっと大きく息が漏れて、頭上でくすくすとセティが笑った。黒髪を櫛で梳いて、棒みたいな飾りで留める。首を振っても落ちて来なかった。
「おいで、ご飯を食べたら治してもらおう。痛いままだと大変だからな」
僕は服を着てなくて、毛布に包まれている。ふわふわで気持ちいい毛布なんだ。昔使ってた毛布も好きだけど、あれはごわごわした。セティが新しくくれた毛布に顔を埋めていると、上からお母さんが覗き込む。
「ひどく痛むかい?」
「平気」
僕はもうお兄ちゃんだし、また妹や弟になる卵がいるから痛くないよ。本当は動くと痛いけど、我慢できる。セティがお母さんに伝えたせいで、我慢するんじゃないとお父さんが口を挟む。ボリスも近づいて僕を舐めた。みんな心配しすぎだよ。
お兄さん達はご飯を捕まえに出ていた。カイサお姉さんが心配そうに喉を鳴らす。セティ、僕は卵に朝の挨拶したい。近づいた卵は綺麗なピンク色で、前より少し色が濃くなった。撫でて、無事に出ておいでと声を掛ける。腕がずきんとした。
「ほら、ガイアが来たぞ」
挨拶をする僕に、セティが痛みを取るお祈りをしてくれた。手を翳して温かくなると痛みが軽くなるの。神様だけど、セティは治すのは得意じゃないんだって。ガイアが難しい説明をしてくれたけど、半分しか分からなかった。ガイアは僕の体力がないと治せないけど、セティは違う。
治療に種類があるなんて知らなかったけど、セティは痛いのだけ消してくれた。動けるようになったのに、抱っこして下ろしてくれない。お兄さん達が次々と獲物を咥えて帰ってきた。大きな鳥とお魚と木の実。どれも美味しそう。
セティが調理する間も、僕はすぐ横にお座りしていた。動くと毛布が取れて裸になるし、それは見せちゃいけないんだって。家族なのにダメなの? 尋ねたら、伴侶がいるから家族でもダメみたい。お父さんやお母さんが何か言ったけど、セティは肌を見せるのを許さなかった。
ガイアが間に入って笑いながら付け加える。
「まだ傷が痛々しいし、痣もあるから……見た人が痛いでしょう?」
痛い傷を見ると悲しくなるから、お母さん達に見せるのはやめる。頷いた僕は毛布をしっかり掴んで、セティが料理を作る様子を眺めた。焼いた魚と肉が入ったスープを食べるたびに、皆が僕をじっと見つめる。
もぐもぐと口を動かして飲み込み、あーんで食べさせてもらう。お腹がいっぱいになるまで食べたら、今度はガイアが僕の隣に座った。
「傷を治しちゃおうね」
セティが僕を後ろから抱っこして、ガイアが手を伸ばす。頭の上に向けられても、僕はもう怖くないよ。だってセティもガイアも僕を叩いたりしないから。体の力を抜いて寄り掛かった僕は、流れ込んでくる温かい物を受け入れた。
痛いのが消えて、ギシギシ動きづらいのもなくなって、体が重い感じもしない。
「ありがと、ガイア」
温かくて気持ちいから寝ちゃう前にお礼を言っておくね。笑ったガイアに笑い返したけど、僕は眠いのが我慢できなかった。
宣伝させてください(o´-ω-)o)ペコッ
*********************
【虐待された幼子は魔皇帝の契約者となり溺愛される】
育児放棄され捨てられた子どもは寂しさから、悪魔の皇帝と契約した。溺愛される子どもが幸せになるお話。ハッピーエンド確定
【膨大な魔力と知識ありのチートだけど、転生先がツノはないよね?】
ツノに転生した主人公が、自分の声を聞ける幼子を慈しむお話。ハッピーエンド確定
「おいで、ご飯を食べたら治してもらおう。痛いままだと大変だからな」
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「ひどく痛むかい?」
「平気」
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「ほら、ガイアが来たぞ」
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「傷を治しちゃおうね」
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「ありがと、ガイア」
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