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309.幸せをたくさんもらったよ(最終話)
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キスから始まる行為は、食事じゃないのだと知った。あれはお母さんに教えてもらったんだっけ? 揺られながらセティにしがみつく。背中にいっぱい傷を付けて、お風呂で沁みたりするのに嬉しそうなのはどうして? 僕はすごく幸せをたくさんもらった。
お父さんとお母さんは洞窟で、新しい卵を抱いている。また弟か妹が増えるの。ボリスが夢中になって、卵を温めてるよ。立派に飛べるようになったのに、卵の側から離れないんだって。
エルランドお兄さんとカイサお姉さんの子どもは女の子で、姪と呼ぶみたい。やっと外で遊べる大きさになって、先日から飛ぶ練習を始めた。落ちると危ないとエルランドお兄さんが心配してるけど、カイサお姉さんはドラゴンは丈夫だから平気と放置してるの。
フェリクスお兄さんは洞窟を引っ越した。お嫁さんになった黄色いドラゴンと暮らすには狭かったんだよ。今度は大きな洞窟にして、もうすぐ卵を産みそうなんだ。卵が出てきたら、一度挨拶に行くの。フェリクスお兄さんと約束したよ。
ルードルフお兄さんは同じ洞窟で、お父さんが拡張した大きな奥の部屋で暮らしてる。赤いドラゴンのお嫁さんに一生懸命、水晶を貢いでると聞いた。貢ぐの意味に首を傾げたら、たくさんプレゼントすることだって。水晶が好きなお嫁さんなら、亀のおじいさんのお腹の下は大好きかも。僕も紫の水晶を貰ったんだと教えてあげた。
ゲリュオンは神格を高めて、シェリアをお嫁さんに貰うの。今は原始神殿で泉の向こう側で暮らしてた。そうそう、入り口を守るガイアとトムの間に赤ちゃん猫が産まれたの! 僕とセティが遊びに行ったとき、お腹の大きなトムが突然産んだんだよ。慌てて僕とセティが受け止めて、ガイアを呼んだ。
大急ぎで走ってきたガイアが受け取って「何で猫?」と首を傾げたけど、猫のトムの子は猫だよね。変なことを気にするガイアだね。カイルが大笑いしてたよ。隣の大陸の土産話をしたら、カイルが興味を持ったみたい。向こうの神様達と仲良くしてるといいけど。
いろいろ考えちゃうのは、明日からみんなのところに顔を出すから。僕とセティは原始神殿と洞窟の神殿を交互に行き来してる。どちらも快適に住めるように直して、立派なベッドを入れた。天蓋という名前の布も付けてるから、仲良くしてても見えないの。僕のお気に入りだった。
「今日はもう寝るぞ。明日からみんなのところを回るんだろ?」
「うん」
呼ばれて抱き着く。両手を広げて待つセティはいつも同じで、いつも優しい。僕を大好きだって言って、抱っこしてくれるの。僕も大好きで、愛してるの意味が少し分かってきた。大好きをいっぱいいっぱい口にしても足りなくて、泣きそうなくらい好きを重ねた先にある気持ちだよ。
「セティ」
「どうした、イシス」
「あのね、僕、セティのこと大好きで、それじゃ足りなくて……愛してるの」
初めて使った言葉に、目を見開いたセティが嬉しそうに笑って僕と唇を重ねた。ん……気持ちよくなっちゃう。いっぱい貪って、舌を噛んだり吸ったりされて、息が苦しくて胸を叩いたら止まった。
「オレもだ、愛してる」
愛してる――この言葉だけで胸がじんとして涙が出ちゃう。僕ね、セティに会えてよかった。あの日、神殿でセティが見つけて連れて行ってくれたこと、すごく嬉しかったんだよ。今もこうして僕を愛してくれて、大切にしてくれてありがとう。
明日から大切な家族に会いに行く。僕は平らなお腹をするりと撫でた。いつか僕も、立派な卵を産めますように! くすくす笑うセティのキスを受けながら、新しいシーツの上に転がった。
THE END……?
お読みいただきありがとうございました。セティもイシスも幸せになったところで、終わりです_( _*´ ꒳ `*)_長く書いてきましたが、この子の無邪気さは微笑ましいですね。こういう可愛い子が欲しいです。また次の作品でお会いできれば幸いです。
似たような作品で【虐待された幼子は魔皇帝の契約者となり溺愛される】を公開しております。よろしければ、ご賞味ください(=´∇`=)
お父さんとお母さんは洞窟で、新しい卵を抱いている。また弟か妹が増えるの。ボリスが夢中になって、卵を温めてるよ。立派に飛べるようになったのに、卵の側から離れないんだって。
エルランドお兄さんとカイサお姉さんの子どもは女の子で、姪と呼ぶみたい。やっと外で遊べる大きさになって、先日から飛ぶ練習を始めた。落ちると危ないとエルランドお兄さんが心配してるけど、カイサお姉さんはドラゴンは丈夫だから平気と放置してるの。
フェリクスお兄さんは洞窟を引っ越した。お嫁さんになった黄色いドラゴンと暮らすには狭かったんだよ。今度は大きな洞窟にして、もうすぐ卵を産みそうなんだ。卵が出てきたら、一度挨拶に行くの。フェリクスお兄さんと約束したよ。
ルードルフお兄さんは同じ洞窟で、お父さんが拡張した大きな奥の部屋で暮らしてる。赤いドラゴンのお嫁さんに一生懸命、水晶を貢いでると聞いた。貢ぐの意味に首を傾げたら、たくさんプレゼントすることだって。水晶が好きなお嫁さんなら、亀のおじいさんのお腹の下は大好きかも。僕も紫の水晶を貰ったんだと教えてあげた。
ゲリュオンは神格を高めて、シェリアをお嫁さんに貰うの。今は原始神殿で泉の向こう側で暮らしてた。そうそう、入り口を守るガイアとトムの間に赤ちゃん猫が産まれたの! 僕とセティが遊びに行ったとき、お腹の大きなトムが突然産んだんだよ。慌てて僕とセティが受け止めて、ガイアを呼んだ。
大急ぎで走ってきたガイアが受け取って「何で猫?」と首を傾げたけど、猫のトムの子は猫だよね。変なことを気にするガイアだね。カイルが大笑いしてたよ。隣の大陸の土産話をしたら、カイルが興味を持ったみたい。向こうの神様達と仲良くしてるといいけど。
いろいろ考えちゃうのは、明日からみんなのところに顔を出すから。僕とセティは原始神殿と洞窟の神殿を交互に行き来してる。どちらも快適に住めるように直して、立派なベッドを入れた。天蓋という名前の布も付けてるから、仲良くしてても見えないの。僕のお気に入りだった。
「今日はもう寝るぞ。明日からみんなのところを回るんだろ?」
「うん」
呼ばれて抱き着く。両手を広げて待つセティはいつも同じで、いつも優しい。僕を大好きだって言って、抱っこしてくれるの。僕も大好きで、愛してるの意味が少し分かってきた。大好きをいっぱいいっぱい口にしても足りなくて、泣きそうなくらい好きを重ねた先にある気持ちだよ。
「セティ」
「どうした、イシス」
「あのね、僕、セティのこと大好きで、それじゃ足りなくて……愛してるの」
初めて使った言葉に、目を見開いたセティが嬉しそうに笑って僕と唇を重ねた。ん……気持ちよくなっちゃう。いっぱい貪って、舌を噛んだり吸ったりされて、息が苦しくて胸を叩いたら止まった。
「オレもだ、愛してる」
愛してる――この言葉だけで胸がじんとして涙が出ちゃう。僕ね、セティに会えてよかった。あの日、神殿でセティが見つけて連れて行ってくれたこと、すごく嬉しかったんだよ。今もこうして僕を愛してくれて、大切にしてくれてありがとう。
明日から大切な家族に会いに行く。僕は平らなお腹をするりと撫でた。いつか僕も、立派な卵を産めますように! くすくす笑うセティのキスを受けながら、新しいシーツの上に転がった。
THE END……?
お読みいただきありがとうございました。セティもイシスも幸せになったところで、終わりです_( _*´ ꒳ `*)_長く書いてきましたが、この子の無邪気さは微笑ましいですね。こういう可愛い子が欲しいです。また次の作品でお会いできれば幸いです。
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