【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢

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65.湖の色は異世界感満載でした

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 目指す湖は、上から見るとすぐに分かると言われた。緑の木々の間に、青い水が見えるのかな? それなら大きな湖なんだと思う。塔の上まで抱っこで登り、わざわざ作った平らな出窓から飛び出した。

 アゼスは平らな地面からでも飛べる。でもこの塔から飛ぶと、国民に姿が見えるのでサービスしてるみたい。聖獣大好きな国民ばかりなので、巨大な鷲が飛ぶ姿なんてご褒美だよね。私が国民だったとしても、尊敬する皇帝陛下が飛び立つところ見たいもん。

 柔らかい羽毛に埋もれながら、用意された紐を掴んだ。リディが後ろで支えて魔法を掛ける。これで転げ落ちる心配はなくなった。安心して身を任せられる。風に乗って旋回しながら上昇するのは、余計な力を使わないため。テレビで観た知識を経験できて、私は大興奮だった。

「すごい、すごい!」

「ふふっ、サラちゃんが高いところ嫌いじゃなくてよかったわ」

「アゼスの背中は平気」

 飛び立った塔から下を見たら怖いと思うけど、背中は安心だと知ってるから。絶対に二人とも私を落とさないし、落ちても助けてくれると信じてる。ぎゅっと抱き締めるリディの腕の中で、下に広がる景色を楽しんだ。

 飛行機みたいな高さになると、恐怖心ってマヒしちゃう。家の屋根や道が徐々に消えて、美しい森の緑が広がった。自然が豊かななんだな。そう思った私の視界に、予想外の色が飛び込んだ。

「赤い……?」

「そうよ、あれがこれから遊びに行く湖なの」

 リディが肯定したから、湖に間違いないのよね。この世界の水が赤いってことはないはず。顔を洗う水は普通に透明っぽかったし、宮殿の噴水は青っぽい水色だった。近づいても綺麗な赤一色。ときどき湖面が揺れるのは、魚が棲んでるのかな。

「降りるぞ」

 ぶわっと臍の下から撫でられるような、不思議な感覚がした。このゾワゾワする感覚、嫌いじゃないよ。非日常って感じで楽しい。数回のゾワゾワを味わいながら、アゼスは湖の畔に降り立った。私達が飛び降りたら、すぐに人型に戻る。

「水が赤いの?」

 とことこ近づこうとしたら、リディがまだダメだという。そうだね、アラン達が着くまで待とう。木陰に座ってすぐ、アランとエルが現れた。二人とも転移魔法で一瞬だ。アゼスと先に出て正解だったね。

「サラちゃんが湖を見たいのよ、頼んだわ。エル」

 水の属性はエルだから、彼が来るのを待ってたの? コウは今日お留守番で置いてきちゃったけど、転移で来るなら連れて来てもらえば良かったな。駆け回ったら楽しそうなのに。

「わかった。一緒に行こう、サラ」

 手を繋いでエルと一緒に湖に近づく。ぴちゃんと水面を叩いて魚が跳ねた。

「え? ピンク?」

 ピンク色の鱗で、赤い目の魚。湖の水で染まった?

「ふふっ、サラちゃんは面白いこと考えるわね」

「考えも表情も豊かで魅力的ですよ」

 さらっと幼女を口説かないで、アラン。赤い水の秘密は近くで見たら分かった。真っ赤な草が生えてるの。湖の底にびっしりと赤い水草があって、その色が水に反射していた。掬ったら透明の水だったから。

「魚はなんで?」

「この草を食べて育つからだね」

 なるほど、納得した。あれだわ、フラミンゴと同じ原理! フラミンゴはこの世界にいないのか、聖獣4人は一斉に首を傾げた。
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