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本編
71.足場を固めて祝い事を済ませないと
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エック兄様の婚約者は、作者猫の軽い頭が勘違いしておりまして……
11話、45話、57話に出てきていました/(^o^)\ごめんなさい
70話を修正しました(o´-ω-)o)ペコッ
*********************
フォルト兄様の婚約者について、複数の候補が上がった。エック兄様が、すでに選定に入っていたみたい。我が国の伯爵家のご令嬢が一人、イェンチェ王国の部族長の娘、副官ハイノの妹君。候補はこの三人だった。
イェンチェ王国は少数部族の集まった国だから、部族が貴族に置き換えられる。隣国だから後ろ盾としても有効だった。問題は、フォルト兄様に結婚する気がないこと。
夕食の席にクラウスを伴って顔を出し、フォルト兄様の件について話し合った。すでにお父様やガブリエラ様は砦に向かっており、当然出迎えるフォルト兄様も不在だ。ルヴィ兄様とエック兄様は真剣に比較をしているけれど、フォルト兄様が最後にぶち壊すと思うわ。
「私は皇帝陛下の婚約式が優先だと思いますが?」
意見を求められたクラウスは、核心をついた。そうよね、国を安定させるために、最優先の課題だもの。
「ルヴィ兄様、ザックス侯爵令嬢の新しいお名前は決まりましたの?」
「あ、ああ。連絡を受けた。マルグリットに決まりそうだ」
本人の希望で、この響きがいいとか。お祖母様の名前を頂いたそうよ。可愛がっていただいた証拠ね。
「イングリットの改名と同時に、ザックス侯爵令嬢も儀式を受けましょう」
「……そのように手配します」
エック兄様は少し考えて、頷いた。一瞬、皇女と侯爵令嬢を一緒に、と眉を顰めたのではなくて? オリーヴィアは名を改めてマルグリット皇妃になるの。皇族同士、一緒に儀式を行うのは普通よ。それに義理とはいえ、母娘になるんですもの。
「そちらは問題ないな。婚約式も同時で構わないか?」
「ええ。問題ございません」
すでに婚約者として扱っているけれど、公式には候補がついている。クラウスの立場を確定させなくては、ね。公爵への陞爵発表も同時にすれば、理由が鮮明になるわ。若い公爵の登場に、他の貴族から横槍が入らぬよう……しっかり手を打つ。
他国を攻めている状況で、自国の足元が揺らぐ事態は避けなければならない。土台が緩い建造物は、必ず崩れるわ。崩壊してから嘆いても遅かった。皇帝に妻子がなければ、倒れたら終わり。後ろから攻撃し、玉座を簒奪しようと企む貴族がいるかもしれない。
政は常に、背後と足元を固めておく必要があった。付け入る隙を見せれば、生き残れない。
「婚約式も、アディソン王国崩壊の前に行うか……忙しそうだな」
ルヴィ兄様は赤ワインを飲みながら、うーんと眉根を寄せる。エック兄様も日程を思い浮かべて、考え込んだ。手元は優雅に肉を切っているけれど、口に運ばないので刻まれていく。
「エック兄様、肉が可哀想でしてよ。それからルヴィ兄様、ワインの量が多いようですわ」
頬が赤くなったルヴィ兄様は、困ったようにこめかみを指で掻いた。その癖、ガブリエラ様に何度も注意されて、直ったと思っていたのに。
「私の代は、トリアが女帝のほうが良かったんじゃないか?」
「思っても口に出さないでくださいませ。余計な派閥ができます。それと……私は表で苦労する女帝はごめんですわ。裏でお兄様達を操る黒幕が理想ですの」
軽口をそれと理解して、兄二人は笑う。クラウスは微笑みを湛えて、うっとりと私を見ていた。ガブリエラ様の話では、ずっと私を好きで結婚しなかったらしい。それを聞いてから、すごく意識してしまうの。
さりげなさを装い、視線を皿の上に移す。エック兄様のことを言えないわね。私の肉も細かく切られて酷い状態だった。フォークで刺すより掬うほうが早いわ。苦笑いして口に運んだ。
家族の団欒である食事風景にしては、少しばかり堅苦しいかしら。でも新しい家族が増えれば、変わっていくでしょう。ザックス侯爵令嬢、ライフアイゼン公爵令嬢の二人が加わる日が楽しみね。
11話、45話、57話に出てきていました/(^o^)\ごめんなさい
70話を修正しました(o´-ω-)o)ペコッ
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フォルト兄様の婚約者について、複数の候補が上がった。エック兄様が、すでに選定に入っていたみたい。我が国の伯爵家のご令嬢が一人、イェンチェ王国の部族長の娘、副官ハイノの妹君。候補はこの三人だった。
イェンチェ王国は少数部族の集まった国だから、部族が貴族に置き換えられる。隣国だから後ろ盾としても有効だった。問題は、フォルト兄様に結婚する気がないこと。
夕食の席にクラウスを伴って顔を出し、フォルト兄様の件について話し合った。すでにお父様やガブリエラ様は砦に向かっており、当然出迎えるフォルト兄様も不在だ。ルヴィ兄様とエック兄様は真剣に比較をしているけれど、フォルト兄様が最後にぶち壊すと思うわ。
「私は皇帝陛下の婚約式が優先だと思いますが?」
意見を求められたクラウスは、核心をついた。そうよね、国を安定させるために、最優先の課題だもの。
「ルヴィ兄様、ザックス侯爵令嬢の新しいお名前は決まりましたの?」
「あ、ああ。連絡を受けた。マルグリットに決まりそうだ」
本人の希望で、この響きがいいとか。お祖母様の名前を頂いたそうよ。可愛がっていただいた証拠ね。
「イングリットの改名と同時に、ザックス侯爵令嬢も儀式を受けましょう」
「……そのように手配します」
エック兄様は少し考えて、頷いた。一瞬、皇女と侯爵令嬢を一緒に、と眉を顰めたのではなくて? オリーヴィアは名を改めてマルグリット皇妃になるの。皇族同士、一緒に儀式を行うのは普通よ。それに義理とはいえ、母娘になるんですもの。
「そちらは問題ないな。婚約式も同時で構わないか?」
「ええ。問題ございません」
すでに婚約者として扱っているけれど、公式には候補がついている。クラウスの立場を確定させなくては、ね。公爵への陞爵発表も同時にすれば、理由が鮮明になるわ。若い公爵の登場に、他の貴族から横槍が入らぬよう……しっかり手を打つ。
他国を攻めている状況で、自国の足元が揺らぐ事態は避けなければならない。土台が緩い建造物は、必ず崩れるわ。崩壊してから嘆いても遅かった。皇帝に妻子がなければ、倒れたら終わり。後ろから攻撃し、玉座を簒奪しようと企む貴族がいるかもしれない。
政は常に、背後と足元を固めておく必要があった。付け入る隙を見せれば、生き残れない。
「婚約式も、アディソン王国崩壊の前に行うか……忙しそうだな」
ルヴィ兄様は赤ワインを飲みながら、うーんと眉根を寄せる。エック兄様も日程を思い浮かべて、考え込んだ。手元は優雅に肉を切っているけれど、口に運ばないので刻まれていく。
「エック兄様、肉が可哀想でしてよ。それからルヴィ兄様、ワインの量が多いようですわ」
頬が赤くなったルヴィ兄様は、困ったようにこめかみを指で掻いた。その癖、ガブリエラ様に何度も注意されて、直ったと思っていたのに。
「私の代は、トリアが女帝のほうが良かったんじゃないか?」
「思っても口に出さないでくださいませ。余計な派閥ができます。それと……私は表で苦労する女帝はごめんですわ。裏でお兄様達を操る黒幕が理想ですの」
軽口をそれと理解して、兄二人は笑う。クラウスは微笑みを湛えて、うっとりと私を見ていた。ガブリエラ様の話では、ずっと私を好きで結婚しなかったらしい。それを聞いてから、すごく意識してしまうの。
さりげなさを装い、視線を皿の上に移す。エック兄様のことを言えないわね。私の肉も細かく切られて酷い状態だった。フォークで刺すより掬うほうが早いわ。苦笑いして口に運んだ。
家族の団欒である食事風景にしては、少しばかり堅苦しいかしら。でも新しい家族が増えれば、変わっていくでしょう。ザックス侯爵令嬢、ライフアイゼン公爵令嬢の二人が加わる日が楽しみね。
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