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本編
160.家族となるための交流会が迫る
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兄達は兄弟だから問題ないとして、クラウスは挨拶が必要ね。飲み会に誘うルヴィ兄様に、飲ませすぎないよう注意して送り出した。余裕を見せていたけれど、大丈夫かしら? クラウスにあまり絡む姿は想像できない。でも兄三人が私に対して過保護なので、完全に安心できないの。
何かあったら、私が対処すればいいわ。男性が飲み会なら、女性はお茶会を計画した。軽食付きでお昼過ぎから集まる予定よ。ジルヴィアも参加させるのは、マルグリットとの顔合わせも兼ねているから。未来の義母ですものね。
明日のお茶会には、全員クリーム色のドレスにする縛りを入れた。昼間だから明るい色、婚約式と重ならない色で選んだら、自然と白に近い色になったの。なかなか真っ白なドレスはないから、クリーム色を指定した。これなら濃淡が自由に調整できる。
私はシンプルな形のスレンダーラインを選んだ。背中を編み上げるリボンは明るい青よ。装飾品は水色のターコイズを用意する。地紋が花と菱を合わせた形で、少し凝っているの。警護の関係から、場所が宮殿内になったのは申し訳ないわ。
ガブリエラ様の奥宮に滞在するアデリナはいいけれど、マルグリットとコルネリアは朝から忙しいでしょう。遅れても平気だと伝えておいたけれど、あの二人は時間きっちりに到着すると思うわ。逆に心配なのがアデリナね。ガブリエラ様にお任せしたけれど……。
あれこれ考えながら、ドレスの襟に指を這わせる。
「何か懸念がございますか?」
ドレスに何かあるのか、心配したエリーゼが声を掛ける。彼女に首を振って何もないと伝え、星が見えない夜空へ目を向けた。日暮れ前から曇ってしまい、今日は月も顔を見せない。薄暗い夜は、なんとなく不安になるものよ。
「明日晴れるか、気になったの」
「天幕の準備はしておりますが、晴れるよう祈っております」
雨の場合に備え、準備をした。エリーゼにお礼を言って、ジルヴィアの様子を見に行く。お乳を飲んだばかりのジルヴィアは、じたばたと手を動かしていた。柔らかな離乳食を始めたが、まだ乳を欲しがるらしい。アンナの説明を聞きながら、ジルヴィアの頬をつついた。
小さな手が動いて、私の指を追いかける。捕まらない指と戯れるジルヴィアは、大きな目をぱちくりと瞬いた。帝国の青は今日も美しい。あゔぅ……声を上げて騒ぐジルヴィアに、私は動きを止めた。
きゅっと力強く人差し指を掴んだジルヴィアは満足そうだ。腕ごとぶんぶんと揺らして、その振動すら楽しんでいる。何もかもが満たされて、幸せを謳歌する。赤子の頃が一番、満たされているのかもしれないわ。大人になれば、嫌でも醜いものを目にするわ。
欲しいものが増えて、人を貶めても奪おうとする者も現れる。皇族に生まれて、未来の女帝という立場ならば何でも手に入るけれど……だからこそ手に入らないものに焦がれるでしょう。
「可愛いジルヴィア、私はあなたに『世界』をあげる」
この大陸にある七つの王国を、一つの帝国の付属物として。あなたにすべてあげる。
「お嬢様、お休みください」
もう遅くなりました。エリーゼは淡々と告げる。
「もうお嬢様ではなくてよ?」
「いいえ、私にとっていつまでも大切なお嬢様です」
その言葉に微笑み、アンナに娘のことを任せる。やや冷える廊下で足を止め、窓の外を眺めた。暗い夜空に光はない。明日、晴れますように。私も小さな祈りを捧げた。
何かあったら、私が対処すればいいわ。男性が飲み会なら、女性はお茶会を計画した。軽食付きでお昼過ぎから集まる予定よ。ジルヴィアも参加させるのは、マルグリットとの顔合わせも兼ねているから。未来の義母ですものね。
明日のお茶会には、全員クリーム色のドレスにする縛りを入れた。昼間だから明るい色、婚約式と重ならない色で選んだら、自然と白に近い色になったの。なかなか真っ白なドレスはないから、クリーム色を指定した。これなら濃淡が自由に調整できる。
私はシンプルな形のスレンダーラインを選んだ。背中を編み上げるリボンは明るい青よ。装飾品は水色のターコイズを用意する。地紋が花と菱を合わせた形で、少し凝っているの。警護の関係から、場所が宮殿内になったのは申し訳ないわ。
ガブリエラ様の奥宮に滞在するアデリナはいいけれど、マルグリットとコルネリアは朝から忙しいでしょう。遅れても平気だと伝えておいたけれど、あの二人は時間きっちりに到着すると思うわ。逆に心配なのがアデリナね。ガブリエラ様にお任せしたけれど……。
あれこれ考えながら、ドレスの襟に指を這わせる。
「何か懸念がございますか?」
ドレスに何かあるのか、心配したエリーゼが声を掛ける。彼女に首を振って何もないと伝え、星が見えない夜空へ目を向けた。日暮れ前から曇ってしまい、今日は月も顔を見せない。薄暗い夜は、なんとなく不安になるものよ。
「明日晴れるか、気になったの」
「天幕の準備はしておりますが、晴れるよう祈っております」
雨の場合に備え、準備をした。エリーゼにお礼を言って、ジルヴィアの様子を見に行く。お乳を飲んだばかりのジルヴィアは、じたばたと手を動かしていた。柔らかな離乳食を始めたが、まだ乳を欲しがるらしい。アンナの説明を聞きながら、ジルヴィアの頬をつついた。
小さな手が動いて、私の指を追いかける。捕まらない指と戯れるジルヴィアは、大きな目をぱちくりと瞬いた。帝国の青は今日も美しい。あゔぅ……声を上げて騒ぐジルヴィアに、私は動きを止めた。
きゅっと力強く人差し指を掴んだジルヴィアは満足そうだ。腕ごとぶんぶんと揺らして、その振動すら楽しんでいる。何もかもが満たされて、幸せを謳歌する。赤子の頃が一番、満たされているのかもしれないわ。大人になれば、嫌でも醜いものを目にするわ。
欲しいものが増えて、人を貶めても奪おうとする者も現れる。皇族に生まれて、未来の女帝という立場ならば何でも手に入るけれど……だからこそ手に入らないものに焦がれるでしょう。
「可愛いジルヴィア、私はあなたに『世界』をあげる」
この大陸にある七つの王国を、一つの帝国の付属物として。あなたにすべてあげる。
「お嬢様、お休みください」
もう遅くなりました。エリーゼは淡々と告げる。
「もうお嬢様ではなくてよ?」
「いいえ、私にとっていつまでも大切なお嬢様です」
その言葉に微笑み、アンナに娘のことを任せる。やや冷える廊下で足を止め、窓の外を眺めた。暗い夜空に光はない。明日、晴れますように。私も小さな祈りを捧げた。
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