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24.母性も父性も呼び起こす
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居心地が良すぎて困る。魔王の頭上とは違って、存在を認識されてるからストレスもほぼゼロだった。贅沢な悩みは増えたけど。
琥珀の朝は早い。日が昇る時間には起き出し、僕を袋に入れて散歩を始めた。母猫ニーは餌を取らなくてもよくなったせいか、のんびりと惰眠を貪る。子猫の面倒を見る必要もあるので、狩りは大変だったのだろう。
子猫から目を離す時間を琥珀が守っているため、代わりに狩りの獲物を一緒に分け合う。最初はそんな関係だったのかも知れない。母性本能全開のニーは、琥珀も我が子として育て始めた。
「しどう、これたべる」
腹を壊すからやめなさい。毒草ではないが、便秘解消の薬になる草だった。煎じてなくても生で食べたら腹を下す。普段は食べちゃダメだ。ひとつずつ、知っている知識を与えた。落ちていた木の実を拾い、琥珀は頭上を指さした。
「いっぱい、ある」
ココナッツの実だ。こんなに近所にあったのか。銀杏みたいな葉の木に成ってるけど、目の錯覚じゃないよな? 椰子の木に似た枝のない木に実るんじゃなかったっけ。広葉樹っぽい枝がいっぱいある木だった。街路樹風の木に人の頭くらいの実が揺れてる姿は、異世界感たっぷりだな。
異世界に来て長いが、魔王の頭上でこんなの見たことがない。いつも魔王城の中だったし、出かけても好きな場所を見れたわけじゃない。特に頭上なんて滅多に確認しなかった。実を拾った琥珀が歯を使って、器用に外の皮を剥いていく。それから穴を開ける道具を探し始めた。
キョロキョロする彼の近くにある棒を拾うよう指示し、説明して使わせる。途中で折れたが、数回チャレンジすると穴が開いた。口をつけて飲むために、もう一個穴が必要だ。場所を説明するが伝わらず、考えた琥珀はあちこちを指さした。その中のひとつに「これだ」と伝えたら、大喜びで穴を開ける。
やっぱり知能指数は高い。すぐに解決法を探って実行するのも、好感度高いぞ。偉いと褒めて、実に開けた穴の片方から吸い上げる方法を教えた。嬉しそうに中身を飲む琥珀は満足したらしい。残りを僕に飲ませようとする。
気持ちは嬉しいが、方法は結構乱暴だった。子どもだから仕方ないが、ツノを穴に突き刺そうとするのはやめてくれ。飲めないことを伝えて、諦めてもらった。しょんぼりした琥珀は、一緒に味わいたかったのか。
可愛いな。手足だけじゃなくて、口も欲しいと願った。出来たら人化したい。抱き締めて大切だと伝えて、あれこれ直接教えながら育ててやりたい。僕にも父性本能があったようだ。
「にー、なく。かえる」
バルテルが起きたのだろう。母猫ニーが呼んでるらしい。僕には聞こえないが、琥珀がそう言うなら事実のはずだ。この子に嘘をつく概念はないし、嘘をつく理由もなかった。残った実を捨てようとする琥珀を止め、中身を干すから持ち帰るようにお願いする。
「おねがい、された」
嬉しそうに歩く琥珀は右手に木の実、左手に僕を掴んで勢いよく歩く。三半規管ないのに酔うタイプなんで、出来たら袋に戻してくれ。口がないのに吐きそう。
琥珀の朝は早い。日が昇る時間には起き出し、僕を袋に入れて散歩を始めた。母猫ニーは餌を取らなくてもよくなったせいか、のんびりと惰眠を貪る。子猫の面倒を見る必要もあるので、狩りは大変だったのだろう。
子猫から目を離す時間を琥珀が守っているため、代わりに狩りの獲物を一緒に分け合う。最初はそんな関係だったのかも知れない。母性本能全開のニーは、琥珀も我が子として育て始めた。
「しどう、これたべる」
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「いっぱい、ある」
ココナッツの実だ。こんなに近所にあったのか。銀杏みたいな葉の木に成ってるけど、目の錯覚じゃないよな? 椰子の木に似た枝のない木に実るんじゃなかったっけ。広葉樹っぽい枝がいっぱいある木だった。街路樹風の木に人の頭くらいの実が揺れてる姿は、異世界感たっぷりだな。
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キョロキョロする彼の近くにある棒を拾うよう指示し、説明して使わせる。途中で折れたが、数回チャレンジすると穴が開いた。口をつけて飲むために、もう一個穴が必要だ。場所を説明するが伝わらず、考えた琥珀はあちこちを指さした。その中のひとつに「これだ」と伝えたら、大喜びで穴を開ける。
やっぱり知能指数は高い。すぐに解決法を探って実行するのも、好感度高いぞ。偉いと褒めて、実に開けた穴の片方から吸い上げる方法を教えた。嬉しそうに中身を飲む琥珀は満足したらしい。残りを僕に飲ませようとする。
気持ちは嬉しいが、方法は結構乱暴だった。子どもだから仕方ないが、ツノを穴に突き刺そうとするのはやめてくれ。飲めないことを伝えて、諦めてもらった。しょんぼりした琥珀は、一緒に味わいたかったのか。
可愛いな。手足だけじゃなくて、口も欲しいと願った。出来たら人化したい。抱き締めて大切だと伝えて、あれこれ直接教えながら育ててやりたい。僕にも父性本能があったようだ。
「にー、なく。かえる」
バルテルが起きたのだろう。母猫ニーが呼んでるらしい。僕には聞こえないが、琥珀がそう言うなら事実のはずだ。この子に嘘をつく概念はないし、嘘をつく理由もなかった。残った実を捨てようとする琥珀を止め、中身を干すから持ち帰るようにお願いする。
「おねがい、された」
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