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33.バレるのは数十年後のはず
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ツノが偽物だと飛び込んでくるベリアルの夢を見た。そう呟いたのはバルテルだった。意外と気が小さい。
『バレるとしたら数十年後だよ。魔王が復活した後だぞ』
「なぜ言い切れる?」
怪訝そうな彼に説明してやった。まず外見上区別が付いていないなら、そのまま魔王が復活するための繭に放り込む。再生中の魔王にツノが定着し、彼の魔力が満ちて目が覚めるのは50年以上先だった。その頃になって魔力が足りないとわかっても、もう手の打ちようがない。
『次の勇者に負けるのは確実だ。ベリアルが怒って飛び込んでくるとしたら、その頃かな』
魔力不足で勇者に魔王が倒される。そこまで事態が逼迫しないと、ツノのせいだと思わないだろ。もしかしたらツノが魔力の供給源だったと気づかないかも知れない。
『もし、僕の魔力の存在を理解してなかったら、ずっと来ないよ』
魔王の魔力の大半は僕が供給していた。だが魔力の鑑定をすると、魔王と一体化していた僕の魔力は、魔王の魔力に見える。だから僕が魔力の源だと気付きにくい。淡々と説明したら、目を丸くした後……バルテルが溜め息を吐いた。
「お前、本当に悪い奴だな」
『何言ってるんだよ。僕の魔力を無料で使い放題されてたんだぞ? 利用料を請求しないだけでも感謝してもらいたいね』
「そりゃいいや」
げらげら笑い出したバルテルの大声で、琥珀が起きてしまった。目を擦りながら身を起こし、ベッドの上でゆらゆらと左右に揺れる。前は寝起きが良かったが、最近は徐々に寝ぼけるようになった。それだけ環境に馴染んで、ここは安心な場所と理解した証拠だ。
「……お肉」
干し肉をくちゃくちゃと噛むニーの姿に、のそりと起き上がって近づいてくる。朝食はまだだと言ったのに、ニーから少し分けてもらった。そんなに腹が減ってるのか?
「早いが朝食にするか」
バルテルが準備を始める。後ろ姿を見ながら、手を伸ばした琥珀が僕を抱き寄せた。膝の上に置いて、よしよしと撫でられる。気持ち的には擽ったい。
『どうしたんだ? 琥珀』
「僕のシドウだもん」
お気に入りのおもちゃを取られた気になったみたいだ。そうだなと相槌を打って、琥珀の好きにさせた。まあ、逆らう方法もないんだけど。
全身を撫で回して満足したのか、首に下げた空の袋に僕を収納する。ちゃんと上下も確認して、少し先端が出るよう気遣ってくれた。
「大変だ! あの魔族がまた来たぞ!!」
ロルフの叫び声に、バルテルは作りかけのサンドを口に頬張り、半分を琥珀の手に握らせた。僕を服の中に隠した琥珀を抱き上げ、バルテルが一気にツリーハウスから飛び降りる。ぶわっと浮遊感が襲い、その直後駆け出した彼らの振動に耐えた。服の中だと何も見えない。
「何しに来た」
対峙するバルテルの威嚇じみた声に、ベリアルが傲慢さの滲む声を放つ。
「あのツノ、もう1本ありましたよね?」
『バレるとしたら数十年後だよ。魔王が復活した後だぞ』
「なぜ言い切れる?」
怪訝そうな彼に説明してやった。まず外見上区別が付いていないなら、そのまま魔王が復活するための繭に放り込む。再生中の魔王にツノが定着し、彼の魔力が満ちて目が覚めるのは50年以上先だった。その頃になって魔力が足りないとわかっても、もう手の打ちようがない。
『次の勇者に負けるのは確実だ。ベリアルが怒って飛び込んでくるとしたら、その頃かな』
魔力不足で勇者に魔王が倒される。そこまで事態が逼迫しないと、ツノのせいだと思わないだろ。もしかしたらツノが魔力の供給源だったと気づかないかも知れない。
『もし、僕の魔力の存在を理解してなかったら、ずっと来ないよ』
魔王の魔力の大半は僕が供給していた。だが魔力の鑑定をすると、魔王と一体化していた僕の魔力は、魔王の魔力に見える。だから僕が魔力の源だと気付きにくい。淡々と説明したら、目を丸くした後……バルテルが溜め息を吐いた。
「お前、本当に悪い奴だな」
『何言ってるんだよ。僕の魔力を無料で使い放題されてたんだぞ? 利用料を請求しないだけでも感謝してもらいたいね』
「そりゃいいや」
げらげら笑い出したバルテルの大声で、琥珀が起きてしまった。目を擦りながら身を起こし、ベッドの上でゆらゆらと左右に揺れる。前は寝起きが良かったが、最近は徐々に寝ぼけるようになった。それだけ環境に馴染んで、ここは安心な場所と理解した証拠だ。
「……お肉」
干し肉をくちゃくちゃと噛むニーの姿に、のそりと起き上がって近づいてくる。朝食はまだだと言ったのに、ニーから少し分けてもらった。そんなに腹が減ってるのか?
「早いが朝食にするか」
バルテルが準備を始める。後ろ姿を見ながら、手を伸ばした琥珀が僕を抱き寄せた。膝の上に置いて、よしよしと撫でられる。気持ち的には擽ったい。
『どうしたんだ? 琥珀』
「僕のシドウだもん」
お気に入りのおもちゃを取られた気になったみたいだ。そうだなと相槌を打って、琥珀の好きにさせた。まあ、逆らう方法もないんだけど。
全身を撫で回して満足したのか、首に下げた空の袋に僕を収納する。ちゃんと上下も確認して、少し先端が出るよう気遣ってくれた。
「大変だ! あの魔族がまた来たぞ!!」
ロルフの叫び声に、バルテルは作りかけのサンドを口に頬張り、半分を琥珀の手に握らせた。僕を服の中に隠した琥珀を抱き上げ、バルテルが一気にツリーハウスから飛び降りる。ぶわっと浮遊感が襲い、その直後駆け出した彼らの振動に耐えた。服の中だと何も見えない。
「何しに来た」
対峙するバルテルの威嚇じみた声に、ベリアルが傲慢さの滲む声を放つ。
「あのツノ、もう1本ありましたよね?」
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