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64.痛いっ、腹が裂けそうだ!
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魔法って便利だな……この世界に来て長いけど、何かを作る姿の時にそう感じる。攻撃魔法とか防御の結界も便利だけど、あまり惹かれない。人同士が戦うからかな。平和な日本から来たので、どうしても魔法というとゲームとかのイメージが強いけど。
やっぱり何かを作る際の、痒いところに手が届く魔法は憧れる。僕も厨二呪文さえなければ、魔法使い放題なんだけどね。あの呪文は地味に精神を削るんだよ。
「四角く切りましょう。少し大きいですね」
まるで相談するように呟きながら魔力を調整するベリアルが、基礎となる一階部分を石造りで仕上げていく。基礎部分も石で作ってくれたので、きっと地震にも強い。この世界で地震に遭ったことないけどね。魔法で起こす振動が伝わってくることはあるから、念のためだ。
彼らの計画では三階まで石造りにして、そこから上は木造なんだとか。見渡す限りの大地を禿山にした挙句、あり得ない広さの床が広がっていた。
『大き過ぎないか?』
「王の城ですよ? 大きいのが当然でしょう」
「そうだ。俺らがケチったみたいに見えるだろ」
そう言われると、僕が間違ってるのかと思う。でもね、最初はベビー用品を置く倉庫と生活スペースが欲しい話から始まったんだよな? お城を建てる相談じゃなかったはず。
「岩を運んできたぞ」
「ありがとうございます。助かりました」
シェンが巨大な岩を魔法で圧縮して運んでくる。当たり前のように受け取るベリアルが、さっさと加工し始めた。魔力を含んだ岩なのだとか。特注素材だな。
「希望はありますか?」
この段階で尋ねられても……もっと早く聞いてくれ。そうしたら地味な小さい家を希望したのに。巨大な石造りの遺跡もどきを見ながら、僕は呟いた。
『僕は寝室があればそれで』
「ワンフロアぶち抜きですから、寝室は広いですよ。駆け回れる広さがあります」
『小さい、こじんまりした部屋の方が落ち着くんだけど』
「琥珀王の伴侶が、何を言ってんだ! すぐに子どもも増えて狭くなるさ」
バルテルに背中を叩かれる。途端に琥珀がぎっと睨んだ。
「叩くダメ、僕のお嫁さん」
「ああ、すまん。力が強かったか?」
『…………平気』
もう完全にお嫁さんで定着したんだ? 手伝ってる森人達の視線が温かい。僕はメスとして認識されちゃったのか。腹が重い。ぺたんと座り、それでも辛くて腹ばいになった。少し斜めに寝転がると、圧迫されない。
「悪い、そんなに痛かったか?」
『ん、違う。今日はなんだか苦しいんだよ』
叩く力が強かったと反省するバルテルに首を横に振った。朝から怠くて、動きたくないんだ。腹が急に重くなった気がする。寝転がったつもりで、いつの間にか寝ていた。
『っ、痛い!』
急に腹が痛い。中で何かが弾けたような激痛が走った。飛び起きた僕の腹を撫でる琥珀がおろおろしている。落ち着かせてあげなくちゃ、そう思うのに腹の痛みは酷くなった。腹が裂ける!
「アルマを呼んでくれ。あと奥さん達を集めて、湯を沸かすぞ」
「湯なら用意します」
「風呂でいいんじゃないか?」
あちこちで騒がしくなり、ふわりと抱き上げられた。この匂いはシェンか? 痛みで朦朧としながら、蒸気が満ちた風呂に運ばれる。痛いっ、何だこれ。死んじゃう!
この世界に来て、初めて本気で死ぬかもと思った。
やっぱり何かを作る際の、痒いところに手が届く魔法は憧れる。僕も厨二呪文さえなければ、魔法使い放題なんだけどね。あの呪文は地味に精神を削るんだよ。
「四角く切りましょう。少し大きいですね」
まるで相談するように呟きながら魔力を調整するベリアルが、基礎となる一階部分を石造りで仕上げていく。基礎部分も石で作ってくれたので、きっと地震にも強い。この世界で地震に遭ったことないけどね。魔法で起こす振動が伝わってくることはあるから、念のためだ。
彼らの計画では三階まで石造りにして、そこから上は木造なんだとか。見渡す限りの大地を禿山にした挙句、あり得ない広さの床が広がっていた。
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「ありがとうございます。助かりました」
シェンが巨大な岩を魔法で圧縮して運んでくる。当たり前のように受け取るベリアルが、さっさと加工し始めた。魔力を含んだ岩なのだとか。特注素材だな。
「希望はありますか?」
この段階で尋ねられても……もっと早く聞いてくれ。そうしたら地味な小さい家を希望したのに。巨大な石造りの遺跡もどきを見ながら、僕は呟いた。
『僕は寝室があればそれで』
「ワンフロアぶち抜きですから、寝室は広いですよ。駆け回れる広さがあります」
『小さい、こじんまりした部屋の方が落ち着くんだけど』
「琥珀王の伴侶が、何を言ってんだ! すぐに子どもも増えて狭くなるさ」
バルテルに背中を叩かれる。途端に琥珀がぎっと睨んだ。
「叩くダメ、僕のお嫁さん」
「ああ、すまん。力が強かったか?」
『…………平気』
もう完全にお嫁さんで定着したんだ? 手伝ってる森人達の視線が温かい。僕はメスとして認識されちゃったのか。腹が重い。ぺたんと座り、それでも辛くて腹ばいになった。少し斜めに寝転がると、圧迫されない。
「悪い、そんなに痛かったか?」
『ん、違う。今日はなんだか苦しいんだよ』
叩く力が強かったと反省するバルテルに首を横に振った。朝から怠くて、動きたくないんだ。腹が急に重くなった気がする。寝転がったつもりで、いつの間にか寝ていた。
『っ、痛い!』
急に腹が痛い。中で何かが弾けたような激痛が走った。飛び起きた僕の腹を撫でる琥珀がおろおろしている。落ち着かせてあげなくちゃ、そう思うのに腹の痛みは酷くなった。腹が裂ける!
「アルマを呼んでくれ。あと奥さん達を集めて、湯を沸かすぞ」
「湯なら用意します」
「風呂でいいんじゃないか?」
あちこちで騒がしくなり、ふわりと抱き上げられた。この匂いはシェンか? 痛みで朦朧としながら、蒸気が満ちた風呂に運ばれる。痛いっ、何だこれ。死んじゃう!
この世界に来て、初めて本気で死ぬかもと思った。
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