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10.どちらがお父さんでお母さん?
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連絡しないで遊びにきたら、見張りのドラゴンに驚かれちゃった。でも、すぐにお祖母ちゃんが顔を見せる。
「おやおや、ウェパルだったのかい。そちらのお方は……随分と強い魔族の方だね」
「うんとね、僕の伴侶で魔王様で、一緒に暮らすことになったの」
忘れないよう指を折りながら説明する。あれ? 何か忘れてるかも。うーんと考える僕の頭をベル様が撫でた。なんだか笑っているみたい。
「あっ! あと僕が大好きな人だよ」
一気に伝えて満足した僕の目の前で、大きな緑の鱗を持つお祖母ちゃんは何度も頷いた。それからぺたんと平べったくなる。ベル様の前だと、皆がぺたんこになるのは、何でだろう。他のドラゴンも、お祖母ちゃんの後ろで同じ姿勢になった。
「ねえ、ベル様。どうして皆、ぺたんこになるの?」
「俺が魔王だから、だな」
「僕もぺたんこする?」
「いや、ウェパルは俺の腕の中にいろ」
ゾクゾクするのと嬉しいのが一度にきて、僕はベル様の腕に抱きついた。ぐりぐりと腕に頭を擦り付ける。背中を撫でるベル様は、僕の背中の棘は平気みたい。
「挨拶は良い。ウェパルを伴侶とする旨、ラウム達に了承をとった。今後は俺が魔王としてドラゴンを庇護しよう」
「ありがとうございます。地竜の長ヴィネにございます。孫ウェパル共々、末長くお願いいたしますね」
「うむ」
こてりと首を傾げる。お父さんやお母さんもそうだけど、ベル様に名前を教えていた。何かの決まりなのかな。魔王様になったから、ベル様にお名前を言うのかも!
「ベル様、魔王様ってどのくらい偉いの?」
お祖母ちゃんが慌てて止めようとしたけど、ベル様が首を横に振ると困った顔で座った。僕はいけないことを聞いたのかな。
「そうだな、俺がいた世界では一番強い者だ。だから一番偉いかもしれん」
その分、義務があるんだとか。ベル様は全部ひっくるめて、魔王様をするんだって。僕達ドラゴンだけじゃなくて、別の魔族も庇護する。庇護の意味がわからないけど、僕は知ってるフリで頷いた。
きっとベル様は何を聞いても答えてくれる。でもあまり聞いてばかりだと、僕が賢くないみたいだもん。覚えておいて、後でお母さんに聞こう。
お祖母ちゃんの洞窟は、地面から透明の石が生えてるんだ。それが光って、ぼんやり明るい。地竜はお外へ出ると明るすぎるから、昼間は絶対に出てこないの。目が痛いんだよ。夜になったらお外に出られる。
知っているお話をしたら、ウェパルはいい子だと撫でてもらえた。
「光る水晶か……この下に地脈があるのか」
「はい、魔王様は別世界からいらしたようで。ドラゴンの住処は、すべて地脈に沿っています。他種族は竜脈などと呼ぶこともありますねぇ」
お祖母ちゃんのお腹や足の先は、茶色い鱗になっている。僕は降ろしてもらい、久しぶりにお祖母ちゃんの抱っこを楽しんだ。空中に浮かせて受け止める遊びは、お祖父ちゃんはしてくれない。落ちると怖いと言ってた。
「ウェパルや、伴侶の意味は分かっているかい? ちゃんとライラに聞いたんだろうね」
「たぶん……ずっと一緒にいる人だよ」
「幼いのをいいことに説明を省くなんて。あの子にも困ったものだね。ウェパル、伴侶はお前のお父さんとお母さんみたいになることさ」
「お父さんとお母さん……」
僕は男の子だから、お父さんになる。じゃあ、綺麗なベル様がお母さん? きらきらと目を輝かせた僕に、ベル様が不思議そうな顔をした。
「おやおや、ウェパルだったのかい。そちらのお方は……随分と強い魔族の方だね」
「うんとね、僕の伴侶で魔王様で、一緒に暮らすことになったの」
忘れないよう指を折りながら説明する。あれ? 何か忘れてるかも。うーんと考える僕の頭をベル様が撫でた。なんだか笑っているみたい。
「あっ! あと僕が大好きな人だよ」
一気に伝えて満足した僕の目の前で、大きな緑の鱗を持つお祖母ちゃんは何度も頷いた。それからぺたんと平べったくなる。ベル様の前だと、皆がぺたんこになるのは、何でだろう。他のドラゴンも、お祖母ちゃんの後ろで同じ姿勢になった。
「ねえ、ベル様。どうして皆、ぺたんこになるの?」
「俺が魔王だから、だな」
「僕もぺたんこする?」
「いや、ウェパルは俺の腕の中にいろ」
ゾクゾクするのと嬉しいのが一度にきて、僕はベル様の腕に抱きついた。ぐりぐりと腕に頭を擦り付ける。背中を撫でるベル様は、僕の背中の棘は平気みたい。
「挨拶は良い。ウェパルを伴侶とする旨、ラウム達に了承をとった。今後は俺が魔王としてドラゴンを庇護しよう」
「ありがとうございます。地竜の長ヴィネにございます。孫ウェパル共々、末長くお願いいたしますね」
「うむ」
こてりと首を傾げる。お父さんやお母さんもそうだけど、ベル様に名前を教えていた。何かの決まりなのかな。魔王様になったから、ベル様にお名前を言うのかも!
「ベル様、魔王様ってどのくらい偉いの?」
お祖母ちゃんが慌てて止めようとしたけど、ベル様が首を横に振ると困った顔で座った。僕はいけないことを聞いたのかな。
「そうだな、俺がいた世界では一番強い者だ。だから一番偉いかもしれん」
その分、義務があるんだとか。ベル様は全部ひっくるめて、魔王様をするんだって。僕達ドラゴンだけじゃなくて、別の魔族も庇護する。庇護の意味がわからないけど、僕は知ってるフリで頷いた。
きっとベル様は何を聞いても答えてくれる。でもあまり聞いてばかりだと、僕が賢くないみたいだもん。覚えておいて、後でお母さんに聞こう。
お祖母ちゃんの洞窟は、地面から透明の石が生えてるんだ。それが光って、ぼんやり明るい。地竜はお外へ出ると明るすぎるから、昼間は絶対に出てこないの。目が痛いんだよ。夜になったらお外に出られる。
知っているお話をしたら、ウェパルはいい子だと撫でてもらえた。
「光る水晶か……この下に地脈があるのか」
「はい、魔王様は別世界からいらしたようで。ドラゴンの住処は、すべて地脈に沿っています。他種族は竜脈などと呼ぶこともありますねぇ」
お祖母ちゃんのお腹や足の先は、茶色い鱗になっている。僕は降ろしてもらい、久しぶりにお祖母ちゃんの抱っこを楽しんだ。空中に浮かせて受け止める遊びは、お祖父ちゃんはしてくれない。落ちると怖いと言ってた。
「ウェパルや、伴侶の意味は分かっているかい? ちゃんとライラに聞いたんだろうね」
「たぶん……ずっと一緒にいる人だよ」
「幼いのをいいことに説明を省くなんて。あの子にも困ったものだね。ウェパル、伴侶はお前のお父さんとお母さんみたいになることさ」
「お父さんとお母さん……」
僕は男の子だから、お父さんになる。じゃあ、綺麗なベル様がお母さん? きらきらと目を輝かせた僕に、ベル様が不思議そうな顔をした。
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