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25.お父さんが子どもみたいなの
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「ウェパル、これはどうだ? ダメそうならこっちは?」
お父さんがいっぱいご飯を並べる。溶岩の近くで焼いたお肉、まだ冷たい生のお肉、木の実……たくさん並んでるけど、どれも食べたくなかった。
ベル様は何を食べたのかな? 僕があーんしなくても、美味しく食べた? それともお仕事で食べてなかったりして。いろいろ心配になってしまう。
しょんぼりする僕の前で、お父さんががくりと崩れた。顎をぺたんと地面につけて、しくしくと泣き始める。
「お父さん?」
「可愛い息子と久しぶりのお泊まりなのに……」
ご飯も食べないし、朝も早くから起きていた。寝転んでゴロゴロしたかった。お父さんが訴える内容を聞きながら、僕はペタペタと歩いた。お父さんが口を開けたら、僕は中に吸い込まれそう。そのくらい大きさが違うのに、子どもみたい。
「お父さん、焼いたのをあーんして」
「すぐ焼き直してくる!!」
目の前にあるお肉は古いといって、また焼き始めた。すぐに火が通ったお肉を僕のところへ運んでくる。口先で温度を確かめ、小さく千切ってもらった。あーんと口を開ける。あんまりお腹空いてないけど、食べないとお父さんが泣いちゃうから。
一応、火竜の中で一番偉い人なの。周りのドラゴンが驚いていた。だからお父さんの威厳を守ってあげないと。前に「ドラゴンは威厳が必要だ」ってお祖父ちゃんも言ってた。まだ威厳の意味は分からないけど、偉そうに見せる部分だと思う。
「お父さん……?」
いつまでも口に入ってこないので、目を開けた。お肉はぶら下がっていて、ぶるぶる震えている。お父さんが口で咥えて運んだお肉を、手が掴んでいた。この黒い肌はベル様?!
「ベル様!」
「早起きだな、ウェパル」
普通に挨拶したベル様は、握っていたお肉を離した。お父さんは顔に向かって飛んできた肉を、ぱくりと飲んだ。そのあと咳き込んでいる。
「まだ早朝……げほっ、早すぎ……うっ、ぐ!」
ご飯はゆっくり食べないと、喉に詰まるってお母さんが話していた。これのことかな。お父さんが焼いたお肉はまだいっぱいあって、ベル様はその一つを選んで細かく切った。それを僕の口の前に差し出す。
「食事中だったのか。ほら」
「あーん」
口に入れてよく噛んだ。お腹空いてないと思ったのに、すごく美味しい。もう一つ、また一つ。お肉を両手で掴んで齧る僕に、お父さんがそっとお肉を渡す。それも食べた。全部美味しい。
苦しくなるまで食べて、汚れた手をお腹の鱗で拭く。それから近くにあったお肉を引っ張って、ベル様に渡した。
「ベル様も食べる?」
「そうだな、ウェパルが食べさせてくれるか?」
「うん」
大きいお肉の上を爪で切って、ベル様のために焼く。ぺたぺた歩いて移動し、溶岩で焼いて戻った。ベル様は僕の手から食べて、ついでに手も舐める。美味しいって言ってくれた。
往復する僕を見ていたお父さんが、溶岩を手で掴んで移動させた。近くなったので、ありがとうとお礼を言って使う。焼いたお肉をベル様が食べている間に、次のお肉をお父さんの口に入れた。
だって、お父さんが子どもみたいに口開けて待ってるんだもん。溶岩の横に並んでるから、何度も入れたよ。大喜びして尻尾を振り回していた。
すぐ帰るとお父さんが泣いちゃうから、夕方までお父さん達の巣でゆっくりする。僕はいいけど、ベル様は暑くないの? そう聞いたら、平気だって。魔王様は暑さにも強いんだね。
お父さんがいっぱいご飯を並べる。溶岩の近くで焼いたお肉、まだ冷たい生のお肉、木の実……たくさん並んでるけど、どれも食べたくなかった。
ベル様は何を食べたのかな? 僕があーんしなくても、美味しく食べた? それともお仕事で食べてなかったりして。いろいろ心配になってしまう。
しょんぼりする僕の前で、お父さんががくりと崩れた。顎をぺたんと地面につけて、しくしくと泣き始める。
「お父さん?」
「可愛い息子と久しぶりのお泊まりなのに……」
ご飯も食べないし、朝も早くから起きていた。寝転んでゴロゴロしたかった。お父さんが訴える内容を聞きながら、僕はペタペタと歩いた。お父さんが口を開けたら、僕は中に吸い込まれそう。そのくらい大きさが違うのに、子どもみたい。
「お父さん、焼いたのをあーんして」
「すぐ焼き直してくる!!」
目の前にあるお肉は古いといって、また焼き始めた。すぐに火が通ったお肉を僕のところへ運んでくる。口先で温度を確かめ、小さく千切ってもらった。あーんと口を開ける。あんまりお腹空いてないけど、食べないとお父さんが泣いちゃうから。
一応、火竜の中で一番偉い人なの。周りのドラゴンが驚いていた。だからお父さんの威厳を守ってあげないと。前に「ドラゴンは威厳が必要だ」ってお祖父ちゃんも言ってた。まだ威厳の意味は分からないけど、偉そうに見せる部分だと思う。
「お父さん……?」
いつまでも口に入ってこないので、目を開けた。お肉はぶら下がっていて、ぶるぶる震えている。お父さんが口で咥えて運んだお肉を、手が掴んでいた。この黒い肌はベル様?!
「ベル様!」
「早起きだな、ウェパル」
普通に挨拶したベル様は、握っていたお肉を離した。お父さんは顔に向かって飛んできた肉を、ぱくりと飲んだ。そのあと咳き込んでいる。
「まだ早朝……げほっ、早すぎ……うっ、ぐ!」
ご飯はゆっくり食べないと、喉に詰まるってお母さんが話していた。これのことかな。お父さんが焼いたお肉はまだいっぱいあって、ベル様はその一つを選んで細かく切った。それを僕の口の前に差し出す。
「食事中だったのか。ほら」
「あーん」
口に入れてよく噛んだ。お腹空いてないと思ったのに、すごく美味しい。もう一つ、また一つ。お肉を両手で掴んで齧る僕に、お父さんがそっとお肉を渡す。それも食べた。全部美味しい。
苦しくなるまで食べて、汚れた手をお腹の鱗で拭く。それから近くにあったお肉を引っ張って、ベル様に渡した。
「ベル様も食べる?」
「そうだな、ウェパルが食べさせてくれるか?」
「うん」
大きいお肉の上を爪で切って、ベル様のために焼く。ぺたぺた歩いて移動し、溶岩で焼いて戻った。ベル様は僕の手から食べて、ついでに手も舐める。美味しいって言ってくれた。
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だって、お父さんが子どもみたいに口開けて待ってるんだもん。溶岩の横に並んでるから、何度も入れたよ。大喜びして尻尾を振り回していた。
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