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71 非日常を日常へ
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数日のうちにフェリチアーノは正式にグレイス家と養子縁組をした。ミリアとジャンは大層喜び、親子は無理でも兄姉の様に思って欲しいとフェリチアーノを改めて歓迎した。
それに伴い誓約魔法も解除され、フェリチアーノの手首から刺青が消えたのだが、癖になっていた様で何度も手首を撫でてしまうフェリチアーノを見てはテオドールと顔を見合わせ、その度に笑い合ったのだった。
「最初はどうかなって思っていたけど、俺の物って感じがして意外と気に入ってたんだけどな」
「えぇ? 君は意外と独占欲が強いんだねぇ」
「僕もテオの物だと実感出来るので気に入ってましたよ?」
「アレをそう言うふうに思うなんて似た者同士なんだねぇ……それじゃあ新しく付けたら良いさ」
口いっぱいに菓子を頬張りながら事もなげに言ってくるリンドベルに、二人は顔を見合わせた。
「あれは僕のお祖父様が作った物だからね、作り方ならわかるよ? なんなら刺青のデザインも好きに出来るし、色を変えてもいいしねぇ、誓約も変えれるけどどうする?」
「流石リンドベルだな! ねぇフェリ、指輪も用意してるけれど、婚約と結婚の記念に今度はお互いに付けるのはどうかな?」
スルリと既に刺青が無くなった手首を撫でられ思わず肌が粟立つ。独占欲と執着心を目に見える形で、消えない所有印をお互いの手首に付け合うと言うのは何とも嬉しい物だ。
奪われ続けてきたフェリチアーノは、決して奪われる事が無いと証明される所有印を想像し自然とうっとりとした顔をしてしまえば、その顔を見たテオドールの顔が瞬時に赤くなりフェリチアーノを抱きしめた。
「あぁあぁ、お熱いねぇ、僕が居る事忘れてないだろうね君達!」
「仕方ないだろう、フェリが可愛い反応するんだから! 慣れろ!」
「毎日、毎日よくやるよねぇ。僕は毎日お腹がいっぱいでお菓子しか食べられないよ」
二人のやり取りにくすくすと笑いながらも、フェリチアーノはリンドベルに感謝する。気の置けないやり取りと雰囲気は、デュシャン家にいた時ように息が詰まる事はない。
リンドベルが定住まで提案してくれたおかげで、テオドールとの婚姻の話が出たのもありがたい事だった。
それについて本当に良いのかと何度も聞いたのだが、各国をフラつくのも飽きて来たし、どこかの国の後ろ盾があった方が色々面倒くさい事に巻き込まれる事も少なく無くなる上に、それがテオドールとフェリチアーノが居る国であれば、安心して根を下ろせるのだと言い切った。
特にテオドールが国力が高い国の王子である事が一番重要なのだとリンドベルは言う。何も君達の幸せだけの為の行動では無いから気に病む必要は何も無いのだと言うリンドベルに、フェリチアーノは利用してしまう事への罪悪感が少し和らいだ。
社交に力を入れろと言われた通りに、フェリチアーノの体調を見て短時間ではあるが茶会や夜会に顔を出す様になった。
そうなれば社交界での噂は自ずとフェリチアーノとテオドールの話題になり、あちらこちらで多様な話が繰り広げられる様になる。
そんな中で、フェリチアーノはデュシャン家の屋敷へと足を伸ばしていた。
先にグレイス家と養子縁組をしたが、まだデュシャンの名と爵位はフェリチアーノが持っている。
アンベール達がデュシャンの家名で借入ている借金もそれに不随しているが、当然フェリチアーノはそれを返す気は無かった。
どうせなら爵位共にくれてやれと各所から言われた為に、それもそうかと納得したフェリチアーノは、自分が爵位を持っていると信じ込んでいるアンベールにわからない様に、細かくびっしりと文字が書かれた爵位譲渡の書類を用意したのだった。
テオドールは協力者だと信じ込んでいるカサンドラに金を握らせ、その日にアンベールとシルヴァン以外を外に連れ出して貰い、フェリチアーノがすぐにサインを貰い帰って来れるように手配をした。
愛していたであろう夫を最も簡単に裏切るカサンドラの行動にフェリチアーノは怒りを覚える。そんな簡単に裏切るならば最初から既婚者等に手を出さなければ良いのにと。
カサンドラが居なければ、祖父と母は生きていたかもしれないし、セザールも生きていただろう。
形はどうあれ家族として生活出来ていたかもしれない。考えてしまっても仕方の無い事だが、そう考えてしまう事は止められなかった。
馬車は静かにデュシャン家の前へと止まる。
これでデュシャンの屋敷へ来るのも最後だと、全てを終わらせるのだとフェリチアーノは気合いを入れて屋敷へと踏み入れた。
それに伴い誓約魔法も解除され、フェリチアーノの手首から刺青が消えたのだが、癖になっていた様で何度も手首を撫でてしまうフェリチアーノを見てはテオドールと顔を見合わせ、その度に笑い合ったのだった。
「最初はどうかなって思っていたけど、俺の物って感じがして意外と気に入ってたんだけどな」
「えぇ? 君は意外と独占欲が強いんだねぇ」
「僕もテオの物だと実感出来るので気に入ってましたよ?」
「アレをそう言うふうに思うなんて似た者同士なんだねぇ……それじゃあ新しく付けたら良いさ」
口いっぱいに菓子を頬張りながら事もなげに言ってくるリンドベルに、二人は顔を見合わせた。
「あれは僕のお祖父様が作った物だからね、作り方ならわかるよ? なんなら刺青のデザインも好きに出来るし、色を変えてもいいしねぇ、誓約も変えれるけどどうする?」
「流石リンドベルだな! ねぇフェリ、指輪も用意してるけれど、婚約と結婚の記念に今度はお互いに付けるのはどうかな?」
スルリと既に刺青が無くなった手首を撫でられ思わず肌が粟立つ。独占欲と執着心を目に見える形で、消えない所有印をお互いの手首に付け合うと言うのは何とも嬉しい物だ。
奪われ続けてきたフェリチアーノは、決して奪われる事が無いと証明される所有印を想像し自然とうっとりとした顔をしてしまえば、その顔を見たテオドールの顔が瞬時に赤くなりフェリチアーノを抱きしめた。
「あぁあぁ、お熱いねぇ、僕が居る事忘れてないだろうね君達!」
「仕方ないだろう、フェリが可愛い反応するんだから! 慣れろ!」
「毎日、毎日よくやるよねぇ。僕は毎日お腹がいっぱいでお菓子しか食べられないよ」
二人のやり取りにくすくすと笑いながらも、フェリチアーノはリンドベルに感謝する。気の置けないやり取りと雰囲気は、デュシャン家にいた時ように息が詰まる事はない。
リンドベルが定住まで提案してくれたおかげで、テオドールとの婚姻の話が出たのもありがたい事だった。
それについて本当に良いのかと何度も聞いたのだが、各国をフラつくのも飽きて来たし、どこかの国の後ろ盾があった方が色々面倒くさい事に巻き込まれる事も少なく無くなる上に、それがテオドールとフェリチアーノが居る国であれば、安心して根を下ろせるのだと言い切った。
特にテオドールが国力が高い国の王子である事が一番重要なのだとリンドベルは言う。何も君達の幸せだけの為の行動では無いから気に病む必要は何も無いのだと言うリンドベルに、フェリチアーノは利用してしまう事への罪悪感が少し和らいだ。
社交に力を入れろと言われた通りに、フェリチアーノの体調を見て短時間ではあるが茶会や夜会に顔を出す様になった。
そうなれば社交界での噂は自ずとフェリチアーノとテオドールの話題になり、あちらこちらで多様な話が繰り広げられる様になる。
そんな中で、フェリチアーノはデュシャン家の屋敷へと足を伸ばしていた。
先にグレイス家と養子縁組をしたが、まだデュシャンの名と爵位はフェリチアーノが持っている。
アンベール達がデュシャンの家名で借入ている借金もそれに不随しているが、当然フェリチアーノはそれを返す気は無かった。
どうせなら爵位共にくれてやれと各所から言われた為に、それもそうかと納得したフェリチアーノは、自分が爵位を持っていると信じ込んでいるアンベールにわからない様に、細かくびっしりと文字が書かれた爵位譲渡の書類を用意したのだった。
テオドールは協力者だと信じ込んでいるカサンドラに金を握らせ、その日にアンベールとシルヴァン以外を外に連れ出して貰い、フェリチアーノがすぐにサインを貰い帰って来れるように手配をした。
愛していたであろう夫を最も簡単に裏切るカサンドラの行動にフェリチアーノは怒りを覚える。そんな簡単に裏切るならば最初から既婚者等に手を出さなければ良いのにと。
カサンドラが居なければ、祖父と母は生きていたかもしれないし、セザールも生きていただろう。
形はどうあれ家族として生活出来ていたかもしれない。考えてしまっても仕方の無い事だが、そう考えてしまう事は止められなかった。
馬車は静かにデュシャン家の前へと止まる。
これでデュシャンの屋敷へ来るのも最後だと、全てを終わらせるのだとフェリチアーノは気合いを入れて屋敷へと踏み入れた。
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