259 / 701
第258話 今起こった事を話すぜ!
しおりを挟む
入浴も食事も済ませた女部屋では各々が、リラックスしていた。
一足先にアイマスクを着けて就寝する樹。
スマホで日記を書く鬼灯。
轟は手帳の予定表を再確認。
岩戸は箕輪に勧められてカバディの動画を見ている。
姫野と茨木と泉は録画していた肝試しのビデオを確認していた。
リンカは母に明日に帰る旨をLINEで送る。土産話を期待するわね~、という返答に微笑む。
「よし、お前ら。最後にこれやるぞ」
すると、七海はトランプを女性陣の目の前に置く。
「七海課長ー、普通は恋バナじゃ無いんですかー?」
「今さら誰が好きとか探ってもしょうがねぇだろ。陣取りゲームと肝試しで心身削られたが、寝るには少し早いからな」
茨木と会話をしながら、パララー、とマジシャン顔負けのカットを見せる七海にリンカは、おおー、と拍手する。
「あら、ケイ。トランプ?」
「おう。そういや詩織。お前にはババ抜きで連敗してたな」
「ケイはわかりやすいものねー」
「前の俺じゃねぇぞ。丁度良い、リベンジさせろ」
「いいわよ。でも、少しはリスクが欲しいわね」
「なんか賭けるか?」
「うーん。じゃあこうしましょう」
と、鬼灯は滝沢カントリーで買ってきた、あるものを七海の前に置く。
「負けた方は“コレ”つけてアルバムの一枚を飾るって事で」
「へっ、後悔させてやるよ」
「……」
「ケイ。早く引きなさーい」
七海と鬼灯のタイマンババ抜きは、あっという間に最終局面へ。
そして、ジョーカーは鬼灯の元にあり最後の一枚を七海が引く形である。
「……くっ! ニコニコしやがって!」
「ふふ」
鬼灯は、こっちかな? こっちかな? と七海をおちょくる。
「こっちだ!」
シュバッ! と七海は右を抜く。それはジョーカーだった。
「ぐぉっ!」
「ケイってば解りやすいー」
「遊んでるだろ! お前!」
「だって遊びでしょ?」
くっ! と七海は二枚を地面に伏せて目を閉じる。
「これで俺もどっちかわかんねぇぞ! さぁ、引いてみろ!」
「ケイ」
「引いて――」
「ケイってば」
「なんだっ!」
七海が目を開けると、パサッ、とペアが捨てられた。残された裏向きのカードをめくると、ジョーカーが笑っている。
「こ、この! 運さえも味方につけやがって!」
「二分の一よ。確率は50%。当たるわ」
「ぐぬぬ……」
「はい。着けて」
と、鬼灯はヨシ君から岩戸に預けられたアルバム用のカメラを構える。
「……」
「可愛いー」
胡座をかいて、頬を着いて不貞腐れる七海を鬼灯はカチャカチャと激写する。
「天月君に送っていい?」
「止めろ。奴を殺さなきゃいけなくなる」
「それは困るわね」
七海はカードを整えて再度カットする。
「もっかい! もっかいだ!」
「良いわよ。でも二人は少し寂しいわね。ケイは弱いし」
「くっ! 何も言い返せねぇ!」
「それじゃ、参加しても良いですか?」
七海と鬼灯のババ抜きが楽しそうに見えた他の面子も参加を希望する。
「良いわよ。全員でケイをやっつけましょう」
「逆だ! 逆!」
「おー、そうか。姫さんと付き合う事になったのか」
「まぁな」
オレは旅館の小さなゲームコーナーで売ってる自販機アイスを食べながら加賀と会話をしていた。
「例の女性恐怖症は治ったのか?」
「完全じゃないけどな……。でも、好きだと言ってくれるヒトを泣かせるのは違うだろ」
「おいおい。姫さん泣かせたのか?」
それが広まったら、社内の男たちに命を狙われるぞ。
「俺に意気地がなかっただけだ。もうそんな事はしないよ」
「まぁ、良かったじゃん。おめでとー」
「お前の方はどうなんだ?」
食べ終わったアイスの棒をゴミ箱に捨てると加賀の言葉が背中に向けられる。
「どうって何が?」
「隣の娘さんの事だよ」
「……少しは前に進む予定だよ。オレも」
実家に行き、全てを話した時に彼女がどんな反応をするのか解らない。しかし、向けられる好意をうやむやにしながら隣に居続けるのは、互いに良くないだろう。
“ここから出ていけば過去はいつか追いついて来る。お前はソレに耐えられるのか?”
ジジィの言葉は間違ってない。けど、納得は行かなかった。だから反発したのかもしれない。
「そうか。お前の事だ。あの子を傷つけるような真似はしないだろ?」
「当たり前だ。もしそうなったら自害してくれるっ!」
狂ってやがるなお前。人間どこかしら狂ってるんだよ。などと冗談を言って笑い合うと、オレはあることを思い出した。
「そうだ。こんな機会は無いし、社長に過去の旅の事を聞いて見ようぜ!」
「そういや、凄まじい事やってたんだっけか?」
失念していた。今は社長の世界を回った旅路の話を聞くチャンスではないか。気になる話題をちらほら聞いてるし、頼んだら普通に話してくれそう。
「手土産におしるこでも買っていくか」
「アレ、そんなに旨いのか?」
オレと加賀は献上品を買いに旅館の外へ向かう。入口付近にある自販機に――佐藤が背を預けて意識を失っていた。
「さ、佐藤ぅー!?」
「なんだぁ!? 事件か!?」
慌てて駆け寄り、命を確認。すると、うぅ……と佐藤は目を覚めした。
「お、鳳に……加賀か……?」
「ふぅ……生きてたか」
「何があった?」
加賀が聞くと佐藤は何かを思い出し、驚愕にワナワナと震える。
「あ、ありのまま、今起こった事を話すぜ! 俺は黒船さんにポーカーで負けておしるこを買いに来たんだ。すると自販機でおしるこを買う姉御が居たんだ。その頭には猫耳が乗ってて次の瞬間には意識を失っていた。何を言ってるのかわからねぇと思うが、俺も何をされたのかわからねぇんだ。頭がどうにかなりそうだった。催眠術とか超スピードとか……そんなちゃちなモンじゃねぇ! もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ」
ポルナ○フ化している佐藤に加賀は肩を貸す。
オレらのイベントは全てを終わったハズだ。今……一体何が起こってるんだ?
あ、おしるこ売り切れてら。
一足先にアイマスクを着けて就寝する樹。
スマホで日記を書く鬼灯。
轟は手帳の予定表を再確認。
岩戸は箕輪に勧められてカバディの動画を見ている。
姫野と茨木と泉は録画していた肝試しのビデオを確認していた。
リンカは母に明日に帰る旨をLINEで送る。土産話を期待するわね~、という返答に微笑む。
「よし、お前ら。最後にこれやるぞ」
すると、七海はトランプを女性陣の目の前に置く。
「七海課長ー、普通は恋バナじゃ無いんですかー?」
「今さら誰が好きとか探ってもしょうがねぇだろ。陣取りゲームと肝試しで心身削られたが、寝るには少し早いからな」
茨木と会話をしながら、パララー、とマジシャン顔負けのカットを見せる七海にリンカは、おおー、と拍手する。
「あら、ケイ。トランプ?」
「おう。そういや詩織。お前にはババ抜きで連敗してたな」
「ケイはわかりやすいものねー」
「前の俺じゃねぇぞ。丁度良い、リベンジさせろ」
「いいわよ。でも、少しはリスクが欲しいわね」
「なんか賭けるか?」
「うーん。じゃあこうしましょう」
と、鬼灯は滝沢カントリーで買ってきた、あるものを七海の前に置く。
「負けた方は“コレ”つけてアルバムの一枚を飾るって事で」
「へっ、後悔させてやるよ」
「……」
「ケイ。早く引きなさーい」
七海と鬼灯のタイマンババ抜きは、あっという間に最終局面へ。
そして、ジョーカーは鬼灯の元にあり最後の一枚を七海が引く形である。
「……くっ! ニコニコしやがって!」
「ふふ」
鬼灯は、こっちかな? こっちかな? と七海をおちょくる。
「こっちだ!」
シュバッ! と七海は右を抜く。それはジョーカーだった。
「ぐぉっ!」
「ケイってば解りやすいー」
「遊んでるだろ! お前!」
「だって遊びでしょ?」
くっ! と七海は二枚を地面に伏せて目を閉じる。
「これで俺もどっちかわかんねぇぞ! さぁ、引いてみろ!」
「ケイ」
「引いて――」
「ケイってば」
「なんだっ!」
七海が目を開けると、パサッ、とペアが捨てられた。残された裏向きのカードをめくると、ジョーカーが笑っている。
「こ、この! 運さえも味方につけやがって!」
「二分の一よ。確率は50%。当たるわ」
「ぐぬぬ……」
「はい。着けて」
と、鬼灯はヨシ君から岩戸に預けられたアルバム用のカメラを構える。
「……」
「可愛いー」
胡座をかいて、頬を着いて不貞腐れる七海を鬼灯はカチャカチャと激写する。
「天月君に送っていい?」
「止めろ。奴を殺さなきゃいけなくなる」
「それは困るわね」
七海はカードを整えて再度カットする。
「もっかい! もっかいだ!」
「良いわよ。でも二人は少し寂しいわね。ケイは弱いし」
「くっ! 何も言い返せねぇ!」
「それじゃ、参加しても良いですか?」
七海と鬼灯のババ抜きが楽しそうに見えた他の面子も参加を希望する。
「良いわよ。全員でケイをやっつけましょう」
「逆だ! 逆!」
「おー、そうか。姫さんと付き合う事になったのか」
「まぁな」
オレは旅館の小さなゲームコーナーで売ってる自販機アイスを食べながら加賀と会話をしていた。
「例の女性恐怖症は治ったのか?」
「完全じゃないけどな……。でも、好きだと言ってくれるヒトを泣かせるのは違うだろ」
「おいおい。姫さん泣かせたのか?」
それが広まったら、社内の男たちに命を狙われるぞ。
「俺に意気地がなかっただけだ。もうそんな事はしないよ」
「まぁ、良かったじゃん。おめでとー」
「お前の方はどうなんだ?」
食べ終わったアイスの棒をゴミ箱に捨てると加賀の言葉が背中に向けられる。
「どうって何が?」
「隣の娘さんの事だよ」
「……少しは前に進む予定だよ。オレも」
実家に行き、全てを話した時に彼女がどんな反応をするのか解らない。しかし、向けられる好意をうやむやにしながら隣に居続けるのは、互いに良くないだろう。
“ここから出ていけば過去はいつか追いついて来る。お前はソレに耐えられるのか?”
ジジィの言葉は間違ってない。けど、納得は行かなかった。だから反発したのかもしれない。
「そうか。お前の事だ。あの子を傷つけるような真似はしないだろ?」
「当たり前だ。もしそうなったら自害してくれるっ!」
狂ってやがるなお前。人間どこかしら狂ってるんだよ。などと冗談を言って笑い合うと、オレはあることを思い出した。
「そうだ。こんな機会は無いし、社長に過去の旅の事を聞いて見ようぜ!」
「そういや、凄まじい事やってたんだっけか?」
失念していた。今は社長の世界を回った旅路の話を聞くチャンスではないか。気になる話題をちらほら聞いてるし、頼んだら普通に話してくれそう。
「手土産におしるこでも買っていくか」
「アレ、そんなに旨いのか?」
オレと加賀は献上品を買いに旅館の外へ向かう。入口付近にある自販機に――佐藤が背を預けて意識を失っていた。
「さ、佐藤ぅー!?」
「なんだぁ!? 事件か!?」
慌てて駆け寄り、命を確認。すると、うぅ……と佐藤は目を覚めした。
「お、鳳に……加賀か……?」
「ふぅ……生きてたか」
「何があった?」
加賀が聞くと佐藤は何かを思い出し、驚愕にワナワナと震える。
「あ、ありのまま、今起こった事を話すぜ! 俺は黒船さんにポーカーで負けておしるこを買いに来たんだ。すると自販機でおしるこを買う姉御が居たんだ。その頭には猫耳が乗ってて次の瞬間には意識を失っていた。何を言ってるのかわからねぇと思うが、俺も何をされたのかわからねぇんだ。頭がどうにかなりそうだった。催眠術とか超スピードとか……そんなちゃちなモンじゃねぇ! もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ」
ポルナ○フ化している佐藤に加賀は肩を貸す。
オレらのイベントは全てを終わったハズだ。今……一体何が起こってるんだ?
あ、おしるこ売り切れてら。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる