懐いてた年下の女の子が三年空けると口が悪くなってた話

六剣

文字の大きさ
329 / 701

第328話 バーサーカー+1

しおりを挟む
 イントさん運転のハマーに乗ったオレ、大見さん、国尾さん、赤羽さんは前方を飛行する烏を追うと言う、ゲームのイベントのようなナビをリアルにやっていた。

 ちなみに赤羽さんは助手席で烏を見て、オレと国尾さんと大見さんは後部座席だ。オレはマッチョ二人に左右を挟まれる形。側面からの追突事故には無敵だが、いかんせん酸素が薄い。
 最後尾をドッドッド! と松林さんのハーレーが追ってくる。カッコいいよなぁ、あれ。いつか乗ってみたいものだ。

「おっとしまったぜ」
「どうしたのかね?」
「燃料が切れそうだ。あのクロウバードがどこまで行くかわからん以上、給油をしておきたい」
「スタンドに寄ろう。代金は私が持つよ」
「ありがてぇ」

 と言う訳でコンビニが隣接しているガソリンスタンドに寄った。続々とハマーから降りるマッチョに他の客は少し驚く。案内烏は近くの電線に止まった。
 頭良いなアイツ。こっちの事情を完璧に理解してやがる。
 松林さんのハーレーもスタンドへ。

「丁度良い。私も満タンにしておこう」
「一応、トイレは済ませて置いた方が良いね。そう遠くは無いと思うが、止まるのはこの一回にしておきたい」
「OK!」
「プロテインバーを買い込んでおくか」
「あ、オレもトイレ」

 赤羽さんの指示は的確だ。的確なんだけど……どこか遠足のノリなのが緊張感を麻痺させる。

 イントさんと松林さんは燃料を補充。オレは国尾さんと大見さんと共にコンビニへ入って行った。

「ふいー」

 トイレを済ませ、手を洗ってハンドタオルで乾かす。必要な事とはいえ、こんな悠長にしてて良いのかなぁ……

「鳳じゃん」
「ん? カズ先輩?」

 すると、丁度コンビニに入ってきたカズ先輩と鉢合わせた。仕事帰りなのか、駅で別れた時のスーツ姿である。

「この辺りに住んでんの?」
「いえ。燃料の補充に」
「燃料?」

 と、カズ先輩はコンビニの窓からガソリンスタンドの給油所を見る。

「マッチョが二人居るけど?」
「両方です……」
「おいおい」

 と、今度は失笑した。

「昼間は巨乳美女と一緒に居たのに、どんだけダイスでファンブルすればマッチョとランデブーになるんだよ」
「色々ありまして……」

 退屈しない人生だな。と今度は快活に笑った。カズ先輩の方が楽しそうだ。

「おお? 茨木じゃねぇのよ~」
「国尾いるじゃん」

 コンビニの会計を終えて、袋一杯にプロテインバーを持った国尾さんは同期のカズ先輩とエンカウントする。

「外な」
「OK」

 店内では邪魔になると思い、二人はコンビニの外へ出ると会話を再開。オレもやることは済ませたので一緒についていく。

「お前よ~、マッチョが居るとこに必ず居るよな~」
「引き寄せの法則だな。マッスラーは引かれ合う」
「なんだよそれ~」

 あっはっは! とカズ先輩は笑う。大柄の国尾さんに長身のカズ先輩が並ぶとオレは小さ目だ。スケールの大きい会談に巻き込まれたらしい。
 大見さんは袋にプロテインバーを持って松林さんと分け合っている。

「それで、鳳は何? マッチョタイフーンに巻き込まれた体?」

 マッチョタイフーンなどと言うストロングワードは初めて聞きましたよ。

「正確には……オレの方が巻き込んだと言いますか……」
「ん~」
「二人とも給油完了だ。出発するよ」

 赤羽さんの声にオレと国尾さんは、はーい、と返事をする。と、カズ先輩は赤羽さんを見て反応する。

「なんだ。バネジィじゃん」
「おや? 和奏わかな君かい?」
「え? 知り合いですか?」

 国尾さんは先にハマーへ。入れ違う形で赤羽さんが寄ってくる。

「彼女の祖父とは昔からの飲み友達でね。旅から帰ったら顔を合わせるのが通例なのさ」
「道場にも良く顔を出しててさー。じーさんも『茨木流槍術』の技の編纂なんかの相談してたねー」
「少し助言をしただけだ。大した事はしていない」
「またまたぁ~」

 どうやら武術関係の知り合いらしい。そりゃそうか。カズ先輩ってサーバ○トで喚ばれたら間違いなくバーサーカーだもの。

「ふむ、和奏君。君も来るかい?」
「うぇ!?」

 カズ先輩の返事の前にオレは変な声が出た。すかさず赤羽さんに耳打ちする。

「ちょ、ちょっとちょっと! 赤羽さん! 駄目ですよ! カズ先輩を巻き込んだら!」(小声)
「なに、心配は要らないよ。彼女の実力は保証する」
「それはオレも解ってます! 問題は戦う相手です! 政府かも知れないんですよ!?」(小声)
「別に顔を隠すから問題は無かろう?」

 赤羽さんの部屋から多種多様な覆面を持ってきている。現地に着いたらそれをかぶってカチコミの予定だ。

「そうですけど。下手したら命のやり取りになるかもしれませんよ!?」(小声)
「では聞いてみようか。和奏君」
「なに? ヒソヒソは仲間外れみたいでちょっと寂しいんだけどー?」
「君は人を殴れるかい?」
「ヨユーでしょ?」
「殺し合いは?」
「その雰囲気を出してくれる相手が居れば良いけどねぇ」

 わぁ……カズ先輩が人を殺せる眼をしてるよぉ……コワイ……

「まぁ、殺すとか冗談にして七海課長以外にガチれる相手が居るなら是非とも戦ってみたいねぇ」

 そしてバーサーカー。

「決まりだね」
「決まりなんですか……?」

 良いのかなぁ……

「鳳君。考えてもみたまえ」
「はい?」
「敵に女性が居ない保証はない。マッスラーの彼らは実に紳士だ。もしも、女性が相手になったら普段通りのパワーが発揮できるとは限らない」

 確かに……国尾さんはあの大男相手でも手を出さずにセーブしてる感じだった。
 もしも、殺意を持つ女性が敵に居ればサクッと殺られるかもしれない。

「なに。彼女は手加減も上手だ。女である事を差し引いても神島クラスで無ければ負ける事はない」
「さいですか」

 と言うわけでパーティーにカズ先輩が追加。ハマーには乗り切れないので、松林さんの後ろに乗る形で同行する。
 その際にイアホンマイクを着けて貰い、移動しながらオレが事情を説明する事にした。

「さぁ、出発だ」

 ハマーとハーレーはショウコさんを求めて烏を追う。
 この文体だけ見ると何やってるか全くわかんなぇな。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...