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第348話 奮い立てぇ! オレの国語力!
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部屋に入ると、オレは早速ミスをした。
何故なら昼間に買ってきた買い物袋をテーブルの上に置きっぱなしにしていたからである。その中にはショウコさんの要望のモノが――
「…………」
ショウコさんは靴を脱いでいる。オレは音速で袋を取ると酒類は冷蔵庫に入れて、避妊具は台所下の戸棚へ隠した。
「ん? 何かあったのか?」
「え!? い、いや! 何もないよー?」
流石に平常心は保てなかった。オレの挙動が気になったショウコさんは脇を抜けて冷蔵庫をパカリ。
「お酒は君が飲むのか?」
「いやー、ショウコさんにも飲めそうな物を買ってきたからさ」
「私は飲まないぞ。特に今日は君に迷惑をかけたから、代わりと言ってはなんだが、出来るだけ奉仕したい」
と、淡々と言ってくるショウコさん。
奉仕……その言葉に疲れているオレの脳はショウコさんの身体を見てしまう。
いかんいかん……
本能がそう言う事を期待するのは、まぁ……オスとしては仕方のない事。きちんと手綱を握って見せましょう!
「取りあえず、先に風呂入る?」
「そうだな。まずは君の背中を流そう」
「い、いやいやいやいや! 一人ずつ! 一人ずつね!」
「ふむ。確かに二人は少し狭いか」
相変わらずなショウコさん節に逆に安心できるわい。オレは冷静なうちにサマーちゃんとの話し合いをショウコさんに伝えることにした。
「さっき、サマーちゃんと話をして、ショウコさんの安全をお願いしておいたから」
「それはどういう事だ?」
「簡単に言えば、今後はサマーちゃんの所で世話になってもらうって事。三度目が無いとは言い切れないからね」
「……そうか」
何かショウコさんは凄く落ち込んだ。しまった、やっぱり相談してから決めるべきだったか……
「ええっと……嫌なら断るのも良いけど……」
「いや……今回の件はとても迷惑をかけた。特にタンカー船では下手をすれば君は死んでいたかもしれない」
「ははは……まぁ終わった事なので……」
「だが、あのような事は二度と起こって欲しくない」
確かにアレは相当な綱渡りだった。今考えて見てもオレもどうかしてたなぁ。もうちょっと良い方法が……ないか。
「君の提案は受け入れよう」
「良かった。それじゃ、明日に連絡が着たら移動してもらうから荷物はまとめておいてね」
「なに? 明日だと……?」
「早い方が良いよ。ウェーブ3が始まる可能性もあるし……」
『光マニアの英雄』に『権力を盾にした馬鹿』。
第三者が現れるとしたら、どんな野郎なのかバリエーションも気になる所ではあるが現れない方が良い。オレの身体も持たないし……
「そうだな……わかった」
納得してくれた様でオレも笑顔。そうか……今日までか……と、ショウコさんは呟いているが、荷物と野菜の鮮度を気にしているのだろう。
「じゃあ、オレは風呂に入るから。料理は先に任せるよ」
「ケンゴさん」
洗面所に向かおうとした所でショウコさんが呼び止める。淡々としているが、少しだけ緊張している様にも見えた。
「今晩が最後ならやっぱり一緒に入らないか?」
やっぱり……やっぱり? 何が“やっぱり”なんだろう?
「私なりの謝罪のつもりだ。心から今日一日の件を君に謝りたい。しかし、言葉や金銭ではこちらの誠意があまりにも軽いと思っている」
「そんな事はないけど……」
「それに、君はよく私の胸を見る」
「ぶふぉあ!!?」
オレの本能が……オスとしての行動を滅茶苦茶見られていた。そう言えば、胸を見られると視線でわかるってリンカも言ってたっけ……
「つまり、私の身体に興味があるのだろう?」
ショウコさんが近づいてくる。オレは触らない様に後退。
「ならば、君に最も償える事はこの身体を使った奉仕だと私は考える」
奉仕なんて言葉を聞くとね。成人男性はR18を思い浮かべるモノなのですよ。
美麗な容姿。整ったスタイル。巨乳。
そんな女性が、身体で奉仕します、なんて言い寄って来たら美人局を疑っても良い。いや、100パーセント美人局だ。
だが、この状況はなんの裏もない。だからこそ、頭の中の自制心は後ろに下がる事で何とか保てている。
「君が望むなら何でもしよう」
魅力的な口撃がオレの理性を削る。
そして、壁際に追い詰められた。オレはずるずると、座る様に逃げるが、ショウコさんはしゃがんで視線を合わせてくる。
「昨日の夜も君はそう言う行動をとったな」
「ソ、ソウダネ……」
「なら……それをなぞっても良いか」
ショウコさんが四つん這いで近づいてくる。魅力的な匂いを放ち、非の打ち所のない彼女は間違いなくキスをしようとしている。しかも、マウス・トゥー・マウスのやつ。
やばいぞぉ。何がって? 疲れた脳と身体で、今の雰囲気でキスなんてされると間違いなく理性がぶち壊れる。
何故だ……オレのハンド! 何故動かぬ!? クソッ! 身体は既に状況を受け入れろと言っているのか! ショウコさんのマウス着弾まで、3、2、1――
「じゃんけん!」
「ん?」
オレは咄嗟に残っている微かな理性でそんな言葉を口にした。
よし……ショウコさんは困惑して動きを止めたぞ! 後はこの発言と状況に整合性を持たせるのだ! 奮い立てぇ! オレの国語力!
「じゃんけん?」
「い、色々と不本意な所もあるし……その都度、こう言う事になると面倒でしょ? だから……じゃんけん! じゃんけんでビシッと決めよう! 勝った方の意見を絶対って事で!」
「ふむ。合理的だな」
良かった、納得してくれた。
「じゃーんけーん。ぽん」
と、ショウコさんが音頭を取ったのでオレは咄嗟にパーを出す。
「じゃあ、お互いに身体を洗い合おうか」
「……」
ヤル事がグレードアップしてませんかねぇ……
淡々とチョキを掲げるショウコさんに対してオレは開いた自分の手を見る。そして、本気でこう思った。
指全部切り落としてぇ!
何故なら昼間に買ってきた買い物袋をテーブルの上に置きっぱなしにしていたからである。その中にはショウコさんの要望のモノが――
「…………」
ショウコさんは靴を脱いでいる。オレは音速で袋を取ると酒類は冷蔵庫に入れて、避妊具は台所下の戸棚へ隠した。
「ん? 何かあったのか?」
「え!? い、いや! 何もないよー?」
流石に平常心は保てなかった。オレの挙動が気になったショウコさんは脇を抜けて冷蔵庫をパカリ。
「お酒は君が飲むのか?」
「いやー、ショウコさんにも飲めそうな物を買ってきたからさ」
「私は飲まないぞ。特に今日は君に迷惑をかけたから、代わりと言ってはなんだが、出来るだけ奉仕したい」
と、淡々と言ってくるショウコさん。
奉仕……その言葉に疲れているオレの脳はショウコさんの身体を見てしまう。
いかんいかん……
本能がそう言う事を期待するのは、まぁ……オスとしては仕方のない事。きちんと手綱を握って見せましょう!
「取りあえず、先に風呂入る?」
「そうだな。まずは君の背中を流そう」
「い、いやいやいやいや! 一人ずつ! 一人ずつね!」
「ふむ。確かに二人は少し狭いか」
相変わらずなショウコさん節に逆に安心できるわい。オレは冷静なうちにサマーちゃんとの話し合いをショウコさんに伝えることにした。
「さっき、サマーちゃんと話をして、ショウコさんの安全をお願いしておいたから」
「それはどういう事だ?」
「簡単に言えば、今後はサマーちゃんの所で世話になってもらうって事。三度目が無いとは言い切れないからね」
「……そうか」
何かショウコさんは凄く落ち込んだ。しまった、やっぱり相談してから決めるべきだったか……
「ええっと……嫌なら断るのも良いけど……」
「いや……今回の件はとても迷惑をかけた。特にタンカー船では下手をすれば君は死んでいたかもしれない」
「ははは……まぁ終わった事なので……」
「だが、あのような事は二度と起こって欲しくない」
確かにアレは相当な綱渡りだった。今考えて見てもオレもどうかしてたなぁ。もうちょっと良い方法が……ないか。
「君の提案は受け入れよう」
「良かった。それじゃ、明日に連絡が着たら移動してもらうから荷物はまとめておいてね」
「なに? 明日だと……?」
「早い方が良いよ。ウェーブ3が始まる可能性もあるし……」
『光マニアの英雄』に『権力を盾にした馬鹿』。
第三者が現れるとしたら、どんな野郎なのかバリエーションも気になる所ではあるが現れない方が良い。オレの身体も持たないし……
「そうだな……わかった」
納得してくれた様でオレも笑顔。そうか……今日までか……と、ショウコさんは呟いているが、荷物と野菜の鮮度を気にしているのだろう。
「じゃあ、オレは風呂に入るから。料理は先に任せるよ」
「ケンゴさん」
洗面所に向かおうとした所でショウコさんが呼び止める。淡々としているが、少しだけ緊張している様にも見えた。
「今晩が最後ならやっぱり一緒に入らないか?」
やっぱり……やっぱり? 何が“やっぱり”なんだろう?
「私なりの謝罪のつもりだ。心から今日一日の件を君に謝りたい。しかし、言葉や金銭ではこちらの誠意があまりにも軽いと思っている」
「そんな事はないけど……」
「それに、君はよく私の胸を見る」
「ぶふぉあ!!?」
オレの本能が……オスとしての行動を滅茶苦茶見られていた。そう言えば、胸を見られると視線でわかるってリンカも言ってたっけ……
「つまり、私の身体に興味があるのだろう?」
ショウコさんが近づいてくる。オレは触らない様に後退。
「ならば、君に最も償える事はこの身体を使った奉仕だと私は考える」
奉仕なんて言葉を聞くとね。成人男性はR18を思い浮かべるモノなのですよ。
美麗な容姿。整ったスタイル。巨乳。
そんな女性が、身体で奉仕します、なんて言い寄って来たら美人局を疑っても良い。いや、100パーセント美人局だ。
だが、この状況はなんの裏もない。だからこそ、頭の中の自制心は後ろに下がる事で何とか保てている。
「君が望むなら何でもしよう」
魅力的な口撃がオレの理性を削る。
そして、壁際に追い詰められた。オレはずるずると、座る様に逃げるが、ショウコさんはしゃがんで視線を合わせてくる。
「昨日の夜も君はそう言う行動をとったな」
「ソ、ソウダネ……」
「なら……それをなぞっても良いか」
ショウコさんが四つん這いで近づいてくる。魅力的な匂いを放ち、非の打ち所のない彼女は間違いなくキスをしようとしている。しかも、マウス・トゥー・マウスのやつ。
やばいぞぉ。何がって? 疲れた脳と身体で、今の雰囲気でキスなんてされると間違いなく理性がぶち壊れる。
何故だ……オレのハンド! 何故動かぬ!? クソッ! 身体は既に状況を受け入れろと言っているのか! ショウコさんのマウス着弾まで、3、2、1――
「じゃんけん!」
「ん?」
オレは咄嗟に残っている微かな理性でそんな言葉を口にした。
よし……ショウコさんは困惑して動きを止めたぞ! 後はこの発言と状況に整合性を持たせるのだ! 奮い立てぇ! オレの国語力!
「じゃんけん?」
「い、色々と不本意な所もあるし……その都度、こう言う事になると面倒でしょ? だから……じゃんけん! じゃんけんでビシッと決めよう! 勝った方の意見を絶対って事で!」
「ふむ。合理的だな」
良かった、納得してくれた。
「じゃーんけーん。ぽん」
と、ショウコさんが音頭を取ったのでオレは咄嗟にパーを出す。
「じゃあ、お互いに身体を洗い合おうか」
「……」
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