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103 此れからが大変だぞ
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「お前達を連れて森に入るが、必要な用意は俺がしてやる。森から戻るまでは俺やエドガ達の指示には無条件で従ってもらうぞ。それが出来なければ死ぬ事になると思え」
マイルズと彼の仲間三人が〈ゴクリ〉と喉を鳴らして頷き、ケイシーは頬を引き攣らせている。
* * * * * * *
五人を冒険者の店に連れて行き、野営道具一式に服やブーツも買い与える。
それとは別にケイシーとマイルズには小弓と矢20本に練習用の矢20本を持たせ、他の三人には通常の弓矢と練習用の矢を買い与える。
それに短槍だ、森に入れば短槍は武器であり身を守る道具であると同時に、杖代りとなり下草を掻き分けたりとなくてはならない物だ。
それを使用者登録させたランク3-10のマジックポーチに入れさせる。
用具を買いそろえる間、エドガ達が懐かしそうに見ているのがおかしかった。
此れから何が起きるのか判っているだけに、辛かった事を思い出しているのだろう。
あんた達には冒険者の基礎を彼等に教えてもらう事になるし、アデーレには使役獣の調教、思い通りに動かす方法を教える大事な役目が待っているんだからな。
* * * * * * *
チムスの町に向かいながらマイルズの仲間達の事を詳しく聞く。
マイルズの仲間はフリッツ、カールトン、バルトの四人組でチムスの町とその奥のホルセン村の出身との事。
フリッツが19才で最年長なのでリーダー格、バルトは17才でフリッツと共にチムスの生まれだそうだ。
マイルズも17才でテイマー、カールトンは16才で共にホルセン村の生まれ。
ケイシーはグレインの生まれで16才、よくこんなに若いのが揃ったものだと思ったが、俺も未だ19才でフリッツと同年だったわ。
二時間ほどでチムスの町に到着したが、此処もナンガスと似たり寄ったりな感じで、防御柵も手入れが悪く心許ない。
フリッツとバルトは何人かと挨拶を交わしていたが、余り嬉しそうではない。
チムスを通り抜けてその先のホルセン村へ急ぎ、冒険者が宿泊する村長の家に顔を出し情報収集をしてから村を出た。
村から小一時間離れた場所で野営をする事にして、グレイに大きな結界のドームを作ってもらう。
「ランディス、今日から訓練を始めるのか」
「今日はフリッツ達に、野営用小屋の作り方と見張りの方法を教えてやってよ。ケイシーには必要無いと思うけど、一応見て覚えておくように」
隣りにもう一つ結界を作り、その中でエドガ達が自分達の野営用小屋の作り方を教えていると、急ぎ足のパーティーが近づいて来た。
「ほう、こりゃー中々の物だな」
「なんで結界の中で小屋を作っているんだ?」
「立派な結界を作れても強度が足りないんじゃねぇのか」
「それとも直ぐに消滅しちまうのかも」
「テイマーと新人か」
ニヤニヤと笑いながら値踏みする様に若い連中を見ている。
俺の休んでいる土魔法のドームは東向きに作られているので中が暗く、外から見えていない様なので黙って聞いていた。
それにアッシュとグレイは名前のとおり暗い毛色で、ブラックも暗がりで休んでいる。
それにグレイウルフのファングも名の通りくすんだ毛色、フォレストウルフのウルファがそれより少し明るい色だ。
中が見づらいのもあるが、気配くらい感じろよと思う。
「おい、こっちの土魔法のドームの方が良さそうだぞ。そんなスケスケの結界より寝心地が良さそうじゃねぇか」
「ホルセンまで戻るつもりだったんだが、日暮れまでに間に合いそうもないので、俺達も此処に泊めさせてくれないか」
「腕の良い魔法使いがいる様だし、俺達の分も作ってくれよ」
「結界と土魔法か」
「兄さん達は新人か? 俺達のパーティーに入れば冒険者として必要な事は一から教えてやるぞ」
断りもなく俺達の休むドームに踏み込んで来たので、魔力を込めたライトを点してやる。
薄暗いドームの中がいきなり明るくなり、アッシュとグレイに凭れた俺を見て驚いて・・・アッシュを見て驚いている。
「黙って聞いていたが、随分礼儀知らずだな。お前達ベテランの足なら、ホムセンの村まで直ぐだろう。新人相手に偉そうに能書きを垂れてないで帰れよ」
ウルファとファングが男と俺の間に立ち、低い呻り声を上げている。
「お、お前・・・」
「おい、不味いぞ」
「すまねぇ兄さん。此奴は馬鹿なんで許してやってくれ。俺達は失礼するよ」
「あれって、噂の奴じゃねえかょ」
「黙ってろ! 行くぞ!」
俺の正体に気付いた奴は目を逸らして離れていき、俺に謝罪した男は不満げな奴を脅して離れて行く。
ホムセン村出身のマイルズとカールトンを呼び、今の奴等を知っているのか尋ねると、村では嫌われていた奴等ですと教えてくれた。
村の中では冒険者や村人に絡む程度だが、森で出会ったら気を付けろと言われているらしい、と教えてくれた。
森で出会ったらねぇ、それは俺にも当てはまるんだけど、色々予定があるので余計な事はしないでくれよと祈っておく。
* * * * * * *
周囲に他のパーティーが居ない所を求めて進んだが、獲物を求めてではないので二日目に人の少なそうな場所を拠点にした。
フリッツ達とケイシーにはエドガ達の指導で気配察知の練習をさせ、俺達は少し離れた場所で撒き餌をして小型の野獣を狩る。
と言ってもホーンラビットからゴブリンや小型のボア類を、軽い雷撃でふらつかせて、マイルズとケイシーにテイムさせ、テイムの練習から始める。
此処で二人のテイム能力に差が出た。
おかしいと思って二人のテイマースキルを鑑定したら、マイルズはテイマースキルが初級上でケイシーが初級下と判った。
テイマースキル持ちと判っていたので、肝心なスキルの確認を忘れていた。
だが、ホーンラビットやヘッジホッグにゴブリンや果ては鼠までテイムさせたが、やはり能力の上昇はなし。
それでもテイムする事に慣れてきたので、いよいよ本命のウルフを求めて移動する事にした。
* * * * * * *
ウルファとファングがウルフ系の匂いを探り、群れの居そうな所へと俺達を案内してくれる。
良さそうな所を見つけると拠点を作り、撒き餌をして野獣の現れるのを待つ。
オークやハイオーク、ゴブリンにファングドッグと、狙い目以外余計な奴が寄ってくる。
其奴等はアデーレのヴォルグに任せたり、エドガ達が弓で仕留める。
最初に此と見定めたのはブラックタイガー、漆黒の毛並みで体高1.3m程度で体長2.5mちょい、太い尻尾と大きな牙は迫力満点。
アッシュがブラックタイガーの顔を水球で包み、藻掻き苦しむタイガーの動きが止まったところで能力の高いマイルズを連れて行く。
水を吐きぐったりしているブラックタイガーを目の前にビビっているので「俺はお前より強いので俺の支配を受け入れろ」と念じてテイムしろと、口から出任せを言っておく。
自信を持ってテイムと唱えないとテイム出来ないのは、最初の頃の二人を見ていて判った事。
アデーレの時は、彼女はテイムの練習をしていてその辺は出来ていたので気付かなかった。
俺の場合なんてテイムと言うよりグレイやアッシュの方から支配されてきたし、契りだなんて訳の判らん事を言っていたからな。
真剣な顔でブラックタイガーに掌を乗せて「テイム・テイム」と呟くと、一瞬にしてマイルズの顔が綻ぶ。
「テイム出来ました!」
マイルズが喜びの声をあげると仲間達が大喜びしている。
「それじゃー、其奴に名前を付けろ。それでより一層其奴との結びつきが強くなる」
ブラックタイガーをテイム出来ると思っていなかったので名前を思いつかない様だ。
一番安易な名前はタイガーキャットのブラックが使っているからな。
あれやこれやと悩んでいたが、ファングとブラックがいるので、ブラックタイガーの鋭い爪にちなんでクロウと決定。
「お前はクロウ、俺はマイルズだ宜しくな・・・何か変な感じですね」
「多分その名を受け入れたんだと思うぞ。此れからはその名で呼び、可愛がってやれよ」
「はい! 有り難う御座います!」
マイルズの声に仲間達も一斉に頭を下げる良い子達。
「喜んでいる所を悪いが、此れからが大変だぞ。クロウに腕や指で指示を出したり、仲間達と協力してクロウの援護と討伐の訓練をしなきゃならないからな」
「えっ、そうなんですか?」
「ん、さっきまで野生の野獣だったんだぞ。テイム出来たら思い通りに動かせると思っていたのか?」
「え-と、どうすれば・・・」
「此れからは、アデーレと彼女の仲間達がそれを教えてくれる。彼女のヴォルグは幻獣で魔法攻撃が主体だが、動かし方の基本は同じだ。思い通りに動かせる様になったら、お前達がクロウを助け、クロウがお前達を助けて野獣を討伐をする事になる。それは俺やアデーレ達には教えられないので、お前達が考えなければならない。忘れるなよ、冒険者は自分で考えて行動するものだ、他人の助けは当てにするな。クロウと共同して野獣討伐をするのなら、弓は大いに役に立つので確り練習しておけよ」
「はい、判りました。アデーレさん、此れから宜しくお願い致します!」
ケイシーが羨ましそうに見ているが、お前さんにもウルフ程度は探してやるよ。
* * * * * * *
少しずつキャンプ地を移動しながらウルフの匂いを追わせ、匂いが強くなったところでウルファとファングに群れを探しに行かせた。
獲物の追跡となると犬科のウルファとファングが適任で、グレイやブラックは獲物を長時間追い回すには不向きだ。
戻ってくるまでの間、五人は何時も通り索敵や気配察知の練習だ。
遠くでファイヤーボールの音が連続して聞こえるとアッシュが教えてくれたが、俺の耳では未だ聞き取れない。
段々近寄ってきていると教えてくれ、アッシュとグレイにブラックが結界から出て捕獲の為に左右に分かれていく。
遠くからファイヤーボールの連続した破裂音が聞こえて来たが、突如グレイの姿が消えた。
マイルズと彼の仲間三人が〈ゴクリ〉と喉を鳴らして頷き、ケイシーは頬を引き攣らせている。
* * * * * * *
五人を冒険者の店に連れて行き、野営道具一式に服やブーツも買い与える。
それとは別にケイシーとマイルズには小弓と矢20本に練習用の矢20本を持たせ、他の三人には通常の弓矢と練習用の矢を買い与える。
それに短槍だ、森に入れば短槍は武器であり身を守る道具であると同時に、杖代りとなり下草を掻き分けたりとなくてはならない物だ。
それを使用者登録させたランク3-10のマジックポーチに入れさせる。
用具を買いそろえる間、エドガ達が懐かしそうに見ているのがおかしかった。
此れから何が起きるのか判っているだけに、辛かった事を思い出しているのだろう。
あんた達には冒険者の基礎を彼等に教えてもらう事になるし、アデーレには使役獣の調教、思い通りに動かす方法を教える大事な役目が待っているんだからな。
* * * * * * *
チムスの町に向かいながらマイルズの仲間達の事を詳しく聞く。
マイルズの仲間はフリッツ、カールトン、バルトの四人組でチムスの町とその奥のホルセン村の出身との事。
フリッツが19才で最年長なのでリーダー格、バルトは17才でフリッツと共にチムスの生まれだそうだ。
マイルズも17才でテイマー、カールトンは16才で共にホルセン村の生まれ。
ケイシーはグレインの生まれで16才、よくこんなに若いのが揃ったものだと思ったが、俺も未だ19才でフリッツと同年だったわ。
二時間ほどでチムスの町に到着したが、此処もナンガスと似たり寄ったりな感じで、防御柵も手入れが悪く心許ない。
フリッツとバルトは何人かと挨拶を交わしていたが、余り嬉しそうではない。
チムスを通り抜けてその先のホルセン村へ急ぎ、冒険者が宿泊する村長の家に顔を出し情報収集をしてから村を出た。
村から小一時間離れた場所で野営をする事にして、グレイに大きな結界のドームを作ってもらう。
「ランディス、今日から訓練を始めるのか」
「今日はフリッツ達に、野営用小屋の作り方と見張りの方法を教えてやってよ。ケイシーには必要無いと思うけど、一応見て覚えておくように」
隣りにもう一つ結界を作り、その中でエドガ達が自分達の野営用小屋の作り方を教えていると、急ぎ足のパーティーが近づいて来た。
「ほう、こりゃー中々の物だな」
「なんで結界の中で小屋を作っているんだ?」
「立派な結界を作れても強度が足りないんじゃねぇのか」
「それとも直ぐに消滅しちまうのかも」
「テイマーと新人か」
ニヤニヤと笑いながら値踏みする様に若い連中を見ている。
俺の休んでいる土魔法のドームは東向きに作られているので中が暗く、外から見えていない様なので黙って聞いていた。
それにアッシュとグレイは名前のとおり暗い毛色で、ブラックも暗がりで休んでいる。
それにグレイウルフのファングも名の通りくすんだ毛色、フォレストウルフのウルファがそれより少し明るい色だ。
中が見づらいのもあるが、気配くらい感じろよと思う。
「おい、こっちの土魔法のドームの方が良さそうだぞ。そんなスケスケの結界より寝心地が良さそうじゃねぇか」
「ホルセンまで戻るつもりだったんだが、日暮れまでに間に合いそうもないので、俺達も此処に泊めさせてくれないか」
「腕の良い魔法使いがいる様だし、俺達の分も作ってくれよ」
「結界と土魔法か」
「兄さん達は新人か? 俺達のパーティーに入れば冒険者として必要な事は一から教えてやるぞ」
断りもなく俺達の休むドームに踏み込んで来たので、魔力を込めたライトを点してやる。
薄暗いドームの中がいきなり明るくなり、アッシュとグレイに凭れた俺を見て驚いて・・・アッシュを見て驚いている。
「黙って聞いていたが、随分礼儀知らずだな。お前達ベテランの足なら、ホムセンの村まで直ぐだろう。新人相手に偉そうに能書きを垂れてないで帰れよ」
ウルファとファングが男と俺の間に立ち、低い呻り声を上げている。
「お、お前・・・」
「おい、不味いぞ」
「すまねぇ兄さん。此奴は馬鹿なんで許してやってくれ。俺達は失礼するよ」
「あれって、噂の奴じゃねえかょ」
「黙ってろ! 行くぞ!」
俺の正体に気付いた奴は目を逸らして離れていき、俺に謝罪した男は不満げな奴を脅して離れて行く。
ホムセン村出身のマイルズとカールトンを呼び、今の奴等を知っているのか尋ねると、村では嫌われていた奴等ですと教えてくれた。
村の中では冒険者や村人に絡む程度だが、森で出会ったら気を付けろと言われているらしい、と教えてくれた。
森で出会ったらねぇ、それは俺にも当てはまるんだけど、色々予定があるので余計な事はしないでくれよと祈っておく。
* * * * * * *
周囲に他のパーティーが居ない所を求めて進んだが、獲物を求めてではないので二日目に人の少なそうな場所を拠点にした。
フリッツ達とケイシーにはエドガ達の指導で気配察知の練習をさせ、俺達は少し離れた場所で撒き餌をして小型の野獣を狩る。
と言ってもホーンラビットからゴブリンや小型のボア類を、軽い雷撃でふらつかせて、マイルズとケイシーにテイムさせ、テイムの練習から始める。
此処で二人のテイム能力に差が出た。
おかしいと思って二人のテイマースキルを鑑定したら、マイルズはテイマースキルが初級上でケイシーが初級下と判った。
テイマースキル持ちと判っていたので、肝心なスキルの確認を忘れていた。
だが、ホーンラビットやヘッジホッグにゴブリンや果ては鼠までテイムさせたが、やはり能力の上昇はなし。
それでもテイムする事に慣れてきたので、いよいよ本命のウルフを求めて移動する事にした。
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ウルファとファングがウルフ系の匂いを探り、群れの居そうな所へと俺達を案内してくれる。
良さそうな所を見つけると拠点を作り、撒き餌をして野獣の現れるのを待つ。
オークやハイオーク、ゴブリンにファングドッグと、狙い目以外余計な奴が寄ってくる。
其奴等はアデーレのヴォルグに任せたり、エドガ達が弓で仕留める。
最初に此と見定めたのはブラックタイガー、漆黒の毛並みで体高1.3m程度で体長2.5mちょい、太い尻尾と大きな牙は迫力満点。
アッシュがブラックタイガーの顔を水球で包み、藻掻き苦しむタイガーの動きが止まったところで能力の高いマイルズを連れて行く。
水を吐きぐったりしているブラックタイガーを目の前にビビっているので「俺はお前より強いので俺の支配を受け入れろ」と念じてテイムしろと、口から出任せを言っておく。
自信を持ってテイムと唱えないとテイム出来ないのは、最初の頃の二人を見ていて判った事。
アデーレの時は、彼女はテイムの練習をしていてその辺は出来ていたので気付かなかった。
俺の場合なんてテイムと言うよりグレイやアッシュの方から支配されてきたし、契りだなんて訳の判らん事を言っていたからな。
真剣な顔でブラックタイガーに掌を乗せて「テイム・テイム」と呟くと、一瞬にしてマイルズの顔が綻ぶ。
「テイム出来ました!」
マイルズが喜びの声をあげると仲間達が大喜びしている。
「それじゃー、其奴に名前を付けろ。それでより一層其奴との結びつきが強くなる」
ブラックタイガーをテイム出来ると思っていなかったので名前を思いつかない様だ。
一番安易な名前はタイガーキャットのブラックが使っているからな。
あれやこれやと悩んでいたが、ファングとブラックがいるので、ブラックタイガーの鋭い爪にちなんでクロウと決定。
「お前はクロウ、俺はマイルズだ宜しくな・・・何か変な感じですね」
「多分その名を受け入れたんだと思うぞ。此れからはその名で呼び、可愛がってやれよ」
「はい! 有り難う御座います!」
マイルズの声に仲間達も一斉に頭を下げる良い子達。
「喜んでいる所を悪いが、此れからが大変だぞ。クロウに腕や指で指示を出したり、仲間達と協力してクロウの援護と討伐の訓練をしなきゃならないからな」
「えっ、そうなんですか?」
「ん、さっきまで野生の野獣だったんだぞ。テイム出来たら思い通りに動かせると思っていたのか?」
「え-と、どうすれば・・・」
「此れからは、アデーレと彼女の仲間達がそれを教えてくれる。彼女のヴォルグは幻獣で魔法攻撃が主体だが、動かし方の基本は同じだ。思い通りに動かせる様になったら、お前達がクロウを助け、クロウがお前達を助けて野獣を討伐をする事になる。それは俺やアデーレ達には教えられないので、お前達が考えなければならない。忘れるなよ、冒険者は自分で考えて行動するものだ、他人の助けは当てにするな。クロウと共同して野獣討伐をするのなら、弓は大いに役に立つので確り練習しておけよ」
「はい、判りました。アデーレさん、此れから宜しくお願い致します!」
ケイシーが羨ましそうに見ているが、お前さんにもウルフ程度は探してやるよ。
* * * * * * *
少しずつキャンプ地を移動しながらウルフの匂いを追わせ、匂いが強くなったところでウルファとファングに群れを探しに行かせた。
獲物の追跡となると犬科のウルファとファングが適任で、グレイやブラックは獲物を長時間追い回すには不向きだ。
戻ってくるまでの間、五人は何時も通り索敵や気配察知の練習だ。
遠くでファイヤーボールの音が連続して聞こえるとアッシュが教えてくれたが、俺の耳では未だ聞き取れない。
段々近寄ってきていると教えてくれ、アッシュとグレイにブラックが結界から出て捕獲の為に左右に分かれていく。
遠くからファイヤーボールの連続した破裂音が聞こえて来たが、突如グレイの姿が消えた。
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