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43 碑文に招かれし者
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時々オーエンの泣き言も聞こえて来たが、一年余りで何とか摺り板版の見本摺りが出来上がった。
まぁ60点の出来だが、これから洗練されて行くだろうとニンマリしていた。
見本には統一暦2634年7月13日と記されているが、簡素化の為に実際は634.7.13となっている。
冒頭にはオーエンやアルホークには理解出来ない文様が記され、次の行から統一暦の説明と簡素化の見方を説明していた。
統一暦は近年から遡り実際に存在した国の勃興史を調べて比較し、最終確認の出来たヘルム国の登場年を紀元とした。
確認出来た国の名は数百にも及んだらしいが、頭が痛くなりそうなのでスルーさせて貰った。
現在存在する国だけでも大小合わせて60以上有るらしい、まぁ俺の国もその一つでは在るのだが。
テレンザ国王には愚痴られた、一つの国の勃興を調べその間にどの国が何年に出来て他国との差や没落したり乗っ取られて国名が変わる等大変だったらしい。
記録係や史実に詳しい者達をかき集め、それぞれ知られた国名と勃興年を書き記した板を年代を合わせながら並べた様だ。
途中そこそこ使える紙が出来たので、それを渡し巻紙にする方法を教え混乱を何とか静めた。
摺り板版には不思議な紋様の後に、統一暦の発表と以後この統一暦を使用する事と掲示板と共に摺り板版を街角や酒場等に張りだし又摺り板版一枚を銅貨1枚で個人に売ると記されていた。
ぶっちゃけ赤字になるが、世間に浸透すればトントンにはなると見込んでいる。
何せ紙の値段が未だまだ高いので、生産設備の増強や原材料の増産を急がねばならなかった。
俺の莫大な個人資産で運用されるので、金は天下の回りものと気にしていないが、他人様はそうもいかない。
他に目論んでいる事もあり、ヤマトやテレンザのみならず他国に広がる事を期待していたのだ。
転移魔法陣の設置されている国々は、ヤマトやテレンザの情報が早い段階で伝わっている。
面白いもので、酒場やカフェ等は摺り板版を買うと、客に鉄貨1~2枚で閲覧させていた。
摺り板版は最低品質の紙なので、同じ大きさの板に張り付けて痛まぬ様に工夫している。
街角で摺り板版を買えば銅貨1枚だが、お茶等を飲みながら鉄貨1~2で読めると人気は上々で、客寄せになっていた。
摺り板版の巻頭と末尾にある不思議な紋様も、最初は話題になったがそれも一時の事で今では気にもされない。
* * * * * * * *
数年を経ずして国からの告知より、美味いもの情報や流行りの服にアクセサリー、それに便乗する広告や関連情報が飛び交い、百花繚乱の有様だ。
勿論広告掲載には金が必要だが、元は取れると掲載の順番待ちの様相で摺り板版の増刷が追いつかない。
今では初期投資を回収し多大な利益を上げている。
勿論無制限な情報提供は許されないので、社会不安を煽るものや読む者を騙したり迷信を押し付ける様なものは排除されている。
巧妙に騙して人を陥れたり金を稼ごうとした者は、官憲の手に落ちる仕組みも出来上がっている。
最近人気なのは料理自慢の記事だ。
家庭の主婦が自慢の料理レシピを摺り板版発行元に送ると、各部門の中の家庭部門に送られ選別され取材を受けて合格すれば記事になる。
記事には住まいと名前が掲載されるので、取り上げられた主婦は鼻高だかである。
* * * * * * * *
久し振りにアルホークに近況を尋ねに行った。
「どうだ、順調かい」
「はいユーヤ様。今はエトナとヤザンに全て任せていますが、順調に利益を上げ人気も上々です。大規模な雇用も生まれこれほどになるとは父共々驚いています」
「それは読み書き出来る者が増えて、噂や迷信に惑わされず確実な情報が手にはいるからな。読み書き出来る者が居なければ、摺り板版を出しても用無しだ。確実な情報は何処に行けば稼げるとか、役に立つ物が手に入ると判る。最近では美味い物情報とか、面白い芝居の情報まで出回っていて読むだけで世間の動きが判るからな」
「はい、それで領民の不平不満も判り、何を望んでいるか先手を打ち易いです。貴族達も、都合の良い事だけを領民に押し付ける事が出来ないので、治世も良くなっています」
「他国からの干渉などは有るか」
「何ヶ国かは摺り板版の持ち込みを禁止していますね。相当都合が悪い様です。それぞれの神を祭る教会も、信者に神殿を貶める様な事を言ってますが、巡礼者が持ち帰り読み聞かせる摺り板版の情報で惑わされれず、逆に教会が衰退しています。我々に直接抗議して来る者はいません」
* * * * * * * *
アルホークの下を訪れている頃、俺の屋敷を尋ねて来た者がいた。
「此処はユーヤ・タカツカ公爵様のお屋敷ですよね」
「ああそうだが、何用か」
「神殿の碑文に招かれて参りました。執事様にお取り次ぎを願います」
「碑文に招かれて・・・だと、間違いないな」
「はい、それゆえ執事様にお会いしたいのです」
「名は何と申す」
「セルーシャと申します」
「暫し待て!」
衛兵は責任者に取り次ぐと、急いで屋敷に向かい執事に事の次第を告げた。
「行こう」
執事のオルスクは短く答え、衛兵と共に門の前に佇む女の下に出向いた。
「セルーシャと申したな。何処の碑文に招かれた」
「神殿の碑の裏に記されし言葉に」
衛兵に門を開けさせると、セルーシャについて来る様に一言告げ屋敷に引き返した。
ホールに入ると、メイドに応接間に案内するように命じる。
平民の女だが公爵家を訪れて余り萎縮した様子も無い、神殿の碑の裏に有る紋様の意味が解らなければ、此処を訪れて執事である自分に面会は求めない。
ユーヤ様の指示通りの対応を心掛ける事にする。
自分の執務室に戻り鍵の掛かった引き出しの奥から1枚の板を取出した。
不思議な線が入り乱れる紋様でユーヤ様はスラスラと書かれ、此を見て理解出来る者が現れたら、客人として扱い自分に会わせろと命じられている。
不在時には客人として留め置くか、無理なら居場所を確認し護衛を付けて安全を確保しろとも命じられている。
応接間に行くと、黙ってセルーシャにユーヤから預かっている板を差し出した。
拝見しますと断り、受け取った板の上下を返しマジマジと見つめると、セルーシャの目からみるみる涙が溢れ落ちる。
「意味が理解出来る様だな」
落ち着いたセルーシャにオルスクが声を掛け、涙を拭ったセルーシャが頷き、ユーヤは何時戻って来るのかと問い掛ける。
間違いないユーヤの言った通りの問い掛けだ。
「ユーヤ様はテレンザの王宮に出向かれているが、既に連絡をした。帰りを待って貰えるかな」
セルーシャの望む事は全て叶えよとメイドに命じて執務室に戻り、問題の板を再び引き出しの奥に仕舞う。
陽も暮れかけた頃ユーヤが帰って来て、オルスクに客人は何処にいると尋ねた。
「応接間にてお待ち頂いております。お言葉通りの問い掛けも有りました」
「判った、二人だけで話しが有るので呼ぶまで誰も入れるな」
客間に入るとメイドを部屋から出し、セルーシャと向かい合う。
「セルーシャか、ミズホの国は何処か判るか」
「日本です」
「高塚祐也だ宜しくセルーシャ。どうしてこの地に住まう事になったのか覚えているか」
「判りません、気づいた時には子供として生活していました」
「でも日本語は覚えているって事だよな。この地の親兄弟は居るのか」
「兄がひとり居ますが親は亡くなりました。私が摺り板版を見て、ミズホの街である人に会わなければならないからとお願いして、連れて来て貰いました。私は直ぐに体調を崩すので、兄の世話になっています」
「お兄さんは今何処に?」
「兄は冒険者をしていますので、今は私を連れて来たので冒険者ギルド近くのホテルに居ます。」
色々と聞きたい事があるので泊まってもらう事にし、セルーシャを宿泊するホテルに向かわせて、彼女の兄を屋敷に呼んで来てもらった。
まぁ60点の出来だが、これから洗練されて行くだろうとニンマリしていた。
見本には統一暦2634年7月13日と記されているが、簡素化の為に実際は634.7.13となっている。
冒頭にはオーエンやアルホークには理解出来ない文様が記され、次の行から統一暦の説明と簡素化の見方を説明していた。
統一暦は近年から遡り実際に存在した国の勃興史を調べて比較し、最終確認の出来たヘルム国の登場年を紀元とした。
確認出来た国の名は数百にも及んだらしいが、頭が痛くなりそうなのでスルーさせて貰った。
現在存在する国だけでも大小合わせて60以上有るらしい、まぁ俺の国もその一つでは在るのだが。
テレンザ国王には愚痴られた、一つの国の勃興を調べその間にどの国が何年に出来て他国との差や没落したり乗っ取られて国名が変わる等大変だったらしい。
記録係や史実に詳しい者達をかき集め、それぞれ知られた国名と勃興年を書き記した板を年代を合わせながら並べた様だ。
途中そこそこ使える紙が出来たので、それを渡し巻紙にする方法を教え混乱を何とか静めた。
摺り板版には不思議な紋様の後に、統一暦の発表と以後この統一暦を使用する事と掲示板と共に摺り板版を街角や酒場等に張りだし又摺り板版一枚を銅貨1枚で個人に売ると記されていた。
ぶっちゃけ赤字になるが、世間に浸透すればトントンにはなると見込んでいる。
何せ紙の値段が未だまだ高いので、生産設備の増強や原材料の増産を急がねばならなかった。
俺の莫大な個人資産で運用されるので、金は天下の回りものと気にしていないが、他人様はそうもいかない。
他に目論んでいる事もあり、ヤマトやテレンザのみならず他国に広がる事を期待していたのだ。
転移魔法陣の設置されている国々は、ヤマトやテレンザの情報が早い段階で伝わっている。
面白いもので、酒場やカフェ等は摺り板版を買うと、客に鉄貨1~2枚で閲覧させていた。
摺り板版は最低品質の紙なので、同じ大きさの板に張り付けて痛まぬ様に工夫している。
街角で摺り板版を買えば銅貨1枚だが、お茶等を飲みながら鉄貨1~2で読めると人気は上々で、客寄せになっていた。
摺り板版の巻頭と末尾にある不思議な紋様も、最初は話題になったがそれも一時の事で今では気にもされない。
* * * * * * * *
数年を経ずして国からの告知より、美味いもの情報や流行りの服にアクセサリー、それに便乗する広告や関連情報が飛び交い、百花繚乱の有様だ。
勿論広告掲載には金が必要だが、元は取れると掲載の順番待ちの様相で摺り板版の増刷が追いつかない。
今では初期投資を回収し多大な利益を上げている。
勿論無制限な情報提供は許されないので、社会不安を煽るものや読む者を騙したり迷信を押し付ける様なものは排除されている。
巧妙に騙して人を陥れたり金を稼ごうとした者は、官憲の手に落ちる仕組みも出来上がっている。
最近人気なのは料理自慢の記事だ。
家庭の主婦が自慢の料理レシピを摺り板版発行元に送ると、各部門の中の家庭部門に送られ選別され取材を受けて合格すれば記事になる。
記事には住まいと名前が掲載されるので、取り上げられた主婦は鼻高だかである。
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久し振りにアルホークに近況を尋ねに行った。
「どうだ、順調かい」
「はいユーヤ様。今はエトナとヤザンに全て任せていますが、順調に利益を上げ人気も上々です。大規模な雇用も生まれこれほどになるとは父共々驚いています」
「それは読み書き出来る者が増えて、噂や迷信に惑わされず確実な情報が手にはいるからな。読み書き出来る者が居なければ、摺り板版を出しても用無しだ。確実な情報は何処に行けば稼げるとか、役に立つ物が手に入ると判る。最近では美味い物情報とか、面白い芝居の情報まで出回っていて読むだけで世間の動きが判るからな」
「はい、それで領民の不平不満も判り、何を望んでいるか先手を打ち易いです。貴族達も、都合の良い事だけを領民に押し付ける事が出来ないので、治世も良くなっています」
「他国からの干渉などは有るか」
「何ヶ国かは摺り板版の持ち込みを禁止していますね。相当都合が悪い様です。それぞれの神を祭る教会も、信者に神殿を貶める様な事を言ってますが、巡礼者が持ち帰り読み聞かせる摺り板版の情報で惑わされれず、逆に教会が衰退しています。我々に直接抗議して来る者はいません」
* * * * * * * *
アルホークの下を訪れている頃、俺の屋敷を尋ねて来た者がいた。
「此処はユーヤ・タカツカ公爵様のお屋敷ですよね」
「ああそうだが、何用か」
「神殿の碑文に招かれて参りました。執事様にお取り次ぎを願います」
「碑文に招かれて・・・だと、間違いないな」
「はい、それゆえ執事様にお会いしたいのです」
「名は何と申す」
「セルーシャと申します」
「暫し待て!」
衛兵は責任者に取り次ぐと、急いで屋敷に向かい執事に事の次第を告げた。
「行こう」
執事のオルスクは短く答え、衛兵と共に門の前に佇む女の下に出向いた。
「セルーシャと申したな。何処の碑文に招かれた」
「神殿の碑の裏に記されし言葉に」
衛兵に門を開けさせると、セルーシャについて来る様に一言告げ屋敷に引き返した。
ホールに入ると、メイドに応接間に案内するように命じる。
平民の女だが公爵家を訪れて余り萎縮した様子も無い、神殿の碑の裏に有る紋様の意味が解らなければ、此処を訪れて執事である自分に面会は求めない。
ユーヤ様の指示通りの対応を心掛ける事にする。
自分の執務室に戻り鍵の掛かった引き出しの奥から1枚の板を取出した。
不思議な線が入り乱れる紋様でユーヤ様はスラスラと書かれ、此を見て理解出来る者が現れたら、客人として扱い自分に会わせろと命じられている。
不在時には客人として留め置くか、無理なら居場所を確認し護衛を付けて安全を確保しろとも命じられている。
応接間に行くと、黙ってセルーシャにユーヤから預かっている板を差し出した。
拝見しますと断り、受け取った板の上下を返しマジマジと見つめると、セルーシャの目からみるみる涙が溢れ落ちる。
「意味が理解出来る様だな」
落ち着いたセルーシャにオルスクが声を掛け、涙を拭ったセルーシャが頷き、ユーヤは何時戻って来るのかと問い掛ける。
間違いないユーヤの言った通りの問い掛けだ。
「ユーヤ様はテレンザの王宮に出向かれているが、既に連絡をした。帰りを待って貰えるかな」
セルーシャの望む事は全て叶えよとメイドに命じて執務室に戻り、問題の板を再び引き出しの奥に仕舞う。
陽も暮れかけた頃ユーヤが帰って来て、オルスクに客人は何処にいると尋ねた。
「応接間にてお待ち頂いております。お言葉通りの問い掛けも有りました」
「判った、二人だけで話しが有るので呼ぶまで誰も入れるな」
客間に入るとメイドを部屋から出し、セルーシャと向かい合う。
「セルーシャか、ミズホの国は何処か判るか」
「日本です」
「高塚祐也だ宜しくセルーシャ。どうしてこの地に住まう事になったのか覚えているか」
「判りません、気づいた時には子供として生活していました」
「でも日本語は覚えているって事だよな。この地の親兄弟は居るのか」
「兄がひとり居ますが親は亡くなりました。私が摺り板版を見て、ミズホの街である人に会わなければならないからとお願いして、連れて来て貰いました。私は直ぐに体調を崩すので、兄の世話になっています」
「お兄さんは今何処に?」
「兄は冒険者をしていますので、今は私を連れて来たので冒険者ギルド近くのホテルに居ます。」
色々と聞きたい事があるので泊まってもらう事にし、セルーシャを宿泊するホテルに向かわせて、彼女の兄を屋敷に呼んで来てもらった。
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