異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒

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第6部

第109話

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 ミュオンは意図せず、霊力の放出によりハイロを先祖がえりさせてしまったが、ジェミャは、敵意をあらわにするクマに対し、わざと血を吸わせて細胞の拒絶反応を起こさせた。その結果、人語をあやつれるようになる前の幼獣にまで姿をもどされてしまったクマは、ぬいぐるみ、、、、、のように愛らしい仔熊となった。

「それじゃあ、さっき、わざと噛みつかせたの?」

『べつだん、狙っていたわけではない。だいいち、われは、他者に血を吸わせたことなどない。よもや、このような現象が起こるとは滑稽こっけいなり』

 ジェミャ自身も、なにが起こるかまでは不明だったようだ。精霊と半獣属の身体構造は異なるが、どちらも赤い血液が流れていた。亮介は、キツネとクマを抱っこしたまま、スクッと立ちあがり、ジェミャの腕に目を留めた。

「……傷、痛くないの」

『ああ。精霊の痛覚は、人間や半獣より微弱にできているからな。それに、自然治癒力も高い。外的な刺激に関しては、むしろ、快楽のほうが極端なほど敏感だ』

「そう……、なんだ……」

(それって、エッチしなくちゃわからない感覚だよね。ミュオンさん、ハイロさんに抱かれて、気持ちよくなれてるってことかな。……ミュオンさん、なんとなく負けず嫌いみたいなところあるから、ちょっと心配してたけど、痛いだけじゃなさそうでよかった)

 ただでさえ、ハイロを好きだという感情を素直に認めない精霊は、受け身である。すんなり抱かれる姿を想像できない亮介だったが、性行為にともなう快楽が強ければ、どちらも余計な考えを遮断できるはずだと思った。

(エッチに集中するって言い方は変かもだけど、ふたりは真剣に考えて子づくりをはじめたわけだし、僕は、みんなと平和に暮らしたいだけだし、キツネさんやクマさんとも、仲よくなりたいなぁ……)

 弱体化とも無力化とも取れる状態となった仔熊は、「グォッ、グォッ」と、なにかを訴えようとして鳴きわめくが、亮介やキツネには理解できず、なぜかコリスが通訳した。

「ねえねえ、オシッコみたいだよ~」

 亮介は「えっ?」と短く驚き、あわてて仔熊を地面へおろした。すると、草陰に向かって走っていく。

「コリスくん、仔熊のことばがわかるの」

「うん。わかるよ~」

「なんでオレサマにはわからないのに、おまえには通じるンでぃ!」

 キツネを抱きしめる亮介の首のうしろに隠れるコリスは、「ひょえ~」といって、さらに身をすくめた。


★つづく
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