マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴

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第一章

異世界の食材

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「えっと…お邪魔じゃないなら作るところを見ててもいいかな?」

「うん、そりゃあ構わないよ」

「ありがとう♪」

「けど、作るのは時間的に一品だけにしておこうかな。あんまり遅くなってもいけないしね。他は出来たての作ったものを色々保管しているからいつでも取り出せるんだ」

「もしかしてアイテムボックスみたいなもの!?しかもそれって時間停止付きじゃない!?」

 流石ラノベ好きだな。よくご存知で。こういう話になると歌羽根さんは目の輝きがより輝く感じがするな。

「まあ、似たようなもので、魔法でチョチョイとね」

「それも魔法なの!?ホント凄いよ早房君!」

 褒められるのは吝かではない。しかも褒めてくれているのは現役トップアイドルだしな。

「またデレデレしてる…」

「いや、デレデレはしてないからな美樹子?」

「…してた…もん…」

 頬を膨らませてプイッとそっぽ向く美樹子。

 やるな…。いつの間にかそんな高度なスキルを身につけているとは思わなかったぞ…?しかも『…もん』と組み合わせるとはな…。破壊力抜群だぞ、それは。誰に対してかは分からんがな。

 とりあえず…そんな美樹子はスルーして…

「スルーすなっ!」

 だってそうしないと料理にかかれないしな。


「せっかくなんで向こうの食材のアレを使おうかな」

 『後で覚えてなさいよ』と、美樹子が言ってる気がするが…まあ、コレを食べたら忘れるだろ…。

「向こうの食材!?それってもしかして…」

「うん。御名答。異世界の食材」

「ホントにっ!?うわぁぁ~ 凄く楽しみ♪」


 俺は魔法を発動させ魔法でしまっている食材を取り出す。興味津々の歌羽根さん。そんな歌羽根さんの目に最初に止まった食材はというと…

「こ、この肉はっ…もももも、もしかしてドラゴン…?」

 緑色の太いお肉。まあ、断面を見れば皮が緑なだけで中は赤いんだよな。歌羽根さんの期待を裏切るようで申し訳ないけど、残念ながらドラゴンの肉ではない。

「残念。それはオークの肉だよ。部位は太もも」

「あ、あの…ゆ、有名なオークの肉!?」

 驚愕する歌羽根さん。うん、その反応は知ってた。ラノベ好きならオークは有名だし、定番だよね。

「オークの肉が食べられるなんて…私生きてる…?ストーカーに殺されて夢見てるとかないよね?」

「大丈夫大丈夫。夢じゃないから。ストーカーの件も解決してるからね。とりあえずザッと使う食材の説明をすると、もう一つの肉の塊がミノタウロスの腕肉──」

 ミノタウロスの肉もオークの肉と同じで断面から見ると分かるのは皮は白色で、ところどころ牛みたいに黒い模様になっているが、中は赤なんだよな。

「──ミノっ!?ミノタウロス!?」

「──んで、そっちの瓶に詰まっている液状のゼリーみたいなものがスライムだね」

「──すす、スライム!?」

「流石異世界よね…そんなものが食べれるなんて…」

 それな?俺も最初はそう思ったもんだ。まあ、これが異世界クオリティというものなんだろうな。

「とりあえず今日はサッと作るね?歌羽根さんに料理を教える時はちゃんとゆっくり教えるからね」

「えっ…?ゆっくり…?」

「まずは…こうしてオークの肉とミノタウロスの肉をミンチにしてっと…」

「っ!?い、一瞬でミンチになってるぅ!?」

「…こういうのを改めて見ると私の幼馴染は人間を超えたと思えるわね…」

 ホントそれな?自分でもそう思うわ。普通の人は魔法を使えないし、こんな風に一瞬でミンチにするなんてできないしな。

「ミンチにしたオークの肉とミノタウロスの肉をボールに入れて…それに液状のスライムを加えてよく混ぜ合わせて…それを俵状に──」

「目で追えないよ!?説明聞いて何が起こったのかようやく分かるんだけどっ!?」
「天音…慣れよ慣れ。そのうち慣れるわよ。私も最初は驚いたものよ…」

 遠い目をしないでくれるか美樹子。余計に人外に感じてしまうからさぁ…。


 まあ、それはとにかく…フライパンに油を入れて温めてっと…

「そういえばなんで液状のスライムを加えたの?水っぽくならないの?」

 おっ…歌羽根さん料理出来ない割にいいところに気がつくな。

「…なんか失礼な事思わなかった?」

「歌羽根さんの気のせいだよ」

 美樹子みたいにするどい…。

「スライムは加える時に魔法で水分を飛ばしたんだよ。そうする事でパン粉のようにつなぎみたいな役割を果たしてくれるし、多すぎる油分を吸収して分解してくれるんだ」

「スライム万能すぎる…」

「さあ、フライパンが温まったようだし、焼いていこうかな」

 俵状にした合い挽き肉をフライパンへゴォー!


 じゅうぅぅぅ!パチパチパチッ──!


 辺りに漂うのは肉を焼いた時の香ばしい暴力的な匂い。異世界の食材は見た目もそうだけど、匂いでも何気に楽しませてくれるんだよな。

「ごくっ…な、何…この美味しそうな匂い…」
「んぐっ…こ、これは…堪らないわね…」

 だよな?俺もそう思う。

 しっかり両面に火を通して…焼き上がったものをステーキ皿に載せて…後は人参やらポテトも一緒に盛り付けて、ライスもサッと用意したら──


「──はい、完成!オークとミノタウロスの合い挽き肉のハンバーグ定食。味噌汁かスープも欲しいなら言ってくれればすぐに用意するからね」

「「さっ、早速食べても?」」

 席に着くと同時に二人とも同じ言葉を口にする。早く食べたいそんな感じだ。

「どうぞ」

 俺のその言葉に二人ともナイフをハンバーグに入れて──

「き、切っただけなのに…」
「…肉汁が溢れてくる…」

 ──適度に切り分けたものをフォークで刺しパクリ!

「「んんっ~~~♡」」

 口の中に広がるのはまたもや暴力的とも言える濃厚な肉の味。下手に味付けなんていらないんだよな。肉本来の味を楽しめる。まあ、ソースがあっても当然美味しんだけどな。

 二人とも次から次にハンバーグを口に運んでいく。そうなると当然あっという間にお皿は空っぽに…

「「おかわり!!」」


 まあ、いっぱいあるしな。喜んでもらえたようでなによりだ。

 



 


 
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