マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴

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第一章

食事の後は

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「ごちそうさま!凄く美味しかったよ!」
「ホント美味しかったわ」
「喜んでもらえてなにより」


 異世界の食材を使った料理に舌鼓を打った俺達。自分で言うのもなんだが本当に美味しかった。

「美味しい料理をいただけたし、片付けは私に任せて!」

 張り切ってそんな事を言ってくれる歌羽根さん。だけど…

「天音。しなくて大丈夫よ」

「えっ?でもいただいてばかりじゃあアレだし」

「美樹子の言う通り気にしないでいいよ。一瞬で終わるから。こんな風に」

 あら、不思議。後片付けも魔法で一瞬で終わる…。不思議とは言ったけど魔法だから全然不思議ではないんだけどな…。

「魔法ってホント凄いよね!」
「便利よね」

「まあね。そんなわけで片付けは終わった事だし…二人は温泉にでも入る?」

「…んっ…?温泉…?温泉って言った…?」

「そういえばあったわね…。豪華で広すぎるから一人で使うのは勿体ないかなあと思って、だいたい部屋のお風呂を使っていたけど」

「聞き間違いじゃないんだね…それももしかして魔法で…?」

「そうそう。ほらあそこのドアから入った所が露天風呂になってるよ。ドアの入り口の上の方に露天風呂って木の看板に書いてるでしょ?魔法で広さは調整してるし、お湯は本物の温泉をこれまた魔法で引いてるからいつでも入れるよ。このマンションの特別室を借りた人の特別待遇ってわけ…」

「入る!絶対に入るよ!美樹子一緒に入ろうよ!温泉なんて私久しぶりだよ~!」

「そうね。入ろうか」

 当マンション自慢の露天風呂だ。拘りに拘わったからな。

「ごゆっくり~」

「豊和…」

「うん?」

「覗かないでよ?」

「覗くかぁぁぁー!今までもそんな事した事ないだろ!?」

「ラッキースケベもなしよ?」

「それも気配で温泉に人がいるのが分かるからそんな事した試しはないだろっ!?」

「…チッ」

「舌打ち!?唐突な舌打ちっ!?何っ!?何で舌打ちされたのっ!?美樹子は覗いて欲しいのか!?ラッキースケベも望んでいるっ!?」

「…馬鹿…そんな事あるわけないでしょ…」

「──だったら舌打ちするなよな…?歌羽根さん。そういう訳で何も心配いらないからゆっくり堪能してくるといいよ」

「うん♪ありがとう♪」

「ちなみにシャンプーもリンスも向こうの世界のものだ」

「異世界のっ!?普通異世界って言ったらこっちの世界のシャンプーだったりが優れてるんじゃないのっ!?」

「それはラノベの世界だけかな。だって向こうは未知の素材に魔法まであるんだよ?それなのにこの世界より優れていると思う?」

「そっかぁ…そうだよね!?未知の素材になんたって魔法まであるんだもんね!」

「そうそう。なのでそれも堪能して欲しいかな」

「うん!そうと分かれば…行くよ!美樹子!」

「ちょっ!?天音!?そんなに引っ張らないで!?」

「いいから早く!」

「そんなに急いでも逃げないからぁ~」




 さて…二人はお風呂に向かったし、二人がお風呂をあがるまで部屋でゲームでもするか…。




♢♢♢


「──ちょっと!?そんなに引っ張らないでっ!?もう脱衣所だしっ!?服着たまま入るつもりっ!」

「あっ、ごめんごめん。つい…」

 だって温泉だよ…?それになんと言っても異世界のシャンプーにリンスだよ…?早く入りたくて、使いたくて…。ラノベ好きならこうなっちゃうのは仕方ないと思う。

「ほら…天音も早く脱げば?早く入りたいんでしょ?」

 美樹子の声に我に返り、視線を美樹子に移すといつの間にか下着姿になっている…。黒の可愛いブラと同じく黒のショーツ。ショーツのレース部分が凄く可愛い。

「その下着いいね♪どこのやつ?」

「最近流行りの美胸に魅せるって奴よ」

「流石現役人気モデル。下着も拘ってるね♪」

「まあ、ちょっとはね」

「それにまたくびれてない?」

 服を脱ぎながらそう美樹子に問いかける。腰は細いのに出る所は出てるし羨ましい。あっ…ブラを外した…。形も肌のきめ細かさが凄くいいし、同性から見てもホントに見惚れてしまう。

「まあ、仕事柄プロポーションの維持には気をつけてるわよ。そういう天音だってスタイルいいじゃない。ピンクの下着も可愛いし」

 ピンクなのは美樹子の胸の…って…これじゃあなんだか変態さんみたいだ…。

「…そうかな?でも胸の大きさは美樹子に負けてるし」
 
 私はBカップ。後少しでCカップに届くってところ。美樹子はすでにCカップ…。くっ…後少しが足りない…。

「そんなに言うほどは変わらないでしょうに」

「ある人はそんな風に言えるんだよ!」

「さあ、馬鹿な事言ってないで入るわよ」

「むぅぅ…」


 私と美樹子は脱衣所から浴室へ。

「ふわぁ~~~。凄いね…。上を見上げると星空だし、浴室は浴室で早房君が言ったように凄く拘り造られてるね」

「まあ…そうね。変な所で拘るからね…あいつ…」

 そんな話をしながら早速頭から洗う事に。異世界のシャンプーの出番だ。ふっふっふっ…魅せてもらおうか、異世界のシャンプーとリンスの力とやらを…。


「──ふぁっ!?なになにっ!?何なのこれっ!?」

「凄いわよね…?洗ったたけでツヤツヤでしょ?リンスをつけたら更にツヤツヤよ」

「ほっ、ホントだぁ…」

「でしょ」

「こ、これが異世界クオリティ…」

 言葉も出なくなるよ…。ホントにそれくらい凄いのっ!こんなの使ったらこの世界のシャンプーやリンスなんて使えないよ…?

 
「天音が思っている通りホント他のシャンプーやリンスは使えなくなるわよ。全然違うもの」

「…美樹子は普段どうしてるの?」

「私?私は当然豊和に頼んで売ってもらってるわよ。だってこんなの一度使ったら…ねぇ?」

「だよね…。私も売ってもらおう。売ってくれるかな、早房君」

「売ってくれるわよ。まあ、タダでもいいとは言われたんだけど…手作りらしいし…流石にねぇ?」

「分かる…。こんなに良いのタダじゃあもらえないよね…って、手作りぃっ!?」

「らしいわよ」

「ホント凄いよねぇ…」

「ほら、コレは異世界の石鹸らしいわよ」

「石鹸!?石鹸もあるの!?シャンプーやリンスは聞いてたんだけどそれは聞いてないよ!?」

「見てよ…コレ…。それで洗った部分と洗ってない部分を」

「丸分かりじゃん!?そんなに違うって分かるのっ!?しかもなんだかスベスベみたいだし!?」

「そうよ。スベスベになるのよね…」

「石鹸もコレ以外に使えないね…」

「そうなの」


 恐るべし…異世界クオリティ…。





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