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第一章
生粋のVオタ
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俺は部屋に戻るなり、いそいそと大型テレビのリモコンを手にとり、ポチリ!次にS◯itchだけにS◯itch本体のスイッチもつける。ゲームをする為ではない。S◯itchをつけたのはユ◯チューブを観る為だ。
何を観るのと聞かれたらVチューバーの生配信を観る。今日五月十五日は推しの一人であるVの誕生日なんだよ。んで、Vの誕生日と言えば行われるのはそのVの生誕祭ってわけだ。
みんな気になるであろうそのVは誰なんだ?と聞かれたら、そ◯ともならすぐに答えてくれるだろう。分からない人の為に念の為に言っておくと、それは…ホ◯ライブ所属のとき◯そらちゃんだ。そう五月十五日は彼女の誕生日なんだよ。彼女はホ◯ライブを牽引してきたと言っても過言ではないだろ。ないよな?
とにかくだ。これからそんな推しの生誕祭が始まるんだ。リアルタイムで観てない人はアーカイブでもいいからちゃんと何度も何度も観るんだぞ?
俺は額にそ◯ちゃんLOVEの文字が書かれたハチマチをキツめに締め、両手にはサイリウムを装備。勿論スパチャもチャットもいつでもできるようにして準備は完了!
俺は生粋のVオタだ。異世界から帰ってきた後にハマってしまった。応援しているのはそ◯ちゃんだけじゃない。ホ◯ライブは箱推しで俺は推している。浮気者と言わないでくれよ?好きなものは好きなんだから。に◯さんじは星◯サラちゃんに葛◯さん、それにサ◯メさんかな。V◯ポは橘ひ◯のちゃんに藍◯エマちゃん、それに八◯べにちゃん。個人勢で推しているのは断トツで雨◯ルカちゃんと天◯ひなたちゃんの二人だな。特にひなたちゃんの喋り方の方言が堪らない。
おっと…つい喋り過ぎてしまったようだ。ふっ…これもVオタの宿命かもな。そうこうしているうちに、待機画面から切り替わり映し出されたのは光輝くライブ会場とともにそこにはあ◯きもとそ◯ちゃんの姿。
『──~~~~~~~♪』
早速ミュージックが流れ始めるとともにそ◯ちゃんが振りつけを交えながら歌い出す。
「んなっ!?最初から歌っ!?しかもス◯ースタースタートだと…!?」
これ一回MVを観て欲しい。中毒性があるんだよ。その歌声と音楽と可愛い振り付けに。
♢♢♢
──あっという間だった。それだけこの生誕祭に観ハマっていたと、聴き惚れていたといえる。豪華なゲストは言わずもがな。
「最高かよっ…」
思わず言葉が漏れる。いや、だって最高だし。そんな最高の気分を更に…
「んなっ!?新衣装!?しかもショートだとっ!?」
ホント観てくれ。新衣装の髪型も服もマジで最高だから。当然ここでスパチャだろう。チャットにも最高とかそ◯ちゃ~~~んとか書き込んでいく。
くっ…たまらんな。興奮し過ぎて鼻血が出そうだ。異世界での魔物との激しい戦いを思い出してしまったぜ…。
そんなこんなで生誕祭は進み、最後のゲストには同じくホ◯ライブ所属、リ◯ロスから、ら◯んちゃんとは◯めちゃんの二人。
三人による素敵な歌が披露される…。ハモりがまたいいのなんの…。
「我が人生に一片の悔いなしっ!!!!!」
生誕祭の最後のシメはそ◯ちゃんの新曲だ。
「ふぅ~~~ 燃え尽きちまったぜ…」
もう最高しか言えんのよ。高評価ポチポチ押しまくりたいわ!
「んっ!?生誕祭が終わっても休めないだと!?」
この日はそ◯ちゃんの生誕祭だけでは終わらない。そ◯ちゃんメンバー限定ライブがこの後すぐ始まるし、それに猫◯おかゆちゃんが200万を目指して耐久歌枠をしている旨の通知が入ってきたのだ。
「…これは…二つ同時視聴しかないか」
二つとも最高だった…。
お◯ゆんが二百万人を達成した時には涙なくては見れないだろう。
すげぇ…感動した。ホント…ホ◯ライブ最高。
♢♢♢
──豊和がユ◯チューブを見始めたその頃、美樹子と天音と優花の三人はというとまだ屋上テラスに居た。
「──そういえばですね、さっきの会話で気になった事があるのですが」
「それね!優花ちゃんが言う通り私も気になってたんだよね」
二人は美樹子の顔を見ながらそんな事を口にした。
「な、なによ、二人とも?私何もおかしい事言ってないわよね?」
「おかしくはないです。ただ聞き逃してはいけない言葉があったんです」
「そうそう」
「えっ…?それってどんな言葉?」
「二人でたまたまテレビを見ていた時と言いましたよね?」
「い、言ったかしら…」
「言いましたよ。間違いなく」
「私も聞いたよ」
「そ、そう?で、でも…な、何もおかしい事は…」
「どこで見たんです?」
「それ気になるよね」
「そそ、それは…アレよアレ。学校でたまたま…」
「──それは嘘ですよね?」
「──絶対嘘だよ」
二人は言葉を被せながら断言する。それはないと。そして圧を込める。正直に吐けと。
「…べ、別に…その…私の部屋で一緒に見ただけで…」
「美樹子先輩の部屋っ!?」
「そ、そりゃあ付き合いは長いし…お、幼馴染だからそれくらいは…普通でしょ…」
「確かに美樹子の言う通り…幼馴染ならそれくらいはあるかぁ…」
「待って下さい天音先輩。まだですよ?美樹子先輩にお聞きします。なんで一緒に見る事になったんですか?」
「へっ…?」
「国会中継は参議院では月・水・金曜日の午前10時から。衆議院では火・木・金曜日の午後1時からと放送時間はなっているんです」
「そうなの!?」
「天音先輩気づきませんか?」
「何が?」
「普通ウチ達はその時間帯は学校なんですよ」
「マジっ!?」
「あぅ…」
「はい、というわけでもう一度質問します。何故平日の昼間に美樹子先輩の部屋に豊和先輩が一緒に居るのですか?」
「美樹子吐いちゃいなさい」
「…うっ…ただ…私が熱を出して…すぐに豊和君が魔法で治してくれたんだけど…た、たまには甘えてしまったというか…」
「それでそれで?」
「そ、それだけよ…」
「…それはそれで寂しいですね」
「ほっといて!?私にはそれでも大切な思い出の一つなのっ!?誰かに言うつもりはなかったんだからね!?」
いつもの冷静な美樹子なら気がつけただろう。動揺し過ぎた美樹子はこの時は気づかなかった。後で冷静になった時に頭を抱える事になる。誤魔化せていたら私と豊和だけの思い出だったのにと…。
夏休みとか学校の予定で振り替えで休みだったとかなんとか言えばそれを誤魔化せていた事に…。
何を観るのと聞かれたらVチューバーの生配信を観る。今日五月十五日は推しの一人であるVの誕生日なんだよ。んで、Vの誕生日と言えば行われるのはそのVの生誕祭ってわけだ。
みんな気になるであろうそのVは誰なんだ?と聞かれたら、そ◯ともならすぐに答えてくれるだろう。分からない人の為に念の為に言っておくと、それは…ホ◯ライブ所属のとき◯そらちゃんだ。そう五月十五日は彼女の誕生日なんだよ。彼女はホ◯ライブを牽引してきたと言っても過言ではないだろ。ないよな?
とにかくだ。これからそんな推しの生誕祭が始まるんだ。リアルタイムで観てない人はアーカイブでもいいからちゃんと何度も何度も観るんだぞ?
俺は額にそ◯ちゃんLOVEの文字が書かれたハチマチをキツめに締め、両手にはサイリウムを装備。勿論スパチャもチャットもいつでもできるようにして準備は完了!
俺は生粋のVオタだ。異世界から帰ってきた後にハマってしまった。応援しているのはそ◯ちゃんだけじゃない。ホ◯ライブは箱推しで俺は推している。浮気者と言わないでくれよ?好きなものは好きなんだから。に◯さんじは星◯サラちゃんに葛◯さん、それにサ◯メさんかな。V◯ポは橘ひ◯のちゃんに藍◯エマちゃん、それに八◯べにちゃん。個人勢で推しているのは断トツで雨◯ルカちゃんと天◯ひなたちゃんの二人だな。特にひなたちゃんの喋り方の方言が堪らない。
おっと…つい喋り過ぎてしまったようだ。ふっ…これもVオタの宿命かもな。そうこうしているうちに、待機画面から切り替わり映し出されたのは光輝くライブ会場とともにそこにはあ◯きもとそ◯ちゃんの姿。
『──~~~~~~~♪』
早速ミュージックが流れ始めるとともにそ◯ちゃんが振りつけを交えながら歌い出す。
「んなっ!?最初から歌っ!?しかもス◯ースタースタートだと…!?」
これ一回MVを観て欲しい。中毒性があるんだよ。その歌声と音楽と可愛い振り付けに。
♢♢♢
──あっという間だった。それだけこの生誕祭に観ハマっていたと、聴き惚れていたといえる。豪華なゲストは言わずもがな。
「最高かよっ…」
思わず言葉が漏れる。いや、だって最高だし。そんな最高の気分を更に…
「んなっ!?新衣装!?しかもショートだとっ!?」
ホント観てくれ。新衣装の髪型も服もマジで最高だから。当然ここでスパチャだろう。チャットにも最高とかそ◯ちゃ~~~んとか書き込んでいく。
くっ…たまらんな。興奮し過ぎて鼻血が出そうだ。異世界での魔物との激しい戦いを思い出してしまったぜ…。
そんなこんなで生誕祭は進み、最後のゲストには同じくホ◯ライブ所属、リ◯ロスから、ら◯んちゃんとは◯めちゃんの二人。
三人による素敵な歌が披露される…。ハモりがまたいいのなんの…。
「我が人生に一片の悔いなしっ!!!!!」
生誕祭の最後のシメはそ◯ちゃんの新曲だ。
「ふぅ~~~ 燃え尽きちまったぜ…」
もう最高しか言えんのよ。高評価ポチポチ押しまくりたいわ!
「んっ!?生誕祭が終わっても休めないだと!?」
この日はそ◯ちゃんの生誕祭だけでは終わらない。そ◯ちゃんメンバー限定ライブがこの後すぐ始まるし、それに猫◯おかゆちゃんが200万を目指して耐久歌枠をしている旨の通知が入ってきたのだ。
「…これは…二つ同時視聴しかないか」
二つとも最高だった…。
お◯ゆんが二百万人を達成した時には涙なくては見れないだろう。
すげぇ…感動した。ホント…ホ◯ライブ最高。
♢♢♢
──豊和がユ◯チューブを見始めたその頃、美樹子と天音と優花の三人はというとまだ屋上テラスに居た。
「──そういえばですね、さっきの会話で気になった事があるのですが」
「それね!優花ちゃんが言う通り私も気になってたんだよね」
二人は美樹子の顔を見ながらそんな事を口にした。
「な、なによ、二人とも?私何もおかしい事言ってないわよね?」
「おかしくはないです。ただ聞き逃してはいけない言葉があったんです」
「そうそう」
「えっ…?それってどんな言葉?」
「二人でたまたまテレビを見ていた時と言いましたよね?」
「い、言ったかしら…」
「言いましたよ。間違いなく」
「私も聞いたよ」
「そ、そう?で、でも…な、何もおかしい事は…」
「どこで見たんです?」
「それ気になるよね」
「そそ、それは…アレよアレ。学校でたまたま…」
「──それは嘘ですよね?」
「──絶対嘘だよ」
二人は言葉を被せながら断言する。それはないと。そして圧を込める。正直に吐けと。
「…べ、別に…その…私の部屋で一緒に見ただけで…」
「美樹子先輩の部屋っ!?」
「そ、そりゃあ付き合いは長いし…お、幼馴染だからそれくらいは…普通でしょ…」
「確かに美樹子の言う通り…幼馴染ならそれくらいはあるかぁ…」
「待って下さい天音先輩。まだですよ?美樹子先輩にお聞きします。なんで一緒に見る事になったんですか?」
「へっ…?」
「国会中継は参議院では月・水・金曜日の午前10時から。衆議院では火・木・金曜日の午後1時からと放送時間はなっているんです」
「そうなの!?」
「天音先輩気づきませんか?」
「何が?」
「普通ウチ達はその時間帯は学校なんですよ」
「マジっ!?」
「あぅ…」
「はい、というわけでもう一度質問します。何故平日の昼間に美樹子先輩の部屋に豊和先輩が一緒に居るのですか?」
「美樹子吐いちゃいなさい」
「…うっ…ただ…私が熱を出して…すぐに豊和君が魔法で治してくれたんだけど…た、たまには甘えてしまったというか…」
「それでそれで?」
「そ、それだけよ…」
「…それはそれで寂しいですね」
「ほっといて!?私にはそれでも大切な思い出の一つなのっ!?誰かに言うつもりはなかったんだからね!?」
いつもの冷静な美樹子なら気がつけただろう。動揺し過ぎた美樹子はこの時は気づかなかった。後で冷静になった時に頭を抱える事になる。誤魔化せていたら私と豊和だけの思い出だったのにと…。
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