マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴

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第一章

女子だけの話

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「──さてと…と~君は部屋に戻ってもらった事だし、ここには女子だけしか残ってない。と、なれば…色々あなた達に聞きたい事があるのよね。ここにいるみんな…と~君に好意を持っていると思っていいのかな?」


 あの後、豊和君は正座させられたうえで、麗さんと美樹子から物凄く怒られていた。その後で部屋へと帰されたんだよね…。麗さんが女子だけで話があると言ったからだ。

「…言うまでもなく、私の気持ちはお姉ちゃんは知ってるでしょ?そのうえで豊和に告白したくせに…」

 美樹子は面白くなさそうにそう答える。

「そりゃあ知ってるけど…確認よ、確認。もしかしたら美樹子は別の人を好きになったとか言うかと思って」
 
「──ありえないわ。お姉ちゃんこそ諦めてよね?普通妹の気持ちを知ったうえで好きになる?」

「それは…しょうがないじゃない…。私も自分がと~君にそんな気持ちを抱くとは思っていなかったし…。弟みたいに思っていたけど…あんな事あった後じゃあね…。それに…自分を正当化するつもりはないけど、そんなに思ってるのに、いまだに気持ちの一つもと~君に伝えられていない美樹子が悪いんじゃない?」

「ううっ…これでも…結構頑張ってるもん…」

「と~君は魔法で好意を分からなくしているし、性欲もなくしてるのよ?言葉もそうだけど行動で示さないといつまでも伝わらないわよ?」
 
「…分かってるわよ」



「天音ちゃんもなの?」


 美樹子の後、話を振られたのは私だ。正直に今の気持ちを打ち明ける。

「…ええと…正直に言いますと、男性に対してそういう気持ちを抱いたのは初めてなので…なんと言いますか…物凄い勢いで惹かれてるといいますか…。豊和君といると凄く落ち着きますし、毎日楽しみですし…ドキドキもします…」

「そっかぁ。と~君は難攻不落のトップアイドルも墜としちゃったかぁ…」

 その言葉に顔が熱くなるのを感じる。惹かれてると言ったけど…本当はもうとっくに好きになってる…と、思う。チョロいと言われたらそれまでなんだけどね…。

「優花ちゃんは?」

「ウチは豊和先輩が大好きです…。あんな目に遭ってまでお母さんを助けてくれたんです。好きにならないわけがありません」

「優花はハッキリしてるねぇ…。美樹子とは違うね」

「うるさいわよ!」

「一つウチからも聞いていいですか?」

「な~に?」

「麗さんは先輩とキスしましたか?」

「「うえっ!?」」

 私と美樹子から変な声が洩れ出てしまった。麗さんは先程の豊和君とのやりとりを見る限り耐性がないのでそういうのはまだ無縁ではと、失礼ながら思ってしまったんだけど…



「──頬にキスした事はあるよ?」

「はぁっ?」

 美樹子は不機嫌な声をあげ…

「っ!?」

 私は驚きで声が出なかった。

「やっぱりそうですか」

 優花ちゃんは分かってたのっ!?この後輩鋭過ぎないっ!?

「自分から攻める分はいいんだけど…と~君から攻められるのは…弱いんだよね、私…。そう聞くという事は優花もしたという事かな?」

 麗さんのその言葉に私と美樹子は優花ちゃんに対してギュンと首を向け、その言葉を待つ事に…。頬にキスしてるとしたら優花ちゃん積極的過ぎるよぉぉー!?


「──でしたら…この中ではウチが一番先輩との仲は進んでるようですね…」

「…えっ…?」
「はい…?」
「…へっ?」

「ウチはすでに先輩とキスしましたよ」

 そう言いながら人差し指で自身の唇をゆっくりなぞる優花ちゃん…。こ、後輩が凄く色っぽい…。

「お、お姉ちゃんの先を行くなんて…」
「きききき、きしゅっ!?」

「ちなみにですが舌を絡ませましたよ?」

「ししししっ、舌っ!?」
「「ディープキシュッ!?」」

「まあ、お母さんを助けてもらった時に先輩が気絶しながら血を吐いたので、医療行為と言われればそれにあたりますけどね」

 一歩か二歩リードしていると先日言ってたけど、本当だったんだ…。医療行為とはいえ…そこまで…。くっ…後輩がどんどん先に行ってるぅぅぅ…。

「そ、そこまでとは…思っていなかったよ…。一番油断ならないとは見た瞬間から思ってはいたけど…」

「む、無性に豊和を殴りたいわ…あいつ殺して私も死なないといけないわよね…?」

 殴っちゃ駄目だよ!?殺すなんてもっての他だよ!?何言ってんの美樹子はっ!?


「──美樹子先輩は落ち着いて下さい」

「落ち着けるわけないでしょっ!?知らぬ間に豊和の唇が奪われてたのよ!?」

 奪われてたって…。親友に言うのはなんだけど豊和君はフリーだよね…?

「それは美樹子先輩が行動に移さなかったからでは?一番豊和先輩に近かったのは美樹子先輩なんですよ?」

「ぅぐっ…」

 優花ちゃんにまで言われてる…。私もそう思うけど…。

「それにですね。美樹子先輩は気付いてないようなので言いますけど、先輩は異世界に何年もいたんですよ?」

「…だから何よ?」

「…優花ちゃんはそこに気付くかぁ…」

 美樹子と私には優花ちゃんの言葉の意味が分からないけど、麗さんは分かってたみたい。

「つまりですね。先輩は向こうで全て経験済みだと思うんですよね」

「「っ!?」」

「私もそう思うわ」


 た、確かに…向こうで何年も過ごしてた事を考えると豊和君は大人なわけ…。あ、あんな事やこんな事をエロフとしてる…?そ、そんな素晴らしい事をっ!?


「…ふっ…ふふふふっ…」

 うん…?妄想にふけっていると、美樹子の様子がなんだかおかしい。

「そうね…私が甘かったわ…」


 そう言うと着ている服を脱ぎさり…

「ちょっ!?美樹子!?」
「何してんのっ!?」
「美樹子先輩!?」

「ちょっとあいつとセックスしてくるから。待ってて」


 目が据わってる…。ちょっとそこまでのノリで凄い事言ってるんだけど!?



 その後…麗さんと私、それに優花ちゃんの三人で、美樹子が脱いだ服を無理やり美樹子に着させ直し、美樹子が冷静になるまで説得したのは言うまでもないよね…。


 
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