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第一章
異世界のとあるパーティー②
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「──それで?あん人の事が何か分かったとよね?早くあん人の事を話すとよ。そしたらアーバインは帰ってよかけん」
「あいつの下着を盗んだ事をなかった事にして話を進めやがったよ、この変態エルフ…。しかも話し終えたら帰れとまで言ってやがる…。ったく…まあ、話が進まないし、俺も早く帰りたいから話すけどよぉ」
相変わらずなリーンに呆れながらも話を進めようとするアーバイン。一度パーティーメンバーにそれぞれ視線を向けて──
「…ちょっと待て」
「なんね?」
「早く言いなさいよ」
「どうかしましたか?」
──ある事に今更ながらに気がついた…。パーティーメンバーはあいつも含めると六人。一人足りない…。
「そういえばマリアがいないんだが?」
「そういえば…」
「…いないわね」
リーンとレイティーも今頃その事に気がついたようだ。
「ああ、マリアなら『…来れない』と言伝を預かっていますよ」
フレンがアーバインの問いに答える。
「…どうして来んと?」
「…あの子が来ないなんて…」
それに対してリーンとレイティーは納得がいかないような表情を浮かべる。
「あいつ聖女として祭り上げられてるから神殿から出られなかったんじゃあないか?普段から自由がないとかなんとかボヤいていたしな」
「ええ、そうみたいです。まあ、本日の事は後程連絡しておきますわ」
「──じゃあとりあえずコレを見てくれるか?」
アーバインがそう言って腰のポーチから取り出したのは何かから破りとられたような紙切れ…。大きさは五センチあるかないかくらいだろうか。
「…紙切れ?」
「それが何よ…?」
「…ちょっとお待ち下さい。アレに何か書かれてませんか…?」
「っ!? ほ、ホントばい」
「ま、まさか…」
「ああ。そうだ。これには小さな文字でアイツからの言葉が書き込まれているんだ」
「「「っ!?」」」
それを知った三人は我先にとばかりにその紙切れを手にしようとして──
「──待て待て待て!破れたらどうするんだ!落ち着け!」
──アーバインに戒められる…。
「順番に一人ずつ見たらいいだろうが!」
フレン、リーン、レイティーが順番にそれぞれ紙切れに書かれた文字に目を通していく。
【アーバインへ。あの時何も言えずに消えてしまってすまない。まだしばらくかかりそうだがそちらに行ける算段はなんとかついた。みんなにも宜しく伝えておいてくれ。色々な話はそちらに行けた時に…。リンツー】
紙切れにはこの世界の文字でそう書かれている。そしてリンツーの字だと三人はすぐに確信した。本能で分かるのだろう。そんな三人の次の言葉は当然──
「これどこで手に入れたとね!?」
「これどうしたのよ!?」
「どこで手にしたのですか!?」
どこでこの紙切れを手に入れたという事を聞くために詰め寄る三人。
そして嫉妬をぶつけられる悲しきアーバイン。
「なんでアーバインなん!?おかしいとよ!」
「そうよ!なんであんた宛なのよ!」
「なんだわたくしじゃありませんのっ!?」
「だから落ち着けって!まず俺宛なのはお前等に送ったら怒られるとかそういう理由でだろうよ。俺も怒っちゃあいるんたけどな。勝手に消えやがって…あの野郎。俺の苦労も知らないで…」
「あんたの苦労はどうでもいいとよ!」
「そうよ!あんたの苦労なんかどうでもいいからコレをどこで手に入れたか答えなさい!」
「ほ、ホントお前等は…。アイツが来たら殴ってもいいよな、俺…」
「そんな事させませんけど…コレはどこで?」
「目の前に降ってきた」
「「「降ってきた?」」」
「ああ…先日目の前に突然黒い…なんて言うか…そうだ!渦だ。黒い渦みたいなもんが現れてよぉ。そこからポイッとこの紙切れが放り出されるような感じで出てきて…そんで黒い渦みたいなもんはその直後に消えちまったというわけだ。警戒しながらソレを拾って確認したらアイツからだと分かったんだよ」
「黒い渦…?」
「じゃあ…あいつの居場所が分かったわけではないのね…」
「ですが…一先ず無事という事だけは分かりましたね…」
「…そうね」
「まあ、紙切れに書かれているようにそのうち来るだろうよ」
「待つしかないと?他に何か気がついた事はなかとね!?」
「そう言われてもなぁ…とてつもない魔力のようなもんは感じたがそれも一瞬だったしな」
「魔力…?」
「たぶんな。とにかくだ。今はどうにもならんだろ?さっきも言ったけど今は待つしかねぇよ。来ると言ったらアイツは来るだろうし、とりあえず無事でなによりだよ…」
「…んっ」
「…そうね」
「…そうですわね」
「そんじゃあ嫁が待ってるから俺は帰るぞ?その紙切れはリーンに預けるからよぉ。何かリーンなら分かるかも知れないしな」
「…ありがとばい」
「カールに宜しく言っておいて」
「ありがとうですわ」
「おう!またな」
「あいつの下着を盗んだ事をなかった事にして話を進めやがったよ、この変態エルフ…。しかも話し終えたら帰れとまで言ってやがる…。ったく…まあ、話が進まないし、俺も早く帰りたいから話すけどよぉ」
相変わらずなリーンに呆れながらも話を進めようとするアーバイン。一度パーティーメンバーにそれぞれ視線を向けて──
「…ちょっと待て」
「なんね?」
「早く言いなさいよ」
「どうかしましたか?」
──ある事に今更ながらに気がついた…。パーティーメンバーはあいつも含めると六人。一人足りない…。
「そういえばマリアがいないんだが?」
「そういえば…」
「…いないわね」
リーンとレイティーも今頃その事に気がついたようだ。
「ああ、マリアなら『…来れない』と言伝を預かっていますよ」
フレンがアーバインの問いに答える。
「…どうして来んと?」
「…あの子が来ないなんて…」
それに対してリーンとレイティーは納得がいかないような表情を浮かべる。
「あいつ聖女として祭り上げられてるから神殿から出られなかったんじゃあないか?普段から自由がないとかなんとかボヤいていたしな」
「ええ、そうみたいです。まあ、本日の事は後程連絡しておきますわ」
「──じゃあとりあえずコレを見てくれるか?」
アーバインがそう言って腰のポーチから取り出したのは何かから破りとられたような紙切れ…。大きさは五センチあるかないかくらいだろうか。
「…紙切れ?」
「それが何よ…?」
「…ちょっとお待ち下さい。アレに何か書かれてませんか…?」
「っ!? ほ、ホントばい」
「ま、まさか…」
「ああ。そうだ。これには小さな文字でアイツからの言葉が書き込まれているんだ」
「「「っ!?」」」
それを知った三人は我先にとばかりにその紙切れを手にしようとして──
「──待て待て待て!破れたらどうするんだ!落ち着け!」
──アーバインに戒められる…。
「順番に一人ずつ見たらいいだろうが!」
フレン、リーン、レイティーが順番にそれぞれ紙切れに書かれた文字に目を通していく。
【アーバインへ。あの時何も言えずに消えてしまってすまない。まだしばらくかかりそうだがそちらに行ける算段はなんとかついた。みんなにも宜しく伝えておいてくれ。色々な話はそちらに行けた時に…。リンツー】
紙切れにはこの世界の文字でそう書かれている。そしてリンツーの字だと三人はすぐに確信した。本能で分かるのだろう。そんな三人の次の言葉は当然──
「これどこで手に入れたとね!?」
「これどうしたのよ!?」
「どこで手にしたのですか!?」
どこでこの紙切れを手に入れたという事を聞くために詰め寄る三人。
そして嫉妬をぶつけられる悲しきアーバイン。
「なんでアーバインなん!?おかしいとよ!」
「そうよ!なんであんた宛なのよ!」
「なんだわたくしじゃありませんのっ!?」
「だから落ち着けって!まず俺宛なのはお前等に送ったら怒られるとかそういう理由でだろうよ。俺も怒っちゃあいるんたけどな。勝手に消えやがって…あの野郎。俺の苦労も知らないで…」
「あんたの苦労はどうでもいいとよ!」
「そうよ!あんたの苦労なんかどうでもいいからコレをどこで手に入れたか答えなさい!」
「ほ、ホントお前等は…。アイツが来たら殴ってもいいよな、俺…」
「そんな事させませんけど…コレはどこで?」
「目の前に降ってきた」
「「「降ってきた?」」」
「ああ…先日目の前に突然黒い…なんて言うか…そうだ!渦だ。黒い渦みたいなもんが現れてよぉ。そこからポイッとこの紙切れが放り出されるような感じで出てきて…そんで黒い渦みたいなもんはその直後に消えちまったというわけだ。警戒しながらソレを拾って確認したらアイツからだと分かったんだよ」
「黒い渦…?」
「じゃあ…あいつの居場所が分かったわけではないのね…」
「ですが…一先ず無事という事だけは分かりましたね…」
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「まあ、紙切れに書かれているようにそのうち来るだろうよ」
「待つしかないと?他に何か気がついた事はなかとね!?」
「そう言われてもなぁ…とてつもない魔力のようなもんは感じたがそれも一瞬だったしな」
「魔力…?」
「たぶんな。とにかくだ。今はどうにもならんだろ?さっきも言ったけど今は待つしかねぇよ。来ると言ったらアイツは来るだろうし、とりあえず無事でなによりだよ…」
「…んっ」
「…そうね」
「…そうですわね」
「そんじゃあ嫁が待ってるから俺は帰るぞ?その紙切れはリーンに預けるからよぉ。何かリーンなら分かるかも知れないしな」
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「ありがとうですわ」
「おう!またな」
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