マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴

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第二章

知ってた

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「…豊和…私も来た…!!」


 知ってた…。来るとは思っていた。マリアの言動から俺に対して好意を持っているという事は流石にもう察していたしな。

 それにしてもそのセリフ…オールマ◯トだよな?教えたのは天音だろ?聞かなくても分かる。ラノベだけじゃなく色々な同人誌も見てるという事はアニメにも詳しいのは聞かなくても分かるしな。

「ちょっ!?マリアさん!?早すぎますよっ!?まだウチの時間の筈では!?」

 俺がマリアに何か言う前に先に口を開いたのは優花だ。ちなみに言っておくと、優花は俺の膝の上に座っている…。

「…もう優花の時間はとうに過ぎている…私が寝坊して遅くなった分…その分も過ごしたからにはもう充分…の筈…」

「あっ…ホントですね…。すいません、時間を確認していませんでした」

「…構わない…寝坊した私が悪い…ただ…ここからは…」

「はい、分かっています。ですが帰る前にもう一度──んっ♡」


 もうなすがままだな…。帰る前にもう一度とか言いながらキスをされる。マリアが来るまでの間、膝の上に居座られながらずっとキスされていたんだよな…。

 付き合ってもいないのに何人もの女性とキスしたり色々と最低じゃないか!?今更かっ!?誰かホント教えて欲しい…。リア充がとか羨ましいとか言われそうだが、当人からしたら大変なんだぞ!?

「──それでは先輩。ウチはこれで」

「…ああ」

「ウチの唇の感触忘れないで下さいね♡」

 ウインクしながらそんな事を言われるが…

「…忘れられるもんじゃないから」

 と、答えるしかない。この一言に尽きるのだから…。

 優花が帰るとマリアがさも当然のように、膝の上に対面になるように座ってきた。

「ま、マリア!?」

 この体勢はマズイだろ!?いわゆる対面座位という体勢…。

「…気にしない…私と豊和は一度以上…繋がった仲…♡」

 それを言われるとなぁ…。この目の前の美少女とヤッてるんだよなぁ…。そう思ってしまったのがいけなかった…。脳裏に思い浮かぶのはセックスした時の鮮明な光景…。

 俺はホント馬鹿だな…。

「…硬くなってきた…♡」

 そうなるわな…。

「…悪い」

「…悪くない…私でそうなってるのは…素直に嬉しい…」

 そう言って頬を赤めるのはズルい…。

「…したくなったら…してもいい…ただ…好きと囁きながら…」

「…そう言ってたな」

 まだ自身の気持ちが分からないのにそれはできないし、したらいけないと思う。なので我慢は当然として、治まらなかったら後で自家発電だな…。

 話を変えるか。


「──そういえば…みんな元気とは言ってたけど、詳しい事を聞いていなかったよな?みんな今は何してるんだ?」

「…今する話…?」

「…できれば」

「…アーバインは結婚した…子供もいる」

「結婚してる!?しかも子供まで!?あの娼館マニアがっ!?」

「…そういえば…アーバインに連れられて…娼館に行ってたよね…?」

「…行ってない…よ?」

「…嘘つき…後でみんなに共有しとく…」

「すなっ!?俺がどうなるか分かって言ってるっ!?アレはアーバインのせいだから」

 可愛い獣耳の子がいるとかなんとか言うから…。それにアレは性欲を封じる前の話だし、仕方なかろう!?

「リーンにフレンは?それにレイティーはどうしてたんだ?アーバインと同じようにもう結婚して子供がいるとか?」

 露骨に話を変えてきたという表情を見せるマリア。表情が乏しいのにそういう時は露骨に分かる表情をするんだよな…。

 そしてすぐに呆れた表情を見せるマリア。

 んっ?なんか嫌な予感がするな…。

「…呆れた…魔法を使ってない時もあった…筈なのに…気づいてなかった…」

 やっぱり…呆れてたのか…?でも一体何にだ?

「…リーンも…レイティーも…フレンも…結婚するわけない…」

「えっ?なんで…?」

「…コレ…アーバインに…あの紙切れを送ったみたいに…リーンに送れる…?」

 そう言ってマリアが取り出したのは手紙。

「…送れはする…かな。ただ…金がなぁ…。今ある分でようやくその手紙を送れるか送れないかだと思うんだよな…」

 ぶっちゃけ金を稼いでいるのは、異世界にもう一度行く為なんだよな…。マリアにはすでに謝ったんだけど…俺はみんなに何も言えずにこの世界に戻って来てしまったから…。

 ただ…世界が異なるからかその代償として支払う金の金額がエグい…。以前アーバインにその内そっちに行くからと事を書いた小さく切った紙きれを転送したんだけど、その時持っていたお金は全部代償として注ぎ込まれた形だからな…。

 マリアが取り出した手紙は…その時より紙自体が大きいし、枚数も多い…。


「…大丈夫…今回だけ特別料金…にしてくれるって…主は言って下さってる…」

「特別料金…?神様が?」

「…うん…だから送って…」

「…なら、分かった」

 俺は手紙を受け取り魔法を起動させる…。手の中にあった手紙が光とともに一瞬で消える。たぶんリーンに届いてる筈だが、本当に特別料金だったようだ。百円だけ消費されたのが分かる。どうせなら神様、毎回特別料金にしてくれないかな?俺も色々書いた手紙をみんなに送りたいんだけどな…。

 そんな事を内心思っていると…

「…んっ…来た…」


 来た?来たって何が…?その事をマリアに確かめようとして…気がついた。リビングから玄関に向かうドアの前に人が通れるような黒い渦みたいなものが突如出現した事に──



 そして──

 
 

 

















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