マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴

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第二章

待ってたわよ

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「──待ってたわよ?」

「なんでまだいるんだよ、美樹子は…」

「豊和ならここに戻って来るって思ってたからよ。何年の付き合いだと思ってるの?それにあたしが何年豊和を見てたかは…もう伝えてるでしょうに…」

「…さよで」

 矢場蔵さんが本心から謝罪してるのが分かった俺はある事をした後、転移の魔法を発動。転移先は俺の両親が眠るお墓の前。両親に報告しておきたいと思ったからだ。美樹子はそんな俺の行動を予想していたようだ。

 てっきりおばさん達と一緒に帰ってるもんだと思っていたんだけど…。

「…で?どうだったのよ」

「ああ、うん…。謝罪されたよ…。それも本心からの謝罪を…」

「…当然でしょ…。豊和を苦しめたんだから…」

「まあまあ…彼女…かなり苦労したみたいだし」

「まさかとは思うけど…彼女に手を差し伸べる事してないわよね?」

「えっ…?」
 
「したのね…?」

「いや…ほら…」

「したのよね」

「…うん」

 俺が認めると美樹子は俺の傍に寄り添い、俺の肩に頭を乗せて「馬鹿…優しすぎるわよ…」と、小さく呟いた。

 まあ…それに関しては仕方ない。彼女の記憶を見せてもらったという事は彼女に起こった事を知る事にもなる。

 子供の実の父親は責任を取らない男だった事や親からははした金を渡されて親子の縁を切られて勘当されたりした事…。それから一人で子供を産む決意をした事。そして出産。安い賃金でも頑張って働いてる事などなど…本当に色々な事を知る事になったんだ。勿論俺への後悔の念も…。まあ、そういうのを知る事は分かっていてスキルを使ったんだけどな…。

 んで…いざ知ったら…かなり苦労してるのは分かる。いいとこに就職なんて滅多にないだろう。だから…その辺の事と彼女が買っていた宝くじにチョチョイと魔法を使ったんだよな。

「まあ…彼女の為じゃなくて子供の為にしたようなもんだよ…」

「…そっかぁ」

「うん」

「…そういうところも…大好きだからね?」

「っ~!?」

 不意打ち気味に言われたその言葉は効くなぁ。心に響くわ。

「…ありがとうな」

「そういう時は態度で示すもんよ?」


 態度…態度かぁ…。

 そうだな…。


 今日彼女に会ってよかったと思える。



 何故なら…



「んんっ~!? んっ…」
 

 自分からこうして行動したいと思えたのだから…。俺は自分から美樹子に唇を重ねた。美樹子は一瞬驚いたものの…そのまま委ねてくれる。キスの感触を味わうかのように。





♢♢♢

  
 両親に報告した後、向かった先はおばさん達のところ。


「円香さん」

「あら…その表情…会ってよかったみたいね?」

「はい。円香さんが言ってくれたおかげです」

「本当に良かったわ」

「私も心配してたんだからね!?」

「うん、ありがとうね、麗姉ちゃん。おじさんは?」

「お父さん?帰ってくるなりお母さんと部屋に暫く籠もったきり出てこてないね…そういえば…」


 お、おじさん…。まさか帰って来てそうそうおばさんに搾り取られたのか…?


「ねぇ、豊和君?心の中でまた私の事をおばさんと言わなかったかしら?」

「い、いえ、心の中でもいつも綺麗な円香さんとしか思ってませんよ?」

「本当かしら?」

「はい」

 うん。今後は心の中でも円香さんと名前で呼んだ方がいいな…。


「そういえば美樹子はどうしたの?さっきから上の空みたいなんたけど…?」

「えっ…?あ、ああ…ええと…」

「もしかして…ヤッちゃった?」

「ヤッたの!?お姉ちゃんを差し置いてヤッちゃったのっ!?私も!私も今すぐヤるぅぅぅ」

「し、してませんからね!?麗姉ちゃんもしてないから落ち着いて!?」

「じゃあ…なんで?」

 いや…まあ…俺が悪いんだけど…。つ、つい…調子に乗りすぎてというか…止まらなかったというか…美樹子が可愛過ぎたというか…。

「いっぱい…豊和から…きしゅされたり…舌を絡められたのっ……」

  言うんかぁあぁぁぁぁいっ!?わざわざ言わなくて良くない!?美樹子達の家族オープン過ぎるわ!!!


「お、お姉ちゃんにも…しなさい!」

「駄目よ?豊和君?美樹子だけ贔屓するのは?」
 
「お母さんの言う通りなんだよ!!」

「円香さん…麗姉ちゃんにもキスしろと?」

「当たり前でしょ?」
「当たり◯田のクラッカーだよ!」

 麗姉ちゃん。それ今言う人を俺は聞いた事がないんだけど…? 

「もう分かってるでしょ?美樹子も麗も豊和君以外見えてないわよ?他の子達もそうじゃないかしら?いい?ハーレムしか残っていないのよ!」

「親がまずハーレムを勧めるのはどうかと思いますけど…?」

「豊和君だから言うのよ」

「………」

「と~君!早くお姉ちゃんにキス!ミィィィィィ~~~~~!」

「ほらほら」


 ああ…もう…

「ん……」

 これでいいですかね?麗姉ちゃんにどうにでもなれという感じで口づけを交わす。円香さんに視線を向けると舌の絡みが足りないという視線が帰ってきた…。


「んんっ~~~!?んちゅ…ぷはっ…んんっ…」

 どうですか!?円香さぁぁぁん!?

 親指を立ててグッジョブが帰って来る。


 これからどうなる事やら…。 


 

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