1 / 89
プロローグ
人生の終わりと始まり
しおりを挟む
その日俺は久しぶりに街に出た。買いたいモノがあったからだ。慣れ親しんだ道を歩いて行く。いつもの様に…。気温も高くなり額には汗が滲み出る。耳にはセミの鳴き声が聞こえる。
あ~、もう夏も本番かぁ…!
「あっという間に熱くなってしまったなぁ。まぁ、彼女にも振られたし、1人でプールに行ってもなぁ~」
そんな事を考えていると前方からドンドン迫って来る車が視界に入る。
「こんなあんまり広くない道でスピードを出すなよな?交通ルールでも何でも守ってナンボだろ~に…」
“ブォォォオン!キキキィィィ─────!”
「はっ?」
通り過ぎると思っていた車は急にこちらへと方向転換…俺に向かって走ってきて…
そう思った瞬間には車は目の前に…
そしてブレーキ音が聞こえた時には俺は…
““ドン!””
──と強い衝撃と共に宙に浮いていた。ハンドルをきり損なってブレーキとアクセルを間違えたんだろうか?
それにしてもアレってホントだったんだな?スローモーションになるってやつ…。こんな事を考える余裕があるんだから…。俺はゆっくりと地面に近付いて落ちていく。
もう…地面が近い。あ~、こんなことなら…アイツにもっと寄り添ってやれば良かったな~と後悔の念…。
そして俺の意識はそこで無くなった………。
♢
「………こっ、ここは…?」
目が覚めると白い天井。上半身を起こし辺りを見渡すと、窓は開いており、時折入ってくる風が心地良く感じてしまう。ベッドの側には何かしらの機械があり装置か何かが俺に繋がっていた。ちょっとした荷物が置ける棚には綺麗な花が飾られている。
「…もしかして…ここって…病院か?」
自分が誰かとか色々と分からないけど何かが俺に混ざったのだけは分かった。だから意識を取り戻したのだろう。最後の記憶を必死に思い出してみる。俺は14歳の時に階段から落ちたんだ。そこから意識というか記憶というかそういうのが無い。その時から多分入院しているんだ、この体の持ち主は…。
「取り敢えずは誰か呼ばないとな…」
ベッドに備えられているナースコールのボタンを押す。これで直ぐに看護婦の人が来てくれる筈…。暫く待っていると…ドアが開き、
「故障かしら?ここの病室の男性はずっと意識不明なのに…」
「…どうも」
「…へっ!?」
─そんな顔、美人さんが台無しですよ?
「あのぅ…」
「はぁ────────────っ!?」
「と、取り敢えず落ち着いて下さい!俺も今、目覚めたばかりですので…」
「た、大変…ちょっ、ちょっと待ってて…」
看護婦さんが慌てて何処かに向かう。先生を呼びに行ったのかもしれない。暫く待っていると、先程の美人な看護婦さんと聴診器を首に掛けたこちらも美人な女性。多分、この女性が先生だと思う。
「担当医の川島です。松山さん。何処か気分が悪い所とかはありませんか?」
「今は大丈夫です…」
「ここが何処かは分かりますか?」
「多分ですけど病院ですよね?」
「そうです。貴方は長い間、昏睡状態になっていました」
「もしかして階段から落ちてですかね?」
「そうですね。そしてこちらに運ばれて来た訳です。言うのが遅くなりましたがもうすぐご家族の方もいらっしゃると思いますので、ご家族の方が来られてから詳しく今後の事を話しましょう」
「んっ……と…家族?」
「どうかしましたか?」
「…すいません。家族の事…思い出せなくて…」
「「えっ…?」」
「先生がさっき言った松山っていうのが僕の名前ですか?」
「大変!?」
「記憶喪失…?」
その時…
「豊和!?」
「豊君っ!?」
「お兄ちゃん!?」
女性が3人病室へと慌てて入って来た。誰なんだろう、この人達…。
もしかしてこの人達が俺の家族なのかな…?
あ~、もう夏も本番かぁ…!
「あっという間に熱くなってしまったなぁ。まぁ、彼女にも振られたし、1人でプールに行ってもなぁ~」
そんな事を考えていると前方からドンドン迫って来る車が視界に入る。
「こんなあんまり広くない道でスピードを出すなよな?交通ルールでも何でも守ってナンボだろ~に…」
“ブォォォオン!キキキィィィ─────!”
「はっ?」
通り過ぎると思っていた車は急にこちらへと方向転換…俺に向かって走ってきて…
そう思った瞬間には車は目の前に…
そしてブレーキ音が聞こえた時には俺は…
““ドン!””
──と強い衝撃と共に宙に浮いていた。ハンドルをきり損なってブレーキとアクセルを間違えたんだろうか?
それにしてもアレってホントだったんだな?スローモーションになるってやつ…。こんな事を考える余裕があるんだから…。俺はゆっくりと地面に近付いて落ちていく。
もう…地面が近い。あ~、こんなことなら…アイツにもっと寄り添ってやれば良かったな~と後悔の念…。
そして俺の意識はそこで無くなった………。
♢
「………こっ、ここは…?」
目が覚めると白い天井。上半身を起こし辺りを見渡すと、窓は開いており、時折入ってくる風が心地良く感じてしまう。ベッドの側には何かしらの機械があり装置か何かが俺に繋がっていた。ちょっとした荷物が置ける棚には綺麗な花が飾られている。
「…もしかして…ここって…病院か?」
自分が誰かとか色々と分からないけど何かが俺に混ざったのだけは分かった。だから意識を取り戻したのだろう。最後の記憶を必死に思い出してみる。俺は14歳の時に階段から落ちたんだ。そこから意識というか記憶というかそういうのが無い。その時から多分入院しているんだ、この体の持ち主は…。
「取り敢えずは誰か呼ばないとな…」
ベッドに備えられているナースコールのボタンを押す。これで直ぐに看護婦の人が来てくれる筈…。暫く待っていると…ドアが開き、
「故障かしら?ここの病室の男性はずっと意識不明なのに…」
「…どうも」
「…へっ!?」
─そんな顔、美人さんが台無しですよ?
「あのぅ…」
「はぁ────────────っ!?」
「と、取り敢えず落ち着いて下さい!俺も今、目覚めたばかりですので…」
「た、大変…ちょっ、ちょっと待ってて…」
看護婦さんが慌てて何処かに向かう。先生を呼びに行ったのかもしれない。暫く待っていると、先程の美人な看護婦さんと聴診器を首に掛けたこちらも美人な女性。多分、この女性が先生だと思う。
「担当医の川島です。松山さん。何処か気分が悪い所とかはありませんか?」
「今は大丈夫です…」
「ここが何処かは分かりますか?」
「多分ですけど病院ですよね?」
「そうです。貴方は長い間、昏睡状態になっていました」
「もしかして階段から落ちてですかね?」
「そうですね。そしてこちらに運ばれて来た訳です。言うのが遅くなりましたがもうすぐご家族の方もいらっしゃると思いますので、ご家族の方が来られてから詳しく今後の事を話しましょう」
「んっ……と…家族?」
「どうかしましたか?」
「…すいません。家族の事…思い出せなくて…」
「「えっ…?」」
「先生がさっき言った松山っていうのが僕の名前ですか?」
「大変!?」
「記憶喪失…?」
その時…
「豊和!?」
「豊君っ!?」
「お兄ちゃん!?」
女性が3人病室へと慌てて入って来た。誰なんだろう、この人達…。
もしかしてこの人達が俺の家族なのかな…?
151
あなたにおすすめの小説
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男女比5対1の女尊男卑の世界で子供の頃、少女を助けたら「お嫁さんになりたい!」と言って来た。まさか、それが王女様だったなんて……。
楽園
恋愛
「将来、あなたのお嫁さんになりたい」
10年前、俺は魔法の力で一人の少女を救った。
……そして現在。ここは男女比5:1の女尊男卑の世界。
男は女に「選ばれる」ためだけの存在する。
俺、アルトは、前世の記憶と女でさえ持っていない無限の魔力を隠し、父と静かに暮らす「モブ」になるはずだった。
「待っていましたわ、アルト」
学園で再会したあの時の少女は、驚くべきことにリリアーナ王女だった。
どうやら彼女、あの日の「約束」を本気で果たしに来たらしい。
(俺の平穏なモブ生活が……!)
最強を隠したい男と、その秘密ごと彼を手に入れたい王女の、すれ違い学園ファンタジー!
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比1:50の世界に転生したけど、前世の感覚で普通に接してたら幼馴染も姉妹もお嬢様もみんな沼にハマっていった件 ~ダンジョンにも潜ります〜
メトト
ファンタジー
男女比1:50――この世界で男は、守られ、大切にされ、穏やかに生きることを求められる存在。
だけど蓮は違った。
前世の記憶を持つ彼には、「男だから」という枷がない。女の子にも男の子にも同じように笑いかけ、距離を詰め、気負いなく手を差し伸べる。本人にとってはただの"普通"。でもこの世界では、その普通が劇薬だった。
幼馴染は気づけば目で追っていた。姉は守りたい感情の正体に戸惑い始めた。名家のお嬢様は、初めて「対等」に扱われたことが忘れられなくなった。
そして蓮はと言えば――。
「ダンジョン潜りてえなあ!」
誰も見たことのない深淵にロマンを見出し、周囲の心配をよそに、未知の世界へ飛び込もうとしている。
自覚なき最強のタラシが、命懸けの冒険と恋の沼を同時に生み出す、現代ダンジョンファンタジー。
カクヨムさんの方で先行公開しております。
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる