【R18】一匹狼は愛とか恋とか面倒くさい

藍生らぱん

文字の大きさ
100 / 100
高等部 一年目 皐月→水無月 体育祭

閑話 とある週末

しおりを挟む


今話は視点がコロコロ変わります。

────────────
 
**亮輔視点**

ソファに健太とピッタリ寄り添ってテレビを見ていた。
恋愛系のドラマで、俺が高等部の演劇部にいた時の先輩が演出している。
ラストシーンは長いキスシーン・・・

ドラマが終わると、健太が俺を見上げて目を閉じたので、軽く唇を重ねた。
何度か、それを繰り返して、深いキスに移行しようとした時、

ピンポ~ン

インターフォンが鳴った・・・

仕方なく、インターフォンの画面を覗くと、そこには大和が映っていた。
「何か用か?」
「兄ちゃん、宿題教えて!」
「今、取り込み中だから帰れ。」
「はぁあ?」
インターフォンの通話を切って健太のもとへ戻ってキスを再開しようとしたら

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

インターフォンの連打!?

「亮輔・・・」
健太は溜息をつきつつ、
「俺、風呂入って寝るから。」
と、脱衣所に行ってしまった。
「うぐ・・・」
淡白な健太がせっかくその気になってくれてたのに・・・

健太が風呂場に入るのを横目に、俺が玄関のドアを開けるとピンポンの連打は終わり、満面の笑顔の大和が現れる。
「帰れ。」
「兄ちゃん、イジワルしないで入れて~」
と、勝手に上がり込もうとする大和。
それを阻止しようと動くもフェイントをかけられ、突破されてしまった。
「おい!」
リビングのテーブルに勝手に宿題を並べる大和。
俺は脱衣場に行くと、風呂場のドア越しに健太に詫びを入れた。
「健太、突破された・・・」
「・・・頑張って、お兄ちゃん。」
「すまん・・・」
俺はリビングに戻ると、大和の宿題に目を通した。

大和と二人で宿題に集中している傍ら、風呂上がりの健太がバスローブを着て頭からバスタオルを被った状態で通り過ぎた。

ああ、風呂でイチャイチャしたかったなぁ・・・


**健太視点**

翌朝、目覚めると、ベッドの中で亮輔に抱き込まれていた。

今日は学校も休みだし寝かせといてやるか。

そっと亮輔の腕を外して、頬にキスをした。
ベッドから出てリビングに行くと、乾がソファーで毛布にくるまって寝ていた。

「・・・・・・」

トイレとか洗面を済ませてからキッチンで朝食の支度を始めた。
もちろん、俺と亮輔の分だけな。


**大和視点**

いい匂いがする・・・

シアンの香りだ!

上半身を起こすと、誰かがキッチンで何かを作っている後ろ姿が見えた。
「よし、完成!」
そう言って振り向いたのは短い黒髪のシアン!
「シアン!」
俺は立ち上がってシアンを抱きしめ、うなじの咬み痕に唇を寄せた。

ん?
咬み痕?

「離せ! 痴漢野郎!」

ゴン!

暗転・・・


**健太視点**

「シアン!」

朝食の準備が終わって振り向くと、そう叫んだ乾に抱き着かれた。
そして乾の唇が首筋からうなじへ・・・
気持ち悪っ!!

「離せ! 痴漢野郎!」
 
ゴン!

思わず乾の頭に頭突きをかますと、いい音がして乾がヘナヘナと床に崩れ落ちた。

意識が飛んだ乾と乾の荷物をエレベーターに乗せて一階まで行くとロビーのソファーの上に置いて亮輔の部屋に戻った。
そしてシャワーで乾に付けられた匂いを落とした。

亮輔を起こして、一緒に朝食を食べてから、俺と亮輔の着替えを数日分バッグに詰めた。
「あいつ、また来るかもしれないし、休み中は俺の部屋に行こう!」
「了解!」
二人でエレベーターに乗って、俺の部屋の階に着くと、俺の部屋の前に人影が・・・

「天野・・・?」
「・・・・・・」

すばるが俺の部屋のドアの前に座り込んでいてウトウトしているのが見えた。

俺たちはすばるに見つからないようにエレベーター脇にある非常階段の方へ移動した。

「どうする?」
「俺の部屋も健太の部屋もヤバイな・・・外泊するにも緊急時じゃない当日の届は却下だし・・・」
「とりあえず、すばるは管理人さんに言って回収してもらう。」
「そうだな。今日明日は俺の楽屋で寝泊まりするか。」
亮輔の楽屋にはシャワー室とミニキッチンがあるし、大道具で使うベッドも置いてあるから、数日寝泊まりする分には不自由がない。
唯一、洗濯ができないのが不便なだけだ。

管理人さんにすばるの回収を頼んだ後、俺たちは演劇部のミニシアターにある亮輔の楽屋へ向かった。
「今日、部活は?」
「十時から自主練。走り込みするだけだから陸上部のほうに行く。亮輔は?」
「俺は財前たちと脚本の打合せして大道具のチェックだ。」
「そうか。じゃあ、俺、昼はクラブ棟のカフェにいるから。」


 **すばる視点**

夜に健太の部屋をアポなし訪問したけど留守だった。
ドアの前に座って帰りを待ってたけど、いつの間にか寝てたみたいで、翌朝、管理人さんに起こされた。
「立派な迷惑行為だぞ。次、何かしたら出禁ね。」
「健太の帰りを待ってただけじゃん!」
「本人に断りもなく勝手に待って入り口塞いでたんだから、アウト。」
「ぐぬぬぬぬ・・・」

俺は管理人室で管理人さんから小一時間ほど小言を言われた。


**健太視点**

楽屋で亮輔の演劇部用の部活ジャージを借りて着替えた。
「あ、」
「どうした?」
「眼鏡、忘れた。」
「ほら。」
亮輔から渡されたのは小道具の丸眼鏡風サングラスと野球帽だった。
ないよりマシか。

「行って来る。」

陸上部の屋内競技場に入ると、陸上部の生徒たちが各々練習していた。

「健太!」
400mトラックを走っていた山野がコースアウトして俺の方へ来た。
「珍しい、今日は演劇部?」
「ああ、亮輔に借りた。」
「ヒューヒュー、お熱いねぇ。」
「今日はいつもの倍走るから付き合え。」
「じゃあ、5000、二回ね。ラップは70でいい?」
「それで頼む。」
タオルと一緒に丸眼鏡と野球帽、ジャージの上着をベンチに置いて、山野に手伝ってもらって走る前のストレッチをした。

スタート位置に山野と二人で並ぶと、後方に空手部とか柔道部の先輩方が集まってきた。
「黒峯、俺達も一緒に走っていいか?」
「もちろん。俺、5000メートル2本、休憩を入れて走りますから。」
「分かった。よろしく頼む。」



**冬馬視点**

土日の午前中は健ちゃんが陸上部のトラックを走る日。
運が良ければ空手部とか柔道部のレギュラーたちが加わる。

軽い足取りで屋内競技場の観客席へ向かう。
「和泉様、こちらです。」
いつものように親衛隊の子たちが僕の席を確保してくれている。
「いつもありがとう。」
親衛隊の子たちにお礼を言って席に座ると、双眼鏡を渡された。

双眼鏡を覗き込むと、スタート位置に眼鏡を外した麗しい健ちゃんと、フツメンの山野。
その後ろに筋肉自慢の空手部と柔道部の三年生たちが部のジャージを着て並んでいた。
上は半袖なので鍛え上げられた美しい上腕二頭筋が半分見える。

今日も眼福~

***

健ちゃんたちの走り込みを見終わった僕は親衛隊に入ったばかりの一年生をお持ち帰り。
βなんだけど、軽量級のレスリングの選手だったそうで筋肉が綺麗な子なんだ。

顔と声はイマイチだけど、筋肉の弾力が好みなんだよね。
後ろから突っ込んだ時の大殿筋の張りとか、中の締め付け具合が絶妙で、今一番のお気に入り。

あ~、でも、三年生のカッコイイマッチョ軍団を見た後は物足りない。

熊谷先輩とか林原先輩とか、高望みはしないけれど、せめて花園君とか千葉先輩クラスのセフレが欲しいな。



**その頃の千葉**

林原を相手に模擬戦をしていたら、何か急に悪寒が・・・

「面!」

やばっ、悪寒のせいであっさりやられたよ~

「一本、林原!」

礼をして待機場所に戻ると
「千葉、体調悪いのか?」
と林原。
「う~ん、何か急に悪寒がしてさ。」
「風邪か?」
「かなぁ?」
「大会近いから気を付けろよ? お前が控えにいないと皆の士気に関わるからな。」
「念の為、後で保健室寄るよ~」


**健太視点**

昼にクラブ棟のカフェで亮輔と合流して昼食を食べた後、演劇部の楽屋に向かって遊歩道を歩いていると、学園内に住み着いていた元野良猫─今は理事長の飼い猫となった黒白猫が目の前に現れた。

「なぁ~ぉ」

 と鳴きながら亮輔の足元に擦り寄って来た。
「うげっ!」
猫から逃げる亮輔。
亮輔は猫が苦手だし、俺と同じで猫にはあまり好かれない方なのに、この黒白猫だけは妙に懐いてベタベタしてくる。
グイグイ来る黒白猫に亮輔は心底嫌そう。
「こ、こいつだけは、何か生理的にムリ!」
猫があざとく鳴いたり、可愛らしく小首をかしげたりするも、亮輔には逆効果。

「健太、助けて!」

涙目で鳥肌を立てつつ動けない亮輔。
亮輔は、他の猫とかは苦手とは言いつつも平気なのに、この黒白猫だけがダメなんだよな。

「あ、ハチ!」
 そこへ救世主が現れた。
「「牧島!」君!」
 牧島君は慣れた手つきで猫を抱き上げた。
「城山先生、黒峯先輩、こんにちは。」
「こんにちは、牧島君。猫好きなの?」
「はい。もしかして先生と先輩は苦手ですか?」
「ああ、苦手なのに亮輔が懐かれちゃって困ってたんだ。」
「牧島! 助かった、ありがとう!」
「いえいえ。どうぞ、僕が抱いてるうちに移動して下さいね。」
「ホント、ありがとう!」


**牧島視点**

ハチを抱っこしながら城山先生と黒峯先輩の後ろ姿を見送った。
「うんみゃあ・・・」
不満そうなハチが逃げ出さないようにガッチリと保定した。

それにしても・・・

城山先生と黒峯先輩、物凄く自然に並んで歩いてる。
お互いが隣にいるのが当たり前って雰囲気だ。
一昔前の食器用洗剤のCM思い出しちゃうなぁ。

「ハチ、黒峯様の好きな人って、城山先生なのかなぁ?」

その場合、どっちが攻めなのかな?


しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?

monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。 そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。 主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。 ※今回の表紙はAI生成です

世話焼き風紀委員長は自分に無頓着

二藤ぽっきぃ
BL
非王道学園BL/美形受け/攻めは1人 都心から離れた山中にある御曹司や権力者の子息が通う全寮制の中高一貫校『都塚学園』 高等部から入学した仲神蛍(なかがみ けい)は高校最後の年に風紀委員長を務める。 生徒会長の京本誠一郎(きょうもと せいいちろう)とは、業務連絡の合間に嫌味を言う仲。 5月の連休明けに怪しい転入生が現れた。 問題ばかりの転入生に関わりたくないと思っていたが、慕ってくれる後輩、風紀書記の蜂須賀流星(はちすか りゅうせい)が巻き込まれる______ 「学園で終わる恋愛なんて、してたまるか。どうせ政略結婚が待っているのに……」 ______________ 「俺は1年の頃にお前に一目惚れした、長期戦のつもりが邪魔が入ったからな。結婚を前提に恋人になれ。」 「俺がするんで、蛍様は身を任せてくれたらいいんすよ。これからもずっと一緒っすよ♡」 ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢ 初投稿作品です。 誤字脱字の報告や、アドバイス、感想などお待ちしております。 毎日20時と23時に投稿予定です。

夜が明けなければいいのに(洋風)

万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。 しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。 そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。 長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。 「名誉ある生贄」。 それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。 部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。 黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。 本当は、別れが怖くてたまらない。 けれど、その弱さを見せることができない。 「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」 心にもない言葉を吐き捨てる。 カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。 だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。 「……おめでとうございます、殿下」 恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。 その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。 ――おめでとうなんて、言わないでほしかった。 ――本当は、行きたくなんてないのに。 和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。 お楽しみいただければ幸いです。

溺愛系とまではいかないけど…過保護系カレシと言った方が 良いじゃねぇ? って親友に言われる僕のカレシさん

315 サイコ
BL
潔癖症で対人恐怖症の汐織は、一目惚れした1つ上の三波 道也に告白する。  が、案の定…  対人恐怖症と潔癖症が、災いして号泣した汐織を心配して手を貸そうとした三波の手を叩いてしまう。  そんな事が、あったのにも関わらず仮の恋人から本当の恋人までなるのだが…  三波もまた、汐織の対応をどうしたらいいのか、戸惑っていた。  そこに汐織の幼馴染みで、隣に住んでいる汐織の姉と付き合っていると言う戸室 久貴が、汐織の頭をポンポンしている場面に遭遇してしまう…   表紙のイラストは、Days AIさんで作らせていただきました。

転化オメガの優等生はアルファの頂点に組み敷かれる

さち喜
BL
優等生・聖利(ひじり)と校則破りの常習犯・來(らい)は、ともに優秀なアルファ。 ライバルとして競い合ってきたふたりは、高等部寮でルームメイトに。 來を意識してしまう聖利は、あるとき自分の身体に妙な変化を感じる。 すると、來が獣のように押し倒してきて……。 「その顔、煽ってんだろ? 俺を」 アルファからオメガに転化してしまった聖利と、過保護に執着する來の焦れ恋物語。 ※性描写がありますので、苦手な方はご注意ください。 ※2021年に他サイトで連載した作品です。ラストに番外編を加筆予定です。 ☆登場人物☆ 楠見野聖利(くすみのひじり) 高校一年、175センチ、黒髪の美少年アルファ。 中等部から学年トップの秀才。 來に好意があるが、叶わぬ気持ちだと諦めている。 ある日、バース性が転化しアルファからオメガになってしまう。 海瀬來(かいせらい) 高校一年、185センチ、端正な顔立ちのアルファ。 聖利のライバルで、身体能力は聖利より上。 海瀬グループの御曹司。さらに成績優秀なため、多少素行が悪くても教師も生徒も手出しできない。 聖利のオメガ転化を前にして自身を抑えきれず……。

俺を注意してくる生徒会長の鼻を明かしてやりたかっただけなのに

たけむら
BL
真面目(?)な生徒会長×流されやすめなツンデレ男子高校生。そこに友達も加わって、わちゃわちゃの高校生活を送る話。 ネクタイをつけてこないことを毎日真面目に注意してくる生徒会長・伊佐野のことを面白がっていた水沢だったが、実は手のひらの上で転がされていたのは自分の方だった? そこに悪友・秋山も加わってやいのやいのにぎやか(?)な高校生活を送る話。 楽しんでいただけますように。どうぞよろしくお願いします。

目立たないでと言われても

みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」 ****** 山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって…… 25話で本編完結+番外編4話

逃げるが勝ち

うりぼう
BL
美形強面×眼鏡地味 ひょんなことがきっかけで知り合った二人。 全力で追いかける強面春日と全力で逃げる地味眼鏡秋吉の攻防。

処理中です...