18 / 47
18話 予言されし聖女
しおりを挟む
『砂漠の民』の集落で下にも置かない歓待を受け、案内されるがままに一泊することになりました。
わたしが泊まることになったのはイブン老という方のお家でした。
集落の知恵袋として、皆に慕われている方で長い髭を蓄え、優しそうなお顔をしたおじいちゃん。
その姿はどことなく、わたしを実の孫のように可愛がってくれたベネディクト翁に似ていて、懐かしく思えます。
神殿で一番偉いお方でありながら、気さくで物腰の柔らかな人でした。
真っ直ぐで曲がったことが嫌いな翁のことですから、早まった行動を取っていなければいいのですが……。
わたしに出来ることは彼の無事を祈ることくらい。
そして、翌朝のことです。
あまり、目覚めがいいとは言えません。
夢が非常に気になるものでした。
イブン老が似ていて、ベネディクト翁のことを思い出したせいでしょうか?
ベネディクト翁が夢に出てきたのです。
少しやつれ、疲れた表情をしている彼の様子が少々、気にかかりました。
そして、『お別れを言いに来ました』という翁の言葉で目が覚めたのです。
「お、おはようございます?」
寝惚け眼を擦りながら、まだ回転が始まっていない頭のまま、リビングへと顔を出したわたしはそこにいた大勢の人の姿に思わず、固まってしまいました。
イブン老しかいないと油断していたので完全に不意打ちです。
薄い生地のワンピースにまだ、解いてもいない髪。
そんな格好で大勢の人々の目に晒された訳ですから、意識を失くして逃げたい気分です……。
自分の家でもないのにこんな格好をしていたわたしが悪いのでしょうか。
「ありがたや……ありがたや…」
「聖女様だ! 聖女様だ!」
着替えと身嗜みを整える時間さえ、与えて貰えず、リビングにいた大勢の人に取り囲まれてしまったわたしです。
ただ、ひたすらに困惑するしかありません。
一体、何事が起きたのでしょう?
それ以前にせめて、着替えくらいはさせて欲しいのですが……。
「あっ」
「おぅ……」
バツの悪そうなカーミルさんと目が合いました。
何という速さ!
あっという間に逸らされました。
「ゴホン。皆の衆、聖女様は困っておられるようじゃ」
さすがはイブン老です。
代わる代わるキラキラと輝く瞳で感謝の言葉を述べられていく皆さんの熱気に押される一方で何も言えないわたしを慮って、場を仕切ってくれました。
目を逸らした人とは大違いです。
イブン老のお陰でどうにか、身嗜みを整え、用意されたサイズの合う衣装を着ることが出来ました。
黒をベースに刺繍が施されたワンピースでやや厚手の生地なのが特徴のようです。
簡素なデザインながら、シュルトワ王国では見ないデザインのお洋服なので着ることが出来て、ちょっとワクワクしています。
新しい体験が出来るのは楽しいです。
砂漠の民の女性はさらに頭の上から、黒い布を被り、なるべく顔を隠すのが習わしだそうです。
わたしは客分扱いなので被らなくてもいいと言われました。
「お待たせして、すみません。それより、これはどういう状況なんですか?」
「うむ、実はな……」
代表して、カーミルさんが話してくれましたが、その内容は中々に衝撃的なものでした。
死んでいた泉が復活し、この集落の慢性的な水不足が解決した。
わたしがオアシスに近付いたことが何らかのきっかけとなり、地下の源泉が甦ったとしか、考えられない。
そのきっかけを起こしたこと自体、わたしが『聖女』である証に違いない。
そういった意見が大多数を占め、『聖女』を手厚くもてなそうと決まったそうなのです。
ここまでの話なら、偶然が偶然を呼び、奇跡に近い現象が起きたと考えてもおかしくありません。
わたしは特に何かをした訳ではありません。
ただ、オアシスの水を飲みたかっただけです。
それが偶々、泉の復活に繋がっただけなのでしょう。
ところが驚くのはここからでした。
集落の人々が驚いたのは朝日に照らされた周囲の光景に腰を抜かしたそうです。
荒れ果て、永遠に乾いた砂が支配する地であった『死の砂漠』に緑が芽吹いていたのです。
それもたった一晩で!
死して乾ききった大地に生気が戻り、土には水が染み込み、草花が生えている。
そして、昨日までなかったはずの湖まで出現していた、と。
まるで、夢でも見ているような気分だったと口々に語る皆さんの様子は嘘をついているように見えません。
ましてや、カーミルさんは冗談を言うような方ではないでしょうし
「貴女こそ、予言されし、救世主。我ら、砂漠の民の聖女だ」
「ええ? それは言い過ぎではないでしょうか?」
どうにも調子が狂ってしまいます。
確かにわたしはシュルトワ王国で『聖女』と呼ばれていましたが、これといったことは成していません。
そう。
わたしは何もしていないのです。
役に立たない『聖女』として、追放されたのですから。
そんなわたしが……?
「聖女様は謙虚じゃな。貴女の行いは紛れもなく、奇跡そのものじゃよ」
「あの……いえ、本当に心当たりがないのですけど……」
困りました。
このままでは、何を言っても信じてくれそうにありません。
わたしはシュルトワ王国に戻らなければならないと思い始めていたからです。
夢に出てきたベネディクト翁のことが気にかかり、神殿に残してきた皆のことを思うと胸が張り裂けそうになるほど、心配で堪らないのです。
「聖女様。我らにどうか、お力を貸して頂けないだろうか?」
「……分かりました。わたしに出来ることでしたら、お手伝いさせて下さい」
「おおっ。ありがたい……」
わたしを見る砂漠の民の皆さんの曇りがない真っ直ぐな瞳。
純粋で素朴な彼らを見ているとその期待を裏切るような真似が出来ないと思ったのです。
こうして、わたしは半ば、強引ではありますが、砂漠の民の集落に留まることになりました。
わたしが泊まることになったのはイブン老という方のお家でした。
集落の知恵袋として、皆に慕われている方で長い髭を蓄え、優しそうなお顔をしたおじいちゃん。
その姿はどことなく、わたしを実の孫のように可愛がってくれたベネディクト翁に似ていて、懐かしく思えます。
神殿で一番偉いお方でありながら、気さくで物腰の柔らかな人でした。
真っ直ぐで曲がったことが嫌いな翁のことですから、早まった行動を取っていなければいいのですが……。
わたしに出来ることは彼の無事を祈ることくらい。
そして、翌朝のことです。
あまり、目覚めがいいとは言えません。
夢が非常に気になるものでした。
イブン老が似ていて、ベネディクト翁のことを思い出したせいでしょうか?
ベネディクト翁が夢に出てきたのです。
少しやつれ、疲れた表情をしている彼の様子が少々、気にかかりました。
そして、『お別れを言いに来ました』という翁の言葉で目が覚めたのです。
「お、おはようございます?」
寝惚け眼を擦りながら、まだ回転が始まっていない頭のまま、リビングへと顔を出したわたしはそこにいた大勢の人の姿に思わず、固まってしまいました。
イブン老しかいないと油断していたので完全に不意打ちです。
薄い生地のワンピースにまだ、解いてもいない髪。
そんな格好で大勢の人々の目に晒された訳ですから、意識を失くして逃げたい気分です……。
自分の家でもないのにこんな格好をしていたわたしが悪いのでしょうか。
「ありがたや……ありがたや…」
「聖女様だ! 聖女様だ!」
着替えと身嗜みを整える時間さえ、与えて貰えず、リビングにいた大勢の人に取り囲まれてしまったわたしです。
ただ、ひたすらに困惑するしかありません。
一体、何事が起きたのでしょう?
それ以前にせめて、着替えくらいはさせて欲しいのですが……。
「あっ」
「おぅ……」
バツの悪そうなカーミルさんと目が合いました。
何という速さ!
あっという間に逸らされました。
「ゴホン。皆の衆、聖女様は困っておられるようじゃ」
さすがはイブン老です。
代わる代わるキラキラと輝く瞳で感謝の言葉を述べられていく皆さんの熱気に押される一方で何も言えないわたしを慮って、場を仕切ってくれました。
目を逸らした人とは大違いです。
イブン老のお陰でどうにか、身嗜みを整え、用意されたサイズの合う衣装を着ることが出来ました。
黒をベースに刺繍が施されたワンピースでやや厚手の生地なのが特徴のようです。
簡素なデザインながら、シュルトワ王国では見ないデザインのお洋服なので着ることが出来て、ちょっとワクワクしています。
新しい体験が出来るのは楽しいです。
砂漠の民の女性はさらに頭の上から、黒い布を被り、なるべく顔を隠すのが習わしだそうです。
わたしは客分扱いなので被らなくてもいいと言われました。
「お待たせして、すみません。それより、これはどういう状況なんですか?」
「うむ、実はな……」
代表して、カーミルさんが話してくれましたが、その内容は中々に衝撃的なものでした。
死んでいた泉が復活し、この集落の慢性的な水不足が解決した。
わたしがオアシスに近付いたことが何らかのきっかけとなり、地下の源泉が甦ったとしか、考えられない。
そのきっかけを起こしたこと自体、わたしが『聖女』である証に違いない。
そういった意見が大多数を占め、『聖女』を手厚くもてなそうと決まったそうなのです。
ここまでの話なら、偶然が偶然を呼び、奇跡に近い現象が起きたと考えてもおかしくありません。
わたしは特に何かをした訳ではありません。
ただ、オアシスの水を飲みたかっただけです。
それが偶々、泉の復活に繋がっただけなのでしょう。
ところが驚くのはここからでした。
集落の人々が驚いたのは朝日に照らされた周囲の光景に腰を抜かしたそうです。
荒れ果て、永遠に乾いた砂が支配する地であった『死の砂漠』に緑が芽吹いていたのです。
それもたった一晩で!
死して乾ききった大地に生気が戻り、土には水が染み込み、草花が生えている。
そして、昨日までなかったはずの湖まで出現していた、と。
まるで、夢でも見ているような気分だったと口々に語る皆さんの様子は嘘をついているように見えません。
ましてや、カーミルさんは冗談を言うような方ではないでしょうし
「貴女こそ、予言されし、救世主。我ら、砂漠の民の聖女だ」
「ええ? それは言い過ぎではないでしょうか?」
どうにも調子が狂ってしまいます。
確かにわたしはシュルトワ王国で『聖女』と呼ばれていましたが、これといったことは成していません。
そう。
わたしは何もしていないのです。
役に立たない『聖女』として、追放されたのですから。
そんなわたしが……?
「聖女様は謙虚じゃな。貴女の行いは紛れもなく、奇跡そのものじゃよ」
「あの……いえ、本当に心当たりがないのですけど……」
困りました。
このままでは、何を言っても信じてくれそうにありません。
わたしはシュルトワ王国に戻らなければならないと思い始めていたからです。
夢に出てきたベネディクト翁のことが気にかかり、神殿に残してきた皆のことを思うと胸が張り裂けそうになるほど、心配で堪らないのです。
「聖女様。我らにどうか、お力を貸して頂けないだろうか?」
「……分かりました。わたしに出来ることでしたら、お手伝いさせて下さい」
「おおっ。ありがたい……」
わたしを見る砂漠の民の皆さんの曇りがない真っ直ぐな瞳。
純粋で素朴な彼らを見ているとその期待を裏切るような真似が出来ないと思ったのです。
こうして、わたしは半ば、強引ではありますが、砂漠の民の集落に留まることになりました。
6
あなたにおすすめの小説
「神に見捨てられた無能の職業は追放!」隣国で“優秀な女性”だと溺愛される
佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢アンナ・ローレンスはグランベル王国第一王子ダニエル・クロムハートに突然の婚約破棄を言い渡された。
その理由はアンナの職業にあった。職業至上主義の世界でアンナは無能と言われる職業を成人の儀で神に与えられた。その日からアンナは転落人生を歩むことになった。公爵家の家族に使用人はアンナに冷たい態度を取り始める。
アンナにはレイチェルという妹がいた。そのレイチェルの職業は神に選ばれた人しかなれない特別な職業と言われる聖女。アンナとレイチェルは才能を比較された。姉のアンナは能力が劣っていると言われて苦しい日常を送る。
そして幼馴染でもある婚約者のダニエルをレイチェルに取られて最終的には公爵家当主の父ジョセフによって公爵家を追放されてしまった。
貴族から平民に落とされたアンナは旅に出て違う国で新しい生活をスタートする。一方アンナが出て行った公爵家では様々な問題が発生する。実はアンナは一人で公爵家のあらゆる仕事をこなしていた。使用人たちはアンナに無能だからとぞんざいに扱って仕事を押し付けていた。
追放聖女ですが、辺境で愛されすぎて国ごと救ってしまいました』
鍛高譚
恋愛
婚約者である王太子から
「お前の力は不安定で使えない」と切り捨てられ、
聖女アニスは王都から追放された。
行き場を失った彼女を迎えたのは、
寡黙で誠実な辺境伯レオニール。
「ここでは、君の意思が最優先だ」
その一言に救われ、
アニスは初めて“自分のために生きる”日々を知っていく。
──だがその頃、王都では魔力が暴走し、魔物が溢れ出す最悪の事態に。
「アニスさえ戻れば国は救われる!」
手のひらを返した王太子と新聖女リリィは土下座で懇願するが……
「私はあなたがたの所有物ではありません」
アニスは冷静に突き放し、
自らの意思で国を救うために立ち上がる。
そして儀式の中で“真の聖女”として覚醒したアニスは、
暴走する魔力を鎮め、魔物を浄化し、国中に奇跡をもたらす。
暴走の原因を隠蔽していた王太子は失脚。
リリィは国外追放。
民衆はアニスを真の守護者として称える。
しかしアニスが選んだのは――
王都ではなく、静かで温かい辺境の地。
王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。
佐藤 美奈
恋愛
クロエ・エルフェシウス公爵令嬢とガブリエル・フォートグランデ王太子殿下は婚約が内定する。まだ公の場で発表してないだけで、王家と公爵家の間で約束を取り交わしていた。
だが帝立魔法学園の創立記念パーティーで婚約破棄を宣言されてしまった。ガブリエルは魔法の才能がある幼馴染のアンジェリカ男爵令嬢を溺愛して結婚を決めたのです。
その理由は、ディオール帝国は魔法至上主義で魔法帝国と称される。クロエは魔法が一番大切な国で一人だけ魔法が全然使えない女性だった。
クロエは魔法が使えないことに、特に気にしていませんでしたが、日常的に家族から無能と言われて、赤の他人までに冷たい目で見られてしまう。
ところがクロエは魔法帝国に、なくてはならない女性でした。絶対に必要な隠された能力を持っていた。彼女の真の姿が明らかになると、誰もが彼女に泣いて謝罪を繰り返し助けてと悲鳴を上げ続けた。
義母の企みで王子との婚約は破棄され、辺境の老貴族と結婚せよと追放されたけど、結婚したのは孫息子だし、思いっきり歌も歌えて言うことありません!
もーりんもも
恋愛
義妹の聖女の証を奪って聖女になり代わろうとした罪で、辺境の地を治める老貴族と結婚しろと王に命じられ、王都から追放されてしまったアデリーン。
ところが、結婚相手の領主アドルフ・ジャンポール侯爵は、結婚式当日に老衰で死んでしまった。
王様の命令は、「ジャンポール家の当主と結婚せよ」ということで、急遽ジャンポール家の当主となった孫息子ユリウスと結婚することに。
ユリウスの結婚の誓いの言葉は「ふん。ゲス女め」。
それでもアデリーンにとっては、緑豊かなジャンポール領は楽園だった。
誰にも遠慮することなく、美しい森の中で、大好きな歌を思いっきり歌えるから!
アデリーンの歌には不思議な力があった。その歌声は万物を癒し、ユリウスの心までをも溶かしていく……。
婚約破棄されて捨てられたのですが、なぜか公爵様に拾われた結果……。
水上
恋愛
「単刀直入に言おう。フローラ、君との婚約は破棄させてもらう」
婚約者であるエドワード様の言葉を聞いて、心臓が早鐘を打ちました。
いつか言われるかもしれないと、覚悟していた言葉。
けれど、実際に投げつけられると、足元が崩れ落ちるような感覚に襲われます。
「……理由は、私が至らないからでしょうか」
「それもある。だが決定的なのは、君のその陰湿な性格だ!」
さらに私は、やってもいない罪を着せられそうになりました。
反論しようにも、喉が震えて声が出ません。
しかし、その時、一人の人物が現れました。
「この温室の管理責任者は私だ。私の庭で無粋な真似をするのは、どこのどいつだ」
「あ、あなたは……アルフレッド・フォン・リンネ公爵!?」
エドワード様の素っ頓狂な声に、私は息を呑みました。
「彼女のアリバイなら、そこにある花が証明している」
その言葉が、私の運命を変える一言となりました。
(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです
しまうま弁当
恋愛
伯爵令嬢のアニア・パルシスは婚約者であるバイル王太子に突然婚約破棄を宣言されてしまうのでした。
さらにはアニアの心の拠り所である、聖女の地位まで奪われてしまうのでした。
訳が分からないアニアはバイルに婚約破棄の理由を尋ねましたが、ひどい言葉を浴びせつけられるのでした。
「アニア!お前が聖女だから仕方なく婚約してただけだ。そうでなけりゃ誰がお前みたいな年増女と婚約なんかするか!!」と。
アニアの弁明を一切聞かずに、バイル王太子はアニアをお荷物聖女と決めつけて婚約破棄と追放をさっさと決めてしまうのでした。
挙句の果てにリゼラとのイチャイチャぶりをアニアに見せつけるのでした。
アニアは妹のリゼラに助けを求めましたが、リゼラからはとんでもない言葉が返ってきたのでした。
リゼラこそがアニアの追放を企てた首謀者だったのでした。
アニアはリゼラの自分への悪意を目の当たりにして愕然しますが、リゼラは大喜びでアニアの追放を見送るのでした。
信じていた人達に裏切られたアニアは、絶望して当てもなく宿屋生活を始めるのでした。
そんな時運命を変える人物に再会するのでした。
それはかつて同じクラスで一緒に学んでいた学友のクライン・ユーゲントでした。
一方のバイル王太子達はアニアの追放を喜んでいましたが、すぐにアニアがどれほどの貢献をしていたかを目の当たりにして自分達こそがお荷物であることを思い知らされるのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全25話執筆済み 完結しました
地味で無能な聖女だと婚約破棄されました。でも本当は【超過浄化】スキル持ちだったので、辺境で騎士団長様と幸せになります。ざまぁはこれからです。
黒崎隼人
ファンタジー
聖女なのに力が弱い「偽物」と蔑まれ、婚約者の王子と妹に裏切られ、死の土地である「瘴気の辺境」へ追放されたリナ。しかし、そこで彼女の【浄化】スキルが、あらゆる穢れを消し去る伝説級の【超過浄化】だったことが判明する! その奇跡を隣国の最強騎士団長カイルに見出されたリナは、彼の溺愛に戸惑いながらも、荒れ地を楽園へと変えていく。一方、リナを捨てた王国は瘴気に沈み崩壊寸前。今さら元婚約者が土下座しに来ても、もう遅い! 不遇だった少女が本当の愛と居場所を見つける、爽快な逆転ラブファンタジー!
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる