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29話 衝撃の黒槍
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(三人称視点)
馬の嘶きに時折、混じる断末魔の叫び声にオスワルドが寝台から、跳ね起きた。
深酒が祟ったのか、堪えるのも辛い吐き気と、芯から締め付けるような頭痛は言いようのない不快感を彼に与える。
しかし、そんな不快など吹き飛ばす、変事が本陣で起きていることに気付いたオスワルドは愛用のバスタードソードを手に取り、陣幕を飛び出す。
衝動的なままに生きてきた。
これまでの人生で理性的な考えを一切しないまま、獣のように己の欲だけで動いていた。
そんな彼が頼りとするのは己の力のみだ。
なまじっか、戦士としての勘と技量は人並外れて、高かったのも悪影響を与えた。
天から、与えられた才能が彼の性根を大きく、捻じ曲げたのだ。
それこそがオスワルドの幸運であり、不幸の始まりだったかもしれない。
外に出た瞬間、襲ってくる熱に思わず、オスワルドが顔を歪める。
それよりも耳を苛むのは剣撃の激しい音だった。
「何事だ!? 何が起きた?」
近衛騎士の一人が血の気を失い、青褪めた顔で駆け寄ってくると状況を伝えた。
「敵襲です! 辺境伯軍の奇襲です!!」
「馬鹿な!? 奇襲だと……このタイミングでか」
オスワルドは呆然として、呟く他ない。
彼の率いる軍勢はブレイズ家の城塞を包囲していたのだ。
圧倒的に有利な状況にあったはずが、どうしてこうなったのか。
「くそっ! あの女どもか!!」
いくら、春を売るのが生業の者であっても状況が状況である。
もっと疑ってかかるべきだった、と臍を嚙むが後の祭りである。
戦地で情事に耽り、色に塗れた者の末路など、推して知るべし。
怒り狂うオスワルドだったが、すぐに冷静さを取り戻した。
今更、考えたところで仕方がない。
とにかく、今は目の前の危機を乗り越えることだけを考えるべきだ。
それは獣の生存本能に近かったのだろう。
バスタードソードを抜剣すると折からの風により、延焼した陣幕から、慌てて飛び出してきた近衛騎士を怒鳴りつける。
「おい、貴様。伝令を呼んでこい! それから、俺の指示通りに動けるよう、すぐに準備だ」
「はっ。はい」
オスワルドは転げるように走り出した騎士を見届けると自らの陣幕に戻り、立て掛けてある物を見やった。
それはカイト・シールドだ。
ただの盾ではない。
鋼の分厚い盾の表面には複雑な形状をした古代文字と紋様が刻み込まれている。
一説によれば、如何なる攻撃をも跳ね返すという意味が込められているとされ、『絶壁』という銘を持つ代物である。
過去には名高き英雄が所有し、数多の戦場を共に駆け抜けたという伝説まで残っている。
その防御効果は絶大だったが、大きな欠点がある。
とてつもなく重いのだ。
とてもではないが、一人で持つのが困難な重量であり、片手剣と絶壁を構え、戦える者はそれだけで英雄と認められるほどだ。
それをオスワルドは躊躇わずに左手で取った。
「ふん……!」
気合を入れ、まるで何も手に持っていないかのように大きく、左腕を軽々と持ち上げた。
信じられない膂力の持ち主である。
「俺に勝てる者など、いるものか」
しかし、自信たっぷりに陣幕を出たオスワルドの眼前に広がる光景は信じられないものだった。
あまりの惨状に舌打ちをする。
味方の軍勢が一方的に蹂躙されているのだ。
「ちっ。 こいつらはなんだ?」
統一された黒い甲冑に身を包んだ騎馬兵――ブレイズ家の黒槍騎士団――と人ならざる者の姿がそこにあった。
金色のエングレービングが施された黒のプレートアーマー。
それは北の辺境伯であるブレイズ家のみに許された国を守る英雄としての証である。
近衛騎士団の本陣を縦横無尽に駆け回るその姿はまるで黒い稲妻が地を走るかのようだった。
ブレイズの騎士団と行動を共にしているのはエルフや草奔族といった亜人達だ。
昨夜の羽目を外した情事が後を引いているとはいえ、近衛騎士団はあまりに呆気なく、壊滅していく。
騎士とは名ばかりだが、腕に覚えのある者が多く、数においては圧倒しているにも関わらず、全くなすすべがない。
エルフの魔法が大きな影響を与えていることに気付かぬまま、近衛騎士団は見る間にその数を減らしていった。
「どこだ!? どこから、現れやがった?」
オスワルドはブレイズ騎馬兵の鋭い切っ先を絶壁で難なく、弾き返す。
しかし、目前で起こる光景に理解が追い付かず、苛立ちを募らせるばかりであった。
そんな彼に答えを与えたのは意外な人物だった。
「オスワルド……お前はどこから、間違った? いや、お前ばかりを責めるのは筋違いか。我々が間違っていたんだな……」
「兄貴……どうして、生きてるんだ!?」
血の匂いが充満する戦場には似合わない静かな声だ。
どこか人に落ち着きを与えるその声の主の姿を目に収めたオスワルドの目が驚きで大きく見開かれる。
死んだはずの長兄シルベストレが常変わらぬ姿でそこに立っていた。
涼やかで凛とした立ち姿は化けて出てきた幽霊の類には見えなかった。
「己の罪を認め、贖う時だ……」
「はっ! 俺の罪だと? 俺は罪など犯していない!!」
「ならば、仕方あるまい」
オスワルドは怒りと恨みで燃え上がるような鋭い目つきで実の兄を睨みつける。
いつも落ち着き払った様子で憐れむような兄の視線が嫌いだった、とさらに苛立ちを募らせる彼を後目にシルベストレも腰に佩いていたロングソードを抜いた。
馬の嘶きに時折、混じる断末魔の叫び声にオスワルドが寝台から、跳ね起きた。
深酒が祟ったのか、堪えるのも辛い吐き気と、芯から締め付けるような頭痛は言いようのない不快感を彼に与える。
しかし、そんな不快など吹き飛ばす、変事が本陣で起きていることに気付いたオスワルドは愛用のバスタードソードを手に取り、陣幕を飛び出す。
衝動的なままに生きてきた。
これまでの人生で理性的な考えを一切しないまま、獣のように己の欲だけで動いていた。
そんな彼が頼りとするのは己の力のみだ。
なまじっか、戦士としての勘と技量は人並外れて、高かったのも悪影響を与えた。
天から、与えられた才能が彼の性根を大きく、捻じ曲げたのだ。
それこそがオスワルドの幸運であり、不幸の始まりだったかもしれない。
外に出た瞬間、襲ってくる熱に思わず、オスワルドが顔を歪める。
それよりも耳を苛むのは剣撃の激しい音だった。
「何事だ!? 何が起きた?」
近衛騎士の一人が血の気を失い、青褪めた顔で駆け寄ってくると状況を伝えた。
「敵襲です! 辺境伯軍の奇襲です!!」
「馬鹿な!? 奇襲だと……このタイミングでか」
オスワルドは呆然として、呟く他ない。
彼の率いる軍勢はブレイズ家の城塞を包囲していたのだ。
圧倒的に有利な状況にあったはずが、どうしてこうなったのか。
「くそっ! あの女どもか!!」
いくら、春を売るのが生業の者であっても状況が状況である。
もっと疑ってかかるべきだった、と臍を嚙むが後の祭りである。
戦地で情事に耽り、色に塗れた者の末路など、推して知るべし。
怒り狂うオスワルドだったが、すぐに冷静さを取り戻した。
今更、考えたところで仕方がない。
とにかく、今は目の前の危機を乗り越えることだけを考えるべきだ。
それは獣の生存本能に近かったのだろう。
バスタードソードを抜剣すると折からの風により、延焼した陣幕から、慌てて飛び出してきた近衛騎士を怒鳴りつける。
「おい、貴様。伝令を呼んでこい! それから、俺の指示通りに動けるよう、すぐに準備だ」
「はっ。はい」
オスワルドは転げるように走り出した騎士を見届けると自らの陣幕に戻り、立て掛けてある物を見やった。
それはカイト・シールドだ。
ただの盾ではない。
鋼の分厚い盾の表面には複雑な形状をした古代文字と紋様が刻み込まれている。
一説によれば、如何なる攻撃をも跳ね返すという意味が込められているとされ、『絶壁』という銘を持つ代物である。
過去には名高き英雄が所有し、数多の戦場を共に駆け抜けたという伝説まで残っている。
その防御効果は絶大だったが、大きな欠点がある。
とてつもなく重いのだ。
とてもではないが、一人で持つのが困難な重量であり、片手剣と絶壁を構え、戦える者はそれだけで英雄と認められるほどだ。
それをオスワルドは躊躇わずに左手で取った。
「ふん……!」
気合を入れ、まるで何も手に持っていないかのように大きく、左腕を軽々と持ち上げた。
信じられない膂力の持ち主である。
「俺に勝てる者など、いるものか」
しかし、自信たっぷりに陣幕を出たオスワルドの眼前に広がる光景は信じられないものだった。
あまりの惨状に舌打ちをする。
味方の軍勢が一方的に蹂躙されているのだ。
「ちっ。 こいつらはなんだ?」
統一された黒い甲冑に身を包んだ騎馬兵――ブレイズ家の黒槍騎士団――と人ならざる者の姿がそこにあった。
金色のエングレービングが施された黒のプレートアーマー。
それは北の辺境伯であるブレイズ家のみに許された国を守る英雄としての証である。
近衛騎士団の本陣を縦横無尽に駆け回るその姿はまるで黒い稲妻が地を走るかのようだった。
ブレイズの騎士団と行動を共にしているのはエルフや草奔族といった亜人達だ。
昨夜の羽目を外した情事が後を引いているとはいえ、近衛騎士団はあまりに呆気なく、壊滅していく。
騎士とは名ばかりだが、腕に覚えのある者が多く、数においては圧倒しているにも関わらず、全くなすすべがない。
エルフの魔法が大きな影響を与えていることに気付かぬまま、近衛騎士団は見る間にその数を減らしていった。
「どこだ!? どこから、現れやがった?」
オスワルドはブレイズ騎馬兵の鋭い切っ先を絶壁で難なく、弾き返す。
しかし、目前で起こる光景に理解が追い付かず、苛立ちを募らせるばかりであった。
そんな彼に答えを与えたのは意外な人物だった。
「オスワルド……お前はどこから、間違った? いや、お前ばかりを責めるのは筋違いか。我々が間違っていたんだな……」
「兄貴……どうして、生きてるんだ!?」
血の匂いが充満する戦場には似合わない静かな声だ。
どこか人に落ち着きを与えるその声の主の姿を目に収めたオスワルドの目が驚きで大きく見開かれる。
死んだはずの長兄シルベストレが常変わらぬ姿でそこに立っていた。
涼やかで凛とした立ち姿は化けて出てきた幽霊の類には見えなかった。
「己の罪を認め、贖う時だ……」
「はっ! 俺の罪だと? 俺は罪など犯していない!!」
「ならば、仕方あるまい」
オスワルドは怒りと恨みで燃え上がるような鋭い目つきで実の兄を睨みつける。
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