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32話 魔王復活
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(三人称視点)
謁見の間へと通されたオスワルドは目にした光景に衝撃を受け、無意識のうちに抜剣していた。
宙に浮かぶ紫炎に括りつけられ、苦悶の表情を浮かべるヒメナと床に両膝を付き、茫然とした表情のまま、微動だにしないイラリオの姿を目にしたからだ。
そんな二人を前にして、見る者の心臓を凍り付かせるような冷笑を浮かべているのはビセンテだった。
「ビセンテ……お前! 何をやってんだ! お前は!!」
ビセンテがオスワルドにようやく気付いたと言わんばかりに視線を向けた。
そこには柔和で知性的と呼ばれた貴公子の面影はない。
まるで心が籠っていないかのような空虚な声音で答えた。
「やあ。君か。遅かったね。待ちくたびれたよ」
「何をしているのかと聞いてるんだ!」
かつて、心を許した友の変貌にオスワルドは戸惑っていた。
朗らかな笑みを浮かべ、全てを肯定してくれた。
唯一の理解者だと思い、友と信じていた者が現在、取っている行動は彼の理解の範疇を超えている。
「見ての通りだよ。貸していた物を返してもらうのさ。君の空っぽな頭でも分かるよね。借りた物は返さなくてはいけないものだろう? だから、返してもらったのさ。そして、出番の終わった道化師には元の場所に戻ってもらうのが筋だろう?」
ビセンテの言葉の意味をはっきりとは理解出来なかったオスワルドだが、友と思っていた者に実は見下されていたということにようやく気付き、顔色が変わる。
「何をやろうってんだ……!?」
紫炎に括りつけられたままのヒメナの顔色は悪く、血の気を失い、今にも死んでしまいそうなくらい青褪めて、見える。
イラリオが『ヒメナ……』と弱々しく呟きながら、ゆっくりと彼女に近付いていく。
「い、いや……体が……こんなの……いやああああ。助けて、イラリオ!」
ヒメナの体から、金色の粒子が煙のように立ち昇り始め、その体が段々と透けていく。
「ヒメナ!!」
消えゆくヒメナの体をイラリオが抱き締めると一際、黄金の光が強まり、直視出来ないほどの眩しさだ。
やがて、光が収まったが、そこに二人の姿はなかった。
ただ、紫炎だけが変わらず、あった。
それを目にしたオスワルドは怒りに顔を真っ赤にするとビセンテに向かって、突進した。
「お前って、ヤツはああああ!」
抜き放ったバスタードソードを構え、力任せに怒りのまま、剣を振ろうとする彼の動きに反応し、空中に浮かんでいた紫炎が動き始めた。
蛇のように紫炎が呻る鞭となり、横薙ぎに振られる。
オスワルドはそれを瞬時に悟り、驚異的な反射神経と身体能力で避け切った。
紙一重で腰を屈めながらも回避し、さらにビセンテとの間合いを詰めている。
しかし、彼は動きを止めない。
勢いをそのままに張り付けたような不快な笑みを浮かべるビセンテの首元に目掛け、オスワルドは両手で握ったバスタードソードを振り抜いた。
刃に触れた瞬間、肉と骨を断つ不愉快な音とともにビセンテの首が勢いよく、宙を飛び、数メートルほど先の床に転がる。
不思議なのは首を失った胴から、噴水のように噴き出すはずの血液が一切、出なかったことだ。
「あ~あ、酷いね、君。友達の首を切るなんて、本当に人間は酷い生き物だね。くっくっくっ」
感嘆の声を上げ、くぐもったような笑い声を上げたのはオスワルドを謁見の間まで案内した兵士だった。
いつの間に鉄兜を脱いだのか、素顔を晒している。
その顔はオスワルドが抑え切れない憤怒の心をぶつけ、首を刎ねた男――ビセンテと同じ顔をしていた。
銀糸のような美しい髪も切れ長の涼やかな目元も全てが同じだ。
ただ、瞳の色だけが違う。
透き通る紫水晶のようだった瞳がまるで血を垂らしたとでも言わんばかりに濁った紅の色に染まっていた。
「お前、その顔……一体!?」
「大切な友人にそっくりで驚いているのかい? そもそも、君にそんな友人はいたのかな? ビセンテ・フロウ。本当にそんな人間がいたのかな? くっくっくっ。望み通りの答えをくれて、耳当たりの良い言葉をかけてくれる。そんな都合のいい人間が存在すると本気で思っているのかい? 君は相当に底抜けなお人好しなんだね。ぷっはははははっ」
「な、なんだと……」
愕然として、大きく目を見開いたオスワルドの表情を見て、ビセンテは楽しげに笑う。
床に倒れ伏したビセンテの体と床に転がり、恨めし気な視線を向けていた首が次第にその形を失っていく。
闇の色をした砂となって、崩れ落ちていき、後に残ったのはビセンテと呼ばれていた男が着ていた装束だけである。
「悔しいかい? 悔しいよね。そうさ。君はこの世界に不要な存在だったんだよ。誰からも愛されない。誰も愛せない。君のような狂犬はこの世界で生きてちゃいけないのさ」
「黙れ! 黙れ! 俺は! 俺は……」
兵士だった男は握っていた剣を落とし、がっくりと膝を付いたオスワルドの様子を目を細め、満足そうに見つめている。
その視線は獲物を前にした捕食者のような鋭いものだった。
「だったらさ。こんな世界、滅ぼそうよ。君の怒りをぶつけるんだ。君を認めなかったこの世界。憎くはないのかい? 憎いだろう? さあ、恨むんだ! 怒るんだ」
「……憎い。俺は……世界を……うがあああああ」
絶叫を上げ、オスワルドが床に倒れ伏した。
びくん、びくんと体を痙攣させながら、口から泡を吹き、白目を剥いている。
「ようやく、手に入った。最高の体だ! 随分と手間がかかったが、これで僕の勝ちだ……! 我は魔王……世界を憤怒で滅ぼす者なり」
兵士が指を鳴らすと、その体が弾け、黒い霧となった。
黒い霧がオスワルドの体を包み込み、やがてその体は暗黒の海に飲み込まれていくように暗闇に沈んでいった。
その日、シュルトワ王国の都と呼ばれていた地が草木も映えない荒れ地と化した。
生命あるものは何も存在しない。
その中央で天を向き、空をも震撼させる咆哮を上げたのは闇の如き、漆黒の鱗に覆われた巨大なドラゴンだった。
謁見の間へと通されたオスワルドは目にした光景に衝撃を受け、無意識のうちに抜剣していた。
宙に浮かぶ紫炎に括りつけられ、苦悶の表情を浮かべるヒメナと床に両膝を付き、茫然とした表情のまま、微動だにしないイラリオの姿を目にしたからだ。
そんな二人を前にして、見る者の心臓を凍り付かせるような冷笑を浮かべているのはビセンテだった。
「ビセンテ……お前! 何をやってんだ! お前は!!」
ビセンテがオスワルドにようやく気付いたと言わんばかりに視線を向けた。
そこには柔和で知性的と呼ばれた貴公子の面影はない。
まるで心が籠っていないかのような空虚な声音で答えた。
「やあ。君か。遅かったね。待ちくたびれたよ」
「何をしているのかと聞いてるんだ!」
かつて、心を許した友の変貌にオスワルドは戸惑っていた。
朗らかな笑みを浮かべ、全てを肯定してくれた。
唯一の理解者だと思い、友と信じていた者が現在、取っている行動は彼の理解の範疇を超えている。
「見ての通りだよ。貸していた物を返してもらうのさ。君の空っぽな頭でも分かるよね。借りた物は返さなくてはいけないものだろう? だから、返してもらったのさ。そして、出番の終わった道化師には元の場所に戻ってもらうのが筋だろう?」
ビセンテの言葉の意味をはっきりとは理解出来なかったオスワルドだが、友と思っていた者に実は見下されていたということにようやく気付き、顔色が変わる。
「何をやろうってんだ……!?」
紫炎に括りつけられたままのヒメナの顔色は悪く、血の気を失い、今にも死んでしまいそうなくらい青褪めて、見える。
イラリオが『ヒメナ……』と弱々しく呟きながら、ゆっくりと彼女に近付いていく。
「い、いや……体が……こんなの……いやああああ。助けて、イラリオ!」
ヒメナの体から、金色の粒子が煙のように立ち昇り始め、その体が段々と透けていく。
「ヒメナ!!」
消えゆくヒメナの体をイラリオが抱き締めると一際、黄金の光が強まり、直視出来ないほどの眩しさだ。
やがて、光が収まったが、そこに二人の姿はなかった。
ただ、紫炎だけが変わらず、あった。
それを目にしたオスワルドは怒りに顔を真っ赤にするとビセンテに向かって、突進した。
「お前って、ヤツはああああ!」
抜き放ったバスタードソードを構え、力任せに怒りのまま、剣を振ろうとする彼の動きに反応し、空中に浮かんでいた紫炎が動き始めた。
蛇のように紫炎が呻る鞭となり、横薙ぎに振られる。
オスワルドはそれを瞬時に悟り、驚異的な反射神経と身体能力で避け切った。
紙一重で腰を屈めながらも回避し、さらにビセンテとの間合いを詰めている。
しかし、彼は動きを止めない。
勢いをそのままに張り付けたような不快な笑みを浮かべるビセンテの首元に目掛け、オスワルドは両手で握ったバスタードソードを振り抜いた。
刃に触れた瞬間、肉と骨を断つ不愉快な音とともにビセンテの首が勢いよく、宙を飛び、数メートルほど先の床に転がる。
不思議なのは首を失った胴から、噴水のように噴き出すはずの血液が一切、出なかったことだ。
「あ~あ、酷いね、君。友達の首を切るなんて、本当に人間は酷い生き物だね。くっくっくっ」
感嘆の声を上げ、くぐもったような笑い声を上げたのはオスワルドを謁見の間まで案内した兵士だった。
いつの間に鉄兜を脱いだのか、素顔を晒している。
その顔はオスワルドが抑え切れない憤怒の心をぶつけ、首を刎ねた男――ビセンテと同じ顔をしていた。
銀糸のような美しい髪も切れ長の涼やかな目元も全てが同じだ。
ただ、瞳の色だけが違う。
透き通る紫水晶のようだった瞳がまるで血を垂らしたとでも言わんばかりに濁った紅の色に染まっていた。
「お前、その顔……一体!?」
「大切な友人にそっくりで驚いているのかい? そもそも、君にそんな友人はいたのかな? ビセンテ・フロウ。本当にそんな人間がいたのかな? くっくっくっ。望み通りの答えをくれて、耳当たりの良い言葉をかけてくれる。そんな都合のいい人間が存在すると本気で思っているのかい? 君は相当に底抜けなお人好しなんだね。ぷっはははははっ」
「な、なんだと……」
愕然として、大きく目を見開いたオスワルドの表情を見て、ビセンテは楽しげに笑う。
床に倒れ伏したビセンテの体と床に転がり、恨めし気な視線を向けていた首が次第にその形を失っていく。
闇の色をした砂となって、崩れ落ちていき、後に残ったのはビセンテと呼ばれていた男が着ていた装束だけである。
「悔しいかい? 悔しいよね。そうさ。君はこの世界に不要な存在だったんだよ。誰からも愛されない。誰も愛せない。君のような狂犬はこの世界で生きてちゃいけないのさ」
「黙れ! 黙れ! 俺は! 俺は……」
兵士だった男は握っていた剣を落とし、がっくりと膝を付いたオスワルドの様子を目を細め、満足そうに見つめている。
その視線は獲物を前にした捕食者のような鋭いものだった。
「だったらさ。こんな世界、滅ぼそうよ。君の怒りをぶつけるんだ。君を認めなかったこの世界。憎くはないのかい? 憎いだろう? さあ、恨むんだ! 怒るんだ」
「……憎い。俺は……世界を……うがあああああ」
絶叫を上げ、オスワルドが床に倒れ伏した。
びくん、びくんと体を痙攣させながら、口から泡を吹き、白目を剥いている。
「ようやく、手に入った。最高の体だ! 随分と手間がかかったが、これで僕の勝ちだ……! 我は魔王……世界を憤怒で滅ぼす者なり」
兵士が指を鳴らすと、その体が弾け、黒い霧となった。
黒い霧がオスワルドの体を包み込み、やがてその体は暗黒の海に飲み込まれていくように暗闇に沈んでいった。
その日、シュルトワ王国の都と呼ばれていた地が草木も映えない荒れ地と化した。
生命あるものは何も存在しない。
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