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サクリア・オネット
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勉強が苦手でお世辞にも成績優秀な高校生ではない美夏だったが、地頭は決して悪くない。
むしろ自分が好きなことに対する拘りは人一倍強く、記憶力も高かった。
ネット小説で様々な異世界物を読みふけった美夏にとって、やるべきことは考えるまでもない。
美夏はまず、情報収集を心掛けた。
ピンク頭でヒロインにしか見えない自分が何者であるのかを徹底的に探った。
幸いなことに元の体の持ち主が余程、慕われていたらしく、使用人が何から何まで丁寧な説明をした。
美夏は病のせいで記憶があやふやになっていると言い訳をしたが、それを全く、疑いすらしなかった。
「本当にヒロインじゃないの」
思わず、美夏――サクリアは独り言つ。
彼女がそう考えるのも無理はなかった。
目覚めた美夏の体の持ち主はサクリア・オネットという名の貴族令嬢だった。
オネット家は伯爵の爵位を有する高位貴族の家柄である。
サクリアはオネット家の当主夫妻の一人娘であり、奇しくも釘宮美夏と同じ十七歳。
しかし、スクールカーストで上位の女子に従わざるを得なかった美夏と立ち位置は全く、異なる。
整った容貌の美しさに加え、所作にも気品があり、いずれ社交界の花となる道が確約された令嬢の中の令嬢と呼ばれるカースト上位どころか、中心人物である。
それどころか、第二王子のアルセーヌと相思相愛の恋仲にあり、婚約者になる日も近いと言われていた。
「しかも聖女って。何の冗談なのよ」
情報を集めるに従い、美夏は人知れず、頬の緩みを止められない。
ただ、彼女は一つ思い違いをしている。
サクリアは聖女ではなく、聖女候補に過ぎなかった。
聖女候補を経て、聖女と認められるかどうかは審判の日まで分からないのだ。
ここでも美夏の悪い癖が出ていた。
話を最後まで聞かず、自分の都合のいいところしか聞かないのである。
後から知らなかった、聞いてないと幾度も後悔してきたにも関わらず、美夏はこの癖を直せないでいた。
それが巡り巡って、己が迎える結末を決定するとも知らずに……。
むしろ自分が好きなことに対する拘りは人一倍強く、記憶力も高かった。
ネット小説で様々な異世界物を読みふけった美夏にとって、やるべきことは考えるまでもない。
美夏はまず、情報収集を心掛けた。
ピンク頭でヒロインにしか見えない自分が何者であるのかを徹底的に探った。
幸いなことに元の体の持ち主が余程、慕われていたらしく、使用人が何から何まで丁寧な説明をした。
美夏は病のせいで記憶があやふやになっていると言い訳をしたが、それを全く、疑いすらしなかった。
「本当にヒロインじゃないの」
思わず、美夏――サクリアは独り言つ。
彼女がそう考えるのも無理はなかった。
目覚めた美夏の体の持ち主はサクリア・オネットという名の貴族令嬢だった。
オネット家は伯爵の爵位を有する高位貴族の家柄である。
サクリアはオネット家の当主夫妻の一人娘であり、奇しくも釘宮美夏と同じ十七歳。
しかし、スクールカーストで上位の女子に従わざるを得なかった美夏と立ち位置は全く、異なる。
整った容貌の美しさに加え、所作にも気品があり、いずれ社交界の花となる道が確約された令嬢の中の令嬢と呼ばれるカースト上位どころか、中心人物である。
それどころか、第二王子のアルセーヌと相思相愛の恋仲にあり、婚約者になる日も近いと言われていた。
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ただ、彼女は一つ思い違いをしている。
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聖女候補を経て、聖女と認められるかどうかは審判の日まで分からないのだ。
ここでも美夏の悪い癖が出ていた。
話を最後まで聞かず、自分の都合のいいところしか聞かないのである。
後から知らなかった、聞いてないと幾度も後悔してきたにも関わらず、美夏はこの癖を直せないでいた。
それが巡り巡って、己が迎える結末を決定するとも知らずに……。
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