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『教会が私を探しているらしいの』
そう、ビオラから知らされた時、リンは焦った。
ビオラの神力は神官なら誰でも見抜けると女神から教えてもらっていたからだ。
最悪なことに、ビオラは逃げ出そうとして自分が元公爵令嬢だということをバラしてしまったらしい。今のところ信じていないようだったが、いつ神官が来てバレるか分からない。
(ビオラ……)
リンは、自分の妻が大変な目に遭っているのに何もできないもどかしさに歯噛みした。
~遡る事……~
ビオラの助けを求める悲鳴が聞こえたのは、森に入って数分後だった。結構深い場所に入っていたこともあり、助けに行くのが遅くなってしまったのだ。
『ごめんなさい……』
精霊たちも、人に直接影響を与える事ができない為なす術もなくビオラは騎士に連れていかれたらしい。
「おお⁉︎ あんた、どこ行くんだ?」
「通してくれ、妻が連れて行かれたんだ!」
「はぁー? 何言ってんだよ。奥さんだってひとりで買い物に行くことなんざあるだろ? 少し待ってみてもいいんじゃねえの?」
急いで追いかけている途中で、ガラパとかいう村人に足止めを喰らった。この男の言い分もたしかに普通だったらあり得る。だが、にやにやと愉悦に満ちた目を見れば、そんな事など1ミリも思っていない事は明らかだった。
「おい、お前がやったの?」
「あ? 何言ってんだよ」
「お前がスミレを騎士に攫わせたのかって言ってんだ!!!!」
胸ぐらを掴んで怒鳴れば、ガラパはへらへらと薄ら笑いを浮かべて肯定した。
「あぁ、そうさ! これであの女が王子のお気に入りになって妃になりゃ俺は金貨10枚もらえるんだ!」
「は?」
「おーおー、怖いなぁ。そんな怖い顔で睨まないでくれヨォ。しょうがねぇなぁ、もし金貨10枚もらえたらお前にも2枚は譲ってやるから」
にまりと嫌な笑みを浮かべるガラパに、リンはブチギレた。
「ふざけんじゃねぇ!!!!」
「うがっ!?」
胸ぐらを掴んでいた手はそのままに、ガラパを地面へと殴りつける。
「俺が弱そうだから妻に何しても大丈夫だと思ったの? 残念だったね。あいにく俺は武術経験者だ‼︎」
叩きつけられた衝撃で、肺の空気が抜けて咳き込むガラパに、リンは追撃を加える。
「ぐぅ……っ! ごほっ‼︎ お前、覚えとけよ!」
しばらくして、全身に青あざを作り、片足を引き摺りながらみっともなく逃げるガラパの姿があった。しかひ、リンはそんな彼の様子を道端のゴミのような目で見つめ、ふいと視線を逸らして先を急いだ。
(ビオラ!)
『リン!』
かろうじて現在位置は分かるが、馬に乗れないリンには追いつけそうもない。地理にも疎い為、ビオラから道順を聞きながらでないと追いかけることも出来なかった。
そう、ビオラから知らされた時、リンは焦った。
ビオラの神力は神官なら誰でも見抜けると女神から教えてもらっていたからだ。
最悪なことに、ビオラは逃げ出そうとして自分が元公爵令嬢だということをバラしてしまったらしい。今のところ信じていないようだったが、いつ神官が来てバレるか分からない。
(ビオラ……)
リンは、自分の妻が大変な目に遭っているのに何もできないもどかしさに歯噛みした。
~遡る事……~
ビオラの助けを求める悲鳴が聞こえたのは、森に入って数分後だった。結構深い場所に入っていたこともあり、助けに行くのが遅くなってしまったのだ。
『ごめんなさい……』
精霊たちも、人に直接影響を与える事ができない為なす術もなくビオラは騎士に連れていかれたらしい。
「おお⁉︎ あんた、どこ行くんだ?」
「通してくれ、妻が連れて行かれたんだ!」
「はぁー? 何言ってんだよ。奥さんだってひとりで買い物に行くことなんざあるだろ? 少し待ってみてもいいんじゃねえの?」
急いで追いかけている途中で、ガラパとかいう村人に足止めを喰らった。この男の言い分もたしかに普通だったらあり得る。だが、にやにやと愉悦に満ちた目を見れば、そんな事など1ミリも思っていない事は明らかだった。
「おい、お前がやったの?」
「あ? 何言ってんだよ」
「お前がスミレを騎士に攫わせたのかって言ってんだ!!!!」
胸ぐらを掴んで怒鳴れば、ガラパはへらへらと薄ら笑いを浮かべて肯定した。
「あぁ、そうさ! これであの女が王子のお気に入りになって妃になりゃ俺は金貨10枚もらえるんだ!」
「は?」
「おーおー、怖いなぁ。そんな怖い顔で睨まないでくれヨォ。しょうがねぇなぁ、もし金貨10枚もらえたらお前にも2枚は譲ってやるから」
にまりと嫌な笑みを浮かべるガラパに、リンはブチギレた。
「ふざけんじゃねぇ!!!!」
「うがっ!?」
胸ぐらを掴んでいた手はそのままに、ガラパを地面へと殴りつける。
「俺が弱そうだから妻に何しても大丈夫だと思ったの? 残念だったね。あいにく俺は武術経験者だ‼︎」
叩きつけられた衝撃で、肺の空気が抜けて咳き込むガラパに、リンは追撃を加える。
「ぐぅ……っ! ごほっ‼︎ お前、覚えとけよ!」
しばらくして、全身に青あざを作り、片足を引き摺りながらみっともなく逃げるガラパの姿があった。しかひ、リンはそんな彼の様子を道端のゴミのような目で見つめ、ふいと視線を逸らして先を急いだ。
(ビオラ!)
『リン!』
かろうじて現在位置は分かるが、馬に乗れないリンには追いつけそうもない。地理にも疎い為、ビオラから道順を聞きながらでないと追いかけることも出来なかった。
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